目次
- 動画でも説明しています。
- スレート屋根の割れは火災保険を使って屋根修理できるのか
- 経年劣化でスレート屋根が割れた場合は火災保険を使って屋根修理できるのか
- スレート屋根の経年劣化の症状とは?
- 台風でスレート屋根が割れた場合は火災保険を使って屋根修理できるのか
- 踏み割れでスレート屋根が割れた場合は火災保険を使って屋根修理できるのか
- 凍害でスレート屋根が割れた場合は火災保険を使って屋根修理できるのか
- 地震でスレート屋根が割れた場合は火災保険を使って屋根修理できるのか
- 塗装の剥がれは火災保険を使って屋根修理できる可能性はあるの?
- スレート屋根に物が当たった場合でも火災保険を使って屋根修理できるのか?
- 自然災害が原因の破損について理解しておこう
- 火災保険を申請するときに必要な書類
- 火災保険を申請するときの流れ
- 火災保険を使って屋根修理する場合の修理費用の相場は?
- 火災保険を使った屋根修理で理解しておくべき3つのこと
- 知らないうちに保険金詐欺になってしまわないように注意しよう
- 【まとめ】スレート屋根の割れは原因次第で火災保険を使って屋根修理可能
動画でも説明しています。
スレート屋根の割れは火災保険を使って屋根修理できるのか
スレートとは粘土板岩の薄板を使用した天然石の屋根材「天然スレート」のことです。
しかし、一般的に言われるスレート屋根とは、「化粧スレート(昔は石綿スレート)」のことで、セメントに繊維素材を混ぜて薄い板状に加工した屋根材です。
「カラーベスト」や「コロニアル」という商品名で呼ばれることもありますが、「化粧スレート(以下スレートとする)」と同じことです。
スレート屋根の割れが火災保険を使って屋根修理できるのかどうかは、割れの原因により異なります。
スレート屋根は施工性が良く安価な屋根ですが、スレートの割れや破損が起こりやすい屋根です。
自然災害による割れを証明できる可能性があるので、普段から定期的に写真を撮っておくことをオススメしています。
経年劣化でスレート屋根が割れた場合は火災保険を使って屋根修理できるのか
火災保険を使ってスレートの割れを修理するには、割れの原因が「強風などを伴う自然災害によるもの(風災)」である必要があります。
強風によってスレートの割れが発生した場合は、後から割れに気付いたとしても火災保険が使える可能性が高いです。
一方で、経年劣化によるスレートの割れは火災保険が使えないことはハッキリしています。
火災保険の申請を保険会社は受け付けてくれますが、その後の鑑定・査定において経年劣化の割れは風災とは認められず、保険金を受け取ることはできません。
「自然災害によるものなのか」、「経年劣化によるものか」を区別することは、素人が判断することは難しいです。
自然災害がきっかけでスレートの割れに気付いたとしても、経年劣化が進んでいる状態の屋根であった場合は、火災保険の補償とならない可能性がありますのでご注意ください。
自然災害なのか経年劣化なのかについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りを火災保険で直したい!経年劣化によるものも可能なのかを解説
スレート屋根の経年劣化の症状とは?
スレート屋根の主な経年劣化の症状を紹介します。
・塗装の劣化
元の色がわからなほど退色して、スレート本体の色が目立ちます。(築25年・塗装なし)
・コケやカビ
黄色のコケがビッシリと密着しています。(築20年・塗装なし)
・ヒビ割れや欠け
縦や横にヒビ割れが発生しています。(築12年・塗装なし)
ヒビ割れの原因は作業中の踏み割れです。
・スレートの反りや脱落
スレートが反ってしまい、隙間が発生しています。強風で飛散するリスクがあります。(築20年・塗装なし)
台風でスレート屋根が割れた場合は火災保険を使って屋根修理できるのか
台風は「強風などを伴う自然災害」に該当するため、台風でスレートが割れた場合は火災保険の補償の対象となります。
ただし、台風によるスレートの割れの被害だからといっても、必ずしも補償される訳ではありません。
以下の場合では、火災保険がおりないのでご注意ください。
- 契約に含まない補償
- 免責金額以下の金額
- 経年劣化をともなう損害
- 初期不良
- リフォーム時の不良
台風で火災保険がおりない理由について詳しく記載してありますので、こちらの記事をご覧ください。
台風で火災保険がおりない5つの理由!補償の条件や申請方法も紹介
また、スレートの割れの原因は「踏み割れ」によるものがほとんどで、その場合は初期不良、リフォーム時の不良に該当し、火災保険がおりません。
次の章で詳しく解説します。
踏み割れでスレート屋根が割れた場合は火災保険を使って屋根修理できるのか
スレート屋根の踏み割れとは、施工時、リフォーム時などで作業者がスレートを踏んだときに入るヘアークラックが要因で発生した割れのことです。
スレートのヘアークラックとは、新品で表面塗料が健全な状態において目視では発見できない程度のヒビ割れのことです。
スレートにヘアークラックが入る主な原因は以下となります。
- 野地合板のたわみやすい所を踏んだとき
- 捨て水切りが入っている周辺を踏んだとき
- スレートくぎを打ち込み過ぎたとき
- スレートくぎの打ち込みが少なかった所の周辺を踏んだとき
ヘアークラックは周辺環境での経年劣化により徐々に成長します。
- 降雨によるスレートの伸び
- スレートの1日温度差での収縮の繰り返し(夏場25~80℃、冬場-5℃~40℃)
- 材料(セメント)の中性化等のスレートの収縮
これらスレートの収縮により、目視できる程度の割れへと成長します。(経年劣化)
このスレートの踏み割れは火災保険では補償されない可能性が高いです。
スレートの踏み割れについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
お施主様が簡単にできる!化粧スレート屋根のひび割れから自宅を守る裏ワザのご紹介!(10年前点検しよう!)
