目次
瓦屋根修理の費用目安は?
瓦屋根修理には、大きく4つの種類がありますので、修理の種類と工事費用の目安をご紹介します。
修理の種類 | 内容 | 費用の目安 |
---|---|---|
葺き替え | 屋根全面の古い瓦をはがして、新しい屋根材で施工する | 160~240万円 |
葺き直し | 古い瓦を再利用して、屋根下地・瓦の留め付けを直す。 | 100~180万円 |
部分修理 | 部分的に瓦をはがして、不具合を補修する。 | 20~50万円 |
応急処置(カバー工法) | 予算がない場合や災害時などで、応急処置として、粘着防水シートなどで部分的に瓦の表面をカバーする | 10~30万円 |
次の章からそれぞれの瓦屋根修理工事の特徴について、詳しく解説していきますね。
【瓦屋根修理の選び方】①葺き替え(ふきかえ)
葺き替え(ふきかえ)は、古い屋根瓦全体をめくって、屋根下地を直しながら新しい屋根材に交換する修理方法のことです。
葺き替えをオススメする瓦屋根の状態を以下に示します。
- 瓦屋根の年数が50年以上経過している。
- 瓦屋根の全体に不具合が発生している。
- 屋根瓦の下に葺き土を使用している。(土葺き工法)
- 耐風・耐震性能の高い屋根に改修したい。
- 今後、30年以上屋根のメンテナンスをしたくない。
瓦屋根の葺き替えは数十年に一度行うことなので、メリットデメリットをよく検討されることをオススメします。
葺き替えのメリットを以下に示します。
- 屋根下地から新しくすることができるため、屋根をリセットできる。
- 屋根材の種類を変更することができる。
- 土葺き工法(どぶき)の場合、葺き土を取り除くことができる。
- 現在の耐風・耐震性能のある仕様とすることができる。
- 30年以上大幅なメンテナンスをしないようにできる。
葺き替えのデメリットを以下に示します。
- 工事費用がもっとも高額となる。
- 工期期間が長くなる。
予算がある場合は、葺き替えをオススメします。昔の瓦屋根に比べて、現在の仕様の瓦屋根は、耐風・耐震・防水・耐久性能とすべてが大幅に向上しています。
葺き替えされれば、今後長期間、屋根を心配することはなくなります。
【瓦屋根修理の選び方】②葺き直し(ふきなおし)
葺き直しは、屋根瓦を新しくせずに下地部分と屋根瓦の留め付けを修理する方法です。
葺き直しをオススメする瓦屋根の状態を以下に示します。
- 築年数が20年~30年程度の瓦屋根である。
- 雨漏りなどはないが、施工方法が古く、耐風・耐震性能に不安がある。
- 立地などが奥まっていて、瓦の廃棄に費用がかかってしまう。
瓦屋根の葺き直しは、葺き替えと比較検討する修理内容をお考えください。
葺き直しのメリットを以下に示します。
- 既存の屋根瓦を使用することで、新しい屋根材の費用を抑えることができる。
- 既存の屋根瓦を使用することで、瓦の廃棄費用をなくすことができる。
- 工期を短くすることができる。
葺き直しのデメリットを以下に示します。
- 屋根瓦は約15年前から防災瓦となっていて、耐風・耐震性能が向上しているので、それと比べると既存の屋根瓦の性能は乏しい。
- 工事前後の外観は変化がなく、美観のリフレッシュを感じにくい。
葺き直しは、築年数が20~30年程度の瓦屋根の方に検討していただく修理内容です。予算を少しでも抑えたい方にオススメします。
【瓦屋根修理の選び方】③部分補修
瓦屋根の部分補修は屋根の部分的な不具合に対して修理することです。
部分修理をオススメする瓦屋根の状態を以下に示します。
- 瓦屋根から雨漏りしている。
- 屋根瓦の一部が破損している。
- 屋根瓦の一部がズレている。
- 瓦屋根の棟部分のみ、耐風・耐震補強する。
- しっくいがほとんどはがれてしまっている。
瓦屋根の雨漏りは、部分補修で雨漏りを止めることができます。
雨漏りを直すだけなら、葺き替えや葺き直しまで、検討する必要はありません。
部分修理のメリットを以下に示します。
- 部分的に補修できるので、費用を抑えることができる。
- 足場費用を抑えることができる。
- 瓦屋根で自然災害を受けやすい棟部分のみを補強することができる。
- 古い屋根で同じ瓦がなくても、現在の瓦を細工することで修理することができる。
部分修理のデメリットを以下に示します。
- 屋根全体の古い仕様を変えることはできない。
- しっかりした瓦工事業者に依頼しないと直らないことがある。
部分修理は、必ず瓦工事業者に依頼しましょう。他の業者では、誤った補修を行う可能性が高いです。
【瓦屋根修理の選び方】④応急処置(カバー工法)
応急処置として、瓦屋根の上に粘着防水材等を貼り付けて雨漏りを防ぐというものです。
自然災害や短期間・低予算しかない場合に行う瓦屋根の補修です。
瓦屋根全体をカバー工法することはオススメできません。「百害あって一利なし」です。瓦を工事できない業者が行う誤った工事ですので、ご注意ください。
応急処理のメリットを以下に示します。
- 短期間に不具合を応急処置することができる。
- 低予算で不具合を応急処置することができる。
応急処理のデメリットを以下に示します。
- 根本の解決にはならないので、再度、補修が必要となる。
- 粘着防水材の耐用年数は数年と短い。
瓦屋根修理のタイミングや工事期間の目安は?
