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【初心者向け】屋根のリフォーム・修理方法とその費用相場を解説します!
屋根のリフォーム・修理方法は、外壁のリフォームにくらべて、ピーンと来ないとよく聞きます。
外壁に関しては、「塗装」しなければならないという覚悟を持っていらっしゃいます。
だから、お客様は、屋根も「塗装」するものだと思っている方も多いようです。
そこで、「瓦は塗装してはいけない。」って、知ってましたか?
とお聞きすると、驚かれる方も。
そこで、もっとも質問をいただく2つのことを解説したいと思います。
・屋根の修理はいくらかかるの?
・うちの屋根はどんな修理をしたらいいの?
この記事では、【初心者向け】として、屋根材の種類別に、「リフォーム・修理方法」、「費用相場」に関して、わかりやすくご紹介します。
「屋根材の種類」、「リフォーム・修理方法」とは?
既存屋根材の種類は、大きく6つあります。
「瓦屋根」、「スレート屋根」、「金属屋根」、「セメント屋根」、「アスファルトシングル屋根」、「屋上防水」の6つです。
ご自宅の屋根がどの屋根なのか?把握してください。
瓦屋根
築30年以上の瓦屋根は、上写真のような日本瓦の屋根が多いです。
スレート屋根
スレート屋根材は、厚み5mm程度の平らな屋根材です。
金属屋根
金属屋根は、上写真のように瓦棒葺き(かわらぼうぶき)と呼ばれる縦の線が目立つタイプと、スレート屋根と同じように横の線が目立つ横葺き(よこぶき)があります。
セメント屋根
セメント屋根材は、瓦のような厚みのある形状で、材料がセメント・コンクリートでできた屋根材のことです。
アスファルトシングル屋根
アスファルトシングル屋根材は、厚さ約5mm程度で、スレート屋根に似た葺き上がりとなります。(スレート屋根より表面の凹凸感が少しだけあります。)
基材がアスファルト材料の屋根材の表面に、石粒がついていて、シートのような柔軟性があります。
屋上防水
屋根の形状が陸屋根(ろくやね)で、そのフラットな屋根面(屋上)に防水材で防水層を作っています。
ご自宅の屋根は、これら6つの屋根材のどれかに属すると思います。
まず、ご自宅の屋根が何か確認してください。
リフォーム・修理方法の種類は、大きく4つあります。
「葺き替え」、「カバー工法」、「塗装」、「部分修理」の4つです。
葺き替え
「葺き替え」とは、屋根材を新しいものに交換する屋根修理です。
古い屋根材をはがしたときに、その下の防水シート、野地板(のじいた)も増し張りすることがあります。
葺き替え費用は、140万円~250万円が相場です。(一般的な100㎡の住宅)
カバー工法
「カバー工法」とは、古い屋根材の上に、新しい屋根材を設置する屋根修理です。
アスベストが含まれているスレート屋根の補修に用いられる場合が多いです。
カバー工法費用は、100万円~140万円が相場です。(一般的な100㎡の住宅)
塗装
「塗装」とは、古い屋根材の上に、新しい塗料を塗り、意匠性を上げる屋根のメンテナンスです。
屋根自体の性能が向上することはありません。
10年前後で、再塗装が必要となります。
塗装費用は、40万円~80万円が相場です。(一般的な100㎡の住宅)
部分修理
「部分修理」とは、古い屋根材の問題がある部分のみを交換する屋根修理です。
部分修理費用は、3~50万円が相場です。(修理する面積で大きくことなります。)
屋根材の種類によって、修理方法が異なりますので、屋根材ごとにまとめます。
瓦屋根の修理方法と費用相場
下記の表に瓦屋根のリフォーム・修理方法と費用相場を示します。
修理方法 | 古い屋根 | 新しい屋根材 | 作業内容 | どんな場合の屋根 | 費用相場 | 問題点 |
---|---|---|---|---|---|---|
葺き替え | 土葺き屋根 | F形防災瓦 | 古い瓦・葺き土を解体 たる木を補修 野地板・防水シートを張り直し F形防災瓦をガイドライン工法で復旧 | 築年数が古く、全体的に雨漏りしている | 20,000~円/㎡ | |
葺き替え | 引掛け葺き屋根 | F形防災瓦 | 古い瓦を解体 野地板・防水シートを張り直し F形防災瓦をガイドライン工法で復旧 | 築年数が古く、全体的に雨漏りしている | 16,000~円/㎡ | |
