ベランダ・バルコニーからの雨漏りの原因は?応急処置の方法や修理費用も紹介

Dr.神谷
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  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

ベランダ・バルコニーからの雨漏りの原因について知りたい

ベランダ・バルコニーからの雨漏りの応急処置の方法や修理費用が知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は「ベランダ・バルコニーからの雨漏りの原因について知りたい」「ベランダ・バルコニーからの雨漏りの応急処置の方法や修理費用が知りたい」という方に向けて解説しています。

ベランダ・バルコニーからの雨漏りは、様々な原因が考えられます。
原因がわからないければ、応急処置の方法もわからないし、修理費用の予想も難しいと思います。

そこで本記事は、ベランダ・バルコニーはどんな原因で雨漏りするのか解説していきます。応急処置の方法や修理費用の相場なども詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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ベランダ・バルコニーからの雨漏りは多い

普段、雨漏り修理を行っていて、「ベランダ・バルコニーからの雨漏りが多い。」という感覚があります。

それを裏付けるデータがありますのでご紹介します。

新築の瑕疵保険(かしほけん)が支払われた瑕疵(かし)の内容は、平成25年では、雨漏りは95%となっていて、新築の瑕疵=雨漏りとなっています。

その内分けは、屋根が約22%、外壁が約72%だそうです。(意外と屋根が少ないのです。)

外壁の詳細は、外壁面31%、外壁の窓廻り25%、バルコニー16%となっています。

外壁の中では、ベランダ・バルコニーは3番目ですが、

ベランダ・バルコニーは、全ての住宅に設置されているわけではなく、さらに、面積が小さいことを考えると、雨漏りしやすい場所だと言えます。

 

ベランダとバルコニーの違いは?

「ベランダとバルコニーの違いは?」と聞かれると、何となく使い分けているけど、正しい違いはわからなかったので、調べてみました。

「ベランダ」とは、2階以上で、建物から張り出した部分で、ひさし、軒下(のきした)、屋根がかかっているものを言います。

「バルコニー」とは、2階以上で、建物から張り出した手すりつきのスペースのことを言います。

屋根があるか、ないかの違いのようです。

また、「ルーフバルコニー」という呼び方もあります。

これは、「バルコニー」の下が居室で、バルコニーを屋根部分として使われるものを「ルーフバルコニー」と呼びます。

 

ベランダ・バルコニーは瑕疵担保責任保険からはずれる?

新築時の住宅瑕疵担保責任保険では、ベランダやバルコニーは適用外となります。

さっきのバルコニー16%と言っていたのは何?と思われた方もいらっしゃると思います。

住宅瑕疵担保責任保険では、バルコニーとは、「ルーフバルコニー」のことです。

下階の居室内へ雨漏りしないと、保険対象外になりますので、ご注意ください。

 

ベランダからの雨漏り修理費用の目安をご紹介します。

ベランダ・バルコニーの雨漏り修理費用の目安を以下の表に示します。

簡単な修理なら、5~20万円が目安です。

修理場所修理内容費用
手すり・笠木部分的な修理・シーリング5~15万円
床の防水層の修理・下地の改修15~50万円
外壁外壁材のシーリング・外壁材の交換・下地の改修5~80万円

ベランダ・バルコニーの床・外壁の下地(木材)が腐朽・シロアリなどの被害が発生していた場合は、40万円~80万円が目安となります。

あたり前ですが、早めに雨漏り修理をすることが、費用を抑えることにつながります。

 

瑕疵保険が支払われたベランダ・バルコニーの主な雨漏り原因は?

ベランダ・バルコニーの雨漏りしやすい場所とは?

新築の瑕疵保険が支払われた主な原因は、

◎防水層の施工不良

◎ドレン廻りの施工不良

◎手すり笠木まわりの施工不良

の3つと言われています。

どの部分か下のバルコニーの写真で示します。

 

なぜ?雨漏りしやすいの?

