木造住宅工事仕様書の瓦ぶきの変遷を調べてみた!

住宅金融支援機構・木造住宅工事仕様書の粘土がわらふきの変遷を調べました!

みなさま。こんにちは。

屋根から人の笑顔を作りたい!!!

神清(かみせい)のDr.神谷です。

瓦屋根の仕様がどのように変化してきたのか、昔のことがよくわからないので、旧住宅金融公庫の木造住宅工事仕様書を調べました。

かなりマニアックですが、各年代の瓦屋根工事の標準がどのようなものであったのか、参考にしていただければと思います。

 

昭和26年に初めて記載された内容

一番古い昭和26年の仕様書に記載されていた内容は下記のとおりです。

「留付は引掛桟瓦は瓦桟に引掛け登り3枚目毎に釘打軒先、ケラバ二列の瓦谷縁瓦は一枚毎に釘打ち ⇒平部の桟瓦の留め付け

鉄線繋ぎのし瓦棟瓦は一枚置きに鉄線二條で緊結する」 ⇒棟部ののし瓦・棟瓦の留め付け

となっていました。

ここから、木造住宅工事仕様書が発行されて、記載内容が変化した部分をご紹介します。

粘土がわらふきの変遷

昭和35年

「留付けは、引掛さん瓦は、登り5枚目毎に釘打ち」変更  ⇒平部の桟瓦の留め付け

昭和45年

「のし瓦、むね瓦は南蛮しっくい押えとする」追加  ⇒棟部ののし瓦・棟瓦の留め付け

昭和50年

「本ぶき、土ぶき、引掛けぶき及び引掛けさんぶきがあるが、・・・特に現在は引掛けさんぶき工法が最も多く行われている」

はじめて、土葺き工法について記載されている。

昭和57年

「のし瓦、鬼瓦は南蛮しっくい又は良土(荒木田土類)で間げきなく詰め込む」追加 ⇒棟部ののし瓦・棟瓦の留め付け

南蛮しっくいに加えて、良土が記載された。

昭和60年

「のし瓦は良質のふき土で積みあげる」変更 ⇒棟部ののし瓦・棟瓦の留め付け

南蛮しっくいが削除され、ふき土に変更された。

「棟積みはのしがわらを互に緊結し、がんぶりがわら又は丸がわらは1枚ごとに地棟に緊結線2条で締めるか又はのしがわら、がんぶりがわら共大回し鉢巻状にて緊結する」追加 ⇒棟部ののし瓦・棟瓦の留め付け

初めて、大回し工法が記載された。

粘土がわらのふき方は土ぶき工法、引掛けさんがわら工法、緊結工法があり、それぞれの地域の気候、特性にあわせて施工されている。」追加 ⇒平部の桟瓦の留め付け

初めて、土ぶき工法が記載された。

平成3年

「留付けは、引掛さん瓦は、登り4枚目毎に釘打ち」変更  ⇒平部の桟瓦の留め付け

5枚目毎から4枚目毎に変更された。

平成9年

「土ぶき工法、引掛けさんがわら工法、緊結工法があり、それぞれの地域の気候、特性にあわせて施工されている。なお、阪神・淡路大震災において瓦の落下が多く発生したことから、関連の業界では、より耐震性に配慮した施工方法が提案されたり、一体形の棟がわらが製造される等の動きがある。」追加 ⇒棟部ののし瓦・棟瓦の留め付け

阪神・淡路大震災を受けて、耐震性に関しての記載がはじめてされた。

平成12年

風の強い地域の場合 特に強風が予想される地域、又は軒高さが7~8mを超える場合には平部の全部のかわらを緊結する。」追加  ⇒平部の桟瓦の留め付け

屋根勾配が急な場合 屋根勾配が5寸を超える急勾配の場合は、かわらの釘の打ち増しを行う。」追加  ⇒平部の桟瓦の留め付け

はじめて、強風地域に関して、平部の瓦、全数緊結が記載された。

平成15年

「さんがわらは、登り2枚目ごとあるいは千鳥に緊結する」追加  ⇒平部の桟瓦の留め付け

4枚目ごとから2枚目ごとに変更された。

「かわらのふき方には、土ぶき工法、引掛けさん工法、直葺工法があり、それぞれの地域の気候、特性に合わせて施工されている。昨今、阪神・淡路大震災等における瓦落下の多発、さらには、建築基準法の性能規定化等を背景として、関連の業界では、より耐震性及び耐風性に配慮した施工方法が提案されたり、一体形の棟がわらが製造される等の動きがある。一例として、(社)全日本瓦工事業連盟等より発行された「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」」(監修:独立行政法人建築研究所)では、法令に準拠した構造性能を確認するための標準試験方法、構造計算規定への対応方法並びに法令の仕様規定より優れた標準施工方法等が紹介されている。」

はじめて、瓦屋根標準設計・施工ガイドラインが記載された。

 

巨大地震で被害が発生する瓦屋根について

上記変遷から巨大地震が発生したときに、被害が発生する可能性のある瓦屋根は築15年以上経過した住宅の瓦屋根と言えます。

昭和60年頃からは、旧工法の大回し鉢巻に緊結すると明記されているので、築15年~築35年のものは、旧工法である大回し工法を耐震補強する必要があります。

おそらく、数百万棟存在していると思われます。

南海トラフ巨大地震が迫っている中、耐震補強する必要があることをお施主様に伝える啓蒙活動が急務と言えます。

 

まとめ:築15年以降の日本瓦屋根の棟は耐震補強が必要です!

木造住宅工事仕様書の瓦屋根の変遷を調べました。

巨大地震に耐えることができる日本瓦屋根は、築15年未満のものと推定できます。

日本瓦屋根で、築15年を経過したものは棟の耐震補強が必要です。

かなりマニアックな内容なので、一般の方はわからないことが多ったのでは?

詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。

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Dr.神谷
神清のまとめ役。
学者肌で数々の「産学官」の連携研究事業を行い、業界内でも数少ない技術派です。その知恵で若いスタッフを指導しています。

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