葺き替え | 引掛け葺き屋根 | 金属屋根 | 古い瓦を解体 野地板・防水シートを張り直し 金属屋根で復旧 | 築年数が古く、全体的に雨漏りしている 屋根を軽くしたい | 16,000~円/㎡ | 雨音が問題になる |
葺き直し | 引掛け葺き屋根 | 古い瓦をそのまま使用 | 部分的にはがしながら、順番に野地板・防水シートを張り直し 古い瓦をくぎ留めして復旧 | 築年数が古いが、瓦に思い入れがある | 14,000~円/㎡ | 耐風性能は劣る |
部分修理 | 古い瓦屋根 | 同じ種類の瓦 | 古い瓦屋根の不具合部分を解体 新しい野地板・防水シート・瓦で復旧 | 部分的に雨漏りしている 部分的に瓦が飛散した | 200,000~円/棟 (部分補修内容による) | 全体としては、古い工法のままとなる |
差し替え | 古い瓦屋根 | 同じ種類の瓦 | 割れた瓦を取り外す 新しい瓦に交換 | 数枚瓦が割れた場合 | 25,000~円/枚 | |
しっくい修理 | 棟・軒先 | しっくい | 古いしっくいをはがす 新しいしっくいを塗る | しっくいがたくさんはがれた場合 | 4,000~円/m | しっくいは根本的な解決にはならない |
棟の補強 | 棟 | 冠瓦1本伏せ | 古い棟を解体 耐震・耐風性の高い冠瓦1本伏せで復旧 | 築年数が古く、棟に被害があった場合 屋根の耐震・耐風補強したい場合 | 35,000~円/m |
瓦屋根の修理方法で、失敗しないポイント!
①瓦屋根の雨漏りや破損は、部分補修で直すことが一般的です。(費用面では、大幅に安価)
今後の住まい計画に合わせて、部分補修と葺き替えをご検討ください。
②瓦への葺き替えは、ガイドライン工法(耐震・耐風仕様)と指定してください。
③金属屋根への葺き替えは、お客様から「瓦から金属屋根に葺き替えしたら、雨音が気になって眠れない。」と時々、相談があります。天井上に断熱材を入れるなどの防音対策も併用して検討してください。
④瓦屋根の補強(耐震・耐風対策)は、棟(屋根の頂部)の補強をご検討ください。
⑤瓦屋根のラバーロック工法は、瓦のずれ止めには効果はあります。(雨漏り修理、耐震・耐風対策には、効果がありません。)高額な見積(400,000~円/棟)なら、別の補修を検討しましょう。
スレート屋根の修理方法と費用相場
下記の表にスレート屋根のリフォーム・修理方法と費用相場を示します。
修理方法 | 古い屋根 | 新しい屋根材 | 作業内容 | どんな場合の屋根 | 費用相場 | 問題点 |
---|---|---|---|---|---|---|
葺き替え | スレート屋根 | グラッサ仕様のスレート屋根 | 古いスレート屋根を解体(アスベスト対策) 野地板・防水シートを増し張り 新しいスレート屋根で復旧 | 築年数が30年程度 雨漏りしている | 12,000~円/㎡ | |
葺き替え | スレート屋根 | 金属屋根 | 古いスレート屋根を解体(アスベスト対策) 野地板・防水シートを増し張り 新しい金属屋根で復旧 | 築年数が30年程度 雨漏りしている | 14,000~円/㎡ | |
カバー工法 | スレート屋根 | 金属屋根 | 古いスレート屋根の上に防水シートを増し張り 新しい金属屋根をカバーして復旧 | 築年数が30年程度 | 12,000~円/㎡ | 雨漏りしている場合は、適さない アスベスト含有スレートをそのまま残すので将来の解体費が上がる |
塗装 | スレート屋根 | 古いスレート屋根をそのまま使用 | 古いスレート屋根を洗浄する 新しく塗装する | 築年数が10~15年程度 | 4,000~円/㎡ | 美観だけが改善する |
部分修理 | スレート屋根の棟包み板金 | 新しい棟包み板金 | 古い棟包み板金を解体 新しい貫板(ぬきいた)・棟包み板金で復旧 | 台風などで古い棟包み板金が飛散した | 100,000~円/棟 (部分補修内容による) | |
部分修理 | スレート屋根 | 古いスレート屋根そんまま | ひび割れたスレート屋根材をシーリングで補修 | スレート屋根材がひび割れた場合 | 25,000~円/棟 | 2枚目まで割れていると雨漏りリスクがある |
スレート屋根の修理方法で、失敗しないポイント!
