目次
日本瓦屋根の棟部を改修する方法をまとめてみました!
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
先日発生した大阪北部地震の住宅被害は2万棟に達したというニュースを拝見しましたが、被災地の方には心からお見舞い申し上げます。
巨大地震が発生するたびに、日本瓦屋根にお住まいの方には、大変、ご心配をお掛けして申し訳ございません。
今回は古いブロック塀が凶器となりましたが、同様に古い瓦も凶器になりかねないため、瓦屋として、不具合の原因とその対策を今一度、お伝えしたいと思います。
特に、学校や通学路において、古い日本瓦屋根がある地域も数多く残っていますので、危険な屋根があるか、地方行政や学校関係者、PTAのご父兄の方などで再点検していただくことを切にお願いいたします!
巨大地震による古い日本瓦屋根の棟部被害とは
大阪の屋根を見るとブルーシートが多数目立ちます。
これは日本瓦屋根の棟部(頂点部分)が倒壊したものと推測できます。
日本瓦屋根の棟部が旧工法のままですと、震度5強から6弱の巨大地震で倒壊の被害が発生します!
写真をよく見ると、日本瓦屋根でも被害が発生していない屋根も多くあり、もともとガイドライン工法(耐震工法)のものか、ガイドライン工法にメンテナンスされたものだと思います。
巨大地震で被害を受ける旧工法の棟部かどうかは一般の方でも簡単に点検できます。
棟部の外側に銅線が見えるか見えないかが点検のポイントとなります。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください!
旧工法の棟部が脱落すると下にある瓦上に落ちます。
そのため、多くの屋根では屋根の上だけの被害となります。
しかし、屋根形状・地震の震動方向によっては、屋根から瓦が落下することもあります。
家の中にいる人は瞬時に外に避難することはないので、落下物にあたることは少ないと思いますが、道路を歩いている歩行者が建物側に避難すると万が一かもしれませんが、落下物に当たることも考えられます。
そのため、学校や通学路の脇に建っている建物の屋根が日本瓦屋根の場合、旧工法かどうか点検していただき、旧工法の場合は、その対策として棟部分の耐震改修をご検討ください!
耐震改修の方法はいくつかありますので簡単にご紹介します!
いくつかの日本瓦屋根棟部の耐震改修事例!
基本はガイドライン工法に葺き直し!
日本瓦屋根棟部の耐震改修の基本はガイドライン工法による葺き直しです。
今までと美観・デザインはそのままで、震度7でも耐えうる耐震補強となります。
ガイドライン工法での棟部は現在の新築では当然施工されています。
見た目は日本瓦屋根そのままで、耐震補強金物などを使用して施工されています。
ガイドライン工法での葺き直しに関して、詳しい施工手順などはこちらの記事をご覧ください!
費用を抑えたいなら、冠瓦一本伏せ仕様での葺き直し!
日本瓦屋根において、棟部の段数を高くしない冠瓦一本伏せ仕様もあります。
雨漏りを防ぐ・耐震性・耐風性などの屋根としての機能は全く同じですが、少し和風感が減少します。
鬼瓦やのし瓦も使用しないので、トータルの改修費用はガイドライン工法での改修に比べて、安価となります!
施工期間も短くなります!
実際に、耐震改修するとこんな感じになります。
下屋根は通常ののし積そのままですが、2階の棟部は冠瓦一本伏せとなっています。
もう少し冠瓦一本伏せの仕上がりを見てみたいと思われる方は、こちらをご覧ください!
見た目が和風の工夫した冠瓦(一体型冠瓦)での葺き直し!
一般の方にはわかりにくいのですが、この棟は一体形冠瓦が使用されています。
残念ながら仕上がりはガイドライン工法での葺き直しの方がきれいなので、あまり、使用されていません。
価格もガイドライン工法と冠瓦一本伏せの中間となります。
ここまでは、瓦屋が勧める正しい改修方法です。
どの仕様にするか、和風感と費用で比較してお選びください。
巨大地震で多数の被害が発生すると瓦屋による補修工事が間に合いません。
ブルーシートのままでは雨漏りが発生するのでないかという不安もあり、すぐに直してくれるというリフォーム会社に依頼される方も。(瓦屋ではない業者)
長持ちするか、不安な仕様もあります。
ちょっと不安な仕上がりの屋根達
棟部分の瓦の段数が大幅に変化しています。
崩れなかった部分はそのままで、補修している感じです。
耐震化できているか、正直不安です!
瓦屋根の棟部分が板金仕上げとなっています。
美観は度外視したとしても板金の留め付け・変色など、長期耐久性は期待できません。
そして、もっとも多く補修されてしまったと思うのが、ラバーロック工法です。
瓦の隙間を全てシーリングしています。
瓦の特長である雨が少し、瓦の下に浸入しても水分を乾かすことができる隙間を全て塞いでしまっているので、換気性能が著しく低下してしまいます。
棟部の耐震性は建物本体に留め付けることが絶対条件なので、瓦同士を緊結しても耐震性は確保されません。
実際に、ラバーロック工法の棟を耐震試験したら、脱落して不合格でした。さらに、固まりで脱落するので、かえって危険が増すこともわかりました。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください!
巨大地震が来る前にメンテナンスしましょう!
お勧めは、巨大地震が来る前に通常のメンテナンスの一環で耐震補強されることです。
東南海地震の想定で、震度5強以上が予想されている地域は是非、ご検討ください。
地震が来た後に行うのと比較すると、価格もリーズナブルで、品質も安定します!
地元の瓦屋さんに依頼すれば、変な手抜きはできないので安心だと考えることもできます!
F形瓦・平瓦・S形瓦はすでに耐震工法となっているので、ご安心ください。
F形瓦・平瓦・S形瓦はもともと耐震工法での留め付けとなっていますので、耐震補強する必要はありません。
また、現在の新築では、日本瓦を含めても全てガイドライン工法・耐震工法となっています。
築年数の浅い瓦屋根は問題ありません。
古い日本瓦屋根の安全点検を実施しましょう!
まとめ:まずは、学校・通学路脇の屋根から安全点検しましょう!
古い日本瓦屋根の耐震性に心配があることをご紹介しました。
学校関係の屋根から安全点検しましょう!
現在、古いブロック塀について安全点検が実施されています。
併せて、古い日本瓦屋根についても安全点検を是非、お願いいたします!
旧工法だった場合は、棟部の耐震改修をご検討ください。
3つの改修方法を紹介しましたので、デザインと費用でお選びください!
屋根に関してはわかりにくい所ばかりだと思いますので、お気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
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