石粒付きジンカリウム鋼板屋根材のデメリット 台風による飛散事例を紹介します!【2022年6月原因を訂正】

Dr.神谷
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2022年6月 記事の内容を訂正いたしました。

本日、石粒付きジンカリウム鋼板屋根材メーカーさんの1社から台風被害現場の調査報告をいただきました。

その情報をもとに記事の内容を訂正いたします。

野地板の上に12mmのインシュレーションボードが設置された特殊な現場であった

屋根材の先端が引きちぎられたのが飛散の原因ではない

本来、野地板まで届くはずのビスがインシュレーションボードにしか効いていなかった

ビスの長さが短ったことが原因である

2018年の記事では、「金属屋根が飛散した原因を屋根材の先端を留め付けるビス位置のバラツキにより引きちぎられた」としておりました。

しかし、屋根材メーカーさんの現場調査では、『野地板に留めなければならないビスが強度のないインシュレーションボードにしか効いていなかったのが原因。そのビスが先に抜け、それに伴い、屋根材の先端が留め付けられたビスで引きちぎられた』ということでした。

また、以下の見解もいただきました。

  • この現場以外では、2018年の大阪、2019年の千葉と1件も飛散していない。
  • 先端のビス位置が問題となることはない。
  • メーカーとして、施工マニュアルにも記載し、施工指導もしっかり行っている。

 

2018年の台風被害調査では、インシュレーションボードの存在は全く認識しておらず、誤った見解を記載してしまいましたので訂正いたします。

また、2018年の記事によって迷惑を受けられた屋根材メーカーさん、業者さんにはお詫び申し上げます。

(飛散した現場は2棟あり、もう1つの屋根に関しては、他の屋根材メーカーのため現場調査しておらず、同様の原因かは不明とのことでした。)

 

2018年の記事

振り返ってみると、今年は何と言っても巨大台風にやられたことが印象として残っています。

巨大台風の屋根被害は生まれて初めてみるものも多かったです。

特に、金属屋根材の飛散状況には衝撃を受けました。

金属屋根全面が飛散する恐ろしさはなんど映像を見ても薄れませんでした。

最近増加傾向にある石粒付きジンカリウム鋼板屋根材が飛散した現場を偶然見ましたので、ご紹介します!

石粒付きジンカリウム鋼板屋根材とは?

石粒付きジンカリウム鋼板屋根材は韓国やニュージーランドから輸入している外国産のものです。

葺き上がりとしては若干凹凸の形状があり、色ムラもあるので一見、金属屋根材とは思えないのではないでしょうか。

ジンカリウム鋼板の表面に着色された石粒が貼り付けてあります。

裏面を見ると金属屋根材だとわかります。

表面の石粒が雨音を軽減する、石粒の着色が塗装ではないので色落ちが目立たないなどのメリットがあります。

しかし、今回の台風でデメリットとも鮮明になりました。

大型台風で全面的に飛散したジンカリウム鋼板屋根

偶然、見かけた2棟のアパートがありました。

ブルーシートが屋根を覆っていました。

この屋根材がなぜ飛散したのか?

飛散した屋根材を観察しているとヒントがありました。

耐風性能を高めるために、屋根材の表面から下の屋根材へビスで連結させる仕様となっています。

そのビス部分に強風の力がかかり、屋根材自体が引きちぎられていました。

ちょっと、わかりにくいので、施工状態で説明します。

施工状態で表面にビスがたくさん見えます。

このビスは野地板に留めているのではなく、0.4mm程度の金属と金属を留めているものです。

それもこんなにたくさん留め付けています。

ここが引きちぎられ一部が飛散すると全面が飛んでしまったようです。

施工の問題と言う指摘もあるが、違うと思います!

この飛散した原因として、施工者のビスの打ち方を指摘する話も聞きましたが、本当でしょうか?

この2棟は同じ屋根材ではなく、別の種類だったのです。

飛散したジンカリウム鋼板屋根材の裏面を見るとグリーン色とシルバー色の2種類になっていました。

違うメーカーの屋根材で、施工者も違うのに、同様に飛散していました。

施工者のビスの打ち方ではなく、屋根材表面からビスを打つ仕様自体に問題があると思います。

日本製であれば、日本の台風に対応する工夫が取られると思うのですが、外国産なので変更されないのだと思います。

飛散したジンカリウム鋼板屋根材の山を見ると恐ろしいですね!

金属屋根材は軽いと言いますが、1枚1枚は大判で3㎏程度あります。

これが木の葉のようにひらひらと飛んでくると当たったら大変です。

周辺の建物にも被害を与えたようです。

石粒付きジンカリウム鋼板屋根材のメリットだけを見るのではなく。

外国製というデメリットも認識して、使用するか検討されることをおススメいたします。

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