東日本大震災の屋根被害、83%は日本瓦棟部でした。簡易な地震対策もありますよ!

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みなさま。こんにちは。

屋根から人の笑顔を作りたい!!!

神清(かみせい)のDr.神谷です。

日頃から屋根点検、補修をするため、瓦屋根に上がってみますと、古い瓦屋根が現役で頑張っているな~!と感じます。

瓦自体は問題はないのですが、天窓、谷板金、しっくいなどの付属部材が劣化している状態を見かけます。

そういう場合は、葺き替えではなく、部分補修を提案しています。

屋根が日本瓦の場合、併せて、耐震性の低い旧工法(大回し工法)の棟は耐震改修が必要なこともお伝えしています。

お伝えする上で、どの程度旧工法棟が危険なのか、説明できていない・数値化できていないことに気付きました。

そこで、弊社にある東日本大震災で被害があった屋根の調査写真・被害写真・復旧写真を見直し、被害状況の傾向をまとめましたので、ご紹介します!

東日本大震災における屋根の被害写真を見直しました。

写真のデータ元は?

撮影場所:千葉県、茨城県、栃木県、埼玉県、宮城県

撮影目的:屋根被害調査、屋根の養生記録、屋根の改修工事記録

撮影建物数:283軒

撮影者:弊社社員、各地域屋根工事業者

被害屋根材:粘土瓦(日本瓦、S形瓦、F形瓦、フレンチ瓦)、セメント屋根材、スレート屋根、金属屋根

屋根に被害が発生した283軒について、屋根形状、屋根材種類、屋根の被害場所を調べました。

屋根形状は?

屋根形状をグラフにしました。

築年数の古い建物が多く、切妻屋根(96軒)、寄棟屋根(137軒)、入母屋屋根(46軒)となっていました。

屋根材の種類は?

屋根材の種類としては、日本瓦(239軒)、S形瓦(12軒)、F形瓦(8軒)、セメント屋根材(19軒)、フレンチ瓦(3軒)、スレート屋根(1軒)、金属屋根(1軒)に被害が発生していました。

日本瓦が全体の85%をしていて、写真を見ると古い日本瓦屋根がほとんどでした。

この数字を見て、あらためて古い日本瓦屋根は地震対策が必要だとわかりました。

 

屋根のどこの部分に被害が発生しているのか?

日本瓦屋根に被害が多いことは、ある程度わかっていました。

今回の見直しでは、屋根のどこの部分に被害が発生したのか、調べることに重点を置きました。

被害が発生した場所を分類しました。

屋根の被害が発生した場所を以下の写真のように分類しました。(この屋根は入母屋屋根です)

大棟(おおむね)は屋根の一番頂点の部分です。

隅棟(すみむね)は寄棟屋根や入母屋屋根の斜めの棟の部分です。

下り棟(くだりむね)は入母屋屋根の真っ直ぐに降りている棟の部分です。

これらの棟以外で発生した被害は平部(ひらぶ)として、まとめました。

被害が発生した部位の判定は?

基本的には、被害が発生している部分をカウントしました。

同じ建物でも複数個所に被害が発生している場合は、複数にカウントしました。

また、棟が壊れたことによるもらい事故で被害が発生した平部はカウントしないこととしました。

被害事例写真を紹介します。

大棟の被害

日本瓦屋根の大棟に被害が発生しています。

旧工法(大回し工法)ののし積棟が崩れています。

隅棟の被害

日本瓦屋根の隅棟に被害が発生しています。

旧工法(大回し工法)ののし積棟が崩れています。

平部の被害

平部の被害は棟のもらい事故を除きました。

この写真のような平部のズレや脱落、割れ等がありました。

被害が発生した屋根の場所をまとめました。

大棟(216軒)、隅棟(149軒)、下り棟(14軒)、平部(18軒)となっていました。

ほとんどが棟の被害でした。

日本瓦屋根の被害をクローズアップしました!

私が耐震改修をおススメする日本瓦屋根にしぼってみますと、

全283軒中、日本瓦の被害は85%(239軒)でした。

さらに言いますと日本瓦の中では、棟部の被害が98%(234軒)をしめています。

日本瓦平部の被害は2%(5軒)であり、かなり少ないと言えます。

全体から見ても、日本瓦棟部の被害は83%と多くをしめています。

瓦屋根が地震に弱いと指摘がありますが、正確には古い日本瓦の棟部が地震に弱いのです。

屋根の地震対策としては、古い日本瓦棟部にしぼって対策を行うだけでも、全体の80%の被害を軽減できるのではないでしょうか!

 

日本瓦棟部の地震対策は、ガイドライン工法への葺き直しです!

日本瓦棟部の地震対策は、旧工法(大回し工法)の棟部をガイドライン工法へ葺き直しすることをおススメします!

日本瓦屋根全体を他の屋根材へ葺き替えることも可能ですが、費用は高額になってしまいます。

棟部のみの葺き直しなら、費用は1/4程度に軽減できます。

日本瓦棟部の地震対策について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

巨大地震で被害にあう瓦屋根とは? 自分で確認できるチェックポイントを教えます!

ガイドライン工法よりもさらに、簡易・軽量・安価な対策として、旧工法を冠1本伏せに葺き直す方法もあります。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

日本瓦屋根の棟部/冠1本伏せ(耐震性の高い)の仕上がりをご紹介します!

 

まとめ:東日本大震災の屋根被害写真を見直すと83%は日本瓦棟部の被害でした。お住まいの方は、地震対策をご検討ください!

東日本大震災の屋根被害写真を見直しました。

なんと、古い日本瓦棟部被害が全体の83%と大半を占めていました。

東日本大震災では、被害棟数が多くて、瓦屋根全部を復旧するのに長時間かかりました。

その間、ブルーシート状態が続き、多くのお客様にご迷惑をお掛けしました。

予想されている南海トラフ巨大地震も東日本大震災と同様に広範囲な被害が発生するので、古い日本瓦屋根にお住まいの方は地震が来る前に、日本瓦棟部の対策を是非ご検討ください。

地震が来てから直すよりも時間も費用も大幅に削減できますよ!

因みに、昭和56年より前の建物に関しては、屋根を検討する前に、建物全体の耐震診断を行いましょう!

屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。

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