目次
- 動画でも解説しています。
- 雨漏り診断とは?
- 雨漏り調査と雨漏り診断が必要なタイミングは?
- すぐに雨漏り診断が必要なときは?
- 雨漏り診断の流れと内容
- 雨漏り診断にはしっかりとした調査が必要です
- 雨漏り調査のときの様子
- 気になる雨漏り診断や雨漏り調査の費用は?
- 雨漏り調査に必要な時間
- 雨漏りが起こる主な3つの原因
- 雨漏り調査で修理が必要なときに火災保険が使える可能性
- 雨漏り調査で修理が必要なときに築10年以内なら無料で修理可能?
- 雨漏り診断士って何?資格保持者がいる業者がオススメ?
- 悪質な雨漏り診断や雨漏り調査を行う業者に注意しよう
- 雨漏り診断がきちんとできる業者の選び方
- 【まとめ】雨漏り診断は優良な業者に早めに依頼しましょう
動画でも解説しています。
雨漏り診断とは?
「雨漏り診断」・「雨漏り調査」・「雨漏り点検」と似たような言葉があります。
各業者によって内容が異なっているので、混乱しやすくなっています。
弊社での定義をご紹介します。
「雨漏り点検」・・・雨漏りしている建物の屋根・壁などを目視して、雨漏りの原因を推測すること。
「雨漏り調査」・・・雨漏りしている建物の屋根・壁などを「目視する」・「赤外線サーモグラフィで熱画像撮影する」・「散水して浸入口を探す」・「発光液で浸入口を特定する」などの手法を用いて、雨漏りの浸入口、原因を突き止めて補修案を作成すること。
「雨漏り診断」・・・雨漏りしている建物を各手法で雨漏り調査して、雨漏りの原因について診断書・報告書を作成すること。
雨漏り診断とは、雨漏り調査して診断書・報告書を作成することを目的としています。
一方、雨漏り調査とは、雨漏り修理・見積作成のために原因を調べることを目的としています。
雨漏り点検は、調査を行いません。
診断・調査・点検の違いをよく理解しておきましょう!
雨漏り調査と雨漏り診断が必要なタイミングは?
雨漏り診断を依頼されるタイミングは以下の2つが多いようです。
- 雨漏りがはじめて起こったとき
- 雨漏りが頻繁に起きて耐えられなくなったとき
この2つでは、室内への雨漏りの症状は余り変わらなくても、壁の内部は大きな違いが起きている場合があります。
壁の内部で劣化が拡がっていたり、構造部分(柱や筋交い)にダメージがあったりする場合は、雨漏り修理の費用が高くなってしまいます。
雨漏り診断は雨漏りが1、2回起きた比較的早期にやるべきだと言えます。
雨漏り診断の費用はピンキリですが、中には良心的な価格でやっている専門業者もいます。
弊社でも、建築業者さんからご依頼いただく雨漏り診断(報告書込み)は66,000~円となっております。(弊社は住まい手からの雨漏り調査は無料で行っています。)
雨漏りが頻繁に起きて耐えられなくなってしまったときのリスクについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
雨漏りを放置すると家の寿命が減ります【屋根屋が危険性を解説】
すぐに雨漏り診断が必要なときは?
雨漏り診断をおこなった方が良い雨漏りの兆候は以下となります。
- 天井のクロスに黒カビが生えている
- 天井板にシミができている
- 天井にある照明器具の中に水が溜まってくる
- 壁内からカビ臭がする
- 外壁に雨染みができている
- 屋根材にひび割れなどが起きている
雨漏り診断が必要な初期症状に関しては、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
雨漏り診断が必要なときは、残念ながら工務店さんとうまくいっていないときが多いようです。
そのため、特に雨漏り診断が必要なタイミングは2つだと思います。
- 新築1、2年で雨漏りの兆候が見られたとき(新築時の施工トラブル)
- 築9、10年で瑕疵担保責任が消滅する前のとき(保証期間中に不安を取り除きたい)
雨漏り診断の流れと内容
弊社が行う雨漏り診断の流れを順番に紹介します。
①メール・電話で雨漏り診断の依頼受付
②建物情報のヒアリング(築年数、建物の概要、雨漏り箇所、図面の有無)
③雨漏り診断費用の御見積を提出
④調査日時の打ち合わせ
⑤雨漏り調査を実施(目視、散水、赤外線サーモグラフィ等)
⑥雨漏り診断書・報告書の提出
⑦費用のお振込み
※弊社の雨漏り診断の特徴は、お伺いした日に雨漏り調査を実施いたします。(2度手間を極力減らして、費用の圧縮を行います。)
弊社で行っている雨漏り調査について、次の章で解説していきますね。
雨漏り診断にはしっかりとした調査が必要です
雨漏り診断は雨漏り調査をしっかり行うことが必須となります。
主な5つの調査内容をご紹介します。
- 目視調査
- 散水調査
- 赤外線サーモグラフィ調査
- 発光液調査
- ドローン撮影調査
気になるこれらの調査の内容とその費用の相場感です。
調査方法 | 費用の目安 | 調査内容 |
---|---|---|
目視調査 | 0円 | 雨漏り部分を目視・写真撮影して、調査する方法です。 |
散水調査 | 0~30万円 | 水道の蛇口にホースをつないで、浸入口に散水をして、雨漏りを再現する調査方法です。 |
赤外線サーモグラフィ調査 | 0~20万円 | 赤外線カメラを使い、建物内外の熱画像を撮影して、雨水の浸入経路を調査する方法です。 |
発光液調査 | 15~20万円 | 雨漏りの浸入口を見分けるために、蛍光液の色を変えて、場所を特定する調査方法です。 |
ドローン撮影調査 | 0~10万円 | 屋根などの高所部分で目視できない所をドローンにより写真撮影して調査する方法です。 |
各々の雨漏り調査の内容について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
雨漏り調査ってなにをするの?費用は?5つの方法をプロが徹底解説!
