みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。神谷昭範です。
10年以上前から屋根の実態調査や温熱環境調査を行っています。
・どうしたら雨漏り・結露などの不具合が減るのか?
・長持ちする屋根とは?
屋根材だけではなく、屋根全体について勉強しています。
そんな中、以前、実験棟で観察した野地合板の現象をご紹介します!
屋根・小屋裏の比較実験棟 野地合板裏面の結露とは?・・こんな感じです!
実験棟の小屋裏において、野地合板裏面の結露現象を観察しました。
2月の早朝(7:00~8:00)に観察した現象です。
野地合板裏面にびっしりと汗をかいたように、水滴が付着しています。
野地合板全体にこのような水滴が見えるわけではありません。
この水滴は、小屋裏の軒先側の一部だけでした。
ちょうど、上の写真の四角で囲まれた部分でした。
赤外線サーモグラフィで観察してみました!
また、別の日に赤外線サーモグラフィで観察しました。
屋根面はこんな感じです。
結露が観察された屋根材はスレート屋根でした。
赤外線サーモグラフィで撮影した熱画像がこちらです。
四角で囲まれた部分が赤くなり、周辺に比べて高温になっています。(高温:赤色、低温:緑色)
この部分は局部的に野地合板の裏面で結露していた場所です。
合板内の結露水により、局部的に熱伝導がよく、小屋裏の暖かい温度が屋根面に伝わっている温度が高くなっています。
ちなみに、壁の赤い部分は、軒天換気から排気される小屋裏の暖かい空気により、温度上昇を示しています。
小屋裏側はこんな感じです。
同じスレート屋根の小屋裏を撮影しました。
このような結露が冬季に、繰り返し発生しますと、カビの発生や合板の腐朽劣化に繋がります。
野地合板には、カビが発生しました!
スレート屋根の軒先部には、カビが発生しました。
上の写真は軒先部分に発生したカビです。
このようにカビが繁殖したのは、冬の2~3か月の期間でした。
(ちなみに実験棟の小屋裏換気面積は仕様書基準通りの量で設置しています。)
なぜ、軒先部分に発生するの?
屋根面の軒先部分は壁を基準として、軒先側は外、棟側は小屋裏空間となりますので、壁の真上が境界となり温度差が発生します。
野地合板裏面の温度分布を測定した実験も行っていますので、後日にご紹介いたしますが、合板の位置によって、温度がかなり異なります。
小屋裏が一つの空間であるため、野地合板裏面温度はどこも同じと思われている方が多いのではと思います。
屋根の調査などは、ほとんど行われていないので、屋根は未開拓地なのです。
また、この現象は、スレート屋根面で発生していました。
隣の瓦では、このような現象は観察できませんでした。
スレートは屋根材と野地合板の間に空気層がないため、放射冷却による野地合板温度の低下が顕著で、このような結露が発生しやすいのです。
どうすればいいの?
屋根の野地合板にカビ・腐朽が発生しないようにするには、どうしたらいいの?
方法はいろいろあります。
・屋根材を空気層のある瓦に変える
・小屋裏換気量を増やす
・透湿性のある野地合板にする
・断熱性能を高める
などなど・・・
ここで、強調したいのは、屋根を交換することは足場も必要となり、費用も高額となります。
なので、より安心な屋根を最初に選択することをおススメします!
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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