①スレート屋根は軽い建物で設計されているので、瓦へ葺き替えしたい場合は、建物補強と併せて行ってください。
②葺き替えとカバー工法の金額差は、約10~20万円程度です。アスベスト含有スレートという負の遺産を先送りしない、葺き替えをおススメします!
③築30年以降は建物の使用計画を考慮して、塗装・葺き替えをご検討ください。
④塗装を行った後から、雨漏りする事例が多く発生しています。塗装の際は、必ず「縁切り」という水抜き作業を行うように、塗装業者へ依頼してください。
⑤棟包み板金を部分修理では、樹脂桟木・防腐処理木材・耐久性の高い木材を使用するように、施工業者へ依頼してください。
金属屋根の修理方法と費用相場
下記の表にセメント屋根のリフォーム・修理方法と費用相場を示します。
修理方法 | 古い屋根 | 新しい屋根材 | 作業内容 | どんな場合の屋根 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
葺き替え | 金属屋根 | 金属屋根 | 古い金属屋根を解体 野地板・防水シートを増し張り 新しい金属屋根で復旧 | 築年数が30年程度 金属屋根が腐食している | 14,000~円/㎡ | |
カバー工法 | 金属屋根 | 金属屋根 | 古い金属屋根の上に防水シートを増し張り 新しい金属屋根をカバーして復旧 | 築年数が30年程度 古い屋根が金属屋根(瓦棒葺き) | 12,000~円/㎡ | 雨漏りしている場合は、適さない 野地板が腐朽していないことの確認が必要 |
塗装 | 金属屋根 | 古い金属屋根をそのまま使用 | 古い金属屋根を洗浄・錆び取りをする 新しく塗装する | 築年数が10~15年程度 | 4,000~円/㎡ | 美観が改善する 錆びの発生を遅らすことができる |
部分修理 | 金属屋根の棟包み板金 | 新しい棟包み板金 | 古い棟包み板金を解体 新しい貫板(ぬきいた)・棟包み板金で復旧 | 台風などで古い棟包み板金が飛散した | 100,000~円/棟 (部分補修内容による) |
金属屋根の修理方法で、失敗しないポイント!
①金属屋根は緩い屋根勾配(屋根の傾斜)で設計されている場合があるので、他の屋根材へ葺き替えしたい場合は、その屋根材が対応可能か確認してください。
②金属屋根は野地板が腐朽している場合が多いので、修理前に確認してください。野地板が腐朽している場合は、野地板からの葺き替えをご検討ください。
③金属屋根の塗装は、下処理(掃除と錆び取り)をしっかり行わないと早期で、はく離や錆びの発生が起きますので、ご注意ください。
④ガルバリウム鋼板も塗装品です。カラー鋼板より赤錆の発生は遅くなりましたが、意匠の塗装は同じです。メンテナンスフリーと間違った認識をもっている業者がいますので、ご注意ください。
セメント屋根の修理方法と費用相場
下記の表にセメント屋根のリフォーム・修理方法と費用相場を示します。
修理方法 | 古い屋根 | 新しい屋根材 | 作業内容 | どんな場合の屋根 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
葺き替え | モニエル屋根材 | F形防災瓦 | 古いモニエルを解体 防水シートを張り直し F形防災瓦をガイドライン工法で復旧 | 築年数が古い 災害などにあった | 14,000~円/㎡ | 野地板の増し張りの場合、+2,000円/㎡ |
葺き替え | モニエル屋根材 | 金属屋根 | 古いモニエルを解体 野地板・防水シートを張り直し 金属屋根で復旧 | 築年数が古い 災害などにあった 屋根を軽くしたい | 16,000~円/㎡ | 雨音が問題になる |
部分修理 | モニエル屋根材 | 同じ種類のセメント屋根材 | 古いモニエル屋根の不具合部分を解体 新しい野地板・防水シート・モニエル屋根材で復旧 | 部分的に雨漏りしている 部分的にモニエル屋根材が飛散した | 100,000~円/棟 (部分補修内容による) | 飛散した場合、代替品のモニエル屋根材の入手困難 |
差し替え | モニエル屋根材 | 同じ種類のモニエル屋根材 | 割れたモニエル屋根材を取り外す 新しいモニエル屋根材に交換 | 数枚が割れた場合 | 25,000~円/枚 | 代替品のモニエル屋根材の入手困難 |
塗装 | モニエル屋根材 | 同じ種類のモニエル屋根材 | 古い屋根を高圧洗浄します 塗装を行います | 外観のコケ・汚れが気になっている どうしても費用を抑えたい | 400,000~円/枚 | 塗装中の踏み割れたモニエル屋根材の交換品も入手困難 |
セメント屋根の修理方法で、失敗しないポイント!
