目次
- 雨漏りの主な原因は?
- 雨漏り診断とは?調査との違いも解説
- 雨漏り診断・調査が必要な時期はいつ?
- 雨漏り診断が特に必要になる2つのタイミング
- 早めに診断を受けたほうがよい「雨漏りのサイン」とは?
- 雨漏り診断の流れと実際の調査内容
- 雨漏り診断で実施される5つの主な調査方法
- 現場の様子は?雨漏り調査の実例を紹介
- 雨漏り診断や調査の費用相場はどのくらい?
- 雨漏り調査にかかる時間の目安
- 雨漏り修理に火災保険が使えるケースはあるの?
- 築10年以内なら無料で修理できる可能性も?
- 「雨漏り診断士」とは?有資格者がいる業者を選ぶべき?
- 悪質業者に注意!雨漏り診断のトラブル事例
- 雨漏り診断で失敗しない!信頼できる業者を選ぶ5つのポイント
- もしかして怪しい?雨漏り修理で詐欺にあってしまったときの対処法
- 【まとめ】雨漏り診断は早め&信頼できる業者に依頼を
雨漏りの主な原因は?
雨漏りの主な原因について紹介します。
雨漏りの主な原因は以下の3つとなります。
- 施工不良
- 経年劣化
- 自然災害
それぞれについて簡単に解説します。
施工不良

築後2年程度で発生する雨漏りは新築建設中の施工不良の可能性があります。
また、リフォーム工事での施工不良もその都度、雨漏りの原因となりやすいです。
- DIYでの知識・経験不足による施工不良
- 屋根塗装時の縁切り不足
- 付属設備(太陽光パネル・アンテナ・エアコン等)設置時の施工不良
経年劣化

築10年程度で発生する雨漏りは経年劣化による場合が多いです。
屋根・壁は日射、風雨、紫外線、温度変化、湿潤乾燥繰り返しなどの厳しい環境下にさらされているため、10年程度で雨漏りすることがあり、経年劣化が原因の可能性が高いです。
- 屋根材のヒビ割れ・はく離など
- コーキング劣化(き裂、はがれなど)
- 棟板金・棟瓦のくぎ・ビス浮き
- 外壁のヒビ割れ・変形など
- 谷板金のあな開き
- 防水層の劣化(ヒビ割れ・あな開き・ドレン不具合など)
自然災害

豪雨・台風・大雪・強風・雹(ひょう)などの自然災害後に、雨漏りすることがあります。
- 屋根材・外壁材・雨樋等の飛散・破損など
- 棟板金の飛散・変形など
- 雨樋・排水ドレン等の詰まり
また、屋根・壁に破損等の被害がなくても、強風雨による隙間からの「吹き込み」という現象でも雨漏りが発生します。
雨漏り診断とは?調査との違いも解説

雨漏り診断について解説します。
「雨漏り診断」・「雨漏り調査」・「雨漏り点検」と似たような言葉がありますが、業者によって内容が異なっているので、混乱しやすくなっています。
弊社での定義をご紹介します。
「雨漏り点検」・・・雨漏りしている建物の屋根・壁などを目視して、雨漏りの原因を推測すること。
「雨漏り調査」・・・雨漏りしている建物の屋根・壁などを「目視する」・「赤外線サーモグラフィで熱画像撮影する」・「散水して浸入口を探す」などの手法を用いて、雨漏りの浸入口、原因を突き止めて補修案を作成すること。
「雨漏り診断」・・・雨漏りしている建物を各手法で雨漏り調査して、雨漏りの原因について診断書・報告書を作成すること。
雨漏り診断とは、雨漏り調査して診断書・報告書を作成することを目的としています。
一方、雨漏り調査とは、雨漏り修理・見積作成のために原因を調べることを目的としています。
雨漏り点検は、調査を行いません。
診断・調査・点検の違いを一覧表にまとめておきます。
| 用語 | 内容・目的 | 主な手法 | 報告書の有無 |
|---|---|---|---|
| 雨漏り点検 | 雨漏り箇所を目視で推測する簡易チェック | 目視のみ | ✕なし |
| 雨漏り調査 | 雨漏りの原因を特定し、補修案を作成するための本格調査 | 目視・赤外線・散水など | △簡易報告はあり得る |
| 雨漏り診断 | 調査の結果をもとに、診断書や報告書を作成する | 調査+診断書作成 | ◯あり |
雨漏り診断・調査が必要な時期はいつ?

