茅葺き屋根の寿命はどれくらい?メンテナンスの方法や費用も解説

Dr.神谷
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  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 茅葺き屋根の寿命が知りたい
  • 茅葺き屋根のメンテナンスの方法や費用を知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「茅葺き屋根の寿命が知りたい」「茅葺き屋根のメンテナンスの方法や費用を知りたい」という方に向けて書かれています。

茅葺き屋根といえば世界文化遺産の白川郷や、五箇山の合掌造りが有名です。

しかし、一般住宅では使用されることがない屋根であるため、茅葺き屋根の寿命やメンテナンスの方法は知られていません。

そこで本記事では、茅葺き屋根の寿命について解説していきます。茅葺き屋根のメンテナンスの方法や必要な費用も解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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茅葺き屋根とは?

茅葺き屋根とは、草で葺かれた屋根のことを言います。

草の材料としては、すすき、よしなどが使用されています。

狭い意味では、茅(かや/=すすき)で葺かれた屋根のことです。

世界各地でもっとも原始的な屋根とされ、日本では縄文時代にはあったと考えられています。

 

茅葺き屋根の寿命はどれくらい?

耐久性に優れた茅葺き屋根(材=すすき)の寿命は30年以上と言われています。

材料によってもことなり、よしを使用した茅葺き屋根の寿命は40年以上だそうです。

茅葺き屋根は、耐久性が高く、水が建物内部に浸入しにくい構造になっており、熟練した職人によって作られた茅葺き屋根は耐久性に優れています。

 

茅葺き屋根は素材によっては寿命が短くなる

茅葺き屋根の材料としては、すすき、よし以外にも麦(むぎ)や稲(いね)のわらが使用されることもあります。

麦と稲は、腐りやすく耐久性が低いため、寿命が10年程度と短くなります。

戦後、茅場が減少したため、すすきやよしの値段が高騰し、比較的手に入りやすいわらを使用したところ、長持ちせず、茅葺き屋根の衰退につながったようです。

 

寿命が来た茅葺き屋根の葺き替えに必要な費用

茅葺き屋根の葺き替えに必要な費用の相場は、2,000万円程度で大変高価となっています。

通常の屋根の葺き替えが200万円程度なので、10倍もするもっとも高級な屋根と言えます。

2,000万円の中には、茅葺き職人の人件費や民家周辺に組む足場代や材料の運搬費用や廃材の処分代などが含まれています。

施工期間は約1カ月程度であり、遠方から集められた職人さんはその間、泊まることになり、そういう費用もかかる特別な屋根となります。

 

茅葺き屋根の寿命を延ばすためのメンテナンス

茅葺き屋根の寿命を延ばすために必要なメンテナンスとして、全面的に葺き替える「丸葺き」、屋根をいくつかに分割して葺き替える「分割葺き」、痛みが進行している部分を補修する「差葺き」があります。

葺き替え後、15~20年で痛みが進行している表面の修繕(差葺き)を行うことで、葺き替えまでの寿命を延ばすことにつながります。

分割葺きは痛んでいない茅を再利用できますので、メンテナンスがすぐれているとも言えます。

 

茅葺き屋根のメリット

茅葺き屋根のメリットを紹介します。

  • デザイン性が高い
  • 耐久性が高い
  • 通気性が高い
  • 吸音性が高い
  • 断熱性が高い

 

茅葺き屋根は壁が少なく、屋根が多いデザインとなっています。

断熱材がない時代に、囲炉裏で冬は暖かく、夏は日射をさけることで、住みやすい建物といえます。

 

茅葺き屋根のデメリット

茅葺き屋根は、燃えやすいという大きなデメリットがあります。

乾燥した草を使用するため、燃えやすくなっています。

市街地などで新築の茅葺屋根の建物を作ることは、建築基準法で原則禁止されていいます。

不燃材の屋根材を使用することが求められているからです。

また、建築基準法が制定される前に建てられた茅葺き屋根の建物は、違法建築にあたらないので、住むことができます。

 

茅葺き屋根は寿命でなければ雨漏りしない?

茅葺き屋根の雨漏りしない理由は、棒状の材料を束(たば)にすることで、導水効果(どうすいこうか)によって、表層だけ水が流れるようになるからです。

ガラス管の束を少しずつ隙間を空けたモデルによっても、茅葺きと同じ効果が再現できたそうです。

経年で茅の束の形状が崩れ、隙間が埋まっていくと導水効果がなくなり、長雨が続くと下方へ浸透して、雨漏りするようになるそうです。

経年の劣化がなければ、雨漏りはしない構造となっています。

 

茅葺き屋根が現在少ない理由

茅葺き屋根が少ない理由は、建築基準法上で新築の茅葺屋根の建物を作ることが原則禁止されていること以外にもあります。

  • 茅が希少になりコストがかかる
  • 熟練した職人が減少している
  • 人件費がかかる
  • 生活様式があっていない

 

茅葺き屋根が少ない理由は何と言っても費用がかかるからです。

茅葺き屋根の維持費よりも上回るメリットはなかなかありません。

白川郷などの観光地特有のメリットが必要ですね。

 

【まとめ】優れた茅葺き屋根の寿命は長い

茅葺き屋根は茅で葺かれた屋根のことです。

耐久性に優れた茅葺き屋根(材=すすき)の寿命は30年以上と言われています。

茅葺き屋根の葺き替えに必要な費用の相場は、2,000万円程度で大変高価となっています。

建築基準法が制定される前に建てられた茅葺き屋根の建物は、違法建築にあたらないので、住むことができます。

茅葺き屋根の雨漏りしない理由は、棒状の材料を束(たば)にすることで、導水効果(どうすいこうか)によって、表層だけ水が流れるようになるからです。

経年で茅の束の形状が崩れ、隙間が埋まっていくと導水効果がなくなり、長雨が続くと下方へ浸透して、雨漏りしてしまいますが、経年劣化がなければ、雨漏りしない構造です。

 

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