目次
雨漏りの原因を調査するための5つの特定方法
雨漏りの原因を調査する方法はいくつかあります。
建物の構造によって向き不向きがありますので、一概にどの調査方法がいいとは言えません。
また、各調査方法をとってみてもその内容が標準化されているわけではありません。
そこで、代表的な5つの調査方法をご紹介します。
- 目視調査
- 散水調査
- 赤外線サーモグラフィ調査
- 発光液調査
- ドローン撮影調査
それぞれの調査内容と費用を簡単にまとめました。
調査方法 | 費用の目安 | 調査内容 |
---|---|---|
目視調査 | 0円 | 雨漏り部分を目視・写真撮影して、調査する方法です。 |
散水調査 | 0~30万円 | 水道の蛇口にホースをつないで、浸入口に散水をして、雨漏りを再現する調査方法です。 |
赤外線サーモグラフィ調査 | 0~20万円 | 赤外線カメラを使い、建物内外の熱画像を撮影して、雨水の浸入経路を調査する方法です。 |
発光液調査 | 15~20万円 | 雨漏りの浸入口を見分けるために、蛍光液の色を変えて、場所を特定する調査方法です。 |
ドローン撮影調査 | 0~10万円 | 屋根などの高所部分で目視できない所をドローンにより写真撮影して調査する方法です。 |
次の章からそれぞれ解説していきますね。
【雨漏りの特定方法】①目視調査
目視調査は、雨漏りの浸入箇所となり得る建物の外側を目視する調査方法です。
状況によっては写真を撮影して、その画像を拡大して調べることもあります。
目視によって、雨漏りしている室内場所と経路がつながりそうな建物の外側(屋根上、外壁、ベランダなど)の隙間を見つけて、浸入箇所を推定するというものです。(目視調査費用の相場感は、0円です。)
◎目視調査のメリットとしては、調査費用がかからないことです。(0円)
●デメリットとしては、調査結果は調査員の推定という域を出ないため、誤診も発生しやすく補修しても雨漏りが止まらないリスクがあることです。
また、表面上の目視だけでは原因がわからない場合は天井・壁を解体したり、点検口を設けて目視調査を行うこともあります。(解体費用の相場感は、0~10万円です。)
マンションなどの階数の高い建物などでは、建物の外側を見るために足場を組んで調査することもあります。
とくに、タイル浮き、コンクリート外壁のひび割れなどからの雨漏りを調べるときは足場を組む場合が多いです。(足場費用の相場感は、20~万円です。)
【雨漏りの特定方法】②散水調査
散水調査は、水道の蛇口にホースをつないで、浸入口として可能性がある場所に散水をして、室内への雨漏りを再現する調査方法です。
水道水を利用して、通常の雨よりも水量・水圧を増して散水することで、加速試験的に短時間で雨漏りを再現させる手法です。
◎散水調査のメリットは雨漏りを再現できた浸入箇所がわかるため、雨漏り修理で雨漏りが止まる確率は高まります。
●デメリットとしては調査費用が発生します。(散水調査費用の相場感は、0~30万円です。)
建物の構造・状態によっては、浸入箇所を特定するのにかなりの時間と労力がかかるからです。
また、室内へ漏水させるため室内の養生が必要となります。
散水調査の様子を紹介した動画をご覧ください。
【雨漏りの特定方法】③赤外線サーモグラフィ調査
赤外線サーモグラフィ調査は、赤外線カメラを使い、建物内外の熱画像(表面温度を示したもの)を撮影して、雨水の浸入経路を調査する方法です。
撮影した場所の温度差を把握することが可能で、建物の諸条件を把握して、温度差の中から水分が影響している温度差を抽出することで雨漏りしているところを特定します。
◎赤外線サーモグラフィ調査のメリットは目視では確認できない水分を把握することができます。
●デメリットは他の調査方法に比べて、調査場所の周辺環境(狭小地、外壁の状態)に左右されやすく撮影できないことがあります。
特に、外壁の表面に光沢がある場合や外壁が通気構造となっている場合などは外壁内の水分を把握できません。
赤外線サーモグラフィ調査は、すべての雨漏りを可視化できる万能の調査方法と思われる方もいらっしゃいますのでご注意ください。(赤外線サーモグラフィ調査費用の相場感は、0~20万円です。)
赤外線サーモグラフィ調査について詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
4つの雨漏り調査方法の中の「赤外線サーモグラフィーによる調査」をご紹介いたします!
