屋根工事の相場や単価はいくら?屋根屋が一覧表で詳しく解説

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 屋根工事の相場や単価を知りたい
  • 屋根工事費用の内訳や単価まで知りたい
  • 屋根工事をできるだけ安く工事をしたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「屋根工事の相場や単価を知りたい」「屋根工事費用の内訳や単価まで知りたい」という方に向けて書かれています。

屋根工事の見積もりや請求書を見ても、費用の内訳や単価まで詳しくわかる人はなかなかいません。
しかし、屋根工事費用が高いのかどうかは内訳や単価を知っておかないと判断ができません。

そこで本記事では、屋根工事の相場や単価について詳しく解説していきます。
この記事を読めば、屋根工事の相場観が身につきます。
ぜひ参考にしてくださいね。

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屋根工事の総額と内訳

屋根工事には全面的な工事と部分的な工事があります。

全面的な工事とは、葺き替え、葺き直し、カバー工法、塗り替えなどのことです。

  • 葺き替え:既存の屋根材をめくり、新しい屋根材に交換する工事
  • 葺き直し:既存の瓦を順番にめくりながら、その瓦を再度留め付ける工事
  • カバー工法:既存の屋根材の上に新しい屋根材をおおう工事
  • 塗り替え:表面塗装が劣化して色落ちした屋根材に塗料を塗る工事

全面的な工事にいくら必要なのか、目安をご紹介します。

修理内容約100㎡の建物の費用相場
葺き替え
※古い屋根材を撤去して、新しい屋根材を施工
100~240万円
瓦の葺き直し
※瓦を部分的に外しながら、ビス留めする
70~150万円
カバー工法
※金属屋根、アスファルトシングルで重ね葺き
80~150万円
塗り替え
※既存のスレート・金属屋根の再塗装
40~80万円

※上記表は足場費用は含みません。

屋根材には寿命がありますので、そのタイミングで全面的な工事を行うことが一般的です。

それぞれの工事について工事費用の簡単な内訳を紹介します。

 

①葺き替え

葺き替え工事の簡単な内訳は以下の表となります。

既存屋根の撤去費・処分費、新規屋根の施工費、下地補修費、防水シート、足場費用等が主な内訳となります。

内容費用相場(㎡単価)
既存屋根材の撤去費1,500~3,000円/㎡
既存屋根材の処分費1,500~3,000円/㎡
新規屋根材の材料・施工費【日本瓦・平板瓦】 8,000~12,000円/㎡
【スレート/カラーベスト・コロニアル】 5,000~8,000円/㎡
【ガルバリウム鋼板/横葺き・縦葺き】 6,500~9,000円/㎡
下地材料・補修費2,500~3,500円/㎡
防水シート材料・施工費500~1,500円/㎡
足場費用900~1,500円/㎡

屋根葺き替え工事の費用相場について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根葺き替え工事の費用相場は?屋根材ごとに違う金額を完全解説

 

②瓦の葺き直し

瓦の葺き直し工事の簡単な内訳は以下の表となります。(葺き直しができる屋根材は瓦だけです。)

既存瓦の撤去費・仮置き費・施工費、下地補修費、防水シート、足場費用等が主な内訳となります。

内容費用相場(㎡単価)
既存屋根材の撤去費1,500~3,000円/㎡
既存屋根材の仮置き費1,500~2,000円/㎡
既存屋根材の施工費【日本瓦・平板瓦】 4,000~6,000円/㎡
下地補修費2,500~3,500円/㎡
防水シート施工費500~1,500円/㎡
足場費用900~1,500円/㎡

葺き替えと葺き直しの違いについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根瓦のよくある相談集

 

③カバー工法

屋根のカバー工法工事の簡単な内訳は以下の表となります。

既存棟板金の撤去費、新規屋根材の施工費、粘着層付防水シート、足場費用等が主な内訳となります。

内容費用相場(㎡単価)
既存棟板金の撤去費1,000~2,000円/㎡
新規屋根材の施工費【スレート/カラーベスト・コロニアル】 6,000~9,000円/㎡
【ガルバリウム鋼板/横葺き・縦葺き】 7,500~10,000円/㎡
粘着層付防水シート施工費1,000~2,000円/㎡
足場費用900~1,500円/㎡

スレート屋根のカバー工法のメリット・デメリットについてこちらの記事で詳しく解説しています。

屋根修理でカバー工法を行うメリットやデメリットは?注意点も解説!

