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片流れ屋根って近所迷惑なの?
屋根面が南下りの片流れ屋根は、太陽光発電を考える場合にとても効率良く発電できる屋根の形状で人気があります。
太陽光の発電効率は屋根の傾きが30°(約6寸勾配)のとき、もっとも効率がよいと言われています。
できるだけ効率よくと6寸勾配の屋根にしてしまうと、北側に住む方の日陰時間が多くなってしまうことをがあります。
北側に住宅が建っていて住居者がいる場合は、「今まで太陽光がしっかり入っていて明るかったのに、家が建ったことで部屋が暗くなった」と近所トラブルに発展するケースがあります。
通常の屋根形状(切妻・寄棟)でもよく耳にする話なので、片流れ屋根で目立つデザインの家だと余計に印象を悪くしていまいます。
また、北側の住宅に太陽光パネルが設置されているときは、特に注意が必要です。
ご近所さんも太陽光に投資した費用を回収できないので、死活問題になってしまうからです。
法律的に問題がなくても配慮すべき?
南面向きの片流れ屋根であってもは、建築許可が出て入る場合は法律的(建築基準法)には問題がありません。
しかし、法律的に問題がなくてもご近所トラブルを避けることは配慮するべきことだと思います。
web上では、「法律的に問題がなければ気にする必要がない」という意見もあれば、「一定の配慮が必要だ」という意見もあります。
立地などにもよりますが、これから長く住む住居ですので、将来的にはメンテナンスなども必ず必要となります。
狭小地で足場を設置したくても、ダメと言われてしまうとメンテナンスを行うことができなくなります。
一定の配慮をされることをオススメします。
迷惑をかけないための配慮で発生するかもしれない3つの損失
配慮の必要があるのかどうかはさておき、実際に隣人に対して配慮を行うことで発生するかもしれない3つの損失をご紹介します。
- 発電量の低下
- 間取りの変更
- 建築コストの上昇
次の章からそれぞれについて解説していきますね。
【片流れ屋根で迷惑をかけない配慮による損失】①発電量の低下
片流れ屋根は極めて効率的に太陽光発電させることができるため、隣人に配慮することで発電量が低下してしまう可能性があります。
南面向きの片流れ屋根は、切妻屋根に比べて2倍太陽光パネルを設置することができます。
南面は、他の方角(東・西)よりも発電効率が約18%良くなります。(北面に比べるとなんと約60%)
太陽光発電をメインに考えると、片流れ屋根のメリットは大きいですね。
南面向きの片流れ屋根でも屋根の傾きを緩くすることで、北側の高さを低くすることができます。
また、売電価格は一時に比べて大幅に下がっていますので、売電目的では採算が合わず自家消費分を発電できる量を設置する考え方に変わっています。
【片流れ屋根で迷惑をかけない配慮による損失】②間取りの変更
既に片流れ屋根で間取りを考えているにも関わらず、屋根の高さや形状を変更すると、外観デザインはもちろん間取りの変更をする必要があります。
家の間取りだけではなく、片流れ屋根のメリットである「傾斜天井の開放的な室内空間」や「屋根裏空間を有効活用できる広めのロフトや小屋裏収納」などがなくなることもあり得ます。
北向き片流れ屋根に変更することで、中には実現できることもあるでしょう。
【片流れ屋根で迷惑をかけない配慮による損失】③建築コストの上昇
片流れ屋根は、他の屋根と比較して安価にすることが可能であるから、迷惑をかけないように他の屋根に変更すると、当初の予算よりも建築コストが上昇する可能性があります。
片流れ屋根が他の屋根よりも安価な部分は以下があります。
- 軒の出を無くすことで、屋根面積を減らすことができる。(雨漏りリスクは上がる)
- 緩い傾きの屋根とすることで、屋根裏の材料を減らすことができる。
- 屋根形状を真っ四角とすれば、屋根周辺(軒・角・棟)部材の量を減らすことができる。
- 総二階とすることで、外壁面積も減らすことができる。
- 太陽光設置も一面だけとなるので施工費用を抑えることができる。
太陽光をしっかり載せて隣人にも光が入る屋根とは?
片流れ屋根以外で、太陽光パネルをしっかりのせることができる屋根は切妻屋根です。
切妻屋根はもっとも一般的な屋根形状ですので、隣人に対して配慮したととらえてもらえる屋根の形状と言えます。
太陽光を設置できる面積は半分となりますが、南面全体に太陽光パネルを設置することもできますので、太陽光発電とは相性がいい屋根形状です。
片流れ屋根が原因でトラブルになったときは?
片流れ屋根が原因で既にトラブルになったときには、建築会社さんに間に入ってもらうことをオススメします。
建築許可が下りていることや一般的な建築における事例を話してもらうことができます。
また、深刻な状況まで進んでしまっている場合は、複数の方とのトラブルなら自治会、具体的に嫌がらせを受けているときは警察などが有効です。
第3者に相談しても解決できない場合は最後の手段ですが、弁護士に相談されることをオススメします。
弁護士への相談は、すぐに裁判という訳ではなく、弁護士を介しての書類のやり取りや話し合いを行うことができます。
一般的には、弁護士へ相談するだけでも費用が発生しますので、あらかじめ確認しておきましょう。
近所迷惑になることまで教えてくれる専門業者は少ない
新築を検討する際には、太陽光に関しては「太陽光が載せられる量」や「売電価格」・「コスト」などたくさん載せる前提で、熱心に教えてくれる専門業者は多いです。
その分、業者も売上が大きくなるので気持ちもわかりますが、お客様の住まい出してからの将来のことを考えて、近所迷惑にならないようなアドバイスまでしてくれる専門業者は少ないです。
片流れ屋根に限らず、建築のときの騒音やゴミなども近所トラブルに発展する場合もあり、隣人に対する配慮ができる業者を選ぶようにしましょう。
【まとめ】片流れ屋根は知らずに近所迷惑だと言われることがある
屋根面が南下りの片流れ屋根は、太陽光発電を考える場合にとても効率良く発電できる屋根の形状で人気があります。
できるだけ効率よくと6寸勾配の屋根にしてしまうと、北側に住む方の日陰時間が多くなってしまうことをがあります。
「今まで太陽光がしっかり入っていて明るかったのに、家が建ったことで部屋が暗くなった」と通常の屋根形状(切妻・寄棟)でもよく耳にする話なので、片流れ屋根で目立つデザインの家だと余計に印象を悪くリスクがあります。
南面向きの片流れ屋根であってもは、建築許可が出て入る場合は法律的(建築基準法)には問題がありません。
しかし、法律的に問題がなくてもご近所トラブルを避けることは配慮するべきことだと思います。
特に北側の住宅に太陽光パネルが設置されているときは、隣家も死活問題なので、建築会社へ設計の段階から早めに相談することもオススメします。
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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