千葉の台風被害 金属屋根の飛散
千葉の台風被害では、古い日本瓦屋根が数の上では、かなり目立っていました。
これは、元々の母数が多いので、当然とも言えます。
瓦屋根の被害は、くぎ等で留め付けしていない時代の屋根が圧倒的に多かったです。
一方、違う屋根材を見てみると、金属屋根も比較的飛散が目立ちました。
金属屋根の縦葺きで、心木あり瓦棒葺きと呼ばれる屋根です。
この屋根面では、ほとんど全面的に飛散しています。
この屋根の裏面を見ると、
裏面は、一部飛散しています。
この2つの写真で気になったのは、心木も飛散していることです。
心木は下のたる木に必ずくぎ留めしています。
屋根材の留め付けよりもはるかに太いくぎで留め付けているので、なぜなのか?
疑問を感じたので、過去の心木あり瓦棒葺きの屋根を見直してみました。
金属屋根は下地の木材が劣化しています。
金属屋根は雨漏りしにくいと言われています。
そのため、緩い傾きの屋根にも使用されています。
上の写真で赤い金属屋根が心木あり瓦棒葺きです。
この屋根を軒先側から見てみました。
上の瓦屋根と比べて、かなり緩い屋根だとわかります。
心木あり瓦棒葺きの心木が入っている部分の軒先には、桟鼻(さんばな)と呼ばれるふたがついています。
偶然、この桟鼻がはずれていた部分がありました。
中を撮影してみると、心木が腐朽していました。
四角形の木材の原型がありません。
下側は黒ずんでボロボロになっています。
こうなると、金属屋根を留めているくぎが全く効いていません。
この木材が腐朽する現象は、他の現場でもよく目にします。
心木だけでなく、野地板も腐朽していました!
さらに、屋根の下地となる野地板も腐朽していました!
たる木の上にある野地板が軒先部分で、見えるつくりとなっていました。
たる木にそって、水垂れの痕があり、野地板が少したわんでいました。
この水が雨漏りなのか、結露なのかはわかりませんでした。
しかし、雨漏りしにくい金属屋根の野地板はよく劣化しています。
冒頭の千葉における屋根被害において、瓦屋根はくぎ打ちされていない部分の瓦が飛散しました。
現在、瓦屋根は全数くぎ打ちすることになっています。
確実に、耐風性能が向上しています。
一方、金属屋根は昔から留め付けはしていました。
飛散する原因が留め付けではなく、屋根下地の劣化だとすると、現在の金属屋根は将来飛散する可能性があります。
屋根下地の劣化をしにくくする金属屋根の工法が必要だと考えています。
ポイントまとめ
・千葉では、屋根下地ごと金属屋根は飛散していた。
・金属屋根の下地は腐朽している現場が多い。
・金属屋根の下地を健全に保つ工法が必要だと考える。
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