いぶし瓦と釉薬瓦の性能って同じなの?
図解 屋根に関するQ&A
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「いぶし瓦と釉薬(ゆうやく)瓦の性能は違いがあるの?」とお施主さまから質問をいただきました。
Q:いぶし瓦と釉薬瓦の性能って同じなの? ~Q046~
A:三州(さんしゅう)瓦においては、いぶし瓦と釉薬瓦の性能はほぼ同じ。三州瓦内では、同じ原料(粘土)を使用しているので、性能に大きな影響を与える原料、形状、焼成温度はほとんど同じである。そのため、瓦において必要とされる耐久性、強度、耐水性、耐火性、耐寒性、耐風性、遮音性も同じとなる。
いぶし瓦と釉薬瓦の性能は同じ。
いぶし瓦は三州瓦以外に、地方の瓦産地や淡路瓦で生産されています。
産地が異なることで、原料の粘土が異なり、生産条件が異なってきます。
この産地の違いが瓦の性能を大きく変化させています。
三州瓦ではない比較的温暖な地域の瓦は釉薬温度が低いため、寒い地域で施工すると凍害などの不具合が発生する事例も報告されています。
基本的な屋根の分類としては、いぶし瓦も釉薬瓦も同じ粘土瓦に含まれます。
いぶし瓦は表面の意匠は炭素膜の銀色となっています。
社寺仏閣で多く使用されている瓦ですが、経年で色ムラが発生します。
大きさな屋根では、経年の色ムラが自然でいいと評価を受けます。
また、瓦が一部欠けた場合でも、中身も銀色のため目立ちにくくなっています。
釉薬瓦は表面の意匠は釉薬で発色させて、さまざまな色あいを表現できます。
約1150℃の高温で焼成していますので、窯から出た後、釉薬が塗装製品のように変色したり、はがれたりすることはありません。
(釉薬とは、食器などと同じですので、雨水に打たれても、高温で乾燥されてもびくともしません。)
いぶし瓦との違いとして、変色などがないため、新築時の雰囲気から大きな変化はありません。
また、一般住宅用が多いため、いぶし瓦に比べて、釉薬瓦の方が軽量となっている違いがあります。
まとめると、基本的には、産地が同じいぶし瓦と釉薬瓦の性能はほとんど同じと言えます。
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