「屋根材って、耐用年数以内でも割れるの?」「スレート屋根はよく割れてますよ!!」
凍害でスレート屋根が割れた場合は火災保険を使って屋根修理できるのか
上の写真は凍害によりスレート屋根が割れた事例です。
凍害(とうがい)とは、スレートの内部で水分を含んだ状態で夜間凍結し、昼間融けるという繰り返しによって、スレートが収縮を繰り返し、材料が耐えられず割れてしまうです。
症状としては、表面がはがれたり、層状にはく離が発生したりします。
スレートの商品によっては、水分を含みやすいものがあり、10年程度で凍害により割れが発生しています。
凍害について火災保険で補償されるのかは、加入の火災保険が凍害に対応しているかどうかですので確認が必要です。
地震でスレート屋根が割れた場合は火災保険を使って屋根修理できるのか
上の写真は地震で隣家からの落下物によりスレート屋根が割れた事例です。
地震でスレート屋根が割れた場合の火災保険の補償は、火災保険のオプションとして地震保険に入っている必要があります。
地震保険に加入していると地震が原因で屋根材が破損した場合は、地震保険で補償される可能性があります。
ただし、スレートの数枚が割れたとかではなく、建物全体で一部損壊、半壊、全壊などを判定して補償されるものなので、スレートの割れだけでは対象外の可能性があります。
塗装の剥がれは火災保険を使って屋根修理できる可能性はあるの?
塗装の剥がれの原因が経年劣化である場合は火災保険で補償されません。
スレートの塗装は変色やコケなどが経年で発生するため、経年劣化と判断される場合がほとんどです。
塗装メンテナンスした後に塗装がはがれた場合も同様で、自然災害が原因であると認められ、補償される可能性はありません。
記事の中には、塗装メンテナンスをすすめるために誤解を生むような内容があるのでご注意ください。
スレート屋根に物が当たった場合でも火災保険を使って屋根修理できるのか?
上の写真は台風で飛来物によりスレート屋根が割れた事例です。
強風や竜巻などの自然災害によって、飛来物がスレート屋根に当たり、スレートが割れた場合は補償される可能性があります。
飛来物がスレートに当たった場合、その衝撃の痕跡がスレートの割れ所や破損したものに残っています。
屋根からスレートが落下してきた場合は、その破損品を残しておくことをオススメします。
また、公園で遊んでいた子供のボールがぶつかったり、車が小石をはじいてぶつかったりしたような人的要因では、火災保険の補償を受けられない可能性があります。
自然災害が原因の破損について理解しておこう
火災保険を使って屋根修理ができる可能性のある自然災害が原因の破損について、具体例を紹介します。
- 台風や暴風で物が飛んでくる
- 台風や暴風で倒れたりして屋根材が壊れる
- 屋根材がズレたり割れたりする被害
- 雹が降って屋根材がへこむ、穴が開く、割れるなど
- 大雪の重みで屋根材がへこむ、歪む被害
●台風や暴風で物が飛んでくる
●台風や暴風で倒れたりして屋根材が壊れる
●屋根材がズレたり割れたりする被害
●雹が降って屋根材がへこむ、穴が開く、割れるなど
●大雪の重みで屋根材がへこむ、歪む被害
自然災害が原因の屋根の破損はわかりやすいです。
火災保険を申請するときに必要な書類
火災保険を申請するためには3つの書類が必要です。
- 保険金請求書
- 修理見積書
- 調査報告書(被災した場所の写真)
保険金請求書は、保険会社に被害を連絡すると郵送されてくる書類です。
それに加えて、修理業者から提供を受けた修理見積書と調査報告書(被災写真)が必要となります。
火災保険の使用に慣れた業者は、申請の手順を理解しており、必要な書類(写真)についても詳しいため、火災保険の使用に慣れた業者に見積もりを依頼すべきです。(ただし、悪用する業者は詐欺られるリスクがあるので、注意してください。)
火災保険を申請するときの流れ
自然災害後にスレートの割れを確認した場合の火災保険を申請する流れをご紹介します。
まず、自然災害による被害であることを調査できるような屋根について詳しい専門家の屋根修理業者に依頼することから始めましょう。
以下、流れを示します。
- 屋根修理業者に調査・原因究明を依頼
- 火災保険へ申請す旨を伝え、提出する被害写真撮影・原因報告と見積依頼
- 保険会社・保険代理店へ連絡
- 保険会社からの案内・書類の申請
- 保険会社による現場調査
- 保険金の支払い
- 屋根修理工事契約
スレートの割れは原因によって火災保険での補償の有無が異なります。
補償されないケースも多いですので、保険金の支払い額が確定するまで工事契約を結ばないように注意しましょう。(契約を解除するのに、高額請求する悪徳業者がいるので)
火災保険の申請の注意点について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
屋根修理で火災保険は使えるの?申請方法から注意点まで徹底解説!
