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雨漏りの応急処置でブルーシートを使うときはどの種類を選ぶ?
ブルーシートと言っても、様々な大きさのブルーシートが販売されています。
そのため、ブルーシートは、事前にブルーシートをかける範囲を測定しておき、その範囲にあった大きさのものを購入すべきです。
また、ブルーシートのグレードや価格は重さによって種類が分けられています。
当然ですが、重いほうが高額になりますが、一方で厚くなるので紫外線にも強く、丈夫なとなります。
ブルーシートの重さは「#1000」、「#2000」、「#3000」のように表記され、数字が大きくなるほど重く厚みがあるようになっています。
雨漏りの応急処置に使う場合は、目安として「#3000」以上がオススメです。「#2000」以下ですと、3か月以上は持たないようです。
屋根全面の養生でなく、部分的な養生として使用する場合には、農業用ビニールシートもオススメです。
シートの耐久性もあり、透明でシートの下が見えて下地の状態などがわかるため、その後の作業が安全にできます。
ブルーシートで雨漏りの応急処置をするときの準備物は?
ブルーシートで雨漏りの応急処置をするときの準備物を紹介しておきます。
- 土嚢(どのう)袋
- 重し
- はしご
- 養生テープ
- ロープ
以下、簡単に使い方をご紹介します。
土嚢(どのう)袋
土嚢(どのう)袋は破損した屋根材を袋に入れて、捨てるために使用します。
また、併せて、その土嚢袋はブルーシートを飛散させないように使用する重しの役割も担えます。
土嚢袋も樹脂製なので、紫外線劣化が発生します。
屋根の応急処置で使用する場合は、数か月かかる場合もあるので、紫外線で劣化しにくい、UV使用のものがオススメです。
重し
土嚢袋の中に入れる重しは、ホームセンターで販売している真砂土や砂利を利用すると扱いやすいです。
屋根に上げるのが大変だと思う人は、厚みのあるビニール袋を土嚢袋の中に入れて、ホースなどで水を入れてしばると、簡単に重しになります。
はしご
1階の屋根までは4m前後、2階の屋根までは7m前後の2連はしご(約2万円~3万円)があれば屋根にあがることができます。
しかし、はしごを屋根にかける方法やはしごから屋根への移動するときに気をつけることなどがあるため、極力、はしごで屋根の上にあがるのはやめておきましょう。
養生テープ
シートの端部は、風でめくれないように養生テープや防水テープを貼ることも有効です。
注意点としては、その後に使用する屋根材の表面に貼るときは、ブチルテープなどの汚れがおちにくいものは避けることをオススメします。
ロープ
ロープは重しの土嚢袋をしばるときに役立ちます。
しかし、ブルーシートが飛散しないように、がんじがらめに留め付けると本番の屋根改修工事に入るときに、邪魔となりますので、注意しましょう。
ブルーシートで雨漏りの応急処置を行うときの服装は?
はしごの部分でも紹介しましたが、屋根に登ることはとても危険です。
落下すれば命にかかわります。まずは、適切な服装を身につけることが基本中の基本です。
- 安全帯
- ゴムでグリップの効いた靴
- ヘルメット
- 長袖・長ズボン
とくに、ヘルメット、すべりにくい靴、長ズボンは屋根の上で落ちないためには、必須です。
サンダルやスリッパなどは踏ん張りが効かないため、命をすてるよなものです。
ブルーシートで雨漏りの応急処置を行うときの注意点
ブルーシートで雨漏りの応急処置を行うときの注意点を紹介します。
- 2人以上で作業する
- 天気の良い日に行う
- 水が上から下に流れることを意識する
- 原則はプロにお願いする
以下、簡単に解説します。
2人以上で作業する
はしごを使うときに、必ず2人以上で作業することは必須です。
1人は下ではしごを支える役割の人が必要です。
何かトラブルが発生したときも2人で作業すれば、対応できるため2人以上で作業しなければなりません。
天気の良い日に行う
瓦の表面が濡れていると滑りやすく大変危険であるため、1日晴れる日を選んで作業するようにしましょう。
また、雨の日ではなくても風が強い日もやめておきましょう。
水が上から下へ流れることを意識する
ブルーシートを貼ったり、屋根に重しを置いたりするときには、ブルーシートによって、水の流れを変えてしまったり、水の流れを止めてしまったりして、ブルシートに水が溜まらないような注意が必要です。
水が上から下へ流れることを意識してするように伝えておきましょう。
原則は専門業者にお願いする
ブルーシートを使った雨漏りの応急処置は、高所作業になり大変危険な作業となるため、できるだけ自分たちではやらずに屋根・建築専門業者へ依頼することが最善です。
大規模災害のときには、ボランティアの部隊が結成されることもあります。
屋根の一部分の雨漏り対策!ブルーシートを使った応急処置
過去の養生写真を使って、瓦屋根の部分養生のポイントをご紹介します!
