目次
全体的な屋根工事の費用相場
屋根全体的に行う屋根修理の費用相場をご紹介します。
屋根全体的な工事とは、葺き替え、葺き直し、カバー工法、塗り替え等です。
- 葺き替え:既存の屋根材をめくり、新しい屋根材に交換する工事
- 葺き直し:既存の瓦を順番にめくりながら、その瓦を再度留め付ける工事
- カバー工法:既存の屋根材の上に新しい屋根材をおおう工事
- 塗り替え:表面塗装が劣化して色落ちした屋根材に塗料を塗る工事
屋根材には寿命がありますので、全体的な屋根工事は屋根材の寿命にあわせたタイミングで行うことが一般的です。
上記4つの屋根工事がいくら必要なのか、目安をご紹介します。
修理内容 | 約100㎡の建物の費用相場 |
---|---|
葺き替え ※古い屋根材を撤去して、新しい屋根材を施工 | 100~240万円 |
瓦の葺き直し ※瓦を部分的に外しながら、ビス留めする | 70~150万円 |
カバー工法 ※金属屋根、アスファルトシングルで重ね葺き | 80~150万円 |
塗り替え ※既存のスレート・金属屋根の再塗装 | 40~80万円 |
※上記表は足場費用を含みません。
部分的な屋根工事の費用相場
屋根の一部分だけで行う屋根修理の費用相場をご紹介します。
屋根の部分的な工事とは、割れている屋根材を交換したり、棟板金だけを交換したりと費用を抑えるために不具合に対して最小限の範囲を修理をしたりすることです。
部分的な屋根修理は今発生している不具合箇所のみの対策で、全体的な屋根修理のように、他の部分に対する予防処置も含めた根本的な屋根改修ではありません。
瓦屋根は比較的部分修理に適しているのですが、スレートや金属屋根は屋根の部位によってはむずかしいです。
修理内容 | 約100㎡の建物の費用相場 |
---|---|
破損した瓦の差し替え | 2.5~万円 ※例5枚の場合、5万円程度です。 |
棟板金の取替え | 5~15万円 ※棟板金の形状や長さによって異なります。 |
雪止設置 | 10~30万円 ※隣の家や車に被害が出る場所に増設します。 |
しっくいの塗り替え | 6~20万円 |
瓦棟部の葺き替え | 25~50万円 |
雨漏り修理 | 10~50万円 ※雨漏りしている場所の部分のみの補修です。 |
※上記表は足場費用を含みません。
付帯部分の屋根工事の費用相場
屋根の付帯部分としては、雨どい、軒天や天窓などがあります。
- 雨どい・・・屋根に降った雨を集めて、地上や下水に導くための設備です。
外壁や1階屋根への雨がかりを減らす大切な役割があり、詰まり・劣化・破損してしまうと雨漏りの原因となりますので、修理が必要です。
- 軒天・・・建物から出ている屋根(軒の出)の裏側部分のことで、ボードなどが張ってあります。
軒天材を張ることは屋根裏への通路をふさぐ役割があります。
劣化・破損して穴が開いてしまうと屋根裏へ小動物(コウモリ・スズメ・蜂等)が侵入するリスクとなります。
また、破損した部分に巨大台風による強風が吹き込むと屋根全体を飛来させるリスクが高まります。
軒天の劣化は放置せずに修理が必要です。
- 天窓・・・屋根面に取り付けられた窓で、採光や換気の役割があります。
天窓は経年でガラスとアルミ枠の間のシール材が劣化したり、天窓と屋根材の間の周辺部材が劣化したりすることで、雨漏りの原因となります。
10年ごとの点検・修理が必要です。
屋根の付帯部分の修理工事費用の目安を紹介します。
付帯部分の屋根修理 | 修理費用の目安 |
---|---|
雨どいの部分修理 | 10~万円 |
雨どいの付け替え | 30~万円 |
軒天の部分修理 | 10~万円 |
天窓の部分修理 | 5~万円 |
天窓の取替え | 30~万円 |
屋根工事で使用される屋根材の費用相場
代表的な屋根材の費用相場(新築時)をご紹介します。
新規施工費 | 重さ | 耐久性 | |
---|---|---|---|
瓦 | 9,000~円 | 38~㎏ | 50年以上 |
セメント製(モニエル) | 8,000~円 | 42㎏ | 30年 |
スレート | 6,000~円 | 21㎏ | 30年 |
アスファルトシングル | 6,000~円 | 12㎏ | 15~年 |
ガルバリウム鋼板 | 8,000~円 | 4~㎏ | 20~年 |
石付金属屋根 | 9,000~円 | 7㎏ | 30年 |
樹脂繊維セメント | 12,000~円 | 20㎏ | 30年 |
この中で人気の3つの屋根材について解説します。
- 瓦・・・35年以上の経済性を考えるともっとも安価な屋根材です。
30年を超える耐用年数がある屋根材は瓦だけです。
長寿命住宅において、他の屋根材は30年頃に大規模改修を行うため、高額なメンテンナンス費用が発生します。
一方で、瓦は60年程度は持つため、メンテンナンス費用が少額で済みます。
住み始めてから屋根にお金を掛けたくない方は、瓦をオススメします。
- ガルバリウム鋼板・・・もっとも軽い屋根材です。
退色を気にしなければ、30年ごとに大規模改修する屋根材となります。
屋根の傾斜が緩くても使用可能となっており、キューブ型住宅の片流れ屋根に多く採用されています。
- スレート・・・イニシャルコストが安価な屋根材です。
初期費用を抑えたい方に適した屋根材となります。
50年以上の歴史があり、カラーベスト・コロニアルという商品名が広く知られています。
関東・近畿の都市部で多く使用されており、どんな外観のデザインにも合うシンプルなデザインとなっており、分譲住宅で多く採用されています。
それぞれの屋根材の詳しい特徴や屋根材選びのポイントについて解説しているこちらの記事をご覧ください。
屋根材の特徴や価格が丸わかり!あなたの最適を選ぶポイント6つ紹介
見積書に記載されている細かな費用の相場
