雨漏りによって起こる腐食に気をつけて!メカニズムやリスクを解説

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 雨漏りによって起こる腐食について知りたい
  • 雨漏りによって起こる腐食のメカニズムやリスクについてを知りたい
  • 雨漏りによって起こる腐食を防ぐ方法を知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「雨漏りによって起こる腐食について知りたい」「雨漏りによって起こる腐食のメカニズムやリスクについてを知りたい」という方に向けて書かれています。

雨漏り被害で注意しておきたいのが腐食です。
腐食は木造住宅であっても、鉄筋住宅で起こりうる症状で、知らないうちに建物強度や資産価値を低下させてしまいます。

本記事は、雨漏りによって起こる腐食について詳しく解説していきます。
メカニズムやリスクについて、わかりやすく解説していくので、ぜひ参考にしてくださいね。

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雨漏りによって起こる腐食に気をつけよう

木造住宅の雨漏り被害で注意しておきたいのは、木材の腐食(正しくは腐朽であるが腐食で統一する)です。

柱や土台、合板などの木材は長期間濡れることで腐食し、木材の強度が大きく低下します。

そのため、木材の腐食が起こる住宅の安全性や耐震性が下がり、また、ひどい場合は住宅が傾いたりすることもあり、結果として大きく家の資産価値が下がってしまいます。

 

シミやカビは腐食が起こっている可能がある

木材の腐食は長時間濡れ続けることがで発生するので、日光が届かないような住宅の内側(壁内・床下・天井上等)で発生しやすく、気づかないことが多いです。

初期の兆候として木材が濡れた場合に発生するシミやカビに注意しておきましょう。

例えば、天井材にシミやカビが発生した場合、その天井上では雨漏りが長期間発生している可能性があり、天井上の木材が腐食している場合があります。

その他にも木造住宅において、木材が腐食しているリスクがある兆候について紹介します。

  • クロスがはがれている
  • 壁内からカビ臭がする
  • 外壁に雨染みができている

 

雨漏りによる木材の腐食が起こるメカニズム

雨漏りによって木材の腐食が起こるメカニズムを解説します。

  1. 雨水が建物内に浸入する
  2. 木材が濡れて、木材の水分量が高い状態になる
  3. 木材の腐朽菌が繁殖する
  4. 木材水分量の高い状態が2~3週間続く
  5. 木材腐朽菌が木材の成分を分解する
  6. 木材の腐食が進む

雨漏りによって木材が腐食するポイントは「木材が2~3週間乾燥しない状況である」ことです。

つまり、梅雨時期などで頻繁に雨漏りする状態ですと木材が腐食するリスクが高くなります。

逆に考えると雨漏りを1度したとしても、木材が乾燥する状態であれば、木材の腐食は発生しません。

雨漏りしても放置せず、雨漏り修理をすれば建物の強度は低下しないのでご安心ください。

 

雨漏りによる金属にも腐食が起こるメカニズム

雨漏りによって金属(くぎ、ねじ、耐震金物、ボルトなど)にも腐食が起こります。

雨漏りによる金属が腐食するメカニズムを解説します。

  1. 雨水が建物内に浸入する
  2. 金属が雨水で濡れる
  3. 金属が酸化し腐食が始まる
  4. 腐食によってさびが進行する
  5. 金属の強度が下がったり穴があいたりする

金属の腐食が進行するのは水に濡れている間となります。

雨水を金属が受ける状態となっているとその雨水が蒸発するまで金属の腐食は進行します。

 

雨漏り修理で実際に腐食が進行していた事例

雨漏り修理で実際に腐食していた木材の事例を紹介します。

上の写真は屋根から雨漏りして野地合板にキノコが生えている写真です。

キノコは腐朽菌の一種で、建物内でキノコが生えていたら、すぐに雨漏り修理が必要です。

上の写真は屋根からの雨漏りで軒先の木材に白色腐朽菌が繁殖して、木材が腐食しています。

木材を腐食させる腐朽菌としては、白色と褐色があります。

上の写真は外壁から雨漏りしていた事例で、壁内の柱と梁が腐食してボロボロになっています。

このようになると建物の耐震性能は大きく低下しますし、補強するのも大掛かりな工事となります。

雨漏りで実際に腐食していた金属の事例を紹介します。

上の写真は屋根のC型鋼の母屋が雨漏りで腐食し、サビが進行してC型鋼に孔が開いてしまっています。

約2mmの鋼板に孔が開いていたので長時間濡れていたと思われます。

上の写真は雨漏りで柱に留め付けられていた鉄くぎがボロボロにサビている状態です。

くぎやねじも長時間濡れると細くなり、最後には破断してしまいます。

 

