瓦屋根(築15年経過した)棟の乾式工法 劣化なし!
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(カミセイ)のDr.神谷です。
築15年を経過した瓦屋根の棟部分を調査する機会がありました。
冠瓦を外してみると、珍しい乾式工法となっていました。
実は、少しは劣化しているかな?と思ったのですが、全く問題ありませんでした。
貴重な写真をもとに、棟の乾式工法・湿式工法を簡単に説明します!
棟の乾式工法
瓦屋根の乾式工法は主に2つあります。
1つはEPDMシーラーという部材を使用したもの。
2つ目は乾式棟面戸という部材を使用したもの。
現在の主流は乾式棟面戸となっています。
シーラーによる乾式工法
今回築15年ものは、EPDMシーラーを使用したものでした。
冠瓦をはずして、出てきたシーラーは弾力性もありました。
紫外線劣化による硬化・パサつきもなく、また、雨水浸入痕もほとんどありませんでした。
個人的には、耐久性が低い工法と思っていたので、正直、この健全な状態に驚きました。
図面では、こんな感じです。
劣化していなかった原因としては恐らく、シーラーが冠瓦の下に、ほとんど隙間なく入っていたため、紫外線劣化がなく健全な状態だったと思います。
乾式棟面戸による乾式工法
現在主流の乾式工法はこんな感じです。
冠瓦の下には、ブチルテープで瓦に接着されたアルミシートが入ったものです。
これは、ヨーロッパでは古くから実績があり、日本でも採用されるようになりました。
図面ではこんな感じです。
日本での実績は10年以上のものもあります。
乾式工法は、瓦屋根の軽量化には役立ちます。
ヨーロッパに比べて、降雨・台風の多い日本に適した仕様にマイナーチェンジしながら、今後も増加していくと思います。
棟の湿式工法
瓦屋根の棟は、現在でも湿式工法が一般的となっています。
豪雨・台風対策を優先していることが主な理由です。
この写真のように、棟部分に防水効果が高い南蛮しっくいで完全に瓦の隙間を埋めて施工します。
断面図を見ると雨漏りに対する安心感がわかりやすいと思います。
南蛮しっくいが冠瓦の下部にビッシリ詰まっています。
仮に台風などの横殴りの雨が吹き付けても棟芯まで雨が到達するには、厚い南蛮しっくいが邪魔となります。
南蛮しっくいは施工中は柔らかい粘土のようなものなので、瓦の複雑な形状にも馴染んで、瓦の表面に密着します。
また、紫外線劣化・熱劣化がないのも人気の理由です。
まとめ:珍しいシーラーによる乾式棟を見ましたが、劣化していませんでした。
築15年経過したシーラーによる乾式棟を見ましたが、劣化はありませんでした。
以外と耐久性があることに気付きました。
乾式工法、湿式工法、それぞれに良さがあります。
それぞれ、正しく施工されることが耐久性の向上につながることを改めて気づかせていただきました!
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