目次
- スレート屋根塗装でタスペーサーは必要?
- スレート屋根塗装でタスペーサーが主流に?-その理由とメリット
- スレート屋根塗装のタスペーサーの役割とは?
- スレート屋根の塗装でタスペーサーを使わないとどうなる?
- スレート屋根塗装時のタスペーサーの設置手順
- スレート屋根塗装時のタスペーサーの使い方
- スレート屋根でもタスペーサーが適していない種類とは?
- スレート屋根塗装でのタスペーサーの選び方
- 踏み割れしやすいスレート屋根でも使えるタスペーサーはないの?
- スレート屋根塗装時にタスペーサーを使用する際の注意点
- スレート屋根塗装でタスペーサーを使用すると費用はどのくらい?
- 【まとめ】スレート屋根の塗装時はスペーサーの使用を検討しよう!
スレート屋根塗装でタスペーサーは必要?
スレート屋根塗装でタスペーサーは必要なのか?について紹介します。
屋根塗装でタスペーサーを用いることができるのは、スレート屋根のみです。
スレート屋根の中でも、平らな形状をしている主にかカラーベスト・コロニアルと呼ばれる屋根材に適しています。
スレート屋根塗装では、上下の重なりの隙間が塗料で埋まりやすく、雨漏りリスクが高まるので、縁切り作業が必須とされています。
縁切り作業は一般的には、塗装後、塗料が乾いて歩けるようになってから、上下の重なりの隙間にカッター・皮スキ・スクレーパーなどを差込んで、隙間の塗膜を切る手作業の行為のことです。
タスペーサーは「差込み型縁切り補助部材」と呼ばれるもので、塗装前に上下の重なりの隙間に差込まれ、その厚みで隙間を確保することで塗装中・塗装後と塗料で隙間が埋まらないようにする縁切り作業の1つです。
スレート屋根塗装の縁切り工程では、手作業の縁切りが王道であるものの、タスペーサーを使用した縁切りも増えています。
つまり、タスペーサーは必須ではないものの、必要とされ、主流になりつつあります。
スレート屋根の塗装について詳しくはこちらの記事で解説しています。
スレート屋根の塗装での注意点!縁切り・スペーサーを詳しく解説!
スレート屋根塗装でタスペーサーが主流に?-その理由とメリット
スレート屋根塗装でタスペーサーが主流に?-その理由とメリットを紹介します。
スレート屋根塗装でタスペーサーを使うメリットは以下となります。
- 塗装後に行われる手作業の縁切りが不要になるため、工期が短くなる
- タスペーサーは差込んだままなので、縁切りの有無が後からでも確認できる
- 塗装後、屋根に上がらないので、塗装の仕上がりがきれいになる
- 手作業の縁切りで発生する塗膜の剥がれを防げる
塗装後の手作業の縁切りがなくなるので、工期短縮/足跡がつかず仕上がりが向上する/せっかく塗装した塗膜が剥がれることを防げるなどのメリットがあります。
スレート屋根の雨漏り原因の第1位は「塗装後の縁切り不足」です。
スレート屋根塗装では、確実に縁切り作業が行われる必要があり、タスペーサーは差込んだままなので、縁切りの有無が後からでも確認できるので、塗装作業を見守る必要がなく安心です。
また、塗装業者の中には、「上下の重なり部は刷毛塗りなどで塗膜を薄く塗るので、塗料が隙間をふさぐことはない」と縁切り不要論の方もいるようですが、塗膜が薄くなる分だけ塗装の劣化が早まります。
塗装業者が縁切り工程を省くために、せっかく実施した塗装の寿命が短くなってしまうのは、住まい手にとっては残念な話しです。
縁切りしない業者に依頼するのはやめておきましょう。
スレート屋根の縁切りについては詳しくはこちらの記事で解説しています。
スレート屋根の縁切りが不足すると雨漏りが発生する? 対応策も紹介
スレート屋根塗装のタスペーサーの役割とは?