雨漏り調査にサーモグラフィ調査を使うメリットを動画でご紹介しています。
【雨漏りの特定方法】④発光液調査
発光液調査は、雨漏りの浸入口を見分けるために、場所ごとで散水する水に異なる蛍光液の色を加えて、漏水した水の色を確認して浸入口を特定する調査方法です。
蛍光液を特殊なライトで光らせることで、漏水した水の色が把握できるしくみです。
木造建物よりは鉄筋コンクリート造(RC造)で採用されることが多く、構造、工法を問わず使用することができます。
◎発光液調査のメリットはRC造などの浸入箇所が多い建物では、散水後のインターバルを置くことなく、次の場所を散水できるため調査時間を短縮できます。
●デメリットは他の調査費用に比べて、安価な金額で行っている業者は少ないようです。(発光液調査の相場感は5~20万円です。)
業者は調査時間を短縮できますが、雨漏り箇所の特定に関しては特別確率が上がるとは言えないようです。
【雨漏りの特定方法】⑤ドローン撮影調査
ドローン撮影調査は、屋根・外壁などの高所部分で目視できない所をドローンにより写真撮影して調査する方法です。
ドローン調査で撮影した写真はすぐに確認することができます。
デジタルで撮影した画像は鮮明で、細かい屋根の状況を把握することができます。
◎ドローン調査のメリットは目視するとき、従来のように足場を組む必要がなくなります。また、屋根の勾配が急で登ることが難しい屋根も目視することができます。
●デメリットとしては、屋根・外壁の外観だけを撮影するため、表面以外の情報はわかりません。目視調査では、目視以外にも触ることや屋根材を持ち上げることもできるのですが、そういうことはできないので特定できないこともあります。(ドローン撮影調査の相場感は0~5万円です。)
ドローン調査を実際に行ったときのことを詳しく解説していますので、こちらの記事をご覧ください。
雨漏り調査を依頼するときに注意しておきたいこと
雨漏り調査を依頼するときに注意しておきたいことをご紹介します。
- 雨漏り調査について詳しく記載している会社を選びましょう
- 雨漏り調査だけではなく、修理も自社でできる会社を選びましょう
- 雨漏り調査を依頼する会社は調査件数や修理件数が豊富な会社を選びましょう
- 雨漏り調査から雨漏り修理工事するまでは時間がかかることを考慮しておきましょう
- 雨漏り調査を依頼しても原因がわからないとき場合はあきらめずに他の業者に依頼しましょう
- 雨漏りが再発したら調査せずにコーキングで様子を見るのではなく、再度雨漏り調査を行ってもらいましょう
- 雨漏りの再発が繰り返す場合は他の業者に依頼しましょう
雨漏り調査を依頼するときは、業者選びが重要ですので、ホームページなどで雨漏り調査の技量を見極めましょう。
雨漏りの「点検」「調査」「診断」の違いとは
雨漏り修理業者のホームページを比べてみると一見、同じと思える「雨漏り診断」・「雨漏り調査」・「雨漏り点検」という言葉が混在しています。
各業者によってその内容も異なっているので、業者選びのために比較をしようとしてもむずかしい状況だと思います。
そこで、まず言葉の定義をご紹介します。(弊社における定義)
言葉・表現 | 内容 |
---|---|
雨漏り点検 | 雨漏りしている建物の屋根・壁などを目視して、雨漏りの原因を推測すること |
雨漏り調査 | 雨漏りしている建物の屋根・壁などを「目視調査」「赤外線サーモグラフィ調査」「散水調査」「発光液調査」などの手法を用いて、雨漏りの浸入口、原因を突き止めて補修案を作成すること。 |
雨漏り診断 | 雨漏りしている建物を各種手法で雨漏り調査して、雨漏りの原因について診断書・報告書を作成すること。 |
「雨漏り点検」とは、調査を行わないことです。
注意してほしいのは、「雨漏り調査」無料とホームページで記載されているのですが、実際は「雨漏り点検」が無料で、散水調査などを有料で行う会社が結構あるようです。
「雨漏り調査」とは、雨漏り修理するための見積書を作成するために調査して原因を特定することです。
お客様に報告する内容は、修理内容とその御見積がメインとなります。
「雨漏り診断」とは、雨漏り調査して診断書・報告書を作成することを目的としています。
有料で行っている会社がほとんどだと思います。
診断・調査・点検の違いをよく理解しておきましょう!
雨漏り点検・調査・診断について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏り診断が必要なタイミングは?内容や業者の選び方も徹底解説
雨漏りの原因箇所は自分で探せるの?
誰でもできる雨漏りの原因箇所の探し方は「目視調査」です。
特別な道具や建物の破壊を行う必要もなく、最も簡単かつ低リスクに行える調査です。
目視による調査の基本は2つです。
- 孔開き・ヒビ割れの部分を探す
- 他の部分と異なる部分を探す
雨漏りに近い場所の外側を探すだけですので、自分でトライすることもありだと思います。
ただし、はしごに登ったり、屋根に上がることは危険な行為となるのでやめておきましょう。
また、実際に水をかける「散水調査」は、「目視調査」で気になった場所へ行うこととなります。
目視で気になる部分があった場合はチャレンジすることもありだと思います。
ただし、散水調査はコツなどがありますので、何の準備もなく行うことはやめておきましょう。
「目視調査」のチェックポイントや「散水調査」のコツについて詳しく解説していますのでこちらの記事をご覧ください。
自分でできる雨漏り箇所の探し方とは?知っておくべきポイントも紹介
【まとめ】雨漏り修理は業者選びが大事です
代表的な5つの雨漏り調査方法とその費用とメリットデメリットをご紹介しました。
- 目視調査
- 散水調査
- 赤外線サーモグラフィ調査
- 発光液調査
- ドローン撮影調査
調査方法 | 費用の目安 | 調査内容 |
---|---|---|
目視調査 | 0円 | 雨漏り部分を目視・写真撮影して、調査する方法です。 |
散水調査 | 0~30万円 | 水道の蛇口にホースをつないで、浸入口に散水をして、雨漏りを再現する調査方法です。 |
赤外線サーモグラフィ調査 | 0~20万円 | 赤外線カメラを使い、建物内外の熱画像を撮影して、雨水の浸入経路を調査する方法です。 |
発光液調査 | 15~20万円 | 雨漏りの浸入口を見分けるために、蛍光液の色を変えて、場所を特定する調査方法です。 |
ドローン撮影調査 | 0~10万円 | 屋根などの高所部分で目視できない所をドローンにより写真撮影して調査する方法です。 |
調査方法は建物によって、向き不向きもありますのでどれがいいとは言えません。
それよりも雨漏り調査業者をしっかりと選ぶことが大事です。
最終的には雨漏り修理が目的だと思いますので、雨漏りの原因をしっかりと特定し、修理できる業者を探しましょう。
とくに、雨漏り調査無料とホームページでうたっておいて、「散水調査は有料です」という業者も多いようですのでご注意ください。
この業者にあたった場合は、目視だけの推測で修理してもらうのではなく、別の業者を探すことをオススメします。
雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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