築浅・瓦屋根の台風被害「一体袖・調整瓦の補強不足」の可能性。

Dr.神谷
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    屋根から人の笑顔を作りたい!!!
    神清(かみせい)のDr.神谷です。

    昨年の千葉県での台風による屋根被害調査を行っています。

    築年数の浅い瓦屋根は、ほぼ被害はありません。
    (他からの飛来物による被害を除く。)

    例外的に発見した築年数の浅い瓦屋根の被害原因について、検討してみました。

    簡単にご紹介します。

     

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築浅・瓦屋根の台風被害「一体袖・調整瓦の補強不足」の可能性。

昨年の千葉県での台風による屋根被害調査を行っています。

昨年から数回、現地でいろいろな屋根を調べました。

大まかな傾向としては、

・築年数が30年以上の屋根に、飛散被害が多い。

・被害の大きい海岸線エリアは、日本瓦の比率が高い。(8割程度)

・築年数の浅い建物は、屋根の被害が少ない。(飛来物による被害はある。)

・屋根下地ごと、飛散した屋根も目立つ。(スレート屋根・金属屋根等)

 

例外的に、築年数の浅い瓦屋根の被害を発見しました。

瓦の種類としては、「F形瓦フルフラットタイプ」でした。

その原因について、検討してみました。

 

「F形瓦フルフラットタイプ」とは、こんな屋根です。

上の写真のように、F形瓦フルフラットタイプは瓦の表面が、ほぼ平らなものです。

ここ15年ぐらいは、防災仕様にもなっていて、耐風性能も高くなっています。

基準風速40m/sのエリア(本州のほとんど)は、標準工法で対応可能です。

屋根の端(ケラバ部)に使用する袖瓦(そでがわら)が2種類あります。

かぶせ袖瓦の仕様

F形瓦では、かぶせ袖瓦を使用する場合がほとんどです。

上の写真のように、桟瓦の上に袖瓦が載っている状態で、葺き上がります。

一体袖瓦の仕様

F形瓦フルフラットタイプは、桟瓦が直線的で、屋根がスッキリした印象となります。

袖瓦をかぶせるとケラバ部が少し重い感じがするという考えのもと、

袖瓦を桟瓦と同じレベルとしたデザイン性の高い一体袖瓦があります。

上の写真が、一体袖瓦を使用した屋根で、シンプルなデザインとなって、葺き上がります。

 

被害のあった瓦屋根は一体袖瓦仕様でした。

被害のあった瓦屋根は、F形瓦フルフラットタイプの一体袖瓦仕様でした。

向かって、左側の一体袖瓦のすぐとなりに、ブルーシートが覆われていました。

住宅のデザインから築年数は、10年未満と推測しました。

他の10年未満の瓦屋根は、被害がない中で、この屋根に被害があった原因をいろいろと推測しました。

 

施工マニュアルから原因を推測しました。

三州瓦メーカーの施工マニュアルから原因を推測しました。

かぶせ袖瓦仕様の耐風性能

かぶせ袖瓦の施工図を下記に示します。(図の引用先:(株)鶴弥さんの施工マニュアルより)

かぶせ袖瓦は、瓦1枚につき、3本のねじで留め付けしています。

3点留めと呼んでいて、瓦屋根のガイドライン試験でも、耐風性能は確認されているじょうぶな留め付け方法です。

また、桟瓦や寸法調整でカットした桟瓦の上に、かぶっています。

屋根面における一番左側列の桟瓦の飛散防止の役割があります。

 

一体袖瓦仕様の耐風性能

一体袖瓦仕様の屋根の略図を示します。

向かって右側は、半瓦と桟瓦が順番に並びます。

一方、向かって左側は、屋根の大きさに合わせるために、寸法調整瓦が入ります。

屋根の割付(わりつけ)をしない場合に必要となります。(割付とは、屋根の幅を瓦の大きさに合わせることをいいます。)

調整瓦は寸法に合わせて瓦を切断します。

そのため、瓦同士を組み合わせる防災機能に対応できません。

かぶせ袖瓦のように、となりの半瓦・調整瓦を抑えつける機能は、一体袖瓦には、ありません。

そのため、一体袖瓦の右となりの半瓦・調整瓦・右となりの桟瓦までは、耐風性能が低い状態となっています。

耐風性能がおとるため、となりの一体袖瓦と接着剤で連結させ、補強が必要となります。

施工マニュアルにも、しっかりと記載されています。

調整瓦と一番左側の防災桟瓦までは、順番に接着剤で補強が必須です。

 

飛散した原因の推測

飛散した写真から、半瓦や調整瓦が飛散したと思われます。

施工時に、接着剤での補強をおこたったことが原因だと推測しました。

どこかの現場で、確認できるといいのですが。

 

まとめ:築浅の瓦屋根の飛散は、一体袖瓦仕様の施工ミスと推測しました。

一体袖瓦仕様は、袖瓦のとなりの、もっとも耐力の必要な桟瓦が弱点となります。

マニュアルでは、しっかりと接着剤での補強が明記してありました。

実際の被災した現場を確認することで、原因が明確になると思います。

 

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