 

④塗り替え

屋根の塗り替え工事の簡単な内訳は以下の表となります。

既存屋根の高圧洗浄・養生、板金等ケレン費、塗り替え、足場費用等が主な内訳となります。

内容費用相場(㎡単価)
屋根の高圧洗浄150~300円/㎡
養生・ケレン費300~1,000円/㎡
既存屋根材の塗り替え費2,000~4,000円/㎡
棟板金・ケラバ板金等の塗り替え費1,000~2,000円/m
足場費用900~1,500円/㎡

スレート屋根の塗り替えのメリット・デメリットについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

スレート屋根 再塗装のメリットデメリット ホントにお得なの?

 

特徴も把握して選びたい屋根材の単価

屋根材を選ぶときの6つの特徴と単価を紹介します。

どの特徴を重視して選ぶかは、あなた次第です。

あなたのライフスタイルや好み、建物全体のデザインにあった屋根材を選ぶ参考にしてください。

  1. 価格
  2. メンテナンス費用
  3. デザイン
  4. 耐用年数
  5. 生活への影響 →防音性や断熱性
  6. 災害耐性

ここで、それぞれの項目について簡単に解説します!

①価格

屋根材によって、もっとも安価なもの(6,000円/㎡)~高価なもの(12,000円/㎡)とおよそ2倍になります。

一般的住宅の屋根面積・100㎡で比較とすると、60万円~120万円となります。

初期費用の安さを重視するなら、スレート屋根・アスファルトシングル屋根がオススメです。

 新規施工費重さ耐久性
9,000~円38~㎏50年以上
セメント製(モニエル)8,000~円42㎏30年
スレート6,000~円21㎏30年
アスファルトシングル6,000~円12㎏15~年
ガルバリウム鋼板8,000~円4~㎏20~年
石付金属屋根9,000~円7㎏30年
樹脂繊維セメント12,000~円20㎏30年

②メンテナンス費用

意外と見落としがちですが、10年後に発生して屋根材選びを失敗したと後悔するのがメンテナンス費用です。

初期費用の差よりも大きな差となるので、ぜひ、気にしてほしいポイントです。

住宅ローンの35年間のメンテナンス費用合計で比較してみますと、瓦はメンテナンス費用0円と最も安価で、スレート屋根などの塗装系屋根材は200万円(100㎡)と最もメンテナンス費用がかかります。

メンテナンス費用を重視するなら、瓦屋根がオススメです。

③デザイン

デザインは、各屋根材とも、色種や形状などがたくさん用意されています。

屋根の形状によって、適した屋根材を選ぶことが重要となります。

また、屋根材には工事可能な屋根勾配(こうばい/傾き)が決まっていますので、ご注意ください。

デザインの自由度の高さで選ぶなら、金属屋根(ガルバリウム鋼板)がオススメです。

④耐用年数

耐用年数は、表面塗装の耐用年数と屋根材自体の耐用年数の2つともチェックしてください。

塗装の耐用年数としては10年程度で、その都度、塗り替えが必要です。(スレート屋根、ガルバリウム鋼板屋根など)

屋根材自体の耐用年数として、瓦以外の屋根材は30年程度となります。(瓦は60年以上です。)

耐用年数を重視するなら、瓦屋根がオススメです。

⑤生活への影響

生活への影響は、夏の暑さと雨音があります。

これらは、住んでみて、はじめて体験できるものですが意外と気になるものです。

とくに、雨音が気になり出しますと夜眠れないと相談を受けるので、あらかじめチャックしておきましょう。

夏の暑さ・雨音を低減する特徴を重視するなら、瓦屋根・石付金属屋根・樹脂繊維セメントがオススメです。

⑥災害耐性

年々、大きな自然災害(巨大台風)が発生しているので、災害への耐性も屋根材には求められています。

これは、屋根材とともに施工の品質も影響しています。

また、屋根材を留め付けている野地板(屋根の下地)を経年劣化させないことも重要です。

災害耐性を重視するなら、樹脂繊維セメント屋根材がオススメです。

各種屋根材のそれぞれの特徴について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根材の特徴や価格が丸わかり!あなたの最適を選ぶポイント6つ紹介

