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高浜市の瓦屋根耐風診断補助金制度が開始されました
2022年4月1日から瓦屋根耐風診断補助金制度が開始されました。
これは令和元年房総半島台風において、古い瓦屋根で大きな被害が発生したために「専門家に瓦屋根の耐風性能を診断してもらい、脱落のおそれのある瓦屋根は耐風改修工事を行いましょう」という補助制度を受けてのものです。
補助制度は聞きなれない言葉・条件なども多く、わかりにくいので、その内容についてこれから解説していきますね。
高浜市の瓦屋根耐風診断補助金制度とは?
今年4月1日から新しくできた補助制度です。
強風による住宅等の瓦屋根の被害の軽減を図るため、既存住宅の瓦屋根の耐風診断に対して補助金が交付されます。
- 補助対象の瓦屋根と条件
①平成13年より前に建てられた瓦屋根(粘土瓦及びセメント瓦)の住宅で、それ以降瓦屋根が改修されていないもの。
②その瓦屋根の留め付け方法について、瓦屋根の資格者(かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、瓦屋根診断士)に耐風性能の有無を診断してもらうこと。
- 補助金額
基本補助金 補助対象経費の2/3 限度額21,000円
追加補助金 補助対象経費の1/3 限度額10,500円
※耐風改修の瓦屋根葺き替えを実施した場合に追加される。
- 補助手続き
必ず瓦屋根耐風診断前に基本補助金の交付申請を行うこと。
高浜市で平成12年以前に施工された瓦屋根を屋根屋に耐風診断してもらうのに、診断費用が最大31,500円、その診断費用内の21,000円(2/3)を高浜市が補助してくれるというものです。
また、診断結果から耐風改修の必要があるとなった場合、三州瓦を使って葺き替え等を実施すれば、診断費用の残りの10,500円(1/3)も高浜市が補助してくれます。(実質診断無料となります。)
高浜市の他の瓦屋根補助金制度は?
「耐風診断だけなの?改修するのに補助金はないの?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
高浜市では「三州瓦屋根工事等奨励補助金」という改修に対して補助する制度もしっかりありますので、ご安心ください。
この補助金は新築にも対応している補助金ですが、ここでは、瓦屋根の改修にポイントをしぼって解説します。
- 補助金制度の概要
三州瓦の振興を通じて地域経済及び地域社会の活性化を推進するため、三州瓦を使用して瓦屋根の改修を行った住宅等の建築主等に対して補助金を交付されます。
- 補助対象
高浜市内にある事業所で製造された「三州瓦」を使用した瓦屋根の改修が補助対象です。
- 補助対象となる瓦屋根改修工事
高浜市内で、住宅等の屋根をすべて葺き替える方
高浜市内で、防災目的で屋根の棟部をすべて葺き替える方
※瓦屋根改修工事は、耐風・耐震性能が高い「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」の工法で施工すること
- 補助金額
屋根工事に係る工事費の25%(限度額 日本瓦の場合25万円 その他の瓦の場合15万円)
わかりにくいと思いますので、2つの事例でご紹介します。
①築20年以上経過した日本瓦屋根を平板瓦に葺き替える場合(25坪の場合)
工事費用:135万円
補助費用:15万円(限度額)
②築20年以上経過した日本瓦屋根の棟部を葺き替え場合
工事費用:70万円
補助費用:17.5万円(補助率25%)
①は屋根全面の葺き替え、②は棟部の葺き替えの事例です。
しっかりと補助してくれる内容となっていますので、ご検討ください。
瓦屋根の修理に対する補助申請の流れ
H12年より前に建築された瓦屋根の修理に対する補助申請の流れを紹介します。
瓦屋根耐風診断補助金
- 交付申請
- 診断の実施
- 完了報告
- 補助金の請求
必ず瓦屋根耐風診断を行う前に【交付申請】を行ってください。
高浜市都市計画グループへ交付申請書類(以下)を提出します。
申請書(様式第1)、現況写真、位置図、建築着工年が分かる書類、瓦屋根耐風診断の見積書、誓約書(様式第2)、診断者の資格を証する書面、市税納税証明書
書類提出後に高浜市から「交付決定通知」が届きます。
その後に、診断を実施して、【完了報告】を行います。
完了報告も都市計画グループへ書類を提出します。
