古い家で雨漏り修理が必要となる理由とは?修理費用や注意点を解説

Dr.神谷
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  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆!

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 古い家で雨漏り修理が必要となる原因について知りたい
  • 古い家の雨漏り修理費用や注意点について知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「古い家で雨漏り修理が必要となる原因について知りたい」「古い家の雨漏り修理費用や注意点について知りたい」という方に向けて書かれています。

古い家は、様々な場所の経年劣化が進んでおり、雨漏り修理が必要となることがあります。
古い家特有の雨漏りの原因や修理費用も気になるところですよね。

本記事では、古い家で雨漏り修理が必要となる原因や修理費用について、解説していきます。雨漏り修理後のことや古い家の地震に対する考え方なども解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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なぜ古い家で雨漏り修理が必要になる?

古い家で雨漏り修理が必要となる理由の大部分は屋根の劣化となります。

古い家の雨漏りで一番多い原因は屋根下地の劣化により雨水が屋根から浸入してしまうことです。

かなり古い瓦屋根では、屋根下地に葺き土、しっくいや杉皮などが使用されていて、経年で水路ができて雨漏りするというものです。

スレート屋根、金属屋根、瓦屋根では、屋根下地にルーフィングと呼ばれる防水シートが使用されており、古くなったルーフィングは経年劣化によって、釘孔シール性が低下したり、き裂が入って隙間ができたりすることで雨漏りが発生します。

ルーフィングとは風雨時に屋根材から入り込んだ雨水をルーフィングの表面で屋根傾斜に沿って軒先へ流し、野地板に雨水が伝わるのを防ぐ役割があり、約20年~30年程度の寿命となっています。

古い家では屋根下地(ルーフィング)の劣化により雨漏りするため、屋根下地を補修する雨漏り修理が必要となる場合が多いです。

 

ルーフィングについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

ルーフィングってなに? 屋根の用語・Q&A

野地板について詳しくはこちらの記事で解説しています。

野地板(のじいた)ってなに? 屋根の用語・Q&A

 

古い家で雨漏り修理が必要となる様々な原因

古い家で雨漏り修理が必要となるその他の原因についても紹介します。

  • 雨樋の詰まり・破損
  • 破風の経年劣化
  • 棟瓦の経年劣化
  • 屋根材の割れ・ズレ

 

雨樋の詰まり・破損

大きな木が周辺になくても、土ぼこりや樹木の繊維質によって経年で雨樋が詰まりやすいです。

また、古い雨樋は塩化ビニルの樹脂製となっているため、変形や破損などの経年劣化が発生してしまいます。

雨樋の詰まり・変形・破損などによって、雨樋からオーバーフローするとその雨水が外壁へ伝わり雨漏りしてしまうことがあります。

 

破風の経年劣化

屋根の周辺部に設置されている破風板が経年劣化すると風雨を防ぐことができなくなり、雨漏りしてしまうことがあります。

古い家は破風板が木材となっており、定期的に塗装メンテナンスをしていないと劣化が進行してしまいます。

 

棟瓦の経年劣化

古い日本瓦屋根は棟部がのし瓦積み棟となっており、葺き土で形状を保っています。

経年で葺き土が流れ出し、のし瓦積み棟の形状が崩れてしまうと雨水を排水できなくなり雨漏りにつながります。

 

屋根材の割れ・ズレ・穴開き

古い家では屋根材自体の劣化も発生します。

スレート屋根の割れ・欠損や金属板の腐食による穴開き・瓦のズレ等から屋根材の下へ雨水が頻繁に浸入します。

雨水が浸入することでルーフィング上を流れる雨水が増加して、ルーフィングの劣化を促進させます。

 

古い家と新しい家の雨漏りの原因の違い

古い家と新しい家の雨漏りの原因はいくつかの違いがあります。

古い家では、軒の出(壁から屋根の先端が出ていること)があるため、外壁や窓が原因の雨漏りが少ないです。

そのため、古い家の雨漏りは屋根が原因となります。

一方で、新しい家では、軒の出が少なかったり、軒の出がなかったりするので、外壁やサッシまわりに雨がかかり、外壁やサッシまわりの不具合が原因の雨漏りが多くなります。

 

新築から築5年程度であれば劣化の可能性は低いので、多くの場合は建築時の不具合が原因となります。

築10年程度であれば外壁・サッシまわりのシーリングが劣化して壁から雨水浸入することで雨漏りとなることもあります。

築20年以上経過している家であれば、屋根材やルーフィングなどの経年劣化の可能性が高いです。

また、新しい家・古い家を問わず、台風などの突発的な自然災害が原因による吹込みや建築資材のはがれ・割れなどの破損により雨漏りが発生することもあります。

 

古い家の雨漏りはDIYによる修理は可能?

