目次
屋根修理が必要な瓦屋根の6つの状態とは
屋根修理が必要な瓦屋根の代表的な6つの状態をご紹介します。
- 瓦の割れやズレ
- 漆喰(しっくい)の剥がれ
- 棟のズレや破損
- 防水シートの劣化
- 瓦自体の劣化
- 古い工法の瓦屋根
次の章から詳しく解説していきます。
【屋根修理が必要な瓦屋根の状態】①瓦の割れやズレ
瓦の割れ
瓦のズレ
瓦の割れの原因は飛来物による破損や歩行による踏み割れなどがあります。
瓦の割れの補修方法は割れた瓦のみの差し替えです。
下写真で割れた瓦の差し替えを紹介します。
割れた瓦のみ抜き取ります。
新しい瓦を差し替えて周辺の瓦と接着して補修完了です。(費用の目安は3~万円です)
割れた瓦の差し替え方法についてはこちらの記事をご覧ください。
瓦のズレの原因は強風による浮上りや瓦桟木の腐れなどがあります。
瓦のズレの補修方法は瓦を元の位置にもどして、周辺の瓦と接着させて固定します。
瓦桟木の腐れの場合は、その周辺の瓦をめくり、瓦桟木を交換して既存の瓦で復旧させます。
下の写真で瓦桟木の腐れによるズレの補修を紹介します。
広範囲で瓦が下へズレている場合は、瓦桟木の腐れの可能性があります。
瓦をめくると雨水によって瓦桟木が腐っていました。
腐った木材の部分を交換、新しい防水シート・瓦桟木を設置して、既存の瓦を復旧して補修完了です。(費用の目安は10~万円です/足場費用を除く)
【屋根修理が必要な瓦屋根の状態】②漆喰(しっくい)の剥がれ(はがれ)
漆喰の剥がれ
漆喰とは棟の中心にある葺き土(茶色の土)を風雨による浸食から保護するために外側に厚み10mm程度で塗られた白色の防水材のことです。
15年程度以上経過すると葺き土と漆喰の間に隙間が生じ、漆喰が割れるなどして剥がれが徐々に起こります。
漆喰が剥がれて暴露した葺き土は風雨がかかると徐々に流れ出していきます。
数年の単位で浸食がすすみ、雨漏りするリスクが高まります。
漆喰の補修としては塗り直しとなります。
漆喰を塗り直しせずに、重ね塗りするとかえって雨漏りの原因となりますので絶対に重ね塗りはNGです。
剥がれていない古い漆喰を取り除いているところです。
新しい漆喰を塗り直して補修工事完了です。(費用の目安は1棟10~万円です)
漆喰がどの程度剝がれたら雨漏りリスクがあるか知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「しっくいはどの程度、はがれるとダメなの?」 【お問い合わせ】 NGはこれです!
【屋根修理が必要な瓦屋根の状態】③棟のズレや破損
棟のズレ
棟のズレは強風、地震や経年劣化で発生します。
このまま放置すると崩れて他の瓦を割ってしまうリスクがあります。
一部だけズレている場合は元にもどして、接着剤で固定します。(費用の目安は3~万円です)
棟の破損
棟の破損は巨大台風や巨大地震が原因です。
このまま放置すると雨漏りが発生します。
補修方法としては棟部の葺き直しとなります。(費用の目安は1棟30~万円/足場費用を除く)
瓦屋根の棟瓦について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【屋根修理が必要な瓦屋根の状態】④防水シートの劣化
防水シートの劣化
防水シートの劣化によっては防水シートにき裂や穴開きが発生します。
熱膨張や水分の影響が原因で、このまま放置すると雨漏りが発生します。
補修方法としては、部分的に防水シートを重ね張りして雨漏りを防ぎます。(費用の目安は10~万円です)
全体的に防水シートが劣化している場合は、「葺き替え」や「葺き直し」となります。
「葺き替え」は既存の瓦・瓦桟木・防水シートをめくり、新しい瓦・瓦桟木・防水シートで屋根を新しくすることです。
「葺き直し」は既存の瓦・瓦桟木・防水シートをめくり、瓦桟木と防水シートを新しく設置して、既存の瓦で復旧することです。
防水シートの劣化のみなら「葺き直し」でもありだと思います。
費用的には「葺き替え」と「葺き直し」では若干、「葺き直し」の方が安価(差の目安は10~万円程度)となります。
今後も長く住むのであれば、「葺き替え」した方が瓦が防災仕様となるため、屋根の安全性は向上します。
防水シートについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
図解 屋根に関するQ&A ~ルーフィングってなに?どんな種類があるの? Q019~
【屋根修理が必要な瓦屋根の状態】⑤瓦自体の劣化
瓦自体の劣化
40年以上前の古い瓦は寒い地域では凍害を起こして破損する瓦自体の劣化が発生することがあります。
屋根全体の瓦が劣化している場合は葺き替えが必要となります。(瓦屋根の葺き替えの費用目安は160~万円です。)
瓦が少し割れている場合でも、すぐに葺き替え工事が必要だと言ってくる業者がいますが、瓦屋根は部分補修が可能ですので不要の葺き替えには注意しましょう。
【屋根修理が必要な瓦屋根の状態】⑥古い工法の瓦屋根
古い工法の瓦屋根
築20年以上の日本瓦屋根棟部は古い工法となっていて、耐風・耐震性が乏しい仕様です。
建物のメンテナンスに合わせて、耐風・耐震性のあるガイドライン工法に葺き直すことが必要です。
葺き直しの方法としては、既存の棟部を解体します。
建物に直接連結するように棟補強金物を設置します。
瓦を留め付けて復旧します。(費用の目安は1棟30~万円です)
ガイドライン工法にすることで、南海トラフや直下型地震にも耐えうる安心安全な屋根となります。
瓦屋根のメンテナンスの時期は?