完了報告書(様式第4)、診断費の領収書の写し、診断結果の写し、その他市長が必要と認める書類
書類提出後に高浜市から「補助額の確定」の連絡が入ります。
かなり書類が多いので、診断をお願いする資格のある屋根工事店にご相談ください。
全日本瓦工事業連盟ホームページの「加盟工事店の検索」からお近くの工事店を検索することができます。
弊社も資格者(瓦屋根工事技士)がいますので、お気軽にお問い合わせください。
三州瓦屋根工事等奨励補助金
- 工事指定申請
- 工事指定通知
- 屋根改修工事実施
- 補助金交付申請
- 補助金交付通知
- 補助金交付請求
まず、住宅等の工事現場に三州瓦が納品されたら、【工事指定申請】を行うために、速やかに提出書類(以下)を高浜市経済環境グループへ提出します。(耐風診断とはグループが異なります。)
三州瓦屋根工事等指定申請書(様式第1)、工事現場付近見取図、工事現場の配置図・平面図・立面図、工事現場に納品された三州瓦の写真、工事施工前の屋根の状況写真、屋根施工業者のガイドライン工法誓約書など
「工事指定通知」が高浜市から届きます。(この書類は後で必要となります。)
屋根改修工事を実施し、完了したら【補助金交付申請】を行うために、速やかに提出書類(以下)を提出します。
補助金交付申請書(様式第5)、工事現場の完成写真、屋根施工業者がガイドライン工法に基づき施工した報告書、各施工写真、工事指定通知書の写し、工事契約書・領収書の写し、屋根工事施工明細書、住民票、納税証明書など
高浜市から補助金交付通知が届きます。
最後に、補助金交付請求を行います。
補助金交付請求書、補助金交付通知書の写しを提出して完了となります。
かなり書類が多いので、工事をお願いする屋根工事店にご相談ください。
改修工事を行った場合は、最後に耐風診断に対する追加の補助申請が行えるので、忘れずに行いましょう。
古い日本瓦屋根の自然災害事例
最近の各地で発生した自然災害によって発生した古い日本瓦屋根の被害事例を紹介します。
巨大台風による被害
2018年台風21号(大阪)によって、古い日本瓦棟部に多くの被害が発生しました。
2019年台風15号(千葉)によって、古い日本瓦棟部に多くの被害が発生しました。
巨大地震による被害
2011年東日本大震災(千葉)によって、古い日本瓦棟部に多くの被害が発生しました。
2021年福島沖地震(福島)によって、古い日本瓦棟部に多くの被害が発生しました。
古い日本瓦屋根は棟部(屋根の頂点)に葺き土で瓦がのせてある状態のため、崩れやすくなっています。
現在の日本瓦屋根では、全部の瓦を留め付ける仕様(ガイドライン工法)に更新されているため、自然災害にも耐える構造となっていますので、古い日本瓦屋根は改修が必要です。
古い日本瓦屋根棟部の改修事例
古い日本瓦屋根の棟部をガイドライン工法で改修した事例を紹介します。
- のし積み伏せ棟で改修
古い日本瓦棟部は銅線で瓦と葺き土をくるんでいるだけで、建物に留め付けられていません。
銅線を切って、棟部の瓦を取り除きます。
棟部のすべての瓦を留め付けてのし積み棟で復旧します。
- 冠瓦伏せ棟
もう1つの改修方法として、冠瓦だけで復旧する方法もあります。
棟部の横に銅線が見えたら旧工法ですので、耐風診断を検討してください。
耐風・耐震性の低い棟部を解体します。
上端の瓦を全数留め付けして、棟補強金物を建物に留め付けます。
棟補強金物に棟芯材のたるきを設置して、棟部を桁行方向で連結します。
上端の瓦とたるきの間をなんばんしっくいでふさぎ、雨漏りをふせぎます。
冠瓦をたるきにビス留めして、棟部の耐風・耐震改修の完成です。
冠瓦伏せ棟の特徴は軽量化・安価となります。
まとめ:高浜市の古い日本瓦屋根は補助金を使って耐風診断・改修することをオススメします。
高浜市は4月から瓦屋根耐風診断補助金が開始されました。
各地で自然災害が発生していますが、幸い、高浜市では大きな災害に見舞われていません。
今の内に、補助金を使いながら、脆弱な棟部を耐風・耐震性の高い棟部に改修することをご検討ください。
補助金の申請に関しては、市役所の各担当窓口、有資格の瓦工事店にご相談ください。
弊社もわかりやすくご説明しますので、お気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
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