 

大きな屋根工事では必須となる解体費用の単価

屋根葺き替え工事のような大きな工事の場合は、屋根の解体費用(撤去費用)が必要となります。

既存屋根の種類によって解体費用が異なります。

主な屋根材の解体工事の単価を紹介します。

既存屋根の状況工事単価
瓦屋根撤去・処分3,000~3,500円/㎡
土葺き瓦屋根撤去・処分5,000~5,500円/㎡
石綿スレート屋根撤去・処分5,000~5,500円/㎡
無石綿スレート屋根撤去・処分3,000~3,500円/㎡
トタン屋根撤去・処分2,000~2,500円/㎡
カバー工法屋根(2つの屋根材)撤去・処分10,000~11,000円/㎡
下地調整費3,000~4,000円/㎡

ここで注意してほしいことが2つあります。

  • 石綿スレート屋根

石綿スレート屋根の解体・改修に対する規則は年々厳しくなっています。

最近では、解体・改修前の事前調査が義務化されました。

解体費・処分費とも年々高騰していますので、カバー工法による負の遺産の先送りに関しては検討しておきましょう。

石綿(アスベスト)を含む屋根材について詳しくはこちらの記事で解説しています。

アスベスト含有屋根ってなに? 屋根の用語・Q&A

  • カバー工法の2重屋根

カバー工法している屋根の解体・改修費用は分別解体が必要なため、割高となります。

とくに、下の屋根材が石綿スレート屋根の場合、カバー工法工事によって石綿飛散リスクが向上します。

①カバー工法屋根材を留め付けたビスにより、石綿スレートは破断・穿孔されており飛散しやすい状態となっている。

②カバー工法時に粘着層付防水シートを設置するため、粘着層付防水シートをはがすときに石綿スレートが表面はく離するので石綿が飛散する。また、粘着層付防水シートは石綿含有として処分する必要があり処分費も高額となる。

とくに、将来、カバー工法の解体作業が石綿飛散リスクが高いと認定され、レベル2などに格上げされた場合は一気に解体費が跳ね上がるリスクがあることもご承知おきください。

 

重要な役割を果たす防水シート(ルーフィング)の単価

屋根工事において、屋根材と同じくらい重要な役割がある材料として、防水シート(ルーフィング)があります。

屋根材が一次防水、防水シートが二次防水と呼ばれ、この2つで屋根からの雨漏りを防いでいます。(住宅では防水シートなしで施工できる屋根材はありません。)

主な防水シートの単価を紹介します。

防水シートの種類工事単価
アスファルトルーフィング500~700円/㎡
改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)700~1,000円/㎡
粘着層付改質アスファルトルーフィング1,000~1,500円/㎡
透湿ルーフィング700~1,000円/㎡

防水シートには、透湿系と非透湿系(アスファルトルーフィング系)の2種類があります。

透湿系は野地合板の湿気を排湿できるので、呼吸する屋根のイメージとなります。

防水シート(ルーフィング)の種類やその特徴について詳しくはこちらの記事で解説しています。

【新築時に役立つ】ルーフィング種類別メリット・デメリットを屋根プロが徹底比較しました!

 

屋根の主要部材である野地板の単価

屋根の下地として、野地板(のじいた)が施工されています。

野地板には、地震に耐える役割と屋根材が釘・ビス等で留め付けられる下地の役割があります。

野地板の種類工事単価
構造用合板(12mm)3,000~4,000円/㎡
MDF(約9mm)3,000~4,000円/㎡

※野地板の単価は2022年4月現在です。(ウッドショックや世界情勢の影響で、木材の価格が高騰しています。)

MDFとは木材の繊維を固めて板材で、新しく野地板に使用されている材料です。

野地板について詳しくはこちらの記事で解説しています。

野地板(のじいた)ってなに? 屋根の用語・Q&A

 