新築の瓦屋根のメンテナンスの時期の目安を紹介します。
経過年数 | 点検 | メンテナンス |
---|---|---|
5年後 | 地上から目視点検 | ー |
10年後 | 小屋裏から雨漏りの有無を目視点検 | ー |
15年後 | 地上から目視点検 | ー |
20年後 | 屋根に上がって目視点検 | 棟部・けらば部でビス浮きがあれば締め直しします。 |
25年後 | 地上から目視点検 | ー |
30年後 | 屋根に上がって目視点検 | 板金に劣化があれば交換 |
40年後 | 屋根に上がって目視点検 | 板金に劣化があれば交換 |
50年後 | 屋根に上がって目視点検 | 板金に劣化があれば交換 |
60年後 | 屋根に上がって葺き替えの必要性を点検 | 必要に応じて屋根の葺き替え |
現在の新築であれば、漆喰などはなんばんしっくいに仕様変更している場合がほとんどで、剥がれる心配はありません。
瓦屋根は60年程度は持つ仕様となっています。
主なメンテナンスとしては、雨漏りした場合のみ、その原因部分の防水シートと瓦桟木を交換することになります。(瓦は既存瓦を使用)
瓦屋根の破損だけなら雨漏りしない?
瓦がヒビ割れた程度なら、雨漏りしていなければそのまま放置と考える人もいると思います。
しかし、瓦のヒビ割れは雨水をその下の防水シートへ通してしまいます。
現状雨漏りしていなくても、今後、雨漏りしたり、瓦桟木・野地板が腐ってしまうリスクが高まりますので、放置はNGです。
放置して屋根下地が腐ってしまうと雨漏り修理範囲は拡大して、費用も高額になってしまいます。
瓦は部分補修が可能で費用は高額にはならないので、早めにヒビ割れた瓦を差し替えする補修依頼されることをオススメします。
屋根修理や点検は自分でできる?
自分で屋根に上がって、点検や屋根修理をすることは危険ですのでやめましょう。
屋根は高さがあるだけではなく、傾斜がついているので滑りやすく、屋根から落下すると命にかかわります。
また、瓦屋根は何かものを落とすと破損してしまったり、踏み場所が悪いと踏み割れが発生します。
自分で点検する場合、2階の窓やベランダから見える範囲で屋根の異常の有無を確認しましょう。
ベランダがある場合、自撮り棒などを使って屋根の写真を撮ることでも屋根を点検することができます。
少しでも気になることがありましたら、瓦屋根工事業者に点検を依頼することをオススメします。
【まとめ】瓦屋根は定期的な点検で長持ちします
屋根修理が必要な瓦屋根の代表的な6つの状態を紹介しました。
- 瓦の割れやズレ
- 漆喰(しっくい)の剥がれ
- 棟のズレや破損
- 防水シートの劣化
- 瓦自体の劣化
- 古い工法の瓦屋根
現在の新築の瓦屋根は60年程度は持つ仕様となっています。
定期的な点検を行うことで瓦の異常を早く発見することができます。
そのため、主なメンテナンスとしては雨漏りした場合のみ、その原因部分の防水シートと瓦桟木を交換することになります。(瓦は既存瓦を使用)
自分で点検する場合、2階の窓やベランダから見える範囲で屋根の異常の有無を確認しましょう。
少しでも気になることがありましたら、瓦屋根工事業者に点検を依頼することをオススメします。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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