- シートの大きさを合わせる
- シートの上部を1段上の瓦の下に差し込む
- シートの左右の端部を処理する
- シートの上部を処理する
- シートの下端を処理する
以下、簡単に解説します。
シートの大きさを合わせる
シートの大きさは瓦がなくて、養生したい部分の面積に対して、上下左右30㎝ずつ以上程度の大きさにカットする。
例:90㎝角の範囲で瓦がないとすると、上下の長さ150㎝、左右の幅150㎝以上でシートをカットする。
シートの上部を1段上の瓦の下に差し込む
シートの上部を養生したい瓦の段の1つ上の瓦を持ち上げて、シートを瓦の下へ差し込む。
差し込む量は10㎝程度とする。これにより、雨が上の瓦から流れ落ちても、シートの上を流れる。
シートの左右の端部を処理する
シートの左右の端部を粘着力のあるテープで、瓦表面に貼りつける。
シートのはみ出しが30㎝程度あれば、瓦1枚分はシートの下に隠れるため、雨漏りをふせぐことができる。
シートの上部を処理する
シートの暴露上端を上の瓦とテープ留めする。
瓦の山の高い部分で、瓦とシートをテープ留めする。
シートの下端を処理する
最後に、シートの下端を下の瓦とテープ留めする。
このとき、テープの貼り方は水が溜まらないような貼り方とする。
これで、部分養生の完成。
平部だけでなく、棟部の一部だけが破損している場合、シートのテープ留めだけでも半年程度もつ。
ポイントまとめ
テープ留めのポイント
・テープ留めする部分の屋根材表面をきれいにする
・シート内へ風が入らないように隙間を埋めて貼る
屋根全体の雨漏り対策!ブルーシートを使った応急処置
大阪に大きな被害をもたらした台風21号で飛散した金属屋根をブルーシートで養生している屋根です。
屋根全体となると留め付け方が変わってきます。
土嚢袋による重しではなく、ブルーシートの上に木材をくぎ留めしています。
屋根全体を覆う場合は、土のう袋ではない方が容易で・安全です。
屋根全体をおおうブルーシートでの養生の方法をご紹介します。
- 棟からブルーシートでおおう
- ブルーシートを桟木で抑えるようにくぎ留めする
- ブルーシートの端部は屋根材へテープ留めする
以下、簡単に解説します。
棟からブルーシートでおおう
棟の端から端まで覆うことができるサイズをなるべく選ぶ。
棟から両方の屋根面にブルーシートをたらす。
軒先まで足りない場合は、軒先からブルーシートをかぶせ、軒先側のシートが下、棟側からのシートが上となるようにかぶせる。※これを逆にすると雨漏りする。
ブルーシートを桟木で抑えるようにくぎ留めする
下に瓦がない部分で、ブルーシートを桟木で抑えるようにくぎ留めする。
くぎは鉄丸くぎを一般的には使う。
ブルーシートの重なる部分は、上のブルーシートの端部を桟木で抑えるようにする。
ブルーシートの端部は屋根材へテープ留めする
ブルーシート端部の下に、屋根材が残っている場合は、屋根材とブルーシートをしっかりとテープ留めする。
ブルーシートの端部から強風が吹き込むとブルーシートがめくり上がるリスクがあります。
しっかりとテープでふさいでおくことが重要です。
屋根業界に、ブルーシートの張り方のマニュアルはありません
災害列島の日本ですが、残念ながら屋根業界では、屋根を養生するブルーシートの張り方のマニュアルは用意されていません。
屋根業者は、屋根の養生は当たりまえに行っているので必要ないことです。
また、災害時はブルーシート張りよりも屋根の補修工事が優先となります。
そのため、千葉県をおそった台風15号では、ボランティアの方のブルーシートの張り方が、マニュアルとなっているようです。
引用:DAWボランティアセンター/NPO災害ボランティア/ai-chi-jin 赤池博美