雨漏り調査のときの様子
雨漏り調査は、最初が肝心です。
目視点検による勘で色々な部分をコーキングなどで汚くするとその後の調査の妨げになります。
最初の業者がしっかりと調査することが再発を防ぐポイントです。
また、お客様への問診も重要です。
何日何時何分頃、どのような雨で雨漏りしたのかという情報は大変貴重な手がかりとなります。
その問診によって、散水の方法も変えることが多いです。
散水調査はノウハウのかたまりで、散水の仕方で結果も異なります。
赤外線サーモグラフィでは、微妙な温度変化を捉えて外壁などの弱点箇所を探したり、漏水の有無を確認します。
ドローン撮影では、足場や高所作業車を使用するとなく、3階建て以上の屋根や急勾配の屋根を調査することができます。
屋根からの雨漏りは、天井裏で原因を追究します。
小動物に出会うこともありますが、しっかりと調査を行います。
屋根での結露も小屋裏調査で発見することがあります。
気になる雨漏り診断や雨漏り調査の費用は?
雨漏り診断の費用はピンキリですが、診断費用の目安は50,000~350,000円とお考えください。
雨漏り調査に加えて、診断書・報告書作成費が上乗せされるからです。
とくに、雨漏り診断業者のグループでは、赤外線サーモグラフィ調査・発光液調査などの特殊な道具を用いるためか、しっかりした価格設定となっています。
弊社では、雨漏り診断は1建物1箇所で約66,000円です。(診断書・報告書作成費込み)
同じ現場では、その後、1箇所増えるごとに雨漏り22,000円追加となります。
他のグループに比べて、リーズナブルな価格となっています。
その理由は、弊社は雨漏り修理をメインで行っているからです。
雨漏りを見つけるだけでは解決とは至らず、雨漏りを止めてこそ、雨漏り業者の価値があると考えているからです。
雨漏り修理や工事に関しては、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
雨漏り工事の費用の目安を5つの箇所に分けて屋根屋が徹底解説!
雨漏り調査に必要な時間
雨漏り調査に必要な時間の目安をまとめています。
調査方法 | 調査に必要な時間 |
---|---|
目視調査 | 30分程度 |
散水試験 | 2時間~1日 |
赤外線サーモグラフィ調査 | 2時間~1日 |
発光液調査 | 半日~3日 |
ドローン撮影調査 | 半日~1日 |
実際には、雨漏り箇所数や物件の大きさ(面積・階数)によって、必要な時間はかわってきますので、確認しておきましょう。
雨漏りが起こる主な3つの原因
雨漏りが起こる主な3つの原因を紹介します。
- 施工不良
- 経年劣化
- 自然災害
それぞれについて簡単に解説します。
①施工不良
- 建築時の施工不良
- DIYや自己修理による施工不良
- 屋根塗装のミス(縁切り不足)
- コーキングのミス(排水経路を埋めてしまう)
- 太陽光パネルやテレビのアンテナ設置時のミス
施工不良が原因の雨漏りは施工後、早い時期(2年以内程度)に発生します。
新築時やリフォーム時に雨漏りする場合は、施工不良の可能性が高いです。
②経年劣化
- 屋根材の破損など
- コーキング劣化・剥がれ
- 棟板金のクギの浮き
- 外壁のヒビ割れ・劣化
- 谷樋の板金の劣化・穴あき
- 屋根の防水の劣化
築10年前後で発生する雨漏りは、経年劣化が原因と思われます。
屋根・壁は日射、風雨、紫外線、温度変化、湿潤乾燥繰り返しなどの厳しい環境下にさらされているため、10年程度で雨漏りすることがあり、経年劣化が原因の可能性が高いです。
③自然災害
- 屋根材が飛ぶ・剥がれる
- 漆喰の崩れ
- 雨樋の詰まり
台風や線状降水帯、豪雨などの自然災害が原因で屋根・雨樋が破損して雨漏りすることがあります。
また、台風は雨に強風が加わるため、屋根材に被害がなくても雨漏りする「吹き込み」という現象も発生します。
雨漏り調査で修理が必要なときに火災保険が使える可能性
加えて、経年劣化が原因で起こった雨漏りも火災保険を使って修理することは難しいです。
強風によって屋根材や壁材などが破損し、その破損個所が原因で雨漏りしている場合は火災保険が使える可能性が高いです。
一方で、先ほど説明した「吹き込み」による雨漏りでは、保険が使えないとお考えください。
雨漏りを火災保険で直したい!経年劣化によるものも可能なのかを解説
火災保険を使った雨漏り修理について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りを火災保険で直したい!経年劣化によるものも可能なのかを解説
雨漏り調査で修理が必要なときに築10年以内なら無料で修理可能?