古い家や古民家の雨漏りをDIYによって修理することは基本的にオススメしません。

古い家の雨漏り修理は、基本的に劣化したものの交換になるため、大掛かりで難しい修理となります。

DIYでの雨漏りの修理では、コーキングなどを行う場合がほとんどで根本的な原因が解決できません。

普通の雨だと直ったように感じても、DIYだと風雨時に再発してしまうことがほとんどです。

古い家の雨漏りは専門業者に修理依頼することをオススメします。

 

雨漏り修理のDIYについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

DIYは可能?オススメの雨漏り補修の方法を5つ紹介します!

 

雨漏りの原因調査を依頼したときの費用

雨漏りの原因を調査する方法はいくつかあります。

建物の構造によって向き不向きがありますので、一概にどの調査方法がいいとは言えません。

また、各調査方法をとってみてもその内容が標準化されているわけではありません。

そこで、代表的な5つの調査方法をご紹介します。

  1. 目視調査
  2. 散水調査
  3. 赤外線サーモグラフィ調査
  4. 発光液調査
  5. ドローン撮影調査

 

それぞれの調査内容と費用を簡単にまとめました。

調査方法費用の目安調査内容
目視調査0円雨漏り部分を目視・写真撮影して、調査する方法です。
散水調査0~30万円水道の蛇口にホースをつないで、浸入口に散水をして、雨漏りを再現する調査方法です。
赤外線サーモグラフィ調査0~20万円赤外線カメラを使い、建物内外の熱画像を撮影して、雨水の浸入経路を調査する方法です。
発光液調査15~20万円雨漏りの浸入口を見分けるために、蛍光液の色を変えて、場所を特定する調査方法です。
ドローン撮影調査0~10万円屋根などの高所部分で目視できない所をドローンにより写真撮影して調査する方法です。

 

雨漏りの原因の特定方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。

【雨漏りの特定方法】原因を調査するための5つの方法を徹底解説

 

古い家の雨漏り修理を業者に依頼したときの費用

古い家の屋根からの雨漏りは、水を受ける場所ですので普通の雨でも浸入するリスクがあり、早めの修理が必要となります。

以下、屋根材別の雨漏り修理の費用相場を紹介いたします。

●金属屋根

金属屋根の雨漏り修理
費用相場
部分修理3~40万円
カバー工法50~万円
葺き替え100~万円

 

●瓦屋根

瓦屋根の雨漏り修理費用相場
部分修理3~50万円
しっくい補修20~40万円
棟の葺き直し30~50万円
葺き替え120~万円

 

●スレート屋根

スレート屋根の雨漏り修理費用相場
部分修理3~40万円
カバー工法50~万円
葺き替え100~万円

 

古い家の金属屋根・スレート屋根の場合は、安価な部分修理では雨漏りが止まらない可能性もあります。

しっかりと調査してもらい、再発リスクも考慮して、修理方法を決めることをオススメします。

 

雨漏りの修理費用の相場について詳しくはこちらの記事で解説しています。

雨漏りの修理費用の相場はいくら?屋根屋さんが徹底解説!

 

古い家の雨漏り修理後に行うべきこと

古い家の雨漏り修理後に行うべきことは、シロアリ被害の有無を調査することです。

古い家で雨漏りしている場合は、小屋裏・内壁・床下にシロアリ被害が発生している可能性が高いです。

雨水が屋根から床下へ伝わることで、シロアリが活動するための水分が確保されるため、床下から雨漏り箇所まで上がってしまうことがあります。

5年以上防蟻工事を行っていない場合は、シロアリ調査に合わせて防蟻工事を行うことをオススメします。

 

また、1年に1回程度を目安に建物の屋根・壁の定期的な点検・雨樋の掃除などを継続的に行って、雨漏りの再発の防止を行うことをオススメします。

点検で少しでも気になることがありましたら、専門業者に相談することで不具合の早期補修につながります。

 

雨樋の正しい掃除の方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根屋が教える!雨樋詰まりの正しい掃除方法と必要な道具。対策方法も伝授します!

