大雨で雨漏りしたときに活用できる保険は?条件や申請方法のポイント

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。
    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経ホームビルダー/日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆!
    屋根の業界新聞「日本屋根経済新聞」の連載記事「瓦工事店は‟屋根のドクター”」を執筆中!

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 大雨で雨漏りしたときに活用できる保険について知りたい
  • 保険で雨漏り修理の費用を補償してもらうための手順が知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「大雨で雨漏りしたときに活用できる保険について知りたい」「保険で雨漏り修理の費用を補償してもらうための手順を知りたい」という方に向けて書かれています。

近年は突然の大雨が増えており、雨漏りが発生すると「保険で補償を受けられないか」と気になる方も多いでしょう。補償を受けるためには、どの保険が対象になるのか、適用条件や範囲を正しく理解しておくことが大切です。

本記事では、保険申請にも詳しい老舗の屋根専門業者が、大雨による雨漏りで活用できる保険の種類や適用条件、申請の流れを解説します。自然災害と経年劣化の違いについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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大雨での雨漏りに使える主な保険の種類

大雨での雨漏りに使える可能性のある主な保険について一覧を紹介します。

  • 火災保険
  • 地震保険
  • 瑕疵担保責任保険
  • 家財保険 

 

次の章からそれぞれについて詳しく解説していきます。

 

大雨での雨漏りに使える可能性のある保険:火災保険

大雨での雨漏りに使える可能性のある火災保険について解説します。

自然災害による建物被害で雨漏りが発生した場合なら火災保険が適用される可能性があります。

補償内容の欄の「風災・雪災・雹災」に〇となっていれば、火災保険を使うことができる権利があることになります。

強風による建物被害、積雪による建物被害、雹による建物被害が発生し、その損傷部分から雨水が浸入して雨漏りした場合は、その雨漏り被害に対して補償される可能性があります。

つまり、「自然災害」+破損+雨漏り、で「風災」による雨漏りとなります。

火災保険が適用される事例とは、以下の場合です。

  • 台風などによる強風で飛来物が家を直撃して、壁・サッシが破損して雨漏りした。
  • 強い風雨で瓦が飛散して雨漏りした。
  • 雹(ひょう)が降って、屋根材・天窓が割れて雨漏りした。
  • 大雨で突発的に内樋が詰まり、室内に雨漏りした。

 

一方で、大雨で雨漏りしても、その原因が建物の経年劣化や施工不良による雨漏りは適用外となる可能性があります。

火災保険が適用されない事例とは、以下の場合です。

  • 屋根・壁・防水材・雨樋などが経年劣化しており、そこから雨漏りした。
  • 建設時・リフォーム時の施工不良によって雨漏りした。
  • 電気屋・塗装屋さんなどが屋根材を破損させて、そこから雨漏りした。

 

雨漏りの原因が何かによって、火災保険での補償の有無が変わってきますので、火災保険会社へ相談されることをオススメします。

また、大雨によりその地域に洪水、高潮などの「水災」が発生した場合、床上浸水などの被害について補償される可能性があります。

 

大雨での雨漏りに使える可能性のある保険:地震保険(火災保険のオプション)

大雨での雨漏りに使える可能性のある地震保険について紹介します。

まず、地震保険の基本的な情報を簡単にご紹介します。

  • 地震保険は、通常の火災保険では補償されない地震・噴火・津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出による損害を補償するもの
  • 単体で加入するものではなく、火災保険のオプションとして加入するもの
  • 地震保険は、地震保険法に基づいて「国と保険会社が共同で運営している制度」となっている

 

一見すると、大雨の雨漏りと地震保険は直接関係ないように思えますが、地震によって屋根に被害が発生し、その屋根の雨仕舞の故障が原因で建物内部に雨水が浸入した場合、修理費用が補償対象となる可能性があります。

火災保険のオプションである地震保険ですが、補償内容は火災保険とは大きく異なります。

屋根修理として地震保険を使用する場合は、建物が一部損壊となっている場合が想定されています。

屋根修理費用が一部損壊にあたる建物の時価額の3%以上20%未満の場合に保険金額の5%が支払われます。

屋根修理が小規模の場合は一部損壊にあたらず、保険金が支払われない可能性もあります。

 

雨漏りと地震保険について「地震保険で屋根修理費用は補償されるの?事例を紹介しながら解説」の記事で詳しく解説しています。

 

大雨での雨漏りに使える可能性のある保険:瑕疵担保責任保険

大雨の雨漏りで瑕疵担保責任保険が使えるのは、新築住宅で建築10年以内に雨漏りが発生したケースとなります。

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは、売買(ばいばい)契約や請負(うけおい)契約の目的物に瑕疵(かし)(基本的な品質が欠けているなどの欠陥)がある場合、売主が買主に対してその責任を負うことを言います。