①セメント屋根材はほとんどが廃盤となっていて、在庫も希少です。補修をするときは、他の屋根材へ葺き替えすることをご検討ください。
②数枚が欲しい場合は、弊社が入手できる場合もありますので、お問い合わせください。
③部分的に災害にあった場合は、その屋根面のみ、F形防災瓦へ葺き替えすることも可能です。(費用を抑えることができます。)
④塗装はおススメしません。代替品がないので、我慢するだけ我慢して、葺き替えをご検討ください。
アスファルトシングル屋根の修理方法と費用相場
下記の表にアスファルトシングル屋根のリフォーム・修理方法と費用相場を示します。
修理方法 | 古い屋根 | 新しい屋根材 | 作業内容 | どんな場合の屋根 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
葺き替え | アスファルトシングル屋根 | グラッサ仕様のスレート屋根 | 古いアスファルトシングル屋根を解体 野地板・防水シートを増し張り 新しいスレート屋根で復旧 | 築年数が30年程度 雨漏りしている | 12,000~円/㎡ | |
カバー工法 | アスファルトシングル屋根 | 金属屋根 | 野地板・防水シートを増し張り 新しい金属屋根で復旧 | 築年数が30年程度 雨漏りしている | 12,000~円/㎡ | |
カバー工法 | アスファルトシングル屋根 | アスファルトシングル屋根 | 古いアスファルトシングル屋根の上に防水シートを増し張り 新しいアスファルトシングル屋根をカバーして復旧 | 築年数が20年程度 | 8,000~円/㎡ | 雨漏りしている場合は、適さない |
塗装 | アスファルトシングル屋根 | 古いアスファルトシングル屋根をそのまま使用 | 古いスレート屋根を洗浄する 新しく塗装する | 築年数が10~15年程度 | 5,000~円/㎡ | 表面の砂がはがれる場合がある 縁切りが必要 |
部分修理 | アスファルトシングル屋根の棟包み板金 | 新しい棟包み板金 | 古い棟包み板金を解体 新しい貫板(ぬきいた)・棟包み板金で復旧 | 台風などで古い棟包み板金が飛散した | 100,000~円/棟 (部分補修内容による) | |
部分修理 | アスファルトシングル屋根 | 新しいアスファルトシングル屋根 | 部分的に飛散したアスファルトシングル屋根の部分に増し張り | アスファルトシングル屋根材が部分的に飛散 | 100,000~円/棟 (部分補修内容による) |
アスファルトシングル屋根の修理方法で、失敗しないポイント!
①アスファルトシングル屋根の修理方法の基本は、同じアスファルトシングル屋根でのカバー工法です。築20年以内に実施してください。劣化がひどくなると、アスファルトシングル屋根のカバー工法は困難になります。
②アスファルトシングル屋根は台風により、飛散しやすい屋根材です。屋根材の先端裏面の接着剤が劣化している場合は、補修が必要です。
屋上防水の修理方法と費用相場
下記の表に屋上防水のリフォーム・修理方法と費用相場を示します。
修理方法 | 古い屋根 | 新しい屋根材 | 作業内容 | どんな場合の屋根 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
屋上防水 | シート防水 | ウレタン防水 | 古いシート防水を洗浄 ウレタン防水と塗布 | 築年数が15年程度 シート防水に膨れは発生していない | 7,500~円/㎡ | |
笠木取外し | 古い笠木 | 古い笠木を復旧 | 古い笠木を取外し パラペットの天端をウレタン防水 古い笠木を復旧 | 雨漏りが止まらない屋上防水 | 10,000~円/m | 復旧できない笠木の場合は、新規笠木を取り付け |
屋上防水の修理方法で、失敗しないポイント!
①10~15年で定期的にメンテナンスを行ってください。
②排水口(ドレン)もメンテナンスが必要です。
まとめ:屋根の修理方法はいろいろあるので、しっかり検討しましょう!
各屋根材の屋根リフォーム・修理方法とその費用をまとめました。
修理方法によって、大きく費用が変わります。
相見積もりによる金額差の比較だけでなく、修理方法の比較も重要です。
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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