 

古い家の雨漏りを放置することによる悪影響

古い家の雨漏りを放置する悪影響について紹介します。

  1. シミが発生する
  2. 木材は腐って金属はサビる
  3. カビやシロアリが発生する
  4. 漏電で火災が発生する
  5. 家の寿命が減る

 

それぞれについて簡単に解説いたします。

①シミが発生する

雨漏りを放置する悪影響として、天井材にシミが発生したり、土壁の流れ出したりすることなどがあります。

雨シミは掃除しても消えることはないので、天井材は部屋全体を交換することになります。

雨シミをそのままにしておくと、部屋全体がかなり老朽化した印象になってしまいます。

また、土壁は塗り直しが必要となり、費用も高額となります。

 

②木材は腐って金属はサビる

木材は頻繁に濡れて乾燥しない状態が続くと腐ってしまいます。

古い家では釘留めや木材の加工で柱やはりが留め付けてある可能性もあり、木材の腐朽や釘のサビは建物の強度を大きく低下させます。

 

③カビやシロアリが発生する

先ほども紹介しましたが、古い家の雨漏りはシロアリ被害を発生させるリスクが高いです。

木造住宅の強度を低下させる主な原因となりますので、要注意となります。

カビが発生すると吸い込むことによる健康被害のリスクとなります。

また、カビをエサにするダニが繫殖して、ダニによる健康被害リスクもあります。

 

④漏電で火災が発生する

古い家では小屋裏に電線が露出している場合があります。

雨漏りによって電線が濡れることで漏電したり、停電したりすることも。

雨漏りで停電した場合、ブレーカーを上げるだけはなく、停電した原因を特定して、雨漏り修理を含めて早急に処置してください。

 

⑤家の寿命が減る

古い家の雨漏りは家の寿命を減らすことにつながります。

とくに、木材の腐朽、釘のサビ、シロアリ被害による建物の強度低下は建物の資産価値を失います。

古い家の雨漏り修理は放置せず、早期に行うことで家を守ることにつながります。

 

雨漏りを放置する弊害について詳しくはこちらの記事で解説しています。

雨漏りを放置すると待っている5つの弊害とは?屋根屋が徹底解説

 

古い家は地震のときに倒壊の危険がある?

古い家は雨漏りのリスクだけでなく、地震で倒壊のリスクがあります。

古い家と言っても、建設時期によって耐震性能は異なります。

1981年以前に建てられた家は旧耐震基準となっており、震度6、7の巨大地震では倒壊するリスクがあります。

1981年~(新耐震基準)では震度6、7でも家屋が倒壊・崩壊しないような壁量のある家となっています。

旧耐震基準の建物は耐震診断や耐震補強に対して、自治体の補助が準備されていますので自治体に相談してみましょう。

2000年にも建築基準法の耐震基準に関する改正が行われおり、1981~2000年に建てられた家は2001年以降の建物よりも耐震性が低い可能性があります。

ご心配の方は有料の耐震診断がありますので検討しておきましょう。

2001年以降の家でも雨漏りを放置していると家の強度が低下するので、巨大地震で倒壊するリスクとなります。

雨漏りは放置せず、早期に補修することが地震対策にもなります。

 

【まとめ】古い家は様々な理由で雨漏り修理が必要です

古い家で雨漏り修理が必要となる理由の大部分は屋根の劣化となります。

一方で新しい家では、軒の出が少なかったり、軒の出がなかったりするので、外壁やサッシまわりに雨がかかり、外壁やサッシまわりの不具合が原因の雨漏りが多くなります。

古い家は経年劣化に起因する雨漏りが様々な箇所で発生しますので、それぞれの原因を特定して、雨漏り修理することが必要です。

木材の腐朽、釘のサビ、シロアリ被害による家の強度低下は家の資産価値を失いますので、放置せずに雨漏り修理を早期に行いましょう。

 

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