ベランダ・バルコニーが雨漏りしやすい理由をいくつか紹介します。

①直接、雨がかかる場所だからです。

建物から張り出しているため、雨を受けやすくなっています。

②取り合い部(壁と手すり、防水層と窓まわり、防水層と排水ドレン、壁と窓まわり、笠木と壁など)が多い場所です。

取り合い部は防水シートなどの連続性や職種の連携が必要となります。

作業の順番などのミスは、雨漏りの原因になり得ます。

③強風雨を受けやすい場所です。

笠木の下端などは、強風雨が浸入しやすくなっています。

 

ベランダの雨漏りはなかなか直らない。

ベランダからの雨漏りは必ず調査して、修理しましょう!

ベランダの雨漏りはなかなか直らない場合が多いです。

雨漏りの浸入部となり得る場所が多いから、職人の勘だけでは、浸入口をあてるのは、むずかしいと思われます。

ベランダに何色かのシーリング痕が残っている現場もときどき見かけます。

複数の業者が直そうとトライした形跡です。

雨漏り調査して、修理することができる業者を選ぶようにしましょう。

 

ベランダ・バルコニーの雨漏りの原因と応急処置の方法

ベランダ・バルコニーで代表的な雨漏りの原因と応急処置の方法を紹介します。

  1. ベランダの排水溝の詰まり
  2. 防水層の劣化
  3. 笠木の劣化
  4. ベランダの壁の破損

 

①ベランダの排水溝の詰まり

ベランダの排水溝は落ち葉や土ぼこり、劣化した洗濯干しグッズなどが詰まりやすいです。

排水溝が詰まると大雨時ベランダに雨水が溜まり、防水層からオーバーフローして雨漏りがするリスクがあります。

応急処置としては、排水溝に詰まったゴミを撤去することです。

 

②防水層の劣化

防水層の劣化すると防水層の下に雨水が浸入します。

浸入量が多くなると下地の継ぎ目などから雨漏りすることがあります。

応急処置としては、劣化した防水層のあなの部分を防水テープなどでふさぐことができます。

 

③笠木の劣化

笠木の留め付け部分が劣化すると雨水浸入しやすくなり、やがて雨漏りにつながります。

応急処置としては、笠木の留め付け部分をコーキングして、雨水が入りにくくすることができます。

 

④ベランダの壁の破損


ベランダにある外壁面の破損やサッシまわり周辺の隙間から雨水浸入して雨漏りになることが多いです。

応急処置としては、破損部分や隙間に防水テープなどでふさぐことができます。

 

ベランダ・バルコニー雨漏りした役立つ応急処置グッズ

ベランダやバルコニーで雨漏りが起こったときに役立つ応急処置グッズを紹介します。

  1. バケツ
  2. 防水シート
  3. 防水テープ
  4. コーキング材

 

①バケツ

バケツは雨漏りした水が床や家具に飛び散って、被害を拡大させないように雨漏りを受けるために使用します。

バケツの底にあたって、水滴が飛び散ることもあるので、バケツの中にタオルを入れておくと防ぐことができます。

②防水シート

あまり大きくないベランダ・バルコニーなら雨漏りの原因箇所付近に防水シートをかぶせて、雨が当たらないようにすることができます。

それで雨漏りが止まれば、その防水シートの下が原因箇所となります。

③防水テープ

目視で明らかなあなや隙間が発生している場合、防水テープを貼ることで雨漏りを防ぐことができます。

防水テープにはいろいろな種類があり、ブチル系などははがした時に黒い痕が残る可能性があるので注意してください。

④コーキング材

防水テープを貼りにくい立体的な隙間はコーキング材が有効です。

プライマー塗布したり、ヘラを使ったりして隙間の中に入るようにしましょう。

 

雨漏りの応急処置について詳しくはこちらの記事で解説しています。

雨漏りの直し方!あなたにもできる5つの応急処置【プロが解説】

 

注意しておきたいベランダの雨漏りの初期症状

べランダで雨漏りが起こっているときは、初期症状がみられる場合があるので、ベランダの雨漏りの初期症状を紹介します。

  • ベランダの下の部屋にシミ
  • クロスの剥がれや浮き
  • ベランダの軒天井にシミ
  • 軒下の塗装のはがれ

 

雨漏りとして水滴や水溜まりがなくても、天井や壁のシミが発生することがあります。

雨漏りの初期症状の可能性が高いので、早めに雨漏り修理を行いましょう。

 