腐食が起こることでさらに雨漏りが起こりやすくなる悪循環

一度腐食が起こると木材がやせるため、雨水の浸入経路が増えてしまいます。

さらに建物の広範囲に腐食が進み劣化するため、雨漏りが起こりやすくなる悪循環となります。

木材や金属が腐食した場合は、雨漏りとしては重症ですので、放置せずに補修することが重要です。

また、屋根の雨漏りで金属屋根材などが腐食した場合、雨水が屋根の下地を濡らすようになります。

すると、屋根下地の木材が腐食するようになり、さらに屋根の耐風性能は大幅に低下します。

台風などで金属屋根材が電線などに引っかかっている映像を見ますが、大きな被害となってしまいます。

放置せず早期に雨漏り修理しましょう。

 

腐食以外に気をつけたい雨漏りの被害

腐食以外にも、気をつけておきたい雨漏り被害を紹介します。

  • シロアリの発生
  • 家財の水漏れ
  • カビの発生
  • 漏電による火災

建物の強度を低下させる要因としては、木材の腐食以外にシロアリの蟻害があります。

雨漏りで柱や土台などの木材が湿るとシロアリから攻撃を受けやすくなります。

また、カビはダニなどのエサとなり、健康被害の要因となります。

雨漏りで分電盤などが濡れてしまうとブレーカーが落ちたり、最悪の場合、漏電して火災を引き起こす可能性もありますので、注意しましょう。

 

雨漏りの初期症状を見逃さないようにしよう

雨漏りの初期症状を見逃さないことが、雨漏りによる腐食の発生を防ぐことにつながります。

典型的な雨漏りの初期症状を紹介しますので参考にしてください。

  • 天井から水が滴ってくる
  • 天井にある照明器具の中に水が溜まってくる
  • クロスが剥がれている
  • 屋根材にひび割れなどが起きている
  • サッシ枠上部で、サッシを留めているビスに雨染み・錆びがある

雨漏りに初期症状について詳しくはこちらの記事で解説しています。

雨漏りの初期症状と放置してはいけない3つの理由を解説!

 

雨漏りを放置すると後々多額の工事費用が必要となる

雨漏りを放置すると腐食がどんどん進行してしまいます。

残念ながら、自然に雨漏りが止まることはありません。

後々多額の修理費用が必要となってしまうため、建物内への雨漏りを見つけたら、すぐに雨漏り専門業者に相談し修理することをオススメします。

例えば、屋根からの雨漏り修理を紹介します。

早めに部分的な雨漏り修理を行った場合は、20~50万円程度で済みます。

一方で、放置して屋根の下地から直す葺き替え修理を行った場合は、140~240万円程度が必要になります。

放置すれば修理しなければならない場所が増えるために、2倍、3倍と工事費用も増えていくので、早めに雨漏り修理を依頼しましょう。

屋根修理工事の費用目安について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根工事費用の相場は?あらゆる金額を創業150年の屋根屋が紹介

 

【まとめ】雨漏りは腐食が始まる前に発見しよう

木造住宅の雨漏り被害で注意しておきたいのは、木材の腐食です。

木材の腐食が起こる住宅の安全性や耐震性が下がり、また、ひどい場合は住宅が傾いたりすることもあり、結果として大きく家の資産価値が下がってしまいます。

雨漏りによる腐食が始まる初期の兆候として木材が濡れた場合に発生するシミやカビがありますので発見したら対処しましょう。

雨漏りによって木材が腐食するポイントは「木材が2~3週間乾燥しない状況である」ことです。

また、雨漏りによって金属(くぎ、ねじ、耐震金物、ボルトなど)にも腐食が起こり、こちらは濡れている間は腐食が進行します。

木材や金属が腐食した場合は、雨漏りとしては重症ですので、放置せずに補修することが重要です。

放置すれば修理しなければならない場所が増えるために、2倍、3倍と工事費用も増えていくので、早めに雨漏り修理を依頼しましょう。

 

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