屋根葺き替えとカバー工法はどっちがいい?屋根屋が徹底解説

Dr.神谷
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  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 屋根葺き替えとカバー工法の違いついて知りたい
  • 屋根の張替えとカバー工法について知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「屋根葺き替えとカバー工法の違いついて知りたい」「屋根の張替えとカバー工法について知りたい」という方に向けて書かれています。

屋根葺き替え工事とカバー工法は、どちらも屋根全体のリフォームに関わる工事です。

しかし、それぞれの工事のメリットやデメリットをよく理解した上で、リフォームの方針を決める人は多くありません。
そこで本記事では、屋根葺き替え工事とカバー工法のそれぞれの特徴と2つの違いについて、解説していきます。
創業150年の屋根屋が詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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屋根葺き替え工事とカバー工法の違い

屋根の大規模リフォームとしては、「葺き替え工事」と「カバー工法」があります。

屋根葺き替え工事とは、既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材に交換する工事となります。

あわせて屋根下地である野地板を補修し、新しい防水シートを設置します。

 

屋根カバー工法とは、既存の屋根材を撤去することなく、その上に新しい防水シートと新しい屋根材を設置する工事となります。

つまり、屋根葺き替え工事とカバー工法の違いは、既存屋根材の撤去の有無となります。

 

屋根葺き替え工事とカバー工法を検討するタイミング

屋根の寿命は築25〜年程度でやってくるため、寿命が近づくタイミングで屋根葺き替え工事やカバー工法を検討することをオススメします。

屋根の寿命以外にも、雨樋や外壁のメンテナンスもありますので、建物全体のメンテナンスを合わせて検討されると足場費用の節約となります。

屋根の寿命は各種屋根材の耐用年数が大きくかかわります。

主な屋根材の耐用年数を下記表にまとめましたので、ご参考にしてください。

屋根材の種類屋根張替えの目安
50年以上
セメント製・モニエル30年
スレート30年
アスファルトシングル15~30年
ガルバリウム鋼板25~30年
石付金属屋根30年
樹脂繊維セメント30年

 

それぞれの屋根材について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根材の特徴や価格が丸わかり!あなたの最適を選ぶポイント6つ紹介

 

屋根葺き替え工事のメリット

屋根葺き替え工事のメリットを紹介します。

  • 建物の寿命が伸びる
  • 屋根下地材の点検と補修ができる
  • 自然災害に強くなる
  • 雨漏りの心配がなくなる

 

降雨、風、雪、日射などの厳しい自然環境から屋根は建物を守っています。

屋根葺き替え工事を行うことで、屋根下地の野地板を健全な状態とすることができ、最新の屋根材・防水シート・施工方法の屋根となるため、近年の自然災害にも耐えることができます。

そのため、今後25~30年間は屋根の心配がほとんど不要となります。

 

屋根葺き替え工事のデメリット

屋根葺き替え工事のデメリットを紹介します。

  • カバー工法などの他の工事と比較すると費用が高くなる
  • 工事内容が増えるため、工期が長くなる
  • 工事期間中は雨漏りリスクがある

 

カバー工法と比較すると既存屋根材の撤去・処分費がかかるため、工事費用は高くなります。

また、既存屋根材を撤去したときに、急な降雨があると雨漏りリスクとなります。

 

カバー工法のメリット

屋根をカバー工法で補修する場合のメリットを紹介します。

  • 屋根葺き替え工事と比べて工事費用が安くなる
  • 騒音・ホコリ・廃材の発生が少ない
  • 工期が短く、雨漏りリスクが低い

 

屋根のカバー工法を選択するメリットは葺き替え工事と比べて工事費用が安価となることです。

工期が短いこともお客様の負担が軽減されます。

 

カバー工法のデメリット

屋根をカバー工法で補修する場合のデメリットを紹介します。

  • 屋根下地の点検・補修をすることができない
  • 既存の屋根下地に雨漏り・結露などの不具合が発生するリスクがある
  • 屋根葺き替えよりも次回までの期間が短くなる
  • 次回の改修・解体時の撤去・処分費用が2重のため、2倍以上かかり割高となる

 

カバー工法のデメリットは、既存の屋根下地に不安を抱えながら、新しい屋根材を施工することです。

新しい屋根材は既存の屋根下地に留め付けられるので、劣化していると耐風性能が低下してしまうからです。

また、次回までのメンテナンス期間が短く、費用を考えると2つの屋根材を分別解体して余分な手間がかかるので屋根葺き替え工事よりも割高となってしまいます。

 

屋根のカバー工法について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根修理でカバー工法を行うメリットやデメリットは?注意点も解説!