ベランダの雨漏りの調査方法

ベランダの雨漏りの調査方法について紹介します。

  • 目視調査
  • 散水調査
  • 赤外線サーモグラフィ調査

 

目視調査

ベランダの状態を目視・写真撮影して、雨漏りの浸入箇所の可能性がある部分を探します。

費用は0円ですが、あやしい箇所を探すだけなので、原因箇所の特定に至らない場合も多いです。

散水調査

目視調査で目星をつけたあやしい箇所を順番に散水して、漏水の有無を確認します。

散水調査は建築知識、経験が必要であり、作業者の技量の違いで結果が異なる場合もあります。

費用は0~30万円が多いようです。

赤外線サーモグラフィ調査

赤外線カメラを使い、建物内外の熱画像を撮影して、雨水の浸入経路を調べます。

赤外線サーモグラフィ調査はかなり熟練が必要であり、結果が異なるため、赤外線サーモグラフィ調査のみで判断することはオススメしません。

費用は0~20万円が多いようです。

 

雨漏りの原因調査について詳しくはこちらの記事で解説しています。

【雨漏りの特定方法】原因を調査するための5つの方法を徹底解説

住んでいるのがマンションなら管理会社に相談しよう

 

住んでいるのがマンションであれば、ベランダはマンションの共有部分になるため、許可なく修理をすることは避けましょう。

管理会社や大家さんに相談して補修してもらいましょう。

上階のベランダから雨漏りしてくることもあります。

上階の人と話をする必要がある場合も、管理会社や大家を通して話をするべきです。

近隣トラブルとならないように、慎重に相談することをオススメします。

 

ベランダの雨漏り調査・修理の事例を紹介します。

ベランダからの雨漏りに対する調査・修理の事例をいくつか、簡単に紹介します。

バルコニーの内壁と手すり・笠木の取り合い部から雨漏りした事例

長期間にわたり、バルコニーから雨漏りしていたために、バルコニーの下地となる木部が腐朽していました。

笠木と壁の取合部から浸入しており、中の木材が完全に腐っていました。

内壁・下地・床と大掛かりな修理が必要で、費用は約80万円程でした。

 

バルコニーの雨漏り バルコニー内壁交換による修理【愛知県稲沢市】

 

バルコニーの床のFRP防水層が劣化して、防水層のき裂から雨漏りしていた事例

バルコニーの床の下面(軒天・のきてん)に黒染みが発生して、雨漏りが発覚しました。

防水層の亀裂を応急処置していたのですが、その隙間から雨水が浸入していました。

防水層であるFRP防水をやり直して、修理しました。

 

ルーフバルコニーの雨漏り FRP防水による修理【愛知県東海市】

 

バルコニーと壁の取り合い部からの雨漏り事例

バルコニーと壁の取り合い部からの雨漏りは比較的多い事例です。

手すり・笠木の下に隠れている防水シートと壁の防水シートの間を防水テープ等でしっかりと手順通り防水する必要があります。

この物件では、さらに、防水シートの劣化も発生していました。

 

バルコニーからの雨漏り補修 防水シートの劣化【愛知県岡崎市】

 

バルコニーの雨漏りは塗装しても直らない事例

バルコニーから雨漏りしていたのですが、塗装すれば直ると言われ、塗装したけど直らなかった事例です。

雨漏りは塗装では、基本止まりません。

塗装する前に雨漏り調査して、併せて補修することが重要です。

 

なかなか止まらない雨漏り 塗装する前の雨漏り調査が有効です!【愛知県瀬戸市】

 

 

ベランダの雨漏りは、調査・修理がセットです!

ベランダの雨漏りは調査・修理はセットをお考えください。

ベランダからの雨漏りの原因となりやすい浸入箇所が、狭い面積の中で、いくつもあります。

取り合い部(壁と手すり、防水層と窓まわり、防水層と排水ドレン、壁と窓まわり、笠木と壁など)が浸入箇所となります。

ベランダの下地が腐朽する前に、雨漏り修理することが、費用を安価に抑えるポイントです。

ベランダからの雨漏りが心配な方はお気軽にお問い合わせください。

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