勾配(こうばい)ってなに?
勾配(こうばい)とは、水平面に対する傾きの度合い、傾斜を意味します。
屋根の仕様・性能に関わる大事な要素として、屋根の勾配(こうばい)があります。
傾斜(けいしゃ)のある屋根の傾きの大きさを表しています。
家の図面などを見ると、こんな表現になっていると思います。
この屋根の勾配を4寸(すん)勾配と呼んでいて、建築関係の方なら大体知っていることです。
寸(すん)とは、長さの単位です。
1寸とは、約30.303mmのことです。
寸は尺貫(しゃくかん)法における単位の1つで、1尺=10/33メートル、1寸=1/33メートルと定められています。(1尺=10寸となります。)
建築関係では、現在も尺貫法を基準としている人も多いです。
また、角度を表すときに、水平方向1尺に対する垂直方向の長さを寸単位で表していました。
その名残りで、屋根の角度は4寸勾配(水平に1尺(10寸)に対する垂直方向の長さ4寸)などと表します。
角度°で表すと4寸勾配=21°48′05″となります。
4/10と分数表示することもあります。
屋根の勾配は何に影響あるの?
ゆるいと雨漏りに影響する/ゆるいと屋根材の種類が限られる
屋根の勾配はズバリ、雨漏りに影響を与えます。
屋根の勾配がゆるいと屋根材の上の雨の排水がゆっくりになります。
屋根の勾配がきついと屋根材の上の雨は一気に排水されます。
雨漏りしないように、屋根材ごとに推奨の屋根勾配が決まっているのです。
通常、瓦ですと4寸勾配以上と言われています。
金属屋根の立平葺きは0.5寸勾配以上とかなりゆるい勾配まで対応しています。
0.5寸勾配=2°51′45″と3°もありません。
ちょっと、心配な程、ゆるい勾配までOKとなっています。
因みにスレート屋根、金属横葺き等は3寸勾配以上です。
2寸、2.5寸は瓦の形状を工夫した緩勾配瓦が対応していますので、葺き替え時の参考にしてください。
きついと施工費用/メンテナンス費用に影響する
屋根の勾配が急になると、屋根材の施工費用が割高になります。
6寸以上ですと屋根面にも足場が余分に必要となり、作業スピードも大幅に遅くなります。
さらに、メンテナンスするときも大変になるのです。
そのため、メンテナンス費用が割高になります。
点検するだけでも、屋根足場が必要となるので、おススメしません。
屋根裏を部屋として、有効利用するような場合はメリット・デメリットで判断してください。
図解 屋根に関するQ&Aでは、よく聞かれる屋根の質問にお答えしています。
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