瓦屋根はどうして雨漏りするの?
図解 屋根に関するQ&A
よく聞かれる屋根への質問にわかりやすくお答えします。
「瓦屋根って、瓦があるのになぜ雨漏りするの?」とお施主さまから質問をいただきました。
Q:瓦屋根はどうして雨漏りするの? ~Q023~
A:瓦とは何百枚もの瓦が重なりながら並んで瓦屋根となる。瓦同士の隙間から雨が入る。入った雨の一部は葺き土を通って、下葺材(杉皮)の上を流れる。下葺材に穴が開いているとそこから室内側へ雨が落ちる。室内側で雨が滴下したのをお施主さまが確認すると雨漏りとなる。(日本瓦-土葺き(どぶき)工法の場合)
瓦の隙間から雨が入る
瓦の隙間とは、時間とともに瓦の並びにズレが発生したり、強風で瓦の浮き上がることにより発生します。
また、異業種の職人が屋根をあるく時に、瓦を踏み割ったり、飛来物により瓦の破損によっても瓦の隙間ができます。
この瓦の隙間から強風雨時に、雨が瓦下に浸入することがあります。
瓦を丁寧に剥がしてみるとその下の葺き土はこんな感じです。
瓦から浸入した雨は瓦下の葺き土に吸水されます。
一方で、赤丸のような葺き土の隙間に伝わった雨はその下方の下葺材へ流れていきます。
次に、葺き土をはがしてみると上の写真のように、下葺材(この物件では杉皮)(防水材)があらわれました。
葺き土を通過して流れ込んだ雨水は下葺材・杉皮などの上を流れます。
下葺材・杉皮などに、このようにわずかでも穴が開いていると穴から雨水が室内へ滴下します。
室内へ滴下した雨水をお施主さまが発見することで、雨漏りとなります。
かなり長い経路ですが、それでも雨漏りすることもあります。
それでは、雨漏りを補修することを考えてみます。
瓦屋根でいいのは、メンテナンスが行いやすいことです。
この写真のように、室内で雨漏りしている部分の瓦屋根を部分的に補修することも可能だからです。
まず、下葺材(防水材)の穴を塞ぐために、高級ルーフィング(防水材)を施工します。
周辺の瓦、葺き土、杉皮との納まりを考慮して設置します。
瓦から浸入した雨水が一部に集中して、流れ込まないように注意します。
周辺の瓦と高さが合うように、葺き土・なんばんしっくいなどを用いて、瓦同士の隙間が小さくなるように調整して瓦を施工します。
既存の瓦を再利用しながら、雨漏り修理の完成です。
日本瓦の特徴であるメンテナンスの良さを生かして、部分補修した事例です。
簡単に、瓦屋根が雨漏りする原因とその補修例をご紹介いたしました。
(物件の劣化状況によっては、この補修方法が行えない場合もあります、念のため)
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