雨漏り診断を依頼されるタイミングは以下の2つが多いようです。
- 雨漏りがはじめて起こったとき
- 雨漏りが頻繁に起きて耐えられなくなったとき
この2つでは室内への雨漏りの症状は余り変わらない場合でも、壁の内部は雨漏りによるダメージが進行している場合があります。
壁の内部で劣化が拡がっていたり、構造部分(柱や筋交い)にダメージがあったりする場合は、雨漏り修理の費用が大幅に高くなってしまいます。
そのため、雨漏り診断は雨漏りが1、2回起きた比較的早期にやるべきだと言えます。
雨漏り診断の費用はピンキリですが、中には良心的な価格でやっている専門業者もいます。
弊社でも、建築業者さんからご依頼いただく雨漏り診断(報告書込み)は66,000~円となっております。(弊社は住まい手からの雨漏り調査は無料で行っています。)
雨漏りを放置するリスクについて「雨漏りを放置すると家の寿命が減ります【屋根屋が危険性を解説】」の記事で詳しく解説しています。
雨漏り診断が特に必要になる2つのタイミング

特に雨漏り診断が必要なタイミングについて解説します。
以下のようなタイミングで第三者による客観的な雨漏り診断が求められます。
- 新築後1~2年以内に雨漏りの兆候が発生したとき
- 築9~10年で瑕疵担保責任の保証期間終了が迫っているとき
新築後間もなくの雨漏りの兆候は、住まい手を不安にさせます。
工事の初期不良や施工ミスが原因である可能性があり、雨漏りの有無を含め第三者による雨漏り診断は住まい手の安心につながります。
築10年間際の雨漏りであれば保証対象となるため、第三者による雨漏り診断は原因を明確にすることができ有効です。
早めに診断を受けたほうがよい「雨漏りのサイン」とは?

早めに診断を受けるべき雨漏りのサインについて解説します。
雨漏り診断をおこなった方が良い雨漏りのサインは以下となります。
- 天井のクロスに黒カビが生えている
- 天井板にシミができている
- 天井にある照明器具の中に水が溜まってくる
- 壁内からカビ臭がする
- 外壁に雨染みができている
- 屋根材にひび割れなどが起きている
雨漏りの初期症状について「雨漏りの初期症状と放置してはいけない3つの理由を解説!」の記事で詳しく解説しています。
雨漏り診断の流れと実際の調査内容

雨漏り診断の流れと実際の調査内容について解説します。
弊社が行う雨漏り診断の流れを順番に紹介します。
①お問い合わせ受付:メール・LINE・電話で雨漏り診断のご依頼を受付ます。
②建物情報のヒアリング:築年数や建物の構造、雨漏りの発生箇所、図面の有無などをお伺いします。
③御見積もりのご案内:雨漏り診断内容に応じた御見積書を作成・提出します。
④調査日時の調整:ご都合を伺い、診断調査の実施日時を決定します。
⑤雨漏り調査の実施:目視、散水、赤外線サーモグラフィ等を用いて、雨漏りの浸入箇所・原因を詳しく調査します。
⑥雨漏り診断書・報告書の提出:調査結果をもとに、写真付きの診断書・報告書を作成し、提出します。
⑦ご請求・お支払い:診断費用をご請求します。指定口座へのお振込みをお願いします。
※弊社の雨漏り診断の特徴は、お伺いした日に雨漏り調査を実施いたします。(2度手間を極力減らして、費用の圧縮を行います。)
弊社で行っている雨漏り調査について、次の章で解説していきますね。
雨漏り診断で実施される5つの主な調査方法

雨漏り診断で実施される5つの主な調査方法について解説します。
雨漏り診断は雨漏り調査をしっかり行うことが必須となります。
主な5つの調査内容をご紹介します。
- 目視調査
- 散水調査:ホースで浸入箇所となり得る部分を順番に散水して、加速試験として再現します。
- 赤外線サーモグラフィ調査:赤外線カメラで建物内外の熱画像を撮影して、雨水浸入経路を調査
- 発光液調査
- ドローン撮影調査
雨漏り調査の内容について「雨漏り調査ってなにをするの?費用は?5つの方法をプロが徹底解説!」の記事で詳しく解説しています。
現場の様子は?雨漏り調査の実例を紹介
各雨漏り調査の事例について紹介します。
●目視調査

屋根・外壁・バルコニーなど雨漏りの浸入口となり得る箇所を近接目視します。
●散水調査

ホースを使用して、浸入箇所となり得る箇所を順番に散水して、雨漏り箇所からの漏水の有無を確認します。
●赤外線サーモグラフィ調査


赤外線カメラを使い、建物内外の熱画像を撮影し、浸入経路を調査します。
●発光液調査

異なる色の発光液を入れて散水することで、どこを散水したときに漏水したのか判別します。
●ドローン撮影調査

急勾配屋根、3階以上の屋根において、目視調査の代わりとして、ドローン撮影を行い、写真から判断します。
雨漏り調査は、最初が肝心です。
目視点検による勘で色々な部分をコーキングなどで汚くするとその後の調査の妨げになります。
最初の業者がしっかりと調査することが再発を防ぐポイントです。
また、お客様への問診も重要です。

何日何時何分頃、どのような雨で雨漏りしたのかという情報は大変貴重な手がかりとなります。
問診結果によって、散水の方法を変えることがあります。
雨漏り診断や調査の費用相場はどのくらい?