建築後10年以内の雨漏りは、瑕疵担保責任によって無料で売主(工務店・販売会社)に修理してもらえる可能性があります。
瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは、売買(ばいばい)契約や請負(うけおい)契約の目的物に瑕疵(かし)(基本的な品質が欠けているなどの欠陥)がある場合、売主が買主に対してその責任を負うことを言います。
法律上で保証される部分としては、建物すべてにおける瑕疵ではなく、住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に限定されていますのでご注意ください。
また、住宅は大きな買い物ですので、建てたハウスメーカーや工務店が倒産しても、保険によって修理できるように、住まい手を保護する仕組みがあります。(瑕疵担保責任保険)
瑕疵担保責任により雨漏り修理を行う方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りは瑕疵担保責任により無料で修理可能?事例ごとに徹底解説!
雨漏り診断士って何?資格保持者がいる業者がオススメ?
雨漏り診断士とは、NPO法人雨漏り診断士協会が行う資格認定試験に合格された方の資格です。
約1,100名以上の雨漏り診断士がいるようです。
その他にも、雨漏り鑑定士という一般社団法人雨漏り鑑定士協会の資格制度もあるようです。
雨漏りの資格を持っている方を選んで雨漏り診断を依頼した方がよいのでしょうか?
弊社の考えとしては、オススメしません。
協会さんの技術者とお話すると確かに経験・知識ともすばらしいです。
しかし、残念ながらその経験・知識を約1,000名の他の資格者が共有することは不可能です。
雨漏り診断士だからといって、必ずしっかりとした雨漏り診断ができる訳ではないとお考えください。
悪質な雨漏り診断や雨漏り調査を行う業者に注意しよう
突然、訪問して雨漏り診断を勧めてきたり、無料の雨漏り調査を理由に屋根に上がろうとする業者は悪徳業者の可能性が高いです。
これらは、雨漏り診断・雨漏り調査ではなく、雨漏り点検を行う業者です。
目視して、見た目で雨漏りの有無を判断するだけなので、全く根拠もなくでたらめです。
訪問販売の雨漏り業者はやめておきましょう。
残念ながら雨漏り診断や雨漏り修理で、多額の費用を請求する悪徳業者が未だに存在しています。
テレビCMなどを行っている業者までいますので、見分けることがむずかしくなっています。
詐欺手口や対策については、こちらの記事が詳しいので、ご覧ください。
雨漏り修理の詐欺に要注意!代表的な手口や対策方法を屋根屋が解説!
雨漏り診断がきちんとできる業者の選び方
雨漏り診断がきちんとできる業者選び方は5つのポイントをチェックしてください。
- 「100%雨漏りが直る」「100%雨漏りの原因がわかる」と言っていない業者を選びましょう。。
- 雨漏り調査の手法が複数ある業者を選びましょう。。
- 雨漏りは全面塗装すれば直ると言っていない業者を選びましょう。
- 雨漏り診断・調査を重視して、いきなり安価な補修金額を掲げていない業者を選びましょう。
- 雨が降っていて雨漏りしているときにすぐに駆け付けるとはうたっていない業者を選びましょう。(降雨で診断はできません。)
ホームページなどを調べて、これらのポイントに当てはまる業者を選びましょう。
雨漏り修理ができる優良な業者について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【まとめ】雨漏り診断は優良な業者に早めに依頼しましょう
雨漏り診断とは、雨漏り調査して診断書・報告書を作成することを目的としています。
一方、雨漏り調査とは、雨漏り修理・見積作成のために原因を調べることを目的としています。
雨漏り点検は、調査を行いません。
診断・調査・点検の違いをよく理解して、自分が望む業者を選びましょう。
雨漏り診断が必要なときは、残念ながら工務店さんとうまくいっていないときが多いようです。
そのため、特に雨漏り診断が必要なタイミングは2つだと思います。
- 新築1、2年で雨漏りの兆候が見られたとき(新築時の施工トラブル)
- 築9、10年で瑕疵担保責任が消滅する前のとき(保証期間中に不安を取り除きたい)
雨漏り診断は雨漏り調査をしっかり行うことが必須となります。
雨漏りの資格を持っている方を選んで雨漏り診断を依頼した方がよいのでしょうか?
残念ながら雨漏り診断士だからといって、必ずしっかりとした雨漏り診断ができる訳ではないとお考えください。
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