目次
雨漏りの原因となる5つのつなぎ目に注意しよう
雨漏りの原因となる代表的な5つのつなぎ目について紹介します。
- 外壁の目地(めじ)
- 窓やサッシまわり
- ベランダの接続部分
- 水切りの接合部
- 雨樋の継ぎ目
つなぎ目と言われても何のことかわからないと思いますが、建物の外側にある材料と材料の間のことです。
次の章からそれぞれについて詳しく解説していきます。
【雨漏りの原因となるつなぎ目】①外壁の目地
外壁に使用されるボード材としては、サイディング、ALC板などがあります。
これらのボード材は隣のボードとの間に目地と呼ばれる隙間を開けて設置されます。
この目地はボード材の伸縮や動きに対応するためのもので、隙間を埋めるためにゴムのような素材のコーキング材が施工されます。
コーキング材は紫外線などで劣化し、ヒビ割れやき裂が発生し、その隙間から雨水が浸入して雨漏りの原因になることがあります。
外壁の内側には防水シートがあるため、ボード材のつなぎ目に隙間ができたからといってすぐに雨漏りは発生しませんが、メンテンナンス(期間は10~15年程度)のサインとなります。
目地にヒビ割れやき裂がある場合はコーキング材の打ち替えなどの補修を行いましょう。
【雨漏りの原因となるつなぎ目】②窓やサッシまわり
窓やサッシまわりと外壁とのつなぎ目もコーキング材で隙間が埋められています。
コーキング材が劣化することによってコーキング材にヒビ割れやき裂が発生し、つなぎ目に雨水が浸入することで雨漏りの原因となります。
窓やサッシのまわりだけでなく、排気口(換気扇の外側)、フードやひさしなどと外壁とのつなぎ目も同様に雨漏りのリスクが高くなります。
多い事例としては、2階のサッシまわりと外壁のつなぎ目から浸入して、2階のサッシまわりにある防水シートの隙間から室内側へ移動します。
室内側へ浸入した水は、下の階のサッシなどの上から室内へ雨漏りするというものです。
【雨漏りの原因となるつなぎ目】③ベランダの接続部分
ベランダと建物との接合部分にはつなぎ目が多く存在し、雨漏りリスクが高い場所と言えます。
手すり壁と外壁とのつなぎ目や防水層と外壁・出入口などのつなぎ目などもあり、コーキング材で隙間が埋められています。
ベランダは日当たりのいい場所に設置されることが多く、コーキング材の劣化も早い場所です。
それらつなぎ目以外にも防水層の割れ・き裂、排水口の詰まりや手すり笠木の劣化などもあり、雨漏りしている上にベランダがある場合は、まずベランダから浸入していることを疑いましょう。
【雨漏りの原因となるつなぎ目】④水切りの接合部
「水切り(みずきり)」とは、基礎と外壁の間に位置する金属製のもの(板金)で、建物をぐるりと囲んでいいます。
外壁を流れる雨水や地面からの跳ね返りが基礎・土台へ浸入することを防ぐ目的で設置しています。
板金同士のつなぎ目があり、そこから毛細管現象で水を吸い込むことがあります。
つなぎ目から雨水が浸入すると土台を腐朽させたり、基礎の鉄筋を腐食させたりするので注意してください。
板金同士のつなぎ目にコーキング材を打つことで毛細管現象を防ぐことができます。
基礎と外壁の間を土台水切り、下屋根と外壁の間を雨押え(あまおさえ)水切り、屋根の先端に設置するものを軒先水切りなどと呼びます。
それぞれ雨水浸入を防ぐ大切な役割があります。
【雨漏りの原因となるつなぎ目】⑤雨樋の継ぎ目
雨樋のつなぎ目が破損していると、雨水がうまく排水されず外壁に伝わって流れてしまいます。
外壁は屋根ほど大量な雨水を想定していないため、継続的に大量な雨水が外壁を流れてしまうと、外壁が傷んで雨水が外壁の中に浸入しやすくなります。
雨樋の劣化・破損が雨漏りの原因となることもあるのでときどき確認しましょう。
一般的には、雨樋のつなぎ目がはずれないように接着剤で固定してあります。
また、2階屋根の雨水を縦樋で1階屋根まで流し、1階屋根面をつないで1階雨樋から縦樋へ排水する経路があります。
その1階屋根面でつなぐ樋が破損してしまうとその下に屋根材があっても雨漏りしてしまうこともあります。
雨樋が破損した場合は、コーキング材などで応急処置をして、早めに部分補修することをオススメします。
特殊な樋形状で廃盤になっている場合は、全交換の可能性もあります。
雨漏りがひどくなる前にコーキング材で補修しよう
雨漏りの応急処置でコーキング材が使える場所としては、外壁、バルコニー、サッシ、雨樋などです。
