目次
コロニアル屋根とは?
コロニアルとは住宅用スレートの一種類のことです。
クボタ(久保田鉄工株式会社)が住宅用建材カラーベストを製造販売したときの商品名が「コロニアル」です。
住宅用スレートを代表する名称として、「スレート屋根」=「カラーベスト」=「コロニアル」というイメージで使用されています。
現在でも、ケイミュー(株)が製造販売しているスレート屋根の商品シリーズ名です。
コロニアル屋根は厚さ5mmほどの薄い平板状のセメントを主成分とした屋根材です。
繊維状のものを多く含んでおり、外力に対して、多少のねばり強さがあります。
屋根に設置するときに重なりを大きくして、2枚重ね・3枚重ねで雨の浸入をふせいでいます。
1960年代から生産されており、単一商品としては、もっとも多く使用された屋根材です。
コロニアルの特徴やメンテナンスについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
どんな屋根材?コロニアルの特徴やメンテナンス方法を徹底解説!
コロニアル屋根のメリットとデメリット
コロニアル屋根のメリットとデメリットを紹介します。
【メリット】
- 初期費用が安い
- 軽量で「軽い建物」に入る
- カラーバリエーションが豊富
- 様々な屋根の形状に対応できる
- 施工しやすく扱える業者が多い
コロニアル屋根のメリットは何と言っても初期費用が安価なことです。
また、建築基準法において、コロニアル屋根の建物は「軽い建物」に分類されています。
セメント系の基材を塗装しているため、カラーバリエーションが豊富です。
【デメリット】
- ヒビ割れしやすい
- 汚れやすい
- 定期的なメンテナンスが必要
- アスベストが入っていた
薄い平板状のため、建設時において作業者の踏み割れによるヒビ割れが生じやすい屋根材です。
新築時はヘアークラックが多く、気付かないので、後から問題となることがあります。
塗装品のため、塗料が紫外線劣化するので、メンテナンスが必要となります。
コロニアル屋根は防水塗装が必要?
コロニアル屋根を防水塗装することで得られる効果は主に3つあります。
- 美観の向上
- 撥水性の向上
- 屋根材の保護
コロニアル屋根を塗装する効果は何と言っても美観の向上です。
コロニアル屋根の表面は10年程度で色あせやコケの発生で汚れたように見えます。
また、塗装された表面は塗料により撥水性が向上します。
撥水性が向上するとコロニアル本体が水分を吸いにくくなるため、吸水膨張・乾燥収縮の繰り返しが軽減し屋根材の保護につながります。
ただし、防水塗装しなくても2枚重ねで雨水浸入をふせいでいるので、雨漏りは発生しません。
雨漏り防止のための防水塗装は不要と言えます。
コロニアル屋根に使うオススメの防水塗料
防水性の高い塗料やヒビ割れに追随できる弾性塗料のことを一般に「防水塗料」と呼んでおり、防水塗料という特定の種類の塗料やカテゴリーはありません。
コロニアル屋根に使用する塗料はシリコン塗料がオススメです。
塗装はコロニアル屋根よりも外壁のシーリングのメンテナンス時期に合わせることが足場代を節約することにつながり効率的となります。
高耐久で高価な塗装を行っても、屋根は外壁よりも劣化しやすく汚れます。
値段が手ごろなシリコン塗装が外壁とのバランスがよくなります。
次の章では、シリコン塗装などの防水塗装に必要な費用について詳しく解説しています。
防水塗装に必要な費用
一般的な2階建てのコロニアル屋根の場合(塗り面積が60~80㎡程度)は、シリコン塗料で40~60万円程度(30坪前後の大きさの建物)です。
ただし、屋根の塗装と言っても、塗装の種類、屋根材の種類や劣化状態、建物の立地、大きさや形状などによって変わってきます。
その他の塗料の種類と費用も参考までにご覧ください。
塗料の種類 | 屋根の塗料耐久年数 | 費用目安 |
---|---|---|
ウレタン | 約4~6年 | 25,000~70,000円 |
シリコン | 約5~7年 | 30,000~80,000円 |
フッ素 | 約7~10年 | 80,000~160,000円 |
無機 | 約10~15年 | 100,000~240,000円 |
コロニアル屋根の防水塗装の手順
コロニアル屋根の塗装の手順を紹介します。
- 高圧洗浄
- 下地調整
