屋根塗装の素材ごとの方法や手順を屋根屋が徹底解説します

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

屋根塗装の素材ごとの方法を知りたい

屋根塗装の手順を知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は「屋根塗装の素材ごとの方法を知りたい」「屋根塗装の手順を知りたい」という方に向けて書かれています。

屋根塗装は、屋根材だけでなく建物を長持ちさせるためにとても重要なことです。
そんな重要なことだからこそ、どんな方法や手順で行われるのかは知っておきたいですよね。

本記事では、屋根塗装の方法について解説していきます。屋根の素材ごとに異なる塗装の方法も詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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屋根の素材ごとの塗装工事の方法

塗装を行なう屋根の素材には、代表的なものとして以下の3つを紹介します。

  1. スレート
  2. 金属屋根
  3. セメント瓦

 

それぞれの屋根材で塗装工事の方法が少しずつ異なりますので、次の章から詳しく解説していきます。

 

【塗装工事の方法】①スレート

スレート屋根の塗装の手順を紹介します。

  1. 高圧洗浄
  2. 下地調整
  3. 下塗り
  4. 中塗り
  5. 上塗り
  6. 縁切り

 

それぞれについて簡単に解説します。

①高圧洗浄

スレートは経年で、コケや藻、土ぼこり、汚れが表面に付着しています。

高圧洗浄でスレートの表面をきれいにすることが塗装を長持ちさせることにつながります。

②下地調整

スレートはヒビ割れ・破損が発生しやすい屋根材です。

塗装する前に、ヒビ割れ・破損の補修を行います。

棟・けらばは板金仕様となっていますので、板金部分のケレンやくぎ抜けの補修も行います。

③下塗り

スレートの表面に塗料が密着するように下塗りとなるシーラーを塗布します。

板金部分はサビ止めを塗布します。

④中塗り

細かい部分はハケ塗りをして、ローラーで塗ります。

⑤上塗り

細かい部分はハケ塗りをして、ローラーで塗ります。

⑥縁切り

翌日以降で、スレートの上下の重なり部分で塗料が密着している箇所をカッター、皮スキなどで塗料をカットして、縁切りします。

縁切りを行わないと後で雨漏りが発生しますので必須です。

 

スレート屋根に塗装が必要な理由について詳しくはこちらの記事で解説しています。

スレート屋根に塗装が必要な3つの理由とは?屋根屋が詳しく解説します

 

 

【塗装工事の方法】②金属屋根

金属屋根の塗装の手順を紹介します。

  1. 高圧洗浄
  2. ケレン
  3. サビ止め処理
  4. 上塗り

 

それぞれについて簡単に解説します。

①高圧洗浄

金属屋根の表面の汚れ等をきれいにします。

②ケレン

既存塗膜を除去したり、サビを落としたりします。

ケレンをして、金属屋根の表面を下地処理することで塗装の不具合を軽減します。

③サビ止め処理

金属屋根のサビが進行しないようにサビ止めを塗布します。

④上塗り

細かい部分はハケ塗りをして、ローラーで2回以上塗ります。

 

【塗装工事の方法】③セメント瓦

セメント瓦の塗装の手順を紹介します。

  1. 高圧洗浄
  2. 下地調整
  3. 下塗り
  4. 上塗り

 

それぞれについて簡単に解説します。

①高圧洗浄

高圧洗浄でコケ・藻、汚れ、既存塗膜を洗い流します。

 

②下地調整

高圧洗浄で落としきれなかった塗膜をケレンして除去します。

破損瓦を交換したり、シーリングを打ち直ししたりします。

③下塗り

セメント瓦の表面にシーラーをしっかり塗ります。

 

④上塗り

ハケを使い、ムラがでないように塗りします。

 

 

粘土瓦の屋根は塗装がいらない?

和瓦や洋瓦などの粘土瓦は、陶器質で耐久性が高い(60~100年)ため、塗装する必要はありません。

塗装すると瓦同士の隙間を埋めてしまい、雨漏りリスクが高まるため、塗装はNGとなっています。

粘土瓦とセメント瓦を区別することができず、粘土瓦屋根にも塗装を勧めてくる業者がいるので、だまされないようにしましょう。

ただし、古い瓦屋根はメンテナンスフリーという訳ではなく、耐震・耐風性の乏しい旧工法の留め付けとなっているため、現在の仕様に葺き直し・葺き替えを検討してください。

 

屋根塗装工事の費用相場

屋根塗装工事の費用相場を紹介します。

一般的な2階建て(30坪前後の大きさの建物)のスレート屋根の場合(塗り面積が60~80㎡程度)は、40~60万円程度です。

金属屋根、セメント瓦の場合でも大きさ差はありません。

 

屋根塗装の費用相場について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根の塗装の費用相場はどれくらい?3つの内訳も詳しく解説

 

屋上や陸屋根には防水塗装工事が必要

一般の屋根(傾斜のある)は屋根材の下に防水シートを設置し、屋根材と防水シートのセットで雨水の浸入を防いでいますが、屋上や陸屋根は水平であり、防水塗装工事が必要となります。

傾斜のある屋根に使用する塗料と屋上や陸屋根に使用する塗料は防水性の考え方が全く異なり、種類も違います。

屋根の防水塗装によく使う塗料は、表面がガラスのような仕上がりになる繊維強化プラスチックのことである「FRP」と固まるとゴム状になる比較的リーズナブルな塗料である「ウレタン」の2種類があります。

どちらの防水塗装も10~13年が耐用年数となっており、定期的メンテナンスが必須となります。

 

屋根の防水塗装の種類について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根の防水塗装の種類とは?費用や必要な症状などもすべて解説

 

屋根材の状態次第ではどんな塗装方法も効果がない

屋根材の劣化が激しい場合は、屋根塗装ではなく屋根の修理が必要とお考えください。

トタン、ガルバリウム鋼板で錆びが進行してしまったり、スレート、セメント瓦がヒビ割れ、はがれなどが多数発生してしまったりした場合は、屋根修理工事を検討してください。

また、屋根材ごとで屋根の寿命があります。

屋根の寿命は屋根材だけではなく、その下の防水シートとの組み合わせで決まっています。

屋根材の寿命が来ている屋根を塗装しても不具合が解決しなかったり、別の不具合が発生する可能性が高いです。

塗装した効果が見込めないのでオススメできません。

 

屋根塗装で失敗しないために必要なこと

これから屋根塗装をしようとしている方は、失敗しないために以下のポイントを注意してください。

  • スレート屋根は縁切りすることを確認しよう。
  • 築年数が経過していたら、塗装業者だけではなく屋根業者にも診てもらおう。
  • 建物全体のメンテナンス計画を検討しよう。
  • 相見積もりで安すぎる業者はやめておこう。

 

相見積もりでなるべく安価となるように検討することは重要ですが、あまりにも安すぎる業者はオススメできません。

塗装では大事な工程を省いても、塗装直後はわかりません。

あまりにも安すぎる業者は何かを省いている可能性があるのでご注意ください。

 

【まとめ】屋根素材を把握して塗装工事を行おう

塗装を行なう屋根素材には、代表的なものとして、スレート、金属屋根、セメント瓦があります。

それぞれの屋根材で塗装工事の方法が少しずつ異なりますので、その違いを紹介しました。

屋根材の劣化状態が異なるため、洗浄、前処理、下塗りが異なってきます。

また、スレートは最後に縁切りが必要となり、これを行わないと雨漏りや踏み割れの原因となりますので必ず確認してください。

 

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