スレート屋根塗装する際のタスペーサーの基本的な役割について紹介します。
スレート屋根塗装でのタスペーサーには、以下の役割があります。
- 屋根材の隙間が塗料でくっつくことで発生するトラブルを防ぐ
- スレート裏面の通気性を確保し、雨水が溜まらないようにする
- 上下の重なり部の隙間を確保するので雨漏りを防止できる
- 屋根材裏面の通気性が向上するので、スレート内での結露を防止できる
タスペーサーの基本的な役割は手作業の縁切りの代用です。
塗装後、数年で発覚する雨漏りを防止することが最大の役割です。
塗装メンテナンスで屋根を守ろうとして、かえって、縁切りなしで雨漏りする屋根にしてしまうという最悪なケースを防ぐことができます。
スレート屋根の塗装でタスペーサーを使わないとどうなる?
スレート屋根塗装でタスペーサーを使わないとどうなるか?について紹介します。
手作業の縁切り・タスペーサーを使わずにスレート屋根塗装すると、以下のような問題が起こる可能性があります。
- 雨漏りリスクが高まる
- 毛細管現象によりスレート裏面へ浸入した雨水の滞留する
- 滞留した雨水がスレート釘から防水シート・野地板へ伝わる
- 経年で野地板・小屋裏の木材の腐朽、雨漏りが発覚する
- スレート自体の吸水量が増加し、スレート自体の劣化リスクが高まる
スレート屋根塗装で手作業の縁切り・タスペーサーを使用しないと、屋根の大きな不具合が発生するリスクが高まります。
また、雨漏りが発覚するのは塗装後すぐではないので、塗装業者への補償請求も対応してもらえないケースも多いようです。
スレート屋根塗装時のタスペーサーの設置手順
スレート屋根塗装時のタスペーサーの設置手順について紹介します。
塗装時のタスペーサーの設置手順は以下となります。
- 屋根の高圧洗浄を行う
(汚れやコケを落とし、塗料の密着性を高める) - 屋根を十分に乾燥させる
(湿気が残ったままだと、塗装の定着が悪くなるため注意) - 下塗りを行う
(中・上塗りがスレート本体と密着するようにスレート表面を処理) - タスペーサーを設置する
(スレート1枚ごとに2個、適切な間隔で差し込む) - 中・上塗りを行う
(タスペーサーが入った状態で、中・上塗りして、塗装を仕上げる) - 塗装完了
(タスペーサーを取り除かない)
タスペーサーを入れる順番以外にも、屋根塗装を長持ちさせるためには、高圧洗浄・下塗りによるスレート表面処理をしっかり行うことが重要です。
スレート屋根塗装時のタスペーサーの使い方
スレート屋根塗装時のタスペーサーの使い方について紹介します。
スレート屋根でのタスペーサーの使い方のポイントは以下となります。
- タスペーサーの設置は屋根塗装(中・上塗り)前に行う
- スレートの幅が約900㎜の場合は、スレート1枚ごとにタスペーサー2個を差込む
- スレートの幅が約600㎜の場合は、スレート1枚ごとにタスペーサー1個を差込む
- タスペーサーを設置した状態のまま、スレート表面とタスペーサーを一緒に塗装する
- 塗装後もタスペーサーを取り外さない
スレートの大きさ・種類(スリットの有無)によって、タスペーサーを差込む場所が変わるので、正しい位置に差込むことを確認しましょう。
スレート屋根でもタスペーサーが適していない種類とは?
スレート屋根でもタスペーサーが適していない種類とは?について紹介します。
タスペーサーは2㎜の厚みがあるため、スレートの踏み割れリスクが高まります。
スレート製造メーカーのケイミューでは、施工要領書において、塗装メンテナンス地のタスペーサーを使用した縁切りでは、踏み割れリスクが高まると使用の注意喚起を行っています。
2004年以降のゼロアスベストのスレート屋根は強度が低下しており、踏み割れしやすくなっています。
そのため、ゼロアスベストのスレート屋根はタスペーサーを使用することは踏み割れリスクが高まるので適していません。
2004年以降のスレート屋根では、厚みの薄いステンレス製のスペーサーを使用することをオススメします。
ステンレス製スペーサーについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
スレート屋根の塗装での注意点!縁切り・スペーサーを詳しく解説!