雨漏り診断や調査の費用相場について解説します。
雨漏り診断や調査費用は、調査内容や業者によって大きく異なります。
| 調査方法 | 費用の目安 | 調査内容 |
|---|---|---|
| 目視調査 | 0円 | 雨漏り部分を目視・写真撮影して、調査する方法です。 |
| 散水調査 | 0~30万円 | 水道の蛇口にホースをつないで、浸入口に散水をして、雨漏りを再現する調査方法です。 |
| 赤外線サーモグラフィ調査 | 0~20万円 | 赤外線カメラを使い、建物内外の熱画像を撮影して、雨水の浸入経路を調査する方法です。 |
| 発光液調査 | 15~20万円 | 雨漏りの浸入口を見分けるために、蛍光液の色を変えて、場所を特定する調査方法です。 |
| ドローン撮影調査 | 0~10万円 | 屋根などの高所部分で目視できない所をドローンにより写真撮影して調査する方法です。 |
雨漏り診断の費用はピンキリですが、診断費用の目安は60,000~350,000円とお考えください。
雨漏り調査に加えて、診断書・報告書作成費が必要となるからです。
とくに、雨漏り診断業者のグループでは、赤外線サーモグラフィ調査・発光液調査などの特殊な道具を用いるためか、しっかりした価格設定となっています。
弊社では、雨漏り診断は1建物1箇所で約66,000~円です。(診断書・報告書作成費込み)
同じ現場では、その後、1箇所増えるごとに雨漏り22,000円追加となります。
他のグループに比べて、リーズナブルな価格となっていますが、その理由として、弊社は雨漏り修理までをメインとして行っているからです。
雨漏りを見つけるだけでは解決とは至らず、雨漏りを止めてこそ、雨漏り業者の価値があると考えているからです。
雨漏り修理の費用目安について「雨漏り工事の費用の目安を5つの箇所に分けて屋根屋が徹底解説!」の記事で詳しく解説しています。
雨漏り調査にかかる時間の目安

雨漏り調査にかかる時間の目安について解説します。
| 調査方法 | 調査に必要な時間 |
|---|---|
| 目視調査 | 30分程度 |
| 散水試験 | 2時間~1日 |
| 赤外線サーモグラフィ調査 | 2時間~1日 |
| 発光液調査 | 半日~3日 |
| ドローン撮影調査 | 半日~1日 |
実際には、雨漏り箇所数や物件の大きさ(面積・階数)によって、必要な時間はかわってきますので、事前に確認しておきましょう。
雨漏り修理に火災保険が使えるケースはあるの?

雨漏り修理に火災保険が使えるケースはあるのかについて解説します。
火災保険が使える可能性が高いケースは、強風などの自然災害が原因で屋根や外壁が破損し、そこから雨漏りした場合です。
一方で、経年劣化が原因で起こった雨漏りは火災保険を使って修理することは難しいです。
建物の構造上、屋根・壁の隙間から風雨が吹き込んで発生する「吹き込み」による雨漏りも火災保険が使えないとお考えください。
火災保険と雨漏り修理について「雨漏りを火災保険で直したい!経年劣化によるものも可能なのかを解説」の記事で詳しく解説しています。
築10年以内なら無料で修理できる可能性も?

築10年以内なら無料で修理できる可能性について解説します。
建築後10年以内の雨漏りは、瑕疵担保責任によって無償で売主(工務店・販売会社)に修理してもらえる可能性があります。
瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは、売買(ばいばい)契約や請負(うけおい)契約の目的物に瑕疵(かし)(基本的な品質が欠けているなどの欠陥)がある場合、売主が買主に対してその責任を負うことを言います。
法律上で保証される部分としては、建物すべてにおける瑕疵ではなく、住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に限定されていますのでご注意ください。
また、住宅は大きな買い物ですので、建てたハウスメーカーや工務店が倒産しても、保険によって修理できるように、住まい手を保護する仕組みがあります。(瑕疵担保責任保険)
瑕疵担保責任と雨漏り修理について「雨漏りは瑕疵担保責任により無料で修理可能?事例ごとに徹底解説!」の記事で詳しく解説しています。
「雨漏り診断士」とは?有資格者がいる業者を選ぶべき?

