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屋根修理で補助金や助成金の種類と条件
屋根修理や屋根工事を検討している場合は、補助金や助成金について知っておくと自己負担額を減らすことができる可能性があります。
補助金や助成金の制度は、国や地方公共団体が推進する性能の高い住宅を普及させることなどを目的として、その工事費の一部を補助金や助成金として支給する制度です。
「耐風改修」、「耐震リフォーム」や「省エネリフォーム」に該当する場合は、補助金を活用できます。
- ほとんどで共通する条件
- 耐風改修の条件
- 耐震リフォームの条件
- 省エネリフォームの条件
- 自然災害に関連するリフォームの条件
次の章から補助金を受け取る条件について、詳しく解説していきますね。
【受け取る条件】①ほとんどで共通する条件
屋根修理や屋根工事で利用できる補助金や助成金の条件は、自治体によって異なりますが、多くの自治体で共通する条件は、以下の3つとなります。
- 税金を滞納していないこと
- 暴力団との関わりがないこと
- 住むことが目的である
国や自治体に背くような行為は補助金や助成金の対象からは自然と外れてしまいます。
【受け取る条件】②耐風改修の条件
瓦屋根にお住まいの方に対して、令和3年度より始まった補助金(住宅・建築物安全ストック形成事業)があります。
瓦屋根の専門家に瓦屋根の耐風性能を診断してもらったり、脱落のおそれのある瓦屋根の改修工事をしてもらったりする時に、補助金がもらえる場合があります。
内容 | 補助対象 | 補助額・補助率 |
---|---|---|
瓦屋根の耐風診断 | 瓦屋根の緊結方法について、基準に適合しているかどうかを、瓦屋根工事技士等により診断 | 診断費の2/3 最大2.1万円/棟 |
瓦屋根の耐風改修工事 | 改正基準に適合しない瓦屋根について、所要の耐風性能を有する屋根にふき替え | 工事費の23% 最大55.2万円/棟 |
この補助事業には、以下の条件がありますので、詳しくは各自治体にお問合せください。
- 瓦屋根・セメント瓦屋根であること
- 対象区域:基準風速32m/s以上の区域
- 対象区域:DID地区(人口集中地区)
- 地域防災計画等で地方公共団体が指定する区域
耐風改修の補助金について、詳しくはこちらのチラシをご覧ください。
【受け取る条件】③耐震リフォームの条件
屋根修理や屋根工事が耐震リフォームであった場合は、以下の条件があります。
- 新しい耐震基準が定められた昭和56年5月31日より前に着工している建物
- 地上3階建て以下かつ木造部分が2階以下の住宅
- 建物の耐震診断を受けて判定値が1.0未満であること
- 工事後の耐震診断判定値が1.0以上になること
基本的には、上記の4つの条件がつく場合が多いです。
昭和56年より前の建物は、判定値が0.5以下となる場合がほとんどです。(新しい耐震基準はそれまでの約2倍となったため。)
屋根を軽量化すると判定値が0.1程度上がりますが、屋根工事だけでは条件を満たさない場合がほとんどです。
各自治体によって内容が異なる点もあるため、お住まいの自治体に確認してください。
【受け取る条件】④省エネリフォームの条件
屋根修理や屋根工事が省エネリフォームであった場合は、以下の条件があります。
- 太陽光発電パネルの設置
- 天窓や屋根の断熱・遮熱改修工事
- LED照明の設置
- 屋根裏などに吹付られたアスベストの除去
屋根裏に断熱材を使用する断熱改修は、活用できる補助制度が多いです。
地域によっては、断熱や遮熱効果を持つ塗料を使用して屋根塗装を行うことで、環境付加低減に一役買うと判断され、補助金や助成金の対象となる場合もあるようです。
