棟瓦の旧工法(大回し)の耐震化実験でした
平成7年に阪神淡路大震災が発生して多くの方が
お亡くなりになったり高速道路やビルが倒壊して
多くの被害がでました。
もちろん瓦屋根の住宅も倒壊したりして多くの
被害が起こりました。倒壊した住宅は古い家屋が
中心でいろいろな問題もあったり、関西圏で台風で
家が飛ばされないように屋根に葺き土をのせて
荷重をかける作りの住宅がほとんどでした。
阪神淡路大震災後に関係省庁よりの指導を受けながら
粘土瓦業界は製造・販売・施工業界が連携して
瓦屋根標準設計施工ガイドライン工法を平成13年に
確立しそれ以降の瓦屋根の施工は大きな地震でも
被害を受けない工法が確立しています。
しかしながら新しい基準で施工された以前の
旧工法の瓦屋根がたくさんあり、その後の
大きな地震や台風で瓦屋根が傷んでいる
映像がテレビで報道されて三州瓦業界は風評被害に
苦しんでいます。
ガイドライン工法での棟瓦の葺き替えの推奨をしています
ガイドライン工法が確立して以来、業界では
旧工法(大回し工法)をガイドライン工法に
施工し直す事を推奨してきました。
また、ガイドライン工法の見直しにも
着手して2021年に改訂版のガイドライン工法も
発表いたしました。
しかしながら、既存の棟を解体して新しく
ガイドライン工法で施工し直す事は
施主様にとって費用的な負担が大きくのしかかる
事も事実でナカナカ進まないのが現実です。
南海トラフ巨大地震の発生が叫ばれている
中で、住宅が被害を受けないように棟瓦を
補強する事によって減災につながると弊社は
考えています。
そこで、既存の棟瓦を解体せずに
補強する工法を開発しましたので、
耐震棟実験を愛知県三河窯業試験場で
施工実験を行いました。
棟回転試験機での実験です・・・
耐震実験用の架台に旧工法(大回し工法)と
強化工法での棟を施工しました。
それを棟回転試験機で垂直にして
360回転させて10回まわして壊れなければ
1Gの耐力があると認められてガイドライン工法として
認められ事になっています。
初めに旧工法(大回し工法)を実験しました。
垂直に持ち上げていきます。
45度を過ぎたあたりで棟瓦(大回し)毎
脱落して落下してしまいました。
実験的には不合格です。
旧工法(大回し工法)は耐震性・耐風性に
問題があると判定されました。
次に改修工法です。
垂直にしても360度回転させても脱落は
しません。
この改修工法では10回転させても問題はなく
耐震性・耐風性は認められました。
今後、キチンと発表させていただきます。
<(_ _)>
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