スレート屋根25年経過した劣化比較 アスベスト有無・南北です。
お客様からスレート屋根の寿命について、ご質問を受けます。
明確な回答は正直、難しいです。
参考としては、製造メーカーのカタログで、30年程度と読み取れます。
実棟では、立地条件、塗装などのメンテナンスなどが関係するので、一概に何年と言いにくいです。
そこで、同一の暴露架台で、5種類のスレート屋根を暴露している架台がありました。
その観察した様子を写真から、簡単に紹介します。
この記事では、実験棟で、25年間、暴露したスレート屋根の比較をご紹介します。
5種類のスレート屋根とは?
5種類のスレート屋根はすべて、廃盤品です。
商品名 | 生産時期 | アスベスト有無 | 割れの有無 | 生産メーカー | |
---|---|---|---|---|---|
① | ルネッサⅠ | H1~H13 | 有 | 有 | クボタ |
② | スカイピュア | H2~H6 | 無 | 有 | 松下電工 |
③ | ナチュール | H1~不明 | 無 | 有 | 大建工業 |
④ | ツインアート | S61~H3 | 有 | 有 | 松下電工 |
⑤ | フルセラム | S61~H13 | 有 | 有 | 松下電工 |
アスベスト含有のスレート屋根は割れにくかった?
「スレート屋根あるある」をよく聞きます。
・アスベスト含有のスレート屋根は割れにくい。
・アスベストが入っていないスレート屋根は割れやすい。
・スレート幅が600mmは割れにくい。
実際は、どうだったのでしょうか?
暴露架台の一例ですが、紹介します。
①ルネッサⅠ
赤丸の部分にひび割れが発生しています。
施工時以外は、屋根に載ることはなかったと思います。
幅600mm、アスベスト入りのスレートですが、パックリ割れています。
25年でもともとの塗装の色が何色か、全くわかりません。
②スカイピュア
赤丸の部分が完全に割れ、先端がずれ落ちています。
アスベストが入っていないスレート屋根です。
破断している部分を見ると層状の剥離も発生しています。
アスベストが入っていないためか、ひび割れだけでなく、破断にもいたっています。
③ナチュール
赤丸の部分にひび割れがあります。
アスベストが入っていないスレート屋根です。
退色はしていますが、比較的、状態としてはいいようです。
④ツインアート
赤丸の部分にひび割れがあります。
アスベストが入っているスレートです。
退色は一番少なく、黒色の塗装が残っているようです。
塗装の種類によって、耐候性が違うようです。
⑤フルセラム
南面はひび割れがありませんでした。
アスベストが入っているスレートです。
塗装も残っている状態でした。
この屋根材は、厚みが12mm程度あり、通常のスレートの倍ぐらいの厚みです。
次に北面を比較しています。
①ルネッサⅠ
②スカイピュア
③ナチュール
④ツインアート
⑤フルセラム
北面に関しては、ひび割れよりも黄色のコケが目立ちます。
また、水がたまっているところでは、藻も生えています。
スレート屋根の寿命は、「25~30年」。
25年経過した5種類のスレート屋根を見ると、この状態の屋根に塗装しても、長持ちしないと思います。
25年ノーメンテナンスの場合は、葺き替えもしくは、カバー工法になると思います。
アスベストの有無はひび割れには、関係ないようです。
600mm幅の割れが少ないとは、言い切れないようです。
この暴露試験の結果、スレートの寿命は「25~30年」を目安にしてください。
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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