目次
屋根のリフォームってなに?
屋根リフォームとは、屋根の屋根材の変更や最新の機能を付加することで、現在の仕様・工法に合わせた屋根に改善することです。
リフォームの前後で、屋根の性能を大きく改良することができます。
屋根のリフォーム事例としては、屋根の葺き替え、葺き直し、塗装、雪止の追加工事、棟換気の設置、雨樋・天窓の改修、太陽光発電・温水器の設置などがあります。
一方で、よく似た意味で使われる言葉としての屋根メンテナンスとは、屋根の破損や不具合が生じたときに修繕して、新築時の機能を元通りにすることです。
屋根のメンテナンスとリフォームの違いについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根のリフォームの種類と費用の目安
屋根の大きなリフォームとしては4種類あります。
- 葺き替え:既存の屋根材をめくり、新しい屋根材に交換する工事
- 葺き直し:既存の瓦を順番にめくりながら、その瓦を再度留め付ける工事
- カバー工法:既存の屋根材の上に新しい屋根材をおおう工事
- 塗り替え:表面塗装が劣化して色落ちした屋根材に塗料を塗る工事
屋根を全面的にリフォームする費用の目安を紹介します。
修理内容 | 約100㎡の建物の費用相場 |
---|---|
葺き替え ※古い屋根材を撤去して、新しい屋根材を施工 | 100~240万円 |
瓦の葺き直し ※瓦を部分的に外しながら、ビス留めする | 70~150万円 |
カバー工法 ※金属屋根、アスファルトシングルで重ね葺き | 80~150万円 |
塗り替え ※既存のスレート・金属屋根の再塗装 | 40~80万円 |
※上記表は足場費用を含みません。
リフォームで屋根葺き替え工事を行った場合の費用と内訳
屋根リフォームで屋根葺き替え工事を行うメリットを紹介します。
- 建物の寿命が伸びる
- 屋根下地材の点検・補修ができる
- 家の外観を一新できる
- 最新の工法となり自然災害に強くなる
屋根を葺き替えることで、最新の屋根材・防水シート・施工内容の屋根となり、近年の自然災害にも耐えることができます。
また、既存屋根材の下で隠れてしまっている屋根下地材の点検・補修を行うこともこれから先20~30年の安心にもつながります。
一方でデメリットとしては、他のメンテナンス工事(塗装、カバー工法)と比較すると既存の屋根材を撤去・処分する費用がかかるため、工事費用は高額となります。
葺き替え工事の簡単な内訳を紹介します。
既存屋根の撤去費・処分費、新規屋根の施工費、下地補修費、防水シート、足場費用等が主な内訳となります。
内容 | 費用相場(㎡単価) |
---|---|
既存屋根材の撤去費 | 1,500~3,000円/㎡ |
既存屋根材の処分費 | 1,500~3,000円/㎡ |
新規屋根材の材料・施工費 | 【日本瓦・平板瓦】 8,000~12,000円/㎡ |
【スレート/カラーベスト・コロニアル】 5,000~8,000円/㎡ | |
【ガルバリウム鋼板/横葺き・縦葺き】 6,500~9,000円/㎡ | |
下地材料・補修費 | 2,500~3,500円/㎡ |
防水シート材料・施工費 | 500~1,500円/㎡ |
足場費用 | 900~1,500円/㎡ |
神清の葺き替え工事について詳しくはこちらの記事で解説しています。
リフォームで屋根葺き直し工事を行った場合の費用と内訳
葺き替えとは、すでに葺かれている屋根材を撤去して新しいものに替えることです。
一方、葺き直しは、すでに葺かれている屋根材を一旦、撤去して、屋根下地などを補修して、既存の屋根材で施工し直すことです。
このとき、屋根材の固定や屋根下地の補修は現在の仕様で行うことが一般的です。
葺き直しができる屋根材は瓦となります。
葺き直し工事の簡単な内訳を紹介します。
既存瓦の撤去費・仮置き費・施工費、下地補修費、防水シート、足場費用等が主な内訳となります。
内容 | 費用相場(㎡単価) |
---|---|
既存屋根材の撤去費 | 1,500~3,000円/㎡ |
既存屋根材の仮置き費 | 1,500~2,000円/㎡ |
既存屋根材の施工費 | 【日本瓦・平板瓦】 4,000~6,000円/㎡ |
下地補修費 | 2,500~3,500円/㎡ |
防水シート施工費 | 500~1,500円/㎡ |
足場費用 | 900~1,500円/㎡ |
葺きかえと葺き直しの違いについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
リフォームでカバー工法を行った場合の費用と内訳
カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい防水シートと屋根材をかぶせる工法のことです。
既存屋根材を解体する作業が不要なことから、工事費用が安価となり人気の屋根修理の方法です。
スレート屋根・金属屋根・アスファルトシングル屋根などの平滑な屋根で採用される工法です。
瓦屋根、セメント瓦屋根などの厚み・凹凸のある屋根では対応していません。
カバー工法のメリットとしては、既存の屋根材をはがす費用がかからないため、葺き替えに比べて安価となります。
また、既存の屋根材をはがさないため、工事中の急な雨でも雨漏りするリスクが少ないです。
デメリットとしては、雨漏り・結露などの屋根不具合では、屋根下地が劣化していて強度がないため、カバー工法が施工できないことです。
また、今回の屋根修理ではカバー工法したとすると、次回の屋根めくり費用(解体・葺き替え)が2倍以上の高額になってしまうことです。
カバー工法工事の簡単な内訳を紹介します。
既存棟板金の撤去費、新規屋根材の施工費、粘着層付防水シート、足場費用等が主な内訳となります。
内容 | 費用相場(㎡単価) |
---|---|
既存棟板金の撤去費 | 1,000~2,000円/㎡ |
新規屋根材の施工費 | 【スレート/カラーベスト・コロニアル】 6,000~9,000円/㎡ |
【ガルバリウム鋼板/横葺き・縦葺き】 7,500~10,000円/㎡ | |
粘着層付防水シート施工費 | 1,000~2,000円/㎡ |
足場費用 | 900~1,500円/㎡ |
カバーの工法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根修理でカバー工法を行うメリットやデメリットは?注意点も解説!