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
- 縁切り
それぞれについて簡単に解説します。
①高圧洗浄
コロニアル屋根は経年でコケや藻、土ぼこり、汚れが表面に付着しています。
高圧洗浄でコロニアル屋根の表面をきれいにすることが塗装を長持ちさせることにつながります。
②下地調整
コロニアル屋根はヒビ割れ・破損が発生しやすい屋根材です。
塗装する前に、ヒビ割れ・破損の補修を行います。
棟・けらばは板金仕様となっていますので、板金部分のケレンやくぎ抜けの補修も行います。
③下塗り
コロニアル屋根の表面に塗料が密着するように下塗りとなるシーラーを塗布します。
板金部分はサビ止めを塗布します。
④中塗り
細かい部分はハケ塗りをして、ローラーで塗ります。
⑤上塗り
細かい部分はハケ塗りをして、ローラーで塗ります。
⑥縁切り
翌日以降で、コロニアル屋根の上下の重なり部分で塗料が密着している箇所をカッター、皮スキなどで塗料をカットして縁切りします。
縁切りを行わないと後で雨漏りが発生しますので必須です。
防水塗料を塗装した後の縁切りの重要性
防水塗料を塗装した後、コロニアル屋根は縁切りを行うことが重要です。
上下の重なり目でコロニアル屋根同士が塗料で貼り付いて隙間をなくしてしまいます。
コロニアル屋根の横方向の継ぎ目からコロニアルの裏側へ浸入した雨水は、上下の重なり目で排水されずに溜まってしまいます。
溜まっている部分には、コロニアルを留めているくぎがあります。
くぎからの伝い水となって、防水シート・野地合板へと浸入して、やがて、雨漏りとなります。
縁切りを行わないとコロニアル屋根を長持ちさせるための塗装がかえって雨漏りのリスクや屋根の短命につながるリスクを高めるのでご注意ください。
コロニアル屋根の縁切り作業の動画をご覧ください。
スレート屋根の塗装の縁切り不足について詳しくはこちらの記事で解説しています。
スレート屋根の雨漏り 3大原因の1つ「塗装の縁切り不足」をご紹介。
注意しておきたいコロニアル屋根の劣化症状
注意しておきたいコロニアル屋根の劣化症状について紹介します。
- コロニアル屋根のヒビや欠け
- コロニアル屋根の色あせ
- コロニアル屋根の反り
- コケの繁殖
●コロニアル屋根のヒビや欠け
●コロニアル屋根の色あせ
●コロニアル屋根の反り
コロニアル屋根が反ることで、上下の重なりに隙間が発生します。
●コケの繁殖
劣化症状が見られた場合は、早めに対処することで雨漏りの防止や屋根材の長持ちにつながります。
コロニアル屋根の寿命
コロニアル屋根の寿命は25~30年程度です。(上の写真は築25年のコロニアル屋根です。)
立地条件や気候、メンテナンス(屋根修理など)によってもコロニアル屋根の寿命は影響を受けます。
寿命が短くなる → 海沿いの家、樹木におおわれた家、誤ったメンテナンスをしてしまった家 など
寿命が長くなる → 屋根全体に日が当たる家、正しいメンテナンスをしている家 など
コロニアル屋根の塗装に最適な時期は、新築から10年程度が目安です。
塗料の種類 | 塗装の耐久年数 |
---|---|
ウレタン | 約4~6年 |
シリコン | 約5~7年 |
フッ素 | 約7~10年 |
無機 | 約10~15年 |
屋根塗装の耐用年数について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根塗装の耐用年数はどれくらい?知っておきたい3つの注意点とは?
【まとめ】コロニアル屋根は防水塗料で長持ちさせよう
コロニアル屋根は厚さ5mmほどの薄い平板状のセメントを主成分とした屋根材です。
コロニアル屋根の表面は10年程度で色あせやコケの発生で汚れたように見えます。
コロニアル屋根の寿命は25~30年程度です。(上の写真は築25年のコロニアル屋根です。)
寿命が長くなる → 屋根全体に日が当たる家、正しいメンテナンスをしている家 など
コロニアル屋根の塗装に最適な時期は、新築から10年程度が目安です。
コロニアル屋根に使用する塗料はシリコン塗料がオススメです。
屋根・雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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