住宅は欠陥住宅などの問題が多発した時期があり、特別に、新築住宅に関してはその責任期間を10年と定められました。

瑕疵担保責任保険は火災保険と異なり、自然災害・建物損傷を伴う必要がないため、室内への雨漏りには使える可能性が高いです。

築後10年以内に雨漏りした場合は、すぐに建設会社・住宅販売会社へ連絡して、雨漏り調査をしてもらい、しっかりと雨漏りを直してもらいましょう。

また、建設会社・住宅販売会社が倒産・廃業してしまっている場合は、瑕疵担保責任保険会社へ連絡すれば、保険で雨漏り修理可能となりますのでご安心ください。

 

一方で、瑕疵担保責任保険を使用できない場合は以下となります。

  • 築10年を経過した住宅
  • 雨漏りではなく、結露だった場合
  • 室内外での雨水浸入(軒天、基礎、ベランダへの雨漏り)
  • 新築時に瑕疵担保責任保険を掛けていない住宅(建設会社の供託金で対応した住宅)

 

雨漏りと瑕疵担保責任について「雨漏りは瑕疵担保責任により無料で修理可能?事例ごとに徹底解説!」の記事で詳しく解説しています。

 

大雨での雨漏りに使える可能性のある保険:家財保険

大雨での雨漏りに使える可能性のある家財保険について紹介します。

雨漏りによる被害が、台風や強風などの自然災害によるものである場合は、家財保険の補償を受けられる可能性があります。

ただし、注意してほしいポイントは、自然災害による雨漏りであっても、建物外部の破損がない場合は、家財の被害があっても補償の対象外となる可能性が高いです。

建物外部の破損がなく、台風などの強風雨による吹き込みでは保険の補償が受けられなくなります。

加えて、建物の経年劣化による雨漏りは対象外です。

賃貸物件などでは、大雨での雨漏りで建物の被害は大家さんの保険を使用することになりますので、住居者は家財保険に加入することで、家財の被害をカバーすることができます。

 

大雨での雨漏りで火災保険を申請する手順とポイント

大雨での雨漏りで火災保険を申請する手順について紹介します。

雨漏りで火災保険を申請する手順とポイントについて簡単に説明します。

  1. 修理業者に調査依頼
    雨漏りの原因を特定し、自然災害によるものか判断してもらう。
  2. 申請の意向を伝え、写真・報告書・見積書を用意
    被害箇所は応急処置前に写真や動画で記録。業者に報告書と見積書を作成してもらう。
  3. 保険会社または代理店へ連絡
    氏名、住所、保険証番号、被害内容などを伝える。
  4. 案内に従い必要書類を提出
    申請書に記入し、見積書や写真、報告書を添付。
  5. 書類調査・現場調査
    書類による被害調査。
    場合によっては、損害鑑定人が現場で被害の有無や金額を確認。
  6. 保険金の支払い
    調査後、認められた金額が振り込まれる。
  7. 補修工事の契約・実施
    保険金支払い確定後に契約し、工事を行う。

 

大雨での雨漏りでも火災保険の支払いが満額とはならない可能性があります。

保険金額を確認後に、補修範囲・補修内容を検討して、雨漏り修理工事することをオススメします。

 

大雨での雨漏りで地震保険を申請する手順

大雨での雨漏りで地震保険を申請する手順について紹介します。

雨漏りで地震保険を申請する手順とポイントについて簡単に説明します。

  1. 保険会社または代理店へ連絡
    氏名・住所・保険証番号・被害内容を伝える。
  2. 修理業者に写真撮影と見積依頼
    応急処置前に屋根全体と被害箇所を撮影し、見積書を作成してもらう。
  3. 屋根の応急処置
    ブルーシートなどで覆うが、その前に必ず写真を残す。
  4. 必要書類を提出
    保険会社からの案内に沿って申請書・見積書・被害写真を提出。
  5. 現場調査
    保険会社に依頼された鑑定人が被害状況を確認。
  6. 保険金の支払い
    「一部損壊」と認定された場合、保険金額の5%が支払われる。
  7. 屋根修理工事
    保険金支払い確定後に契約・着工。

 

屋根の応急処置を行うときはブルーシートなどで屋根を覆う前に、屋根の全景と被害写真を撮影しておくことが重要です。

巨大地震の場合、修理業者が不足するので、ボランティア・自衛隊さんなどにブルーシートを設置してもらう可能性があります。

この場合、修理業者は設置されたブルーシートを一旦、剥がして被害状況を確認して、再設置することになります。

被害写真があれば修理業者はブルーシートを剥がすことなく見積を作成でき、手続きがスムーズになります。

 

