粘土瓦の特性について
瓦は天然素材である自然の粘土を原料とした建材の中では、大型の焼成品です。
粘土は採取場所により、その成分・性質は微妙に異なり、また同一場所での採取でも全く均一ではありません。
このため瓦には、自然素材特有の現象が多く見られることがありますが、瓦本来の品質、性能に何ら問題はありません。
主な特性としては、以下のものがあります。
色ムラ
粘土成分の違いや、気圧・気象条件による焼成窯内雰囲気の変化により、微妙な色ムラが発生している場合があります。
青緑(せいろく)色、イラボ色、ハイシルバー色などは瓦1枚の中でも微妙な色の変化があります。
また、アースカラー色と呼ばれる数種類の色の瓦を混ぜ葺く種類の瓦もあります。
ネジレ・寸法
焼き物特有の若干のネジレや寸法のバラツキがある場合があります。
また瓦は重ね合わせて施工していきますので、葺き上げ後に瓦と瓦の間に隙間ができることがあります。
瓦の下には、アンダーラップと呼ばれる水を流す部分が隠れているので、雨漏りすることはありません。
入った水は一段下の瓦の上に出てきます。
貫入(かんにゅう)
陶器瓦(釉薬瓦)は貫入(かんにゅう)と呼ばれる表面亀裂が発生する場合があります。
これは陶器製品特有の現象で生地を焼いて焼結させる場合、粘土と釉薬の収縮率の違いにより釉薬表面に細かい亀裂が発生します。
しかし、これは製品生地までの亀裂ではなく製品の品質(漏水、強度など)には問題ありません。
これは釉薬面のアップの写真です。
ピンホール
陶器瓦(釉薬瓦)には釉薬面にピンホールと呼ばれる小さいへこみや粘土素地の露出が発生している場合があります。
釉薬の気泡や粘土に含まれる有機物(亜炭)などが燃焼して発生するものですが、品質(漏水、強度など)には問題ありません。
これは釉薬面のアップの写真です。
表面の汚れ・コケ等
施工後、ホコリの付着などによる色合いの変化が発生する場合があります。
また、住宅の立地条件により瓦表面にコケなどが付着することがありますが、屋根材としての品質・性能及び耐久性を損なうものではありません。
瓦はセメント・金属製の塗装品に比べて、焼き物のため均一性には劣ります。
しかし、それを上回る耐久性があります。
10年毎の再塗装をする必要がまったくありません。
瓦の特性を理解していただければ、何十年と愛着を持っていただける屋根になります。
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