瓦屋根修理のタイミングの目安は、雨漏り・漆喰のはがれなどの不具合が発生したときです。
また、20年以上経過している瓦屋根の場合、耐風・耐震改修に対して地方自治体による補助金制度が設けられている場合があります。
補助金の予算があるときに、申請して修理するのもタイミングとなります。
自然災害で被害を受けてしまうと、何か月もブルーシート状態となってしまい、雨漏りが心配となります。
平時のときに、点検・メンテナンスを行うことが、結果的に安価で安全につながります。
また、瓦屋根修理の工事期間の目安を紹介します。
修理の種類 | 工事期間の目安 |
---|---|
葺き替え | 10~14日 |
葺き直し | 7~10日 |
部分修理 | 1~3日 |
応急処置(カバー工法) | 1~2日 |
瓦屋根の修理は、少しの降雨もNGですので、天候によって左右されるとご承知おきください。
瓦屋根修理はDIY可能?
基本的に瓦屋根の修理は、高所作業でありプロでも危険な作業であるため、DIYはオススメできません。
とくに、雨漏りに対してのDIY修理で、コーキングやモルタルで瓦表面の隙間を埋めてしまうとかえって、雨漏りがひどくなる場合が多いですので、絶対におやめください。
もしどうしてもDIYをしたいという方は、割れた瓦をテープで補修する程度にしておきましょう。
瓦の交換や雨漏り修理は、瓦職人の技術と知識が必要です。
DIYでかえって悪化し、補修工事が大掛かりとなるケースを多く見ています。
早めに瓦工事業者へご相談されることをオススメします。
瓦屋根はメンテナンスフリー?点検は必要なの?
粘土瓦(日本瓦・F形瓦・S形瓦)自体は、耐用年数60年以上と言われています。
しかし、瓦屋根で考えますと屋根下地の防水シート・瓦桟木・野地板・くぎ・ネジ等の他の部材も使用しています。
10年に一度程度、点検メンテナンスが必要です。
日本建築学会JASS12屋根工事では、30年で下地の点検、60年で葺き替えとメンテナンス計画を作成しています。
屋根の頂上にある棟部の漆喰(しっくい)は、20年前後でヒビ割れや剥がれが徐々に発生します。
漆喰がはがれてもすぐに雨漏りすることはありません。
しかし、数年以内には補修が必要となりますので、そのタイミングで棟の耐風・耐震補修を検討されることをオススメします。
毎年、上陸する台風の前後には、「屋根を見る」点検を行うことも重要です。
少しでも気になることがあれば、写真を撮って相談したり、業者に点検を依頼しましょう。
瓦屋根を修理するときの業者はどう選べば?
優良な屋根修理業者の5つの特徴を紹介します。
- 丁寧な説明
- しっかりとした見積もり書
- 相場内の修理費用
- 近所への配慮
- 充実したアフターフォロー
屋根のことはわからないので、丁寧にわかりやすく説明してくれる業者を選びましょう。また、瓦屋根での緊急性のある修理はほとんどありませんので、契約をせかす業者はやめておきましょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
どんな屋根修理業者に頼めば良いの?優良業者の5つの特徴を解説!
【まとめ】定期的な点検とメンテナンスで瓦屋根を長持ちさせよう
瓦屋根修理には、大きく4つの種類がありますので、修理の種類と工事費用の目安をご紹介します。
修理の種類 | 内容 | 費用の目安 |
---|---|---|
葺き替え | 屋根全面の古い瓦をはがして、新しい屋根材で施工する | 160~240万円 |
葺き直し | 古い瓦を再利用して、屋根下地・瓦の留め付けを直す。 | 100~180万円 |
部分修理 | 部分的に瓦をはがして、不具合を補修する。 | 20~50万円 |
応急処置(カバー工法) | 予算がない場合や災害時などで、応急処置として、粘着防水シートなどで部分的に瓦の表面をカバーする | 10~30万円 |
予算がある場合は、葺き替えをオススメします。昔の瓦屋根に比べて、現在の仕様の瓦屋根は、耐風・耐震・防水・耐久性能とすべてが大幅に向上しています。
葺き替えされれば、今後長期間、屋根を心配することはなくなります。
葺き直しは、築年数が20~30年程度の瓦屋根の方に検討していただく修理内容です。予算を少しでも抑えたい方にオススメします。
部分修理は、必ず瓦工事業者に依頼しましょう。他の業者では、誤った補修を行う可能性が高いです。
瓦屋根全体をカバー工法することはオススメできません。「百害あって一利なし」です。瓦を工事できない業者が行う誤った工事ですので、ご注意ください。
瓦屋根修理のタイミングの目安は、雨漏りなどの不具合が発生したときです。
また、20年以上経過している瓦屋根の場合、耐風・耐震改修に対して地方自治体による補助金制度が設けられている場合があります。
10年に一度程度、点検メンテナンスが必要です。
毎年、上陸する台風の前後には、「屋根を見る」点検を行うことも重要です。
少しでも気になることがあれば、写真を撮って相談したり、業者に点検を依頼しましょう。
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