目次
タスペーサーとは? 屋根塗装時に必要な理由
タスペーサーとは?屋根塗装時に必要な理由について紹介します。
タスペーサーとは、主にスレート屋根の塗装時に使う補助部材です。
塗装前に、スレート屋根の上下の隙間に差込んで、屋根材同士の隙間を確保することで、塗装時に塗料でその隙間をふさぐことを防止することができます。
屋根材同士の隙間を塗料がふさいでしまうとスレート裏面に浸入した雨水を排水できなくなり、雨漏りにつながります。
タスペーサーを使用することで、スレート裏面の通気性・雨水排水経路を確保することができ、スレート屋根の雨漏り対策となります。
「タスペーサー」は株式会社セイムから販売されている商品の名前で、一般名称としては、「差込み型の縁切り補助部材」となります。
タスペーサーはプラスチック製で、クリップのような形状となっています。
タスペーサーについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根塗装にタスペーサーは必要? 役割とメリット・デメリットを解説
屋根塗装でタスペーサーを入れる場所がある屋根は?
屋根塗装でタスペーサーを入れる場所がある屋根について紹介します。
タスペーサーを入れる場所がある屋根は主にスレート屋根で、その種類には「カラーベスト」や「コロニアル」があります。
とくに、2004年以前のアスベスト入りの屋根材は強度が高いので、スレートの踏み割れを起こしやすいタスペーサーでも適しています。
屋根塗装でタスペーサーが不要・入れる場所がない屋根は?
屋根塗装でタスペーサーを入れる場所がない屋根について紹介します。
屋根塗装でタスペーサーを入れる場所がない屋根としては、トタン屋根・ガルバリウム鋼板屋根・アスファルトシングル・セメント瓦などがあります。
タスペーサーはスレート屋根用として開発されているので、上記屋根で使用するには大きさが適当ではありません。
また、スレート屋根の中でも「パミール」や「レサス」などスレート本体の強度が弱く、塗装自体NGとなっているものは、タスペーサーも同様にNGです。
2004年以降のゼロアスベストは、スレートが踏み割れしやすい傾向があるため、厚みのあるタスペーサーの使用が向いていません。
スレート製造メーカーであるケイミューの施工マニュアルには、差込み型縁切り補助部材の使用について踏み割れの注意喚起を行っています。
タスペーサーを入れる場所はどこ? 基本的な設置ルール
屋根塗装でタスペーサーを入れる場所について紹介します。
屋根塗装でタスペーサーを入れる場所は、スレート屋根材の上下の重なり部の隙間となります。
スレート1枚1枚の上下の重なり部に差込んで使用します。
タスペーサーはスレート屋根の幅によって、「シングル工法」と「ダブル工法」の2種類の取り付け方法があります。
それぞれ横方向の入れる場所が異なることについて、次の章から詳しく解説していきます。
タスペーサーを入れる場所はどこ? シングル工法
シングル工法の際のタスペーサーを入れる場所について紹介します。
シングル工法とは、スレート屋根材の1枚の幅が約60㎝のもので使用されます。
約60㎝のスレート屋根のどちらかの端から15㎝ほど、内側に入った場所に1枚差込みます。(60㎝のスレート1枚に対して、タスペーサーを1個差込みます)
また、約60㎝のスレートでスリットが入っているデザインのタイプでは、どちらかの端から10㎝ほど、内側に入った場所に1個差込みます。
タスペーサーを入れる場所はどこ? ダブル工法
ダブル工法の際のタスペーサーを入れる場所について紹介します。
ダブル工法とは、スレート屋根材の1枚の幅が約90㎝のもので使用されます。
約90㎝のスレート屋根の両端から15㎝ほど、内側に入った場所にそれぞれ1個ずつ差込みます。
また、約90㎝のスレートでスリットが入っているデザインのタイプでも同様に両端から15㎝ほど、内側に入った場所に1個ずつ差込みます。
タスペーサーを入れる場所を間違えるとどうなる?リスクと影響
屋根塗装でタスペーサーを入れる場所を間違えると起こるリスクについて紹介します。
- 踏み割れが発生する
- 雨漏りが発生する
- 防水シート面・スレート内部で結露が発生する
- 屋根材が吸水して劣化する
- 塗膜の耐久性が低下する(水分がたまり、塗膜が傷みやすい)
屋根塗装でタスペーサーを入れる場所を間違えるとスレートに踏み割れが発生しやすくなります。
また、入れる場所を間違えると縁切り効果がない箇所が発生しやすくなります。
縁切り効果がないと数年で雨漏り・結露などが発生するリスクとなりますので、正しい位置、個数を守ることが重要です。
タスペーサーを適切な場所に入れるための注意点
屋根塗装でタスペーサーを適切な場所に入れるための注意点について紹介します。
タスペーサーは2mmの厚さがあり、スレート屋根の踏み割れリスクがあります。
タスペーサーを適切な場所に入れるとは、タスペーサーを使用しても、タスペーサーの段差で踏み割れが発生しない強度があるスレート屋根に入れることを意味します。
2004年以前では、アスベスト入りのスレート屋根の種類が多いので、その屋根には適しています。
また、現場調査の段階で、スレート屋根の種類が900mmタイプか600mmタイプなのかを確認してもらうことも重要です。
タスペーサーを使用したことのない職人では、適切な場所・適切な個数がわからない可能性があります。
見積の段階で、適切な場所・適切な個数を確認しておきましょう。
踏み割れについて詳しくはこちらの動画で紹介しています。
タスペーサーを入れる場所に注意したい屋根の状態とは?
タスペーサーを入れる場所に注意したい屋根の状態について紹介します。
以下のような状態の屋根では、タスペーサーを入れる場所に注意すべきです。
- (素材や経年劣化により)割れやすい屋根
- 反り返った屋根
- 傾斜が緩すぎる屋根
- 4mm以上の隙間がある屋根
2004年以降のゼロアスベストのスレートは踏み割れが発生しやすいです。
すでに廃盤品となっているパミールやレサスなど特定のスレートでは、スレート自体の強度が弱く、塗装自体がNGとなっています。
現場調査の時点で、スレート屋根のひび割れ・割れ・欠けを確認してもらい、発生しているようであれば、タスペーサーを使用することはリスクを伴います。
手作業の縁切りもしくはステンレス製スペーサーを検討しましょう。
ステンレス製スペーサーについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根塗装にタスペーサーは必要? 役割とメリット・デメリットを解説
【まとめ】タスペーサーを正しい場所に入れて屋根を守ろう!
タスペーサーを使用することで、スレート裏面の通気性・雨水排水経路を確保することができ、スレート屋根の雨漏り対策となります。
ただし、タスペーサーは2mmの厚さがあり、スレート屋根の踏み割れリスクがあります。
そのため、タスペーサーは2種類の設置方法があり、スレートの種類によって正しい場所・個数が異なっています。
屋根塗装でタスペーサーを入れる場所を間違えるとスレートに踏み割れが発生しやすくなりますので、正しい場所に入れることを確認しておきましょう。
タスペーサーが設置可能かどうかは屋根の状態にもよりますので、塗装前に専門家と相談されることをオススメします。
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