壁・塗装のついでに、「瓦屋根のしっくい工事」って、やった方がいいの?
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
ここ最近、2件続いてご相談をいただきました。
お施主様から「壁・塗装工事が終わるタイミングで、塗装屋さんから『足場がある内に瓦屋根のしっくい工事をついでにやった方がいいですよ』と言われたけど、やった方がいいの?」とご質問をいただきました。
1件は遠方だったので、電話でのご相談でした。
いろいろお聞きすると「不要の工事」&「誤った工事」でした。
しっくい工事を行う緊急性はなく、さらに、しっくいの「塗り直し」ではなく「重ね塗り」だったようで、誤った工事でした。
塗装屋さんと話をするのに、しっくいの基礎知識を入れておきたいようでした。
もう1件は現場を確認しましたので、簡単にご紹介します!
瓦屋根は塗装屋さんでは、詳しくわかりませんよ~。
バルコニー・外壁の塗装が終わるタイミングで、塗装屋さんから、「屋根を見たら、瓦がズレているので、しっくい工事をした方がいい。足場がある内に早く決断した方がお得ですよ!」と言われたそうです。
数日後、現場に行ってみると、足場はありませんでした。
他の業者に点検してもらうと言ったら、すぐに足場を外してしまったそうです。
塗装屋さんの瓦屋根しっくい工事受注大作戦とは?
塗装屋さんの瓦屋根しっくい工事受注大作戦を推測すると、
①はじめから瓦屋根しっくい工事も見積に入れると合計金額が高くなる。
②塗装工事で信用してもらって、瓦屋根しっくい工事も受注したい。
③足場が外れるまでの時間がないタイミングで話をして、短期間にお施主さんに決断させたい。お施主様が相見積する時間を無くしたい。
こんな所ではないでしょうか?
塗装屋さんの屋根の見立ては?
受注したい塗装屋さんの作戦の優劣は外に置いたとしても、しっくい工事がお施主様にとって役立たないと「不要の工事」となってしまいます。
「不要の工事」は押し売りと同じです!
実際はどうだったのでしょうか?
実際の屋根はこちらです。
築25年の日本瓦屋根です。
塗装屋さんが言う、「瓦がズレている」&「しっくい工事が必要である」とはどこの部分か、いろいろ探しました。
「瓦がズレている」部分はこちらです。
確かに、約3㎝右側にずれていました。
しかし、しっくい工事をしてもこのズレには関係ありません。
実は、このズレなら数秒で簡単に直せます。
しっくい部分で、もっともはがれた部分を探してみると、
しっくいは汚れていますが、はがれた所はありませんでした。
中にある葺き土も見えず、すぐに雨漏りする危険性もなく緊急性はありませんでした。
結果、塗装屋さんの見立ては間違っていました。
この瓦屋根にとって、「しっくい工事」は「不要の工事」でした。
瓦屋の見立て
瓦屋の私の見立ては、数年後に谷板金に孔が開く可能性がありますので、その時期を目安に、棟をメンテナンスした方がいいと思います。
・棟をメンテナンスする際には、折角なので、旧工法の棟(耐震性の低い)をガイドライン工法(耐震性の高い)に葺き直しすることをお勧めいたします!
・「葺き土+しっくい」は「なんばんしっくい」の一体化材料に置き換えます!
・棟は「のし積」から「一本伏せ」に変更して、コストダウンを図ります!
まとめ:塗装屋さんの「ついで」には、ご用心!
塗装屋さんの「ついで」には、注意してくださいね!
「不要の工事」&「誤った見立て」の可能性がありますよ~!
因みに、塗装屋さんでは気が付かない部分を瓦屋はしっかり点検しています!
屋根にはんぺん?
瓦屋は、屋根では滅多に見ないものもしっかりチェックしています!
谷板金の下に見える謎の物体!
じゃじゃーん!
瓦の下に「はんぺん」が2枚ありました。
恐らく、カラスが持ってきたものだと思います。
見落としやすい同色だったのですが、ここはしっかり点検させていただきました!
屋根に不要なはんぺん2枚は回収させていただきました!
神清からのお願い
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