台風で屋根被害 応急処置・ブルーシート養生の注意点【慶応4年創業の屋根屋が解説】

Dr.神谷
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  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経ホームビルダー」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

巨大台風で屋根に被害があった人。

巨大台風対策として、準備を行っている人。

この記事で伝えたいこと

この記事は、「台風屋根被害が発生した時の応急処置・養生の注意点を知りたい」方向けに書かれています。

屋根被害が発生したら、雨漏りしないように、すぐに応急処置を行いたいですよね。

今回は、大阪・千葉と巨大台風の被害調査を行ってきた屋根屋のプロが台風被害の応急処置・養生の方法を解説していきます。

この記事を参考にして、応急処置の準備をしておきましょう。

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巨大台風で屋根被害 大阪と千葉の違いについて

西日本には、毎年、台風による被害がどこかで発生しています。

そのためか、台風屋根被害の養生も手慣れている印象があります。

一方は、千葉では台風屋根被害の養生がスムーズに行かず、また、続けて台風が上陸したために、2次被害が発生していました。

大阪と千葉の台風屋根被害の養生の違いを見てみましょう。

大阪での屋根養生

2018年の大阪では、自然災害による屋根被害が続きました。

6月 大阪府北部地震(震度6弱)

9月 台風21号・台風24号

と3つの大きな災害が立て続けに発生しました。

どのような屋根養生となっていたか、紹介します。

大阪のブルーシートの張り方

部分的に被害が発生した屋根

台風21号後に、大阪へ調査したときの写真です。

大阪では、棟部(屋根の頂点)が多く飛散しました。

赤丸で囲っている部分は屋根被害の応急処置・養生をしている屋根です。

特徴としては、ブルーシートは被害部分のみを覆っています。

テープ留めや土のう袋の重しでブルーシートの飛散防止をしています。

 

こちらの写真では、被害のあった部分のみを防水シートで覆っています。

 

全体的に被害が発生した屋根

一方、金属屋根などが全面的に飛散した場合は、養生の方法が異なります。

土のう袋などの重しではなく、ブルーシートをあて木で野地板に留め付け、しっかりと押さえています。

そのためか、その後の台風24号による、ブルーシートの2次被害は聞きませんでした。

 

千葉での屋根養生

2019年の千葉は、台風15号と台風19号によって、大きな被害が発生しました。

台風15号の屋根被害に対する復旧が遅かったとよく聞きました。

15号の台風屋根被害養生をしていたら、すぐに、19号が来て、大混乱したと聞きました。

大阪でも、災害が連続しましたが、復旧に関する問題点は、そこまで浮き彫りになりませんでした。

何が違うのかと、被害写真を見比べてみると、ブルーシートでの養生に違いがあることに気づきました。

 

千葉のブルーシートの張り方

15号の直後、千葉を調査したときの写真です。

ブルーシートで、屋根全体をスッポリと覆っています。

土のう袋の重しやロープでの固定が目立ちます。

屋根をスッポリと覆っているブルーシートが、風を受けてふくらんでいます。

大げさに例えるとブルーシートの気球のようになっています。

屋根全体をブルーシートで覆っていますが、被害は部分的なものが多かったのです。

これらの方式は、その後の台風19号に耐えることができず、ブルーシートの2次被害が発生しました。

千葉県での屋根の復旧が大幅に遅れた理由の1つです。

 

千葉のブルーシートの張り方の問題点

屋根をスッポリ覆うブルーシート養生の問題点は以下となります。

①大きな帆となりやすく、強風で飛散しやすい。

②屋根全体を覆うため、屋根の被害状況がわからない。

③補修見積をするのに、ブルーシートをはがして、中を確認しなければならない。

④ブルーシートをはがすのに、手間がかかる。

以上の問題があり、復旧を遅らす原因となっています。

さらに、ブルーシートだけでは、完全に雨漏りを止めることはむずかしいのです。

補修見積を作成するために、ブルーシートの中を確認しょうとしたら、雨漏りするからとブルーシートが10枚ぐらい重なっていたそうです。

それをはがすのに、半日かかり、実際には、屋根の一部に被害があるだけだったという話も聞きました。

 

台風屋根被害の養生方法を紹介します。

部分的な被害の場合

・屋根の上の破損したものを土のう袋に入れる。

・破損した部分より少し大きい面積で養生シート(ブルーシート、防水シート、農業用ビニールシート)をかぶせる。

・水上側は上の屋根材の下に入れ込む。

・養生シートの周辺を防水テープで留め付ける。

・重しとして、土のう袋を上に置く。

棟(屋根の頂点)での被害の場合

・屋根の上の破損したものを土のう袋に入れる。

・板金などの軽くて長い物は屋根から降ろす。

・棟をまたぐ形で養生シートをかぶせる。(棟から0.5~1m程度)

・養生シートの端を防水テープで留める。

・重しとして、土のう袋を上に置く。

全体的な被害の場合

・屋根の上の破損したものを土のう袋に入れる。

・養生シートをかぶせる。(屋根面からシートを出さない)

・養生シートの上から木材を野地板に留め付ける。(なるべく縦方向)

・養生シートの端を防水テープで留める。

・重しとして、土のう袋を上に置く。

その他注意点

・ブルーシートの場合、#3,000以上の厚いブルーシートを使用しましょう。

・養生シートをかぶせる前に、写真を撮っておきましょう。(火災保険用)

・写真は、引いた全体像・面積・長さがわかるような形で撮っておきましょう。(火災保険用)

・養生シートは、部分補修であれば、防水シート・農業用ビニールシートがおススメです。

農業用ビニールシートは透明なので、シートの中を見ることができます。

後から見積を作成するときにも、外さなくてもいいのが利点です。

防水シートであれば、耐久性もあるので、長時間の養生には適しています。

・養生シートは災害が発生した地域では、すぐに品切れとなりますので、台風前に対策用として購入されておくことも何かの役に立つと思います。

 

台風屋根被害の応急処置・養生の注意点 まとめ

屋根をスッポリ覆うブルーシート養生はその後の復旧を遅らせる可能性があります。

部分的な被害の場合、部分的に覆うようにしましょう。

全体的な被害の場合、養生シートを野地板に留め付けましょう。

復旧を急ぐのであれば、火災保険の申請や見積を出しやすいように応急処置・養生をすることがポイントです。

写真を撮影しておくこともおススメです。

 

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