「雨漏り診断士」と言われる有資格者がいる業者を選ぶべきかについて解説します。
雨漏り診断士とは、NPO法人雨漏り診断士協会が行う資格認定試験に合格された方の資格です。
約1,100名以上の雨漏り診断士がいるようです。
その他にも、雨漏り鑑定士という一般社団法人雨漏り鑑定士協会の資格制度もあるようです。
雨漏りの資格を持っている方を選んで雨漏り診断を依頼した方がよいのでしょうか?
弊社の考えとしては、オススメしていません。
協会さんの技術者とお話すると確かに経験・知識ともすばらしいです。
しかし、残念ながらその経験・知識を約1,000名の他の資格者が共有することは不可能です。
雨漏り診断士だからといって、必ずしっかりとした雨漏り診断ができる訳ではないので、資格よりも実績や技術力を見極めることが大切だと考えます。
悪質業者に注意!雨漏り診断のトラブル事例

悪質業者による雨漏り診断のトラブル事例について解説します。
突然、訪問して雨漏り診断を勧めてきたり、無料の雨漏り調査を理由に屋根に上がろうとする業者は悪徳業者の可能性が高いです。
これらの業者は雨漏り診断・雨漏り調査ではなく、雨漏り点検を行う業者です。
目視して、見た目で雨漏りの有無を判断するだけなので、全く根拠もなくでたらめです。
飛び込みの訪問販売の雨漏り業者はやめておきましょう。
残念ながら雨漏り診断や雨漏り修理で、多額の費用を請求する悪徳業者が未だに存在しています。
テレビCMなどを行っている業者までいますので、見分けることがむずかしくなっています。
雨漏り修理の詐欺について「雨漏り修理の詐欺に要注意!代表的な手口や対策方法を屋根屋が解説!」の記事で詳しく解説しています。
雨漏り診断で失敗しない!信頼できる業者を選ぶ5つのポイント

雨漏り診断を正確に行える業者の選び方について解説します。
雨漏り診断がきちんとできる業者選び方は5つのポイントをチェックしてください。
- 「100%雨漏りが直る」「100%雨漏りの原因がわかる」と言わない業者を選びましょう。
- 雨漏り調査の手法が複数ある業者を選びましょう。
- 雨漏りは全面塗装すれば直ると言わない業者を選びましょう。
- 雨漏り診断・調査を重視して、いきなり安価な補修金額を掲げていない業者を選びましょう。
- 降雨時にすぐに駆け付けると言わない業者を選びましょう。(雨が降っている最中では、正確に診断できないため)
ホームページなどを調べて、これらのポイントに当てはまる業者を選びましょう。
優良業者の選び方について「雨漏りを修理できる優良な業者の選び方と特徴を屋根屋が解説」の記事で詳しく解説しています。
もしかして怪しい?雨漏り修理で詐欺にあってしまったときの対処法

雨漏り修理で詐欺にあってしまった場合の対処法について解説します。
詐欺にあってしまったときの対処法として、以下の2つがあります。
- 消費者センターへ相談(消費者ホットライン「188」)
- クーリングオフの申請
工事契約をした後、なんか怪しいと感じたときには、消費者センターへすぐに相談されることをオススメします。
詐欺業者は様々な手法を駆使してだましにかかります。
少しでも違和感があったら、相談することで不安を解消することができます。
消費者センターは詐欺業者の手口を熟知しているので、アドバイスしてもらえます。
契約後8日以内なら、クーリングオフを申請しましょう。
クーリングオフする旨を業者へ郵送することで成立します。
こちらも消費者センターへ相談しながら行うとスムーズにできます。
【まとめ】雨漏り診断は早め&信頼できる業者に依頼を
雨漏り診断とは、雨漏り調査して診断書・報告書を作成することを目的としています。
一方、雨漏り調査とは、雨漏り修理・見積作成のために原因を調べることを目的としています。
雨漏り点検は、調査を行いません。
診断・調査・点検の違いをよく理解して、自分が望む業者を選びましょう。
雨漏り診断が必要なときは、残念ながら工務店さんとうまくいっていないときが多いようです。
そのため、特に雨漏り診断が必要なタイミングは2つだと思います。
- 新築1、2年で雨漏りの兆候が見られたとき(新築時の施工トラブル)
- 築9、10年で瑕疵担保責任が消滅する前のとき(保証期間中に不安を取り除きたい)
雨漏り診断は雨漏り調査をしっかり行うことが必須となります。
雨漏りの資格を持っている方を選んで雨漏り診断を依頼した方がよいのでしょうか?
残念ながら雨漏り診断士だからといって、必ずしっかりとした雨漏り診断ができる訳ではないとお考えください。
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