地震保険で屋根修理費用は補償されるの?事例を紹介しながら解説

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 地震保険で屋根修理費用が補償されるのか知りたい
  • 地震保険を使って屋根修理をする方法が知りたい
  • どのような場合に地震保険で屋根修理ができるのか知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「地震保険で屋根修理費用が補償されるのか知りたい」「地震保険を使って屋根修理をする方法が知りたい」という方に向けて書かれています。

どんなときに地震保険を使って屋根修理費用の補償が可能なのでしょうか。
保険の補償範囲の話や保険の申請の話は、少し難しく感じますよね。

本記事では、地震保険で屋根修理費用は補償されるのかについて解説していきます。補償される可能性のある代表的な事例なども紹介していくので、ぜひ参考にしてくださいね。

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地震保険の基礎知識

地震保険の基本的な情報を簡単にご紹介します。

  • 地震保険は、通常の火災保険では補償されない地震・噴火・津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出による損害を補償するもの
  • 単体で加入するものではなく、火災保険のオプションとして加入するもの
  • 地震によって建物・家財が全壊や全焼したとしても、最大で半分しか補償されない
  • 地震保険の保険料は免震等級割引や耐震等級割引があって、地震に強い建物は保険料が安くなる
  • 地震保険は、地震保険法に基づいて「国と保険会社が共同で運営している制度」となっている

地震保険は地震保険法に基づき、損害保険会社を通じて提供された地震保険を政府が再保険して、リスクを分散しています。

どこの保険会社で入っても、地震保険の補償内容や保険料は一緒で、競争原理が働かない公共的な仕組みとなっています。

 

地震保険で補償される可能性のある代表的な屋根修理事例3選

地震保険で補償される可能性のある代表的な屋根修理事例3選を紹介します。

  1. 瓦のズレや落下
  2. 瓦屋根の棟部の落下
  3. 雨仕舞の故障

次の章から詳しく解説していきますね。

 

【屋根修理の事例】①瓦のズレや落下

地震により瓦がズレてしまったり、落下してしまった場合の屋根修理費用は、地震保険で補償される可能性があります。

震度5弱程度では瓦はズレることはありませんが、それよりも大きな地震ではズレが生じる場合があります。

瓦のズレは瓦が屋根から落下するリスクやズレた隙間から雨水が浸入するリスクを高めます。

 

【屋根修理の事例】②瓦屋根の棟部の落下

地震により瓦屋根の棟部が落下や崩れてしてしまった場合などは、地震保険により屋根修理費用が補償される可能性があります。

地震で棟部が落ちてしまうケースは、築年数が30~40年程度の瓦屋根で古い工法で施工されています。

現在のガイドライン工法と呼ばれる耐震・耐風性能の高い仕様では棟部が落ちるケースはなくなっています。

 

【屋根修理の事例】③雨仕舞の故障

雨仕舞(あまじまい)とは、建築物などの内部に雨水が入らないようにする手法のことです。

部材の形や部材の配置を工夫ことで雨漏りを防ぎます。

雨水が浸入しても途中までで止まり、雨水が排水されるように経路を作ることでもあります。

地震が発生すると雨仕舞が故障してしまい建物の内部に雨水が浸入してしまうことがあり、雨仕舞を直すための屋根修理は地震保険の補償になる可能性があります。

 

地震保険の注意点

地震保険の注意点について紹介します。

  • 地震が原因で発生した火災や津波などの災害は、地震保険の対象となる
  • 家財も補償対象であるが、家財総額の10%を超える損害が出ないと支払われない
  • 単品額が30万円を超える骨董品や貴金属などのぜいたく品と判断されるものは対象外
  • 自動車などの車両は火災保険、地震保険共に対象外
  • 地震発生翌日から10日経過した後に生じた損害は対象外

 

地震保険と地震補償保険の違いについて理解しておこう

地震保険は火災保険に加入した上でオプションとして入ることができる保険です。

一方で地震補償保険は火災保険とは別で単独で入ることができる保険です。

地震補償保険は民間保険会社が独自設計した商品で、地震保険のように国は関わっておらず、別の仕組みとなっています。

地震補償保険は補償される保険金の限度額が決められていたり、地震による一部損壊では補償されなかったり、地震による津波の被害が補償されなかったりと、一般的な地震保険と特徴が異なるため、契約前に内容をしっかり確認しておきましょう。

 

地震保険の加入率が低い理由

地震保険の世帯加入率は、約30%程度で加入率が低い状態です。

  • 全壊や全焼した場合でも、最大火災保険の半額しか補償されない
  • 地域によって地震保険料が割高に設定されている
  • 補償対象が一部損以上でないと補償されない

地震で建物が倒壊しても、最大火災保険金の半額して補償されないため、保険金で建物を立て直すことはできません。

火災保険のオプションで加入することもあり、比較するとメリットが感じにくい可能性もあります。

しかし、住宅ローンを抱えている人は地震で家がなくなっても、ローンは残ってしまうため、その後の生活再建を考えた場合には地震保険に加入されることをオススメします。

 

屋根修理で地震保険を申請するときの流れ

この章では、屋根修理で地震保険を使用するときの流れを解説します。

火災保険とは異なり、実際の損害額ではなく主要構造部(基礎、柱、壁、屋根等)の損害額の程度によってお支払い保険金が決まります。

建物全体に被害がある場合は、全壊・半壊などとなり、屋根修理の枠から外れてしまいます。

屋根修理として地震保険を使用する場合は、建物が一部損壊となっている場合が想定されます。

屋根修理費用が一部損壊にあたる建物の時価額の3%以上20%未満となる場合に、保険金額の5%が支払われます。

申請の流れを紹介します。

  1. 保険会社・保険代理店へ連絡
  2. 屋根修理業者へ屋根の被害写真の撮影および修理見積依頼
  3. 屋根の応急処置
  4. 保険会社からの案内・書類の申請
  5. 保険会社による現場調査
  6. 保険金の支払い
  7. 屋根修理工事
地震での被害は広範囲に及ぶため、屋根の応急処置が必要となります。
ブルーシートなどで屋根をおおう前に、屋根の全景及び被害写真を撮影しておくことが重要です。
被害写真があれば、屋根修理業者はブルーシートをはがすことなく見積を作成できるのでスムーズとなります。

また、屋根修理が小規模の場合は一部損壊にあたらず、保険金が支払われない可能性もありますのでご注意ください。

 

【まとめ】地震保険で屋根修理費用が補償される可能性はある

地震保険で補償される可能性のある代表的な屋根修理事例3選を紹介しました。

  1. 瓦のズレや落下
  2. 瓦屋根の棟部の落下
  3. 雨仕舞の故障

地震保険は、地震保険法に基づいて「国と保険会社が共同で運営している制度」となっているので細かい注意点を確認しておきましょう。

屋根修理として地震保険を使用する場合は、建物が一部損壊となっている場合が想定されます。

屋根修理費用が一部損壊にあたる建物の時価額の3%以上20%未満となる場合に、保険金額の5%が支払われます。

ブルーシートなどで屋根をおおう前に、屋根の全景及び被害写真を撮影しておくことが重要です。
被害写真があれば、屋根修理業者はブルーシートをはがすことなく見積を作成できるのでスムーズとなります。

また、屋根修理が小規模の場合は一部損壊にあたらず、保険金が支払われない可能性もありますのでご注意ください。

 

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