火災保険を使って屋根修理する場合の修理費用の相場は?
火災保険で補償される修理費用の相場は、被害の程度によってある程度決まっており、極端に多くなったりすることはありません。
火災保険で補償される修理費用の相場は、仮に100万円の修理見積とした場合、一部減額されて、平均で70~80万円が補償されているようです。
スレート屋根の割れの場合は、修理費用の相場はもっと安価になると思います。
しかし、あくまでも被害の原因が火災保険で補償される場合であり、踏み割れや経年劣化などが原因の場合は0円となります。
火災保険で補償される修理費用の相場について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
火災保険を使った屋根修理で理解しておくべき3つのこと
火災保険を使った屋根修理で理解しておきたい3つのポイントを紹介します。
- 保険の担当者もよくわからない可能性
- 調査員が中立とは限らない
- 火災保険を悪用する業者が横行している
①保険の担当者もよくわからない可能性
火災保険を申請すると送付した3つの書類を見て、保険会社の担当者が火災保険を使って屋根修理できる事案か判断します。
添付した写真の状態によっては、保険の担当者が書類だけでは判断できない可能性もあります。
保険会社が事故状況を間違って認識していると感じた場合は、納得できない旨を伝えておきましょう。
②調査員が中立とは限らない
書類査定では判断ができない場合、鑑定人と呼ばれる調査員が現地調査に来ます。
基本的に鑑定人は中立な第3者の立場で被害状況を調査します。
鑑定人は保険会社の担当者の代わりに事故状況を現地調査(事故状況の聞き取り、状況写真撮影、事故範囲の確認、周辺立地の確認等)します。
保険会社から委託されてきているため、中立な第3者と感じられないこともあると思います。
しかし、火災保険を使って屋根修理ができるかどうかの判断は、鑑定人ではなく、その報告を受けた保険会社の担当者が行うといった流れを理解しておきましょう。
③火災保険を悪用する業者が横行している
火災保険を使った屋根修理では、保険を悪用する業者が横行しています。
そのため、保険会社の審査も厳しくなっています。
自然災害による屋根被害であったことをわかりやすい写真で示すことで保険会社の審査をパスすることができます。
火災保険を使って屋根修理は、過去に火災保険を使った屋根修理の経験のある業者を選ぶことをオススメします。
また、逆に、火災保険を悪用している業者からの見積もりは自然と審査が厳しくなる可能性がありますので、そのような業者に依頼することはやめておきましょう。
知らないうちに保険金詐欺になってしまわないように注意しよう
経年劣化では、火災保険を使って屋根修理することができません。
しかし、屋根修理を保険金を使って行うために、台風被害があったと偽って申請することを勧めてくる業者がいます。
申請する名義は契約者様であり、業者にそそのかされて、台風被害ではないのに火災保険の対象となるように偽ることは契約者様が保険金詐欺を行うことになります。
また、業者の中には、契約者様に保険金詐欺を行わせて、成功報酬で手数料・サポート料・代行料と称して金銭を要求する業者もいるので注意してください。
【まとめ】スレート屋根の割れは原因次第で火災保険を使って屋根修理可能
火災保険を使ってスレートの割れを修理するには、割れの原因が「強風などを伴う自然災害によるもの(風災)」である必要があります。
強風によってスレートの割れが発生した場合は、後から割れに気付いたとしても火災保険が使える可能性が高いです。
一方で、それ以外の原因によって、スレートの割れが発生した場合は火災保険の補償を受けることはできません。
「自然災害によるものなのか」、「経年劣化によるものか」を区別することは、素人が判断することは難しいです。
とくに、スレートの踏み割れは火災保険では補償されない可能性が高いです。
自然災害によるスレートの割れを判断できるような屋根の専門家の屋根修理業者に調査・原因追及・見積を依頼することをオススメします。
逆に、補償されないケースも多いですので、悪徳業者にそそのかされて保険金の支払い額が確定する前に工事契約を結ばないように注意してください。(契約を解除するのに、高額請求する悪徳業者がいるので)
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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