雨漏り防止に欠かせない板金部材の単価

屋根の周辺部、屋根と壁の取り合い部などには板金部材が使用されています。

板金部材は雨漏りしやすい場所に使用され、雨漏りを防いでいます。

主な板金部材の単価をご紹介します。

板金部材の種類工事単価
棟板金(棟包み)2,000~2,500円/m
雨押え板金2,000~2,500円/m
軒先板金(軒先唐草)1,500~2,000円/m
ケラバ板金1,500~2,000円/m
谷樋板金5,000~5,500円/m
捨て水切り板金1,500~2,000円/m
雪止金具1,500~2,000円/m
換気棟(910mm)25,000~30,000円/個

※板金部材はガルバリウム鋼板製が多いです。(価格は2022年4月現在)

板金部材の役割やメンテナンスのコツについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根材と板金の役立つ情報を紹介!メンテナンスのコツも解説します!

 

大きな屋根工事には必ず必要な足場の費用

全面的な屋根修理には足場が必要で、その3つの理由を紹介しておきます。

  1. 安全確保のため
  2. 作業の質の向上のため
  3. ご近所への配慮のため

屋根修理を依頼して、自宅の工事中にケガ人が出ると困りますよね。

主な足場の単価をご紹介します。

足場の種類費用目安
クサビ(ピケ)足場1,000~1,200円/㎡
パイプ(単管)足場600~800円/㎡
単管ブラケット足場800~1,000円/㎡
屋根足場800~1,000円/㎡

大きな金額となりますので、足場が必要な工事(外壁・樋)は併せて行うことをご検討ください。

足場の種類や費用について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根修理に足場が必要な3つの理由とは?費用相場や注意点も紹介

 

屋根工事のオプション工事の費用目安

屋根工事のときに併せて行うことができるオプション工事の種類とその費用目安について紹介します。

工事内容工事単価
屋根本体のビス留め施工(ステンレス製)300~500円/㎡
アンテナ脱着5,000~10,000円/個
破風板板金巻き4,000~5,000円/m
天窓ガラスシーリング30,000~40,000円/個
太陽光パネル脱着300,000~500,000円/面
カーポート・テラス脱着50,000~80,000円/個
軒天張り50,000~100,000円/箇所
内装天井張り50,000~100,000円/箇所

上記表はおよその目安としてお考えください。

また、雨樋のメンテナンスも屋根工事と併せて行うことができます。

雨樋のメンテナンス内容概要・内容費用
雨樋の掃除・DIY1階屋根の雨樋を自分で掃除する。
必ず下からはしご・脚立などを使用してください。※落下に注意してください。
0円(自分の時間だけ)
雨樋の掃除・業者屋根屋さんに掃除を依頼して、雨樋の詰まりを掃除する。2~3万円
雨樋の部分修理足場を設置せずに、部分補修する。5~10万円
雨樋の塗装外壁・屋根などに併せて、雨樋を塗装する。5~10万円
雨樋の部分修理(一面部のみ)外壁の1面部分だけについている雨樋を、足場を設置して、交換する。15~20万円
雨樋の全体交換住宅の雨樋全体を交換する。足場全面に設置する。25~60万円

雨樋のメンテナンスについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

雨漏り防止!雨樋の修理費用は?詰まりや劣化によるリスクも解説!

 

屋根工事に伴う必要諸経費

屋根工事に伴う必要経費について紹介します。

諸経費内容単価
資材搬入搬出費30,000~60,000円/箇所
管理諸経費及び残材処分費工事費の8~10%
雨漏り調査費0円

※屋根からの雨漏りの調査費は散水調査、赤外線サーモグラフィ調査を含みます。
※高所作業車を使用した場合は別途費用がかかります。

 

【まとめ】屋根工事は単価を理解して契約しよう

屋根工事には全面的な工事と部分的な工事があり、全面的な工事とは、葺き替え、葺き直し、カバー工法、塗り替えの4つで、その単価を紹介しました。

屋根材の種類と特徴、単価をご紹介しました。

全面的な屋根工事で行う各種工事についてそれぞれの単価を解説しました。

最後にオプション工事となる付属の工事の単価をご紹介しました。

単価はそれぞれ目安としてお考えください。

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