目次
屋根修理前に知っておきたい5つのこと
屋根修理前に知っておいてほしいことは以下の5つです。
- 屋根の名称
- 屋根材の種類
- 屋根の形
- 屋根修理の種類
- 工事の見積もり
次の章から詳しく解説していきますね。
【屋根修理前に知っておきたいこと】①屋根の名称
すでに知っている方もいるかもしれませんが、屋根の部材名称(上写真の赤囲み)を確認しておきましょう。
屋根材(瓦)・・・屋根に使用する建材のこと。例:瓦・スレート・金属など
棟瓦(むねかわら)・・・屋根の頂部に設置する瓦のこと。板金(ばんきん)の場合は棟板金という。
漆喰(しっくい)・・・屋根の頂部の棟瓦とその下の瓦の隙間を埋めるための防水材。中に入っている葺き土(ふきつち)を強風雨から保護している。
雨樋(あまどい)・・・屋根から流れ落ちる雨を集めて、地面まで排水する仕組み。壁面へ雨がかかるのを減らす役割。
雪止(ゆきどめ)・・・屋根に積もった雪が落下するのを防ぐ役割。雪止瓦(かわら)と雪止金具(かなぐ)の2種類がある。
また、屋根の部位名称(上写真の青囲み)も併せて確認しましょう。
平部(ひらぶ)・・・屋根でもっとも面積の広い面の部分。
軒部(のきぶ)・・・屋根の一番下の部分。(水下側)
棟部(むねぶ)・・・屋根の頂部のこと。(水上側)
隅棟部(すみむねぶ)・・・屋根面と屋根面が交わる頂部のこと。
けらば部・・・屋根の端の部分。
他にもありますので、屋根の呼び名がわからなかったら、こちらの記事で調べてください。
【屋根用語・Q&A集】屋根の用語・疑問を図解でやさしくお答えしています!
【屋根修理前に知っておきたいこと】②屋根材の種類
一般的に日本で使用されている主な3つの屋根材について紹介します。
- 瓦屋根
- スレート屋根
- ガルバリウム鋼板屋根
以下で、それぞれの屋根材について簡単に解説します。
瓦屋根
瓦とは、粘土を高温(1100~1200℃以上)で焼いて造った屋根材です。
茶碗や皿と同じように、表面が釉薬(ゆうやく)の発色によって色付けしてあるため、100年使用しても塗装する必要がありません。
瓦屋根としても、60年~80年間は持つ仕様となっていますので、耐久性は抜群です。
また、メンテナンスは点検が中心ですので、30年間以上での屋根コストはもっとも安価となります。
重量が他の屋根に比べて、重いという特徴もあります。
スレート屋根
スレートとは、セメントに繊維や骨材を混ぜて造った粘り強さのある屋根材です。
セメントの表面に塗装しているので、退色・コケなどで美観は経年で低下します。
美観を保つためには、塗装が必要となります。
スレート屋根としては、30年間は持つ仕様となっていますので、25~30年毎に大規模改修が必要です。
10年毎の塗装と30年毎の大規模改修を行うと、初期費用は安価ですが、30年間以上での屋根コストはそこそこ高価となります。
重量が瓦とガルバリウム鋼板の中間となります。
ガルバリウム鋼板屋根
ガルバリウム鋼板とは、鉄鋼の表面にアルミと亜鉛等をメッキした鋼板のことで、最近、増えている金属屋根材の1つです。(以前のトタン屋根の耐久性を向上させたもの)
メッキ層の表面に塗装しているので、退色や錆びなどで美観は経年で低下します。
美観を保つためには、塗装が必要となります。
ガルバリウム鋼板屋根としては、30年間持つ仕様となっていますので、25~30年毎に大規模改修が必要です。
10年毎の塗装と30年毎の大規模改修を行うと、初期費用は安価ですが、30年間以上での屋根コストはもっとも高価となります。
重量が最軽量なことと、屋根の傾きが緩い勾配(こうばい)(0.5寸以上)でも対応可能になっています。
【屋根修理前に知っておきたいこと】③屋根の形
一般的に採用されている主な屋根の形を4つ紹介します。
- 妻屋根(きりづまやね)
- 寄棟屋根(よせむねやね)
- 片流れ屋根(かたながれやね)
- 陸屋根(りくやね・ろくやね)
以下で、簡単に解説します。
切妻屋根(きりづまやね)
切妻屋根とは、棟の左右に四角形の斜面を取り付けた形状の屋根のことを言い、本を開いて伏せたような形状で屋根の基本とも言えます。
寄棟屋根(よせむねやね)
寄棟屋根とは、4方向に傾斜する4つの屋根面を持つものです。
片流れ屋根(かたながれやね)
片流れ屋根とは、一枚の屋根が一方向に傾斜している屋根形状のことを言います。
陸屋根(りくやね・ろく屋根)
陸屋根とは、傾斜の無い平面状の屋根のことです。
フラットルーフとか、屋上(屋上)と呼ばれることもあります。
【屋根修理前に知っておきたいこと】④屋根修理の種類
屋根修理には大きく分けて、2種類の修理方法があります。
以下で、簡単に解説します。
部分修理
瓦の差し替え:瓦1枚から交換可能(費用目安:25,000円~)
漆喰(しっくい)の塗り替え:(費用目安:10万円~)
日本瓦棟の葺き直し:耐震・耐風仕様で棟部を葺き直し(費用目安:30万円~)
棟板金の交換:はがれそうな棟板金を交換(費用目安:30,000円~)
雨樋の交換:破損した雨樋の交換(費用目安:10万円~)
雪止金具の設置:雪止金具を新たに設置(費用目安:25,000円~)
全体修理
屋根塗装:スレート・ガルバリウム鋼板の塗装(費用目安:50万円~100万円)