大雨での雨漏りで瑕疵担保責任保険を申請する手順

大雨での雨漏りで瑕疵担保責任保険を申請する手順について紹介します。

雨漏りで瑕疵担保責任保険を申請する手順とポイントについて簡単に説明します。

  1. 雨漏りの証拠を記録
    発見後すぐに写真・動画で被害を記録。乾く前の状態を残す。
  2. 新築から10年以内か確認
    10年以内なら、まず売主(工務店・販売会社)に無償修理を依頼。
  3. 売主へ期限内に連絡
    瑕疵を知ってから1年以内に責任追及する必要あり。
  4. 売主が倒産・対応不可の場合は保険会社へ連絡
    加入している瑕疵担保責任保険会社に直接連絡し、期限切れを防ぐ。
  5. 原因調査を依頼
    雨漏り専門業者に依頼し、保険適用の可否を判断してもらう。
  6. 調査報告書を提出
    雨漏り専門業者による詳細な報告書があると申請がスムーズ。
  7. 修理の実施
    保険会社の認定後、対象範囲内で修理を行う。

 

台風などの風災による被害であれば、10年以内でも瑕疵担保責任保険ではなく、火災保険で補修することになります。

その判断は難しいので、まずは売主に連絡するようにしてください。

 

大雨での雨漏りで家財保険を申請する手順

大雨での雨漏りで家財保険を申請する手順について紹介します。

雨漏りで家財保険を申請する手順とポイントについて簡単に説明します。

  1. 修理業者に調査依頼
    雨漏りの原因を特定し、被害状況を確認してもらう。
  2. 写真・報告書・見積書の準備
    家財保険を使う旨を伝え、被害写真、原因報告、現状復帰の見積書を作成してもらう。
  3. 保険会社または代理店へ連絡
    氏名・住所・保険証番号・被害内容を伝える。
  4. 必要書類の提出
    案内に従い、請求書と見積書・被害写真・報告書を提出。
  5. 書類調査・現場調査
    書類による被害調査。
    場合によっては、損害鑑定人が現場で被害の有無や金額を確認。
  6. 保険金の支払い
    審査が通れば、認められた額が支払われる。
  7. 補修・現状復帰工事
    保険金をもとに、修理や家財の復旧を行う。

 

雨漏りは数時間で乾いてしまうので、雨漏り状況・家財の被害状況の写真を自分でしっかり撮影しておくことが重要です。

雨漏りの原因によって、家財道具の適用が変わりますので修理業者に原因調査をしてもらうことも必要です。

 

自然災害と経年劣化との違いを見極めるポイント

自然災害と経年劣化との違いを見極めるポイントについて紹介します。

自然災害による被害とは、災害との因果関係が明確な突発的被害のイメージがあり、その場合は補償されやすい傾向があります。

  • 突風で屋根が壊れ、そこから雨水浸入する
  • 台風で飛来物が屋根・壁にあたり、屋根材・壁材が破損して、そこから雨水浸入する
  • 2階屋根からの落雪で下屋根の屋根材が破損して、そこから雨水浸入する

 

一方で、経年劣化とは、災害との因果関係が不明で、明確な損傷・被害がない場合は補償されにくい傾向があります。

  • 屋根材・壁材のシーリングが劣化した隙間から雨水浸入する
  • 経年で屋根材同士の隙間が全体的に発生し、そこから雨水浸入する
  • 長年の積雪による歪みが雨漏りを引き起こした

 

自然災害と経年劣化の違いについてまとめます。

区分特徴具体例補償される可能性
自然災害災害との因果関係が明確な突発的被害風で屋根が壊れ、そこから雨水が浸入高い
経年劣化長期間の劣化や変化が積み重なって発生長年の積雪で屋根が徐々に歪み、雨漏りを引き起こした低い

 

【まとめ】大雨による雨漏りは、保険を正しく使って備えよう

大雨による雨漏りは、雨漏りの原因によって保険の補償を受けることができます。

自然災害級の大雨でのみ雨漏りした場合は、火災保険会社へ相談されることをオススメします。

また、新築時から10年以内では建設会社・販売会社へ連絡して、瑕疵担保責任保険を活用することでしっかり補修することも選択肢となります。

賃貸物件にお住まいの方は家財保険に加入しておくと家財を守ることができます。

経年劣化している建物は火災保険適用の可能性が低くなりますので、最低限のメンテナンスはご検討ください。

 

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