リフォームで屋根の塗り替えを行った場合の費用と内訳
屋根の塗り替えの役割とは、美観の改善、屋根材の保護、遮熱やはっ水などの機能付加となります。(陸屋根・屋上を除く)
屋根は屋根材の下にある防水シートで雨漏りをふせいでいるため、屋根から雨漏りしている場合は、屋根の塗り替えを行っても雨漏りは直りません。
あくまでも、屋根材表面の機能付加とお考えください。
また、粘土瓦は塗装品ではありませんので、塗り替えはNGとなっています。
塗り替え工事の簡単な内訳を紹介します。
既存屋根の高圧洗浄・養生、板金等ケレン費、塗り替え、足場費用等が主な内訳となります。
内容 | 費用相場(㎡単価) |
---|---|
屋根の高圧洗浄 | 150~300円/㎡ |
養生・ケレン費 | 300~1,000円/㎡ |
既存屋根材の塗り替え費 | 2,000~4,000円/㎡ |
棟板金・ケラバ板金等の塗り替え費 | 1,000~2,000円/m |
足場費用 | 900~1,500円/㎡ |
その他のリフォームの種類と費用
葺き替え、葺き直し、カバー工法、屋根の塗り替え以外のリフォームについて紹介します。
費用目安を一覧表にまとめました。
リフォームの種類 | 内容 | 費用目安 |
---|---|---|
雪止追加工事 | 屋根の先端付近に雪止を新に設置する | 10~20万円 |
雨樋の改修 | 雨樋を撤去して、新規に雨樋を設置する | 25~65万円 |
棟換気設置 | 棟換気を新たに設置する | 10~30万円 |
天窓交換 | 既存の天窓を撤去して、新たに天窓を設置する | 40~50万円 |
太陽光発電設置 | 屋根に新たに太陽光発電を設置する | 150~250万円 |
大きなリフォームでは負担が大きくなる屋根の解体費用
屋根葺き替え工事のような大きなリフォームの場合は、屋根の解体費用(撤去費用)が必要となります。
その費用は屋根の種類によって異なります。
主な屋根材の解体工事の単価目安を紹介します。
既存屋根の状況 | 工事単価 |
---|---|
瓦屋根撤去・処分 | 3,000~3,500円/㎡ |
土葺き瓦屋根撤去・処分 | 5,000~5,500円/㎡ |
石綿スレート屋根撤去・処分 | 5,000~5,500円/㎡ |
無石綿スレート屋根撤去・処分 | 3,000~3,500円/㎡ |
トタン屋根撤去・処分 | 2,000~2,500円/㎡ |
カバー工法屋根(2つの屋根材)撤去・処分 | 10,000~11,000円/㎡ |
下地調整費 | 3,000~4,000円/㎡ |
注意してほしいのは、石綿スレート屋根の解体・改修に対する規則は年々厳しくなっており、費用も上昇しております。
また、カバー工法してある2重屋根の解体は分別解体が必要なため、割高となっています。
自分で屋根のリフォームを行うことはオススメできない
屋根のリフォームは大きなものになると費用が高額となりますが、自分でリフォームを行うことはオススメできません。
自分でリフォーム行うリスクを紹介します。
- ケガをするリスク
- リフォームしても直らないリスク
- 火災保険が使えなくなってしまうリスク
ケガするリスク
屋根の上で作業を行うことは、傾斜面かつ高所作業となるため大変危険ですのでケガするリスクがあります。
屋根から地面までは1階屋根だと4~5m、2階屋根だと6~7mあります。
屋根から転落した場合は入院するような大ケガとなりますし、最悪の場合は命の危険まであります。
リフォームしても直らないリスク
瓦・スレートなどの屋根材には屋根材同士に適切な隙間が必要な構造となっています。
その隙間から雨水が排出される仕組みとなっているので、むやみに塗装・コーキングしてふさいでしまうとかえって、雨漏りが悪化することが多いです。
瓦の割れ、瓦のずれ、漆喰(しっくい)の剥がれやスレート屋根のヒビ割れなどをDIYで補修することは難しいので、オススメできません。
間違ったリフォームや誤ったリフォームをしてしまうと、さらに状況を悪くしてしまったり、業者に支払う費用が余分に必要になってしまったりすることがあるのでご注意ください。
火災保険が使えなくなってしまうリスク
自然災害(台風、大雪、雹)により屋根が壊れてしまった場合は、風災に対応している火災保険にご加入の場合、保険を利用することで屋根の修理費用の全額または一部の費用が補償されます。(保険を使うための費用はかかりません。)
台風などで屋根に被害が発生して、火災保険を利用して修理ができる場合であっても、申請前に自分でDIYによる修理を行ってしまうと火災保険の適用が難しくなってしまうことがあります。
DIYする前の被害写真が必要なのですが、撮り忘れてしまうことが多いようです。
また、被害を直す業者からの見積書も必要となるため、DIYは応急処置程度までとしておきましょう。
【まとめ】リフォームの特徴や費用は把握しておこう
屋根のリフォームは葺き替え、葺き直し、カバー工法、塗り替えの4種類が全面的な工事方法となります。
それぞれの工事内容にメリット・デメリットがあり、費用も異なります。
自分のしたい屋根リフォームがどれか、あらかじめ、特徴や費用を把握しておきましょう。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
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私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。