屋根カバー工法:ガルバリウム鋼板によるカバー(費用目安:70万円~150万円)
屋根葺き替え:既存屋根材をはがして新規屋根材で葺き替え(費用目安:100万円~300万円)
※約30坪あたりの費用目安
【屋根修理前に知っておきたいこと】⑤見積もり
屋根修理を検討される場合、「何のために修理するのか」と、目的を明確にしておくことが大事です。
「美観をよくするための修理」、「雨漏りを直すための修理」、「屋根を長持ちさせるための修理」など、目的によって、見積もり内容が異なるからです。
その上で、見積もりを依頼しましょう。
見積もりを依頼する際には、外観だけでは不十分で、しっかりと屋根の状態、小屋裏の状態、立地などを調査・確認してもらうことが必要です。
優良な業者は、美観の症状だけでなく、屋根修理が必要な症状やその原因を探し出し、適切な見積もりを提出してくれます。(優良な屋根修理業者の特徴や選び方は、後ほど詳しく解説します。)
見積もりをとるときは、相見積もりといって複数の業者の見積もりをとるようにしましょう。
金額の比較も大事ですが、業者によって、現状の屋根の見立てが異なる場合があります。
屋根修理の方法や得意な修理が異なり、不要不急な修理の提案をされることがありますので、見積もりの内容をしっかりと比較しましょう。
屋根材によって違う劣化症状
屋根材によって違う劣化症状がありますので、簡単に紹介します。
瓦屋根の劣化症状
瓦は塗装されていないので、瓦の表面の色の変化は経年美として、判断されることが多いです。(お寺さんの屋根や京都の屋根などです。)※瓦を塗装することはオススメしません。
瓦屋根では、瓦のズレ、強風による浮き・めくれ、飛来物による欠け・割れなどが発生します。
また、谷板金の穴開きによる雨漏りも起きます。
スレート屋根の劣化症状
スレートの塗装部分の色あせ・汚れ・コケの発生、スレートの浮き・反りなど、美観の劣化が発生します。
スレートの施工時の踏み割れが経年で成長して、欠け・割れ・ひび割れが多数見られます。
スレート屋根の棟板金は釘浮きや錆びの発生が見られます。
スレート屋根はけらば部からの雨漏りも起きます。
ガルバリウム屋根(金属屋根)の劣化症状
ガルバリウム鋼板の塗装部分の色あせ・錆びの発生、へこみ。変形・浮きなど、美観の劣化が発生します。
ガルバリウム鋼板の曲げ加工部(軒部・けらば部・棟部)は錆びやすくなっています。
ガルバリウム鋼板屋根の棟板金は釘浮きや錆びの発生が見られます。
ガルバリウム鋼板屋根は軒部・けらば部・棟部からの雨漏りも発生します。
屋根修理やメンテナンス時期の目安は?
屋根材の種類によって、屋根修理やメンテナンス時期が異なります。
以下の表にまとめました。
屋根材の種類 | 大規模改修時期 | 点検時期 |
---|---|---|
瓦屋根 | 50~60年 | 10年毎 |
瓦屋根・通気下地屋根構法 | 80年 | 10年毎 |
スレート屋根 | 25~30年 | 10年毎 |
ガルバリウム鋼板屋根 | 25~30年 | 10年毎 |
瓦屋根は他の屋根材の倍の耐久性があります。
また、長期優良住宅の劣化等級3に対応した瓦屋根の通気下地屋根構法は、最長の80年となっています。
メンテナンス費が削減できることは、大きなメリットになります。
優良な屋根修理業者の特徴や選び方は?
優良な屋根修理業者の特徴は、どんな屋根材に関しても知識・経験・対応ができることです。
また、屋根材だけのことではなく、屋根下地などの建物の状態も確認・対策できるスキルがあることです。
屋根は、雨漏り以外にも結露が発生しやすい場所で、結露対策もできることが重要です。
優良な屋根修理業者の選び方は以下の7つとなります。
- どんな屋根材にも対応可能か
- しっかりした現状調査できるか
- 部分補修することができるか
- 雨漏り・結露対策は対応可能か
- 修理費用が相場内か
- 近所への配慮ができるか
- アフターフォローが良いか
依頼する前に、屋根修理業者にいろいろと話をする中で、確認するが必要になります。
すぐに判断することはむずかしいので、慌てて契約しないことが重要です。
【まとめ】屋根修理前に必要な知識を身につけよう!
屋根修理前に知っておいてほしいことは以下の5つです。
- 屋根の名称
- 屋根材の種類
- 屋根の形
- 屋根修理の種類
- 工事の見積もり
屋根修理業者と話をする上で、屋根用語がわからない場合が多いと思います。
「屋根の名称」は何となく理解しておきましょう。
屋根修理は、「部分修理」と「全体修理」があります。
費用が大きくことなりますので、部分修理も検討してみてください。
優良な屋根修理業者の選び方は以下の7つとなります。
- どんな屋根材にも対応可能か
- しっかりした現状調査できるか
- 部分補修することができるか
- 雨漏り・結露対策は対応可能か
- 修理費用が相場内か
- 近所への配慮ができるか
- アフターフォローが良いか
屋根修理を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。
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