応急処置したいつなぎ目の下地を掃除して、プライマーを下塗りして、マスキングテープを貼って、コーキングすることになります。
応急処置だからと言って手順をぬいてしまうと、雨漏りが止まらない場合があり、その後の対応がむずかしくなってしまうことも。
いくつかの道具も使いますので、つなぎ目の雨漏り応急処置としてコーキングする場所は作業しやすい場所だけにしておきましょう。
応急処置の手順は、以下の通りです。
- 古いコーキング材の撤去・下地の掃除(つなぎ目の掃除)
- 対象の保護(プライマー下塗り・マスキングテープ)
- コーキング材を流し込む
- 仕上げ(ヘラできれいにする)
古くて劣化したコーキング材を撤去して、下地にプライマーを塗ります。
コーキング材を流し込む場所の周辺をマスキングテープで保護します。
その後、コーキング材を十分な量流し込み、ヘラで整えながら余分なコーキング材を取り去りたら、コーキング材が乾く前にマスキングテープをはがして完了となります。
コーキング材が手についてしまうと余計な所を汚してしまう可能性もありますので、手袋をはめて作業することをオススメします。
雨漏り応急処置として、コーキング材を使う方法について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【雨漏りの応急処置】コーキング材で素人が直す方法【プロが解説】
屋根材のつなぎ目をコーキング材で補修するのはオススメできない
屋根のコーキングは危険ですので、絶対にやめておきましょう。。
- 屋根から落下すると、命にかかわる。
- 道具が多いとずり落ちることがあり、それを拾おうとして作業者が落下することもある。
- 屋根材は入った水を出すという考え方のため、出口をコーキングしてしまうと、かえって雨漏りがひどくなる。
また、瓦屋根で雨漏りなどの不具合がある場合は、瓦同士の表面のつなぎ目をシーリングしても雨漏りは止まりません。
瓦同士の表面のつなぎ目をシーリングすることをラバーロック工法と言いますが、残念ながらラバーロックでは雨漏りは解決しないことがほとんどです。
結果、瓦屋さんが瓦をめくりながらその下の屋根下地の不具合を探して補修することで雨漏りが直ります。
瓦屋根を瓦屋以外の方が補修する場合、ほとんどラバーロックを勧めてきますのでご注意ください。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
高い場所のコーキングは業者に依頼しよう
屋根や雨樋・外壁などの高い場所は、落下するリスクがあります。
また、それ以外にも電線の接触などで命にかかわる事故が起こる危険もあります。
インターネットや電話などの配線を知らずに切断してしまうなどもありますので、なるべく専門業者に依頼されることをオススメします。
今までにコーキング材を使用したことがある方はただ塗るだけなのに意外とむずかしいと感じていませんか?
さらに、きれいに塗るには熟練が必要ですし、雨漏り修理でコーキング材を塗っても止まらないことも多いです。
雨漏りの原因を特定することが重要で、闇雲にコーキングしても汚くするだけです。
そんなことならと、はじめからプロに相談することもありだと思いますし、プロからすると専門業者に依頼することをオススメします。
【まとめ】雨漏りはさまざまな場所が原因で発生します
雨漏りの原因となる主な5つのつなぎ目を紹介しました。
- 外壁の目地(めじ)
- 窓やサッシまわり
- ベランダの接続部分
- 水切りの接合部
- 雨樋の継ぎ目
これらのつなぎ目を安定した状態で作業できるときだけ、応急処置としてコーキングしてつなぎ目の隙間を埋めることはありだと思います。
一方で、屋根のつなぎ目はかえって雨漏りを悪化させるリスクが高いので紹介しませんでした。
とくに瓦屋根でラバーロックと言って瓦同士の隙間を埋める工法はやめておき、瓦屋に瓦をめくってもらい、部分的に下地を直すことをオススメします。
また、屋根などの高所での作業は落下するリスクがあるので絶対にNGです。
雨漏りの原因は様々ですので、しっかりと原因を把握して修理することが近道であり、専門業者へ依頼することをオススメしています。
雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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