大変、わかりやすく説明されています。
実際の千葉県鋸南町でもブルーシートで屋根が養生されていました。
ブルーシートを屋根全体に覆い、土嚢袋(どのうぶくろ)を重しにして、養生されていました。
しかし、この方法ではその後に上陸した台風19号に耐えることができず、ブルーシートの張り直しが行われました。
被災地を見ても、屋根全体をブルーシートで張らなければならない屋根は少ないので、屋根全体をブルーシートでおおう方法は検討の必要があると考えています。
過去の災害での屋根の養生も調べてみました
そこで、過去に調査にいった被災地の屋根養生を調べてみました。
- 屋根全体の場合
- 棟部の場合
- 平部の場合
- 屋根用のルーフィングの場合
屋根全体の場合
先ほど、ご紹介した通り屋根全体の場合は、瓦桟木を使って、ブルーシートを抑えるようにくぎ留めしていることが多いです。
棟部の場合
被害のあった棟部分の瓦を片付けて、そこにブルーシートを張ります。
ブルーシートの幅は、生き残っている棟の幅よりも約片側30㎝大きめな幅とします。
割れた瓦などを土のう袋に入れ、その重みでブルーシートの飛散防止をしています。
スレートの棟被害は棟包み板金の飛散となります。
瓦のように、割れた残骸はでないので、土のう袋は使用しません。
棟部のみに被害が発生した場合、棟部のみを覆うことで十分です。
平部の場合
平部の場合は、被害のあった瓦を片付けます。
瓦の入れ替えなども行い、まとまった部分に対して養生を行います。
養生シートなどを使い、周辺の瓦にテープ留めします。
屋根用のルーフィングの場合
屋根用のルーフィングは耐久性が高く防水性もあるので、長期間、養生が必要な場合に役立ちます。
瓦の棟下が破損したため、透湿ルーフィングで養生してありました。
柔らかいので、アスファルトルーフィングよりも張りやすいです。
ブルーシートを使った雨漏り対策はあくまで応急処置だと理解する
ブルーシートを使った雨漏り対策は、あくまで応急処置となります。
屋根全体を養生する場合は、価格的にはブルーシートが適していますが、耐久性としては、#3000のブルーシートで半年程度とお考えください。
ブルーシートが劣化する前に、専門業者に屋根の修理をしてもらうことが必要です。
ポイントまとめ
屋根全体にブルーシートを張る場合
・留め付けは桟木でくぎ留めが安心
部分養生は農業用シートのテープ貼りも効率的
・屋根面を片付けて、養生面積を小さくする
・透明、安価、防水、耐久性、安全
【まとめ】ブルーシートでの雨漏りの応急処置は可能だが転落に注意!
雨漏りの応急処置に使う場合は、目安として「#3000」以上がオススメです。
ブルーシートで雨漏りの応急処置をするときの準備物を紹介しておきます。
- 土嚢(どのう)袋
- 重し
- はしご
- 養生テープ
- ロープ
雨漏りの応急処置を行うときの注意点は以下の4つです。
- 2人以上で作業する
- 天気の良い日に行う
- 水が上から下に流れることを意識する
- 原則はプロにお願いする
とくに、はしごの登り降りが危険ですので、必ず2人以上で作業を行いましょう。
平時ではブルーシートで雨漏りの応急処置を行うよりも、屋根業者に雨漏り修理を依頼した方が安全に、早く直すことができます。
災害時ではブルーシートで雨漏りの応急処置を行うことも可能ですが、転落には十分注意してください。
なるべく狭い範囲の養生となるように、屋根を片付けてシートなどで応急処置を行うをオススメします。
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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