また、スレート屋根の中には、本体の不具合で塗装不可となっている「パミール」「レサス」という種類でありますので、タスペーサーを使用しない注意ください。
スレート屋根塗装でのタスペーサーの選び方
スレート屋根塗装でのタスペーサーの選び方について紹介します。
屋根塗装に使用するプラスチック製のタスペーサーの種類には、耐溶剤性に優れた新型の「01」と従来品の「02」があります。
水性塗料の場合は両方使えますが、油性塗料の場合は必ず「01」を使用してください。
スレート屋根塗装でのスペーサーとしては、その他にはステンレス製スペーサー「リーヴスペーサー」があります。
ステンレス製なので溶剤で劣化することはなく、水性・油性を問わず使用可能です。
タスペーサー「01」「02」、「リーヴスペーサー」について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根塗装にタスペーサーは必要? 役割とメリット・デメリットを解説
踏み割れしやすいスレート屋根でも使えるタスペーサーはないの?
踏み割れしやすいスレート屋根でも使えるタスペーサーはないの?について紹介します。
2004年以降のゼロアスベストのスレート屋根は踏み割れリスクが高いので、タスペーサーは使用の注意喚起されているので、使用はやめておきましょう。
タスペーサーの厚み2㎜に対して、ステンレス製スペーサーの厚みは0.5㎜と薄いので、踏み割れしやすい2004年以降のスレート屋根には、ステンレス製スペーサーが適しています。
ステンレス製スペーサー「リーヴスペーサー」は(株)ヨネキン(スレート屋根の板金役物製造メーカー)の商品なので、スレート屋根の特性に合わせてあるようです。
塗装メンテナンスしてスレート屋根に踏み割れが発生することが気になる方には、ステンレス製スペーサーをオススメします。
スレート屋根塗装時にタスペーサーを使用する際の注意点
スレート屋根塗装時にタスペーサーを使用する際の注意点について紹介します。
スレート屋根の塗装する際にタスペーサーを使うときは、以下に注意しましょう。
- ゼロアスベストのスレートの踏み割れ
- 適切な設置位置・個数を守る
- 塗料にあったタスペーサーを選ぶ
- スレート屋根の隙間が4㎜以上では使用しない
スレート屋根の種類を現地調査時に確認してもらい、タスペーサーに適したスレート屋根(2004年以前のアスベスト入りスレート)において使用しましょう。
雨漏り・踏み割れ対策として、適切な設置位置・個数を遵守してもらいましょう。
スレート屋根の隙間が4㎜以上だと、タスペーサーがずれ落ちる可能性があるので使用はやめておきましょう。
スレート屋根塗装でタスペーサーを使用すると費用はどのくらい?
スレート屋根塗装でタスペーサーを使用したときの費用について紹介します。
- 1㎡あたりの費用目安:500〜700円
- 30坪の住宅での総費用:約4~5万円
一方で、手作業の縁切りを行う費用相場は、30坪の住宅で約3~5万円です。(1㎡あたり500円/㎡)
また、高級品であるステンレス製スペーサーを使用しての縁切りの費用相場は、30坪の住宅で約6~8万円です。(1㎡あたり700~1,000円/㎡)
手作業の縁切りと比べて、タスペーサーを使用すると費用は同等か少し高めとなります。
縁切りせずに雨漏りしてしまったときは屋根の葺き替えとなりますので、費用は約150万円以上と30倍に跳ね上がるので、縁切り費用は惜しまずに必ず実施しましょう。
タスペーサーを使用した費用について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根塗装で使うタスペーサーってなに?メリットと費用相場も解説
【まとめ】スレート屋根の塗装時はスペーサーの使用を検討しよう!
スレート屋根塗装では、上下の重なりの隙間が塗料で埋まりやすく、雨漏りリスクが高まるので、縁切り作業が必須とされています。
縁切りでスペーサーを使用することで、塗装後の手作業の縁切りがなくなるので、工期短縮/足跡がつかず仕上がりが向上する/せっかく塗装した塗膜が剥がれることを防げるなどのメリットがあります。
スレート屋根の種類を現地調査時に確認してもらい、タスペーサーに適したスレート屋根(2004年以前のアスベスト入りスレート)において使用しましょう。
タスペーサーの厚み2㎜に対して、ステンレス製スペーサーの厚みは0.5㎜と薄いので、踏み割れしやすい2004年以降のスレート屋根には、ステンレス製スペーサーが適しています。
屋根の状態によっては手作業の縁切り・タスペーサー・ステンレス製スペーサーと適する縁切り方法が異なりますので、事前に信頼できる専門業者と相談しましょう。
刷毛塗りで薄く塗るもしくは縁切りなしは塗装の早期劣化や雨漏りリスクが高まるため、やめておきましょう。
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