フラット35住宅仕様実態調査から見る屋根材の傾向
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
先日、5年ぶりに住宅金融支援機構のフラット35住宅仕様実態調査報告が発表されました。(フラット35の設計検査を受けた新築一戸建て住宅・木造軸組工法の住宅に限る。)
その資料をもとに、屋根形状の傾向を調べました。
平成29年度屋根材の比率
平成29年度の結果が出たのですが、3,000戸を調査した結果です。
金属屋根(ガルバリウム鋼板・ジンカリウム鋼板)がスレート屋根を抜いて第1位となっています。
平成7年度(阪神大震災)と比較すると金属屋根(ガルバリウム鋼板・ジンカリウム鋼板)だけが15%アップし、瓦屋根・スレート屋根とも減少しています。
平成24年度と比べて、9.6%もアップしました。
この金属屋根がアップしている要因を考えてみました。
屋根形状別の屋根材比率を見てみる!
このグラフから屋根形状によって、採用しやすい屋根材の傾向がわかります。
第1位の切妻(きりづま)屋根は瓦屋根①が多い!
切妻屋根は瓦屋根、スレート屋根、金属屋根とほぼ1/3ずつです。
全体の比率からみると瓦屋根が多く採用されていることになります。
最近の瓦屋根はこの写真のようなフラットの形状が増加しています。
第2位の片流れ(かたながれ)屋根は金属屋根③が圧倒的に多い!
片流れ屋根の多く(70.1%)は金属屋根を採用しています。
多くがガルバリウム鋼板・立平葺きだと思います。
片流れ屋根が急増していて、そのほとんどが立平葺きとなっていますが、ちょっと心配なデータもあります。
現在の新築物件の多くは瑕疵担保責任保険に加入しています。
その瑕疵担保保険会社の調査では、
なんと!新築雨漏り事故の75%以上が片流れ屋根だったと公表しています!
さらに、金属屋根材の事故が多かったようです。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください!
雨漏りリスクの高い片流れ屋根・立平葺きが急激に増加している傾向は、数年後、屋根の雨漏り・結露不具合が大量発生しそうで心配です!
第3位の寄棟(よせむね)屋根はスレート屋根②が多いです!
寄棟屋根の半数以上はスレート屋根となっています。
とくに、首都圏が多いようで、狭小地は寄棟・スレート屋根が多く採用される傾向だと思います。
スレート屋根はけらば部分が劣化する不具合が多く発生しているので、寄棟屋根の方が相性がいいと思います。
第4位の段違い(だんちがい)屋根は金属屋根③が多いです!
段違い屋根は片流れ屋根と同じ傾向で、金属屋根・立平葺きが多くなっています。
片流れ屋根が2段になっているような屋根です。
こちらも雨漏りが心配ですね!
まとめ:H29年度新築では、金属屋根/片流れ・段違い屋根の急増は心配しています!
フラット35住宅仕様実態調査から屋根材の傾向を読み取りました。
金属屋根が急増して、第1位となり約40%を占めるまでになっています。
金属屋根が急増しているのは、片流れ屋根とのセットでの増加が要因です。
しかし、金属屋根/片流れ屋根は雨漏り事故が急増している報告もありますので、雨漏り・結露には十分に配慮してもらってください。
わからないことだらけの屋根だと思いますので、何かありましたらお気軽にお問い合わせください。
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