築年数が経過している建物は、屋根裏にアスベストが吹付られている場合があり、その対策として屋根修理や屋根工事を行うときには、補助金や助成金の対象となる可能性があります。
アスベストを含んだ屋根材の除去に関しての補助金は今のところありません。
各自治体によって内容が異なる点もあるため、お住まいの自治体に確認してください。
【受け取る条件】⑤自然災害に関連するリフォームの条件
地震や台風などで広域での自然災害が発生した際、国や都道府県・市区町村から屋根修理や屋根の応急処置で必要になった費用が支給されたり、お見舞金が支給されたりすることがあります。
多くの場合は、罹災証明書(りさい)が必要となります。
罹災証明書とは、住宅が自然災害などによる被害を受けた場合に、自治体などが被害の程度を認定した証明書です。
市区町村の役所で手続きでき、必要なものは申請書、本人確認書類、破損した家屋の写真となります。(片付けや修理前の被害状況の写真が必要)
自然災害に関連するリフォームの補助金は、市区町村によっては対象期間が短かったり、臨時的な補助金事業であったりするため、あまり認知されず終わってしまうこともあります。
被害を受けた場合は、市区町村のホームページを早めに確認しましょう。
気になる屋根修理の補助金や助成金の金額
屋根修理や屋根工事の補助金や助成金の金額は、その年の予算や補助制度の有無によって異なります。
屋根修理・屋根工事を検討するときに、各自治体の補助制度を調べることをオススメします。
令和3年度に屋根の補強工事に使用できる補助制度として、長期優良化リフォーム推進事業制度があります。
建物の現状を調査するインスペクションを実施した上で、以下の条件となります。
- インスペクションを実施し、維持保全計画・履歴を作成すること
- 工事後に耐震性と劣化対策、省エネルギー性が確保されること
一定の性能向上リフォーム工事と併せて行う屋根改修工事についても対象となる場合があります。
屋根の工事で対象となる項目は以下です。
- 瓦屋根の耐風・耐震改修
- 金物補強
- 屋根の軽量化
- 屋根補修
- 仮設足場の設置
補助率は1/3で、補助限度額は1戸あたり100万円です。
地方自治体からの補助金や助成金を使える例
地方自治体で独自の補助金や助成金が使える制度があります。
愛知県高浜市
【三州瓦屋根工事奨励補助金】
三州瓦を使用する新築工事、ガイドライン工法を実施する棟耐震改修工事などに補助されます。
・屋根工事に係る工事費の25%の額。
・瓦の形状が和型の場合は上限25万円。
・瓦の形状が和型以外の場合は上限15万円。
愛知県半田市
【半田市民間木造住宅耐震改修費補助金】
段階的耐震改修工事を定めていて、2回に分けて工事を行うことができます。自己費用負担を分けることで利用しやすくしています。
・1回目で部分的に工事を行い、判定値を0.7以上にすること。
・2回目で残りの工事を行い、判定値を1.0以上にすること。
お住まいの自治体の制度を調べることをオススメします。
屋根修理の補助金を受ける手順
屋根修理や屋根工事で補助金や助成金を受けるためには、適切な手続きを行うことが重要となります。
順番を間違えると補助対象とならない場合もありますので、注意が必要です。
- 補助金や助成金について調べる(わからなければ専門業者に聞く)
- 屋根修理や屋根工事前に自治体へ申請する(専門業者への依頼でも可能)
- 申請後は、屋根修理や屋根工事の着工前の写真を撮影する
- 工事中の写真を撮影する
- 工事完了後の写真を撮影する
- 自治体へ書類・写真を提出して、問題がなければ後日完了通知が届く
雨漏り修理の補助金について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏り修理の補助金について知りたい!利用手順や注意点を詳しく解説
屋根葺き替え工事は補助金の対象になる?