 

瓦屋根なら葺き直しという選択肢もある

瓦屋根のリフォームの場合は、屋根葺き替えとカバー工法以外にも「葺き直し」という補修方法もあります。

屋根葺き直し工事とは、既存の瓦を一旦撤去・仮置きして、屋根下地の野地板や防水シートを交換して、再び、既存の瓦で復旧する工事となります。

既存の瓦の処分費・新しい屋根材の費用が不要となりますが、既存の瓦を仮置きする手間がかかり、屋根葺き替えより大幅に安価になることはありません。

また、最新の屋根材を使用しないので、屋根材の性能は以前のままとなり、トータルで考えると屋根葺き替えの方がオススメです。

 

瓦屋根の立地が悪く、撤去・処分費や新しい屋根材の搬入費が割高となる場合には、葺き直しをご検討ください。

 

屋根葺き替え工事とカバー工法の費用相場

屋根全体の屋根修理を行う場合の費用相場を紹介します。

屋根全体を修理する方法としては、屋根葺き替え工事、葺き直し工事、カバー工法、塗り替えとなります。

葺き直しは瓦のみ、塗り替えは瓦以外の屋根材です。

4つの屋根修理の費用相場をまとめました。

修理内容約100㎡の建物の費用相場
葺き替え
※古い屋根材を撤去して、新しい屋根材を施工
100~240万円
瓦の葺き直し
※瓦を部分的に外しながら、ビス留めする
70~150万円
カバー工法
※金属屋根、アスファルトシングルで重ね葺き
80~150万円
塗り替え
※既存のスレート・金属屋根の再塗装
40~80万円

※上記表には足場費用は含まれていません。

 

屋根修理費用の目安について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根修理費用の目安を知る重要性!工事別の料金を徹底解説

 

屋根葺き替え工事とカバー工法はどっちがいいの?

屋根全体の修理の場合、カバー工法のみを提案する業者が多いです。

しかし、カバー工法のみを提案されても屋根葺き替え工事もあわせて検討されることをオススメします。

とくに、アスベストが含まれている屋根材(スレート)のカバー工法は要検討です。

理由は、石綿(アスベスト)入りの物の取り扱いは年々厳しくなっているからです。

廃棄費用は右肩上がりで高騰しています。(10年前の5倍以上となっています。)

また、次回のメンテナンス時は屋根葺き替え工事か建物の解体工事が必要となります。

カバー工法のビスによって、スレートに穴や破損が多数生じ、粘着層付ルーフィングをはがすときにもスレートがはく離するため、アスベストが飛散しやすい状態となります。

将来は規制され、スレートの撤去費用も高騰するリスクがあるので、カバー工法で先送りせずに、多少、屋根葺き替え工事が割高となっても今回で処分されることをオススメします。

次回のメンテナンス時の費用まで含めると屋根葺き替え工事の方が断然、割安となります。

 

【まとめ】基本はカバー工法よりも屋根葺き替え工事を選ぼう

屋根の大規模リフォームとしては、「葺き替え工事」と「カバー工法」があり、その違いは既存屋根材の撤去の有無です。

屋根のカバー工法を選択するメリットは葺き替え工事と比べて工事費用が安価となることです。

しかし、次回までのメンテナンス期間が短く、その時の費用まで考えると2つの屋根材を分別解体して余分な手間がかかるので屋根葺き替え工事よりも割高となってしまいます。

とくに、アスベストが含まれている屋根材(スレート)のカバー工法はオススメできません。

理由は2つあり、アスベスト入りの屋根材の処分費が年々高騰していることと、カバー工法の下のスレートはアスベストが飛散しやすい状態となるので、将来、規制が厳格化され、スレート屋根の撤去費用も高騰するリスクがあります。

先送りせずに、屋根葺き替え工事して安心できる屋根としておきましょう。

 

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