屋根工事の検討をすると実際には見積書が提示されます。
見積書に書かれている主な項目の費用相場を紹介します。
見積書の項目 | 該当するリフォーム工事 | 屋根リフォームでの費用相場 |
---|---|---|
足場工事 | 共通 | 800~1200円/㎡ |
養生シート | 共通(足場工事に含まれる場合も多い) | 200~500円/㎡ |
高圧洗浄 | 塗装・防水工事 | 200~300円/㎡ |
ルーフィング(防水シート) | 葺き替え・葺き直し・部分修理 | 500~700円/㎡ |
粘着層付ルーフィング | カバー工法 | 1200~1500円/㎡ |
屋根下地処理 | 葺き替え・葺き直し・部分修理 | 2500~3500円/㎡ |
新規屋根材 | 共通 | 6000~12000円/㎡ |
既存屋根材撤去 | 葺き替え・部分修理 | 1500~3000円/㎡ |
既存屋根材処分費 | 葺き替え・部分修理 | 2000~3000円/㎡ |
付帯工事 | 共通 | 10~30万円 |
諸経費 | 共通 | 工事費の8~15% |
※100㎡以上の工事費用の目安です。
小規模な工事(50㎡以下)では、一式いくらと表記されている場合もあります。
100㎡以上なのに、一式いくらと表記されている場合は、悪徳業者の可能性もあります。
他社の相見積と比較されないように単価を示さないようにしています。
この場合、もっと細かい項目が記載され、一式の金額は抑えながら合計金額を高額にする工夫もされていますので気をつけましょう。(例:荷揚げはしご設置費、ウィンチ設置費、周辺養生費、安全対策費、親綱費等)
単価が相場より高くなるケース
業者の見積もりが相場よりも高い場合、理由があって見積もりが高くなっているケースがあります。
- 3階建て
- 敷地の狭い家
- 高所に建っている家
- 急勾配の屋根の家
- 道路までに距離がある家
- 小面積の工事
とくに急勾配の屋根は屋根面に足場が必要となりますし、作業効率は大幅に低下しますので1.5倍程度割増となります。
また、屋根の葺き替えでは建物と道路の距離がある場合、撤去した屋根材を運び出しする費用がかかるので割高となります。
費用が高くなっても屋根工事をするべき理由
屋根に不具合がある場合、費用が掛かるからといって、先送りすることはオススメできません。
屋根の不具合を放置するリスクをまとめました。
- 建物の寿命が短くなる
- 雨漏りリスクが高くなる
- 雨漏りによる健康被害
- 修理の必要がないところまで被害が拡大する
屋根の不具合は、予算に応じて応急処置をすることで被害の拡大を軽減することはできます。
何もせず、放置することはやめておきましょう。
屋根工事の費用は火災保険が使えるの?
屋根修理に関して、火災保険が適用される条件は自然災害によって屋根に損傷があることです。
また、その屋根の損傷に伴う雨漏りも火災保険で直すことができます。
逆に、経年劣化や施工不良、人的な破損などによる屋根の損傷や損傷に伴う雨漏りの場合は、火災保険の適用となりません。
その他の条件としては、自然災害によって修理が必要になってから3年以内に申請がしないと時効となります。
また、火災保険は代行申請ではなく、本人による申請が必要となります。(代行申請をうたう業者には、注意してくださいね。)
火災保険が使えると言って、工事契約を結ぶ悪徳業者もいますので注意が必要です。
火災保険の申請や注意点について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
屋根修理で火災保険は使えるの?申請方法から注意点まで徹底解説!
屋根工事を検討しているときの業者の探し方
屋根工事を検討しようとしても業者をどうやって探したらいいか、わからないと思います。
とくに屋根工事は悪徳業者が多いと聞くので、業者選びには神経を使われているのではないでしょうか?
屋根修理業者の探し方で3つの方法をご紹介します。
- 地元・業界の雑誌
- インターネットのサイト
- 知人の紹介
地元の雑誌や建築雑誌などに紹介されている業者は、雑誌社のフィルターがかかっているので少し安心できます。(ただし、雑誌の広告で掲載されている場合は信頼度が下がります。)
インターネットのサイトはお客様が比較することはできます。
サイトでの比較のポイントは、web会社が運営している集客サイトか、屋根業者のサイトかを見分けることです。
残念ながら、屋根工事の内容は、web会社が運営している塗装系の集客サイトが上位に来ているので、地元の屋根業者をがんばって探しましょう。
屋根業者の社長さん、従業員さんの顔が出ているかどうかで、web会社のサイトを見分けることもできます。
知人の紹介は昔から行われているある程度安心できる探し方です。
詳しくはこちらの記事で解説していますのでご覧ください。
屋根修理業者の探し方3選を紹介!注意点やポイントも解説します!
【まとめ】家の寿命を長くするには屋根工事が重要です
全体的な屋根工事、部分的な屋根工事、付帯工事の屋根工事、屋根材の費用相場をご紹介しました。
まずは、費用相場を把握した上で屋根工事の見積内容を検討しましょう。
一般的な屋根リフォーム工事の見積書の項目別費用目安も紹介しました。
全体的なリフォーム工事で、すべて一式表記しかしていない業者は悪徳業者の可能性が高いので注意しましょう。
屋根に不具合がある場合、そのまま放置することは家の寿命を短くしてしまいます。
予算がない場合は、費用内で行える応急処置的な補修でもいいので、屋根修理を行いましょう。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。
私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。