解説してきたとおり、屋根葺き替え工事においても、耐震性や耐風性・省エネ性能を高めるための工事は補助金の対象となる場合があります。
屋根葺き替え工事に対しても、まれですが各自治体の条件を満たす場合に補助金を支給しています。
具体的に屋根葺き替え工事で補助金が支給される例を紹介します。
- 葺き替え工事のタイミングで屋根に断熱材を敷く(省エネが主)
- 新しい屋根に断熱・遮熱塗料を塗る(ヒートアイランド化防止が主)
- 新しい屋根の内側から断熱材を吹き付ける(省エネが主)
- 新しい屋根瓦の下に断熱材を敷く(省エネが主)
- 屋根を軽量なものへ変更する(建物全体の耐震性向上が主)
- 葺き替えのタイミングで太陽光パネルを設置する(省エネが主)
これらは屋根の葺き替え工事に対しての補助金ではなく、省エネ性能向上のための補助金ですので、単純な屋根葺き替え工事の補助にはならないのでご注意ください。
屋根葺き替え工事の費用について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根葺き替え工事の費用相場は?屋根材ごとに違う金額を完全解説
補助金を利用しない方が得な場合もある
屋根修理や屋根リフォームの補助金事業は、診断や報告のための費用が必要となったり、屋根全体を補修しなければならず、不具合によっては、補助金を利用しない方が安価に済む場合があります。
自分が行いたい屋根修理が補助金事業の目的に合っているか確認することをオススメします。
補助金を意識する余りに不要な屋根リフォームでかえって損することもありますのでご注意ください。
補助金を意識せずに、優良な屋根修理業者を見つけて、屋根修理・屋根リフォーム・補助金事業について相談したほうが安い場合があります。
屋根修理の補助金を受けるときの注意点とは
屋根修理や屋根工事の補助金や助成金を受けるときの注意点を紹介します。
- 年度内の予算がなくなれば終了する補助金もあるため早めに申請する
- 事前に申請に必要な書類を用意する(場合によっては図面も必要)
- 場合によっては抽選で交付が決まる場合があるため申請通過後に着工する
屋根修理の補助金詐欺に要注意!
補助金で屋根修理や屋根工事が無料になるという補助金詐欺があるので要注意してください。
補助金や助成金は必ず自己負担費用があるのですが、無料でできるとダマして契約させる業者がいます。
中には、補助金や助成金は終了していて、全く受け取ることができず、費用を全額支払わせるという手口があるようです。
屋根修理の詐欺についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
屋根修理の詐欺に気をつけて!代表的な5つの手口と対策を徹底解説!
補助金だけでなくリフォーム優遇税制も活用しよう
補助金だけでなくリフォーム優遇税制を活用することで、要件を満たす住宅リフォームでは、税金の優遇が受けられることがあります。
リフォーム工事では所得税と固定資産税の控除ができます。
対象リフォーム | 所得税 | 固定資産税 |
---|---|---|
耐震リフォーム | 投資型減税・住宅ローン減税が適用。併用可。 | 適用あり |
バリアフリーリフォーム | 投資型減税・住宅ローン減税・ローン減税のどれか1つが適用。 | 適用あり |
省エネリフォーム | 投資型減税・住宅ローン減税・ローン減税のどれか1つが適用。 | 適用あり |
三世代同居対応リフォーム | 投資型減税・住宅ローン減税・ローン減税のどれか1つが適用。 | 適用あり |
長期優良住宅化リフォーム | 投資型減税・住宅ローン減税・ローン減税のどれか1つが適用。 | 適用あり |
所得税の控除は、確定申告が必要なので税務所で書類を提出するため相談してみましょう。
固定資産税の控除は、各自治体に書類を提出するため相談してみましょう。
【まとめ】補助金や助成金をうまく使って屋根修理を行おう!
屋根修理や屋根工事を検討している場合は、補助金や助成金について知っておくと自己負担額を減らすことが可能な場合もあります。
補助対象となる場合は、補助金や助成金をうまく使って屋根修理を行いましょう。
各自治体のホームページなどを調べて、「耐風改修」、「耐震リフォーム」や「省エネリフォーム」に該当する場合は、補助金を活用して屋根修理が可能となります。
屋根工事が対象となる補助制度は2つあります。
・住宅・建築物安全ストック形成事業
・長期優良化リフォーム推進事業制度
それぞれ条件がついていますので、条件に該当するか、確認しましょう!
また、屋根修理の補助金詐欺業者もいますので、契約する前に、各自治体へ補助金の内容を確認しておきましょう。
神清からのお願い
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