スレート屋根の雨漏り 3大原因の1つ「踏み割れからの浸水」をご紹介。
スレート屋根とは、新築時は雨漏りしにくい屋根材です。
漏水試験で、猛烈な強風雨を想定した送風散水試験を行っても新品では雨漏りしません。
しかし、経年劣化にともない、雨漏りすることも。
その経年劣化による雨漏りには、以下の3大原因があります。
①塗装時の縁切り不足
②踏み割れからの浸水
③ケラバ部からの浸水
です。
この記事では、②踏み割れからの浸水による雨漏り事例とその対策をご紹介します。
②の雨漏りは、屋根全体ではなく、部分的な劣化を引き起こします。
スレート屋根は、屋根下地の強度不足に伴う踏み割れが発生するリスクがあります。
新築の施工時からヘアークラックは発生していて、経年でひび割れと分かる大きさに成長します。
そのひび割れ部からの雨漏りはシーリング補修では止まりません。
ひび割れ部は、できれば築後2年以内、少なくとも9年以内に補修することをおススメします。
雨漏り現場事例を紹介します。
築20年の木造住宅・寄棟・2階建てでした。
雨漏り調査
2階内壁クロスのはがれが発生していました。
雨漏り箇所の真上の屋根を点検すると、谷部があり、スレートのひび割れが多数ありました。
谷板金には、穴は開いておらず、スレートのひび割れ部に散水試験を行いました。
室内を確認すると、
はがれ部の近くの天井から漏水による温度低下を示していました。
小屋裏へ入って、野地板を調べてみると、
長年の漏水で、野地合板に穴が開いていました。
その野地合板の部分には、腐朽菌が発生していました。
隅木には漏水痕も確認できました。
応急処置でシーリング補修をしてみました。
ケイミュー(株)の施工マニュアルでは、ひび割れ部の補修はシーリングによる補修となっています。
そこで、ひび割れ部をシーリング補修して、様子をみました。
しかし、ひび割れでは、雨漏りは止まりませんでした。(当然ですが・・・)
そこで、葺き替えによる雨漏り修理を行いました。
雨漏り修理(古いスレート屋根の解体)
古いスレート屋根を解体しました。
ルーフィングは高級な改質アスファルトルーフィングが使用されていました。
スレートを解体して、谷板金を確認しましたが、標準的な大きさで、問題はありませんでした。
野地板には、雨漏りの水分により、腐朽して穴が開いていました。
踏み割れからルーフィングを通して雨漏りし、野地板が腐朽して穴が開くまでの劣化です。
谷部で水が集まりやすいことも要因の1つと言えます。
隅木の表面にも腐朽菌が付着していました。
雨漏り修理(新しい材料で復旧)
新しい野地合板(構造用合板)で復旧しました。
野地合板の上に、新しい防水シートを張りました。
防水性の高い改質アスファルトルーフィングを施工します。
スレート屋根の「踏み割れからの浸水」からの雨漏りを防ぐ方法とは?
瓦と同様にスレート屋根も差し替えすることができれば、踏み割れからの浸水を防ぐことができます。
スレート屋根を差し替えするには、新築時に、防水シートを破れにくいものとしておくことが重要です。
防水シートの破れにくいものとは、高級な改質アスファルトルーフィング(芯材が不織布のもの)のことです。
差し替えすることで、雨漏りを防ぐことができます。
瓦などは、割れた瓦の1枚を差し替えすることで雨漏りを防ぎます。
しかし、スレート屋根はスレートと防水シートが夏の暑さで、貼り付いてしまいます。
古いスレートを引き抜くときに、貼り付いた防水シートが破れてしまいます。
結果、差し替えが困難なために、踏み割れはシーリング補修となっているのです。
破れにくい防水シートを使用することで、スレート屋根でも差し替えが可能となり、雨漏りを防ぐことができます。
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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