住宅用のセメント系屋根材は3種類あります。
昔、住宅に使われていたセメント系屋根材は主に3種類に分類できます。
①石綿スレート
②厚形スレート
③コンクリート瓦
この中で、アスベスト(石綿)が入っているのは、①の石綿スレートです。
①石綿スレート
住宅用としては、彩色石綿セメント板、着色石綿セメント板などと呼ばれていました。
製造メーカーは、久保田鉄工(株)、松下電工(株)、積水化学工業(株)などでした。
商品名としては、「コロニアル」、「フルベスト」、「かわらU」などです。
もちろん、現在は全て廃盤となり、無石綿スレートの後継品となっています。
②厚形スレート
厚形スレートの原形は大正初期と100年近い歴史があります。
当初はセメントと石綿から作られ、厚みは石綿スレートの4~5mmよりは厚いものでした。
しかし、第二次世界大戦から戦後にかけて、石綿の入手が困難となりました。
石綿を使わずに強度を保つために、製品の厚みを増していきました。
結果、石綿スレートより厚くなったので、厚形スレートという名称になりました。
つまり、厚形スレートは無石綿と言えます。
主原料は、セメント:水=34%:66%を使い、これを混合して水練りしてセメントモルタルを型枠に入れ、加圧成型します。
その後、養生して塗料着色する製法です。
③コンクリート瓦
コンクリート瓦は、押し出し成型方式で作られます。
成型加工時に、顔料着色するという特徴があります。
セメント:細骨材の配合割合が1:3とセメント量が少なく、乾式製法と呼ばれています。
こちらも無石綿となっています。
コンクリート瓦の商品は以下のものがあります。
もっとも有名なのは、モニエル瓦です。
その他にもクボタ洋瓦パラマウントがあります。
ときどき問い合せがあるのは、ビクトリーです。
ビクトリーは、インドネシアで生産した輸入品です。
これらのコンクリート瓦はすべて廃盤となっています。
ポイントまとめ
・セメント系屋根材の中で、石綿が入っているのは、石綿スレート。
・厚形スレート、コンクリート瓦は無石綿。
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