目次
鉄筋コンクリートとは?
鉄筋コンクリートとは、「RC(Reinforced Concrete)」とも表記されることがあり、直訳すると「より強化されたコンクリート」となります。
圧縮力に強いコンクリートの中に引っ張る力に強い鉄筋を埋め込んでコンクリートの弱点を補強したものです。
鉄筋コンクリートの建物は、鉄筋を配置した枠の中にコンクリートを流し込んで作った構造の建物です。
木造の建物に比べ重たいですが、耐久・耐火・耐震・防音性に優れています。
耐用年数は47年と意外と短く、メンテナンスをすることで100年以上の耐久性を維持することが可能です。
また、木造の建物に比べると2倍以上の費用がかかるデメリットもあります。
鉄筋コンクリートと鉄骨造の違い
鉄筋コンクリート造以外に鉄を使った建物として、鉄骨造があります。
鉄骨造とは、柱や梁などを鉄骨で作った物の事です。
鉄骨とは、建物の骨組みに使用される鋼材(鉄の合金)をH形や山形などに加工した部材のことです。(鋼/Steelは鉄/Ironよりも強度が強く丈夫)
鋼材の厚さが6mm以下のものを軽量鉄骨、6㎜を超えるものを重量鉄骨といいます。
柱や梁などの骨組みは鉄骨ですが、その他の部分は違う部材を使用しています。
外壁は外壁パネル材などを使用するため、地震では壁に損傷が発生することがあります。
安全性や快適性は鉄筋コンクリート造の方が高いですが、建設費用はその分鉄骨造よりも大きくなります。
また、鉄筋コンクリート造は重量が重くなるため、超高層マンションなどは建設できず、鉄骨造で造られます。
鉄筋コンクリート建物の防水工事
鉄筋コンクリートの建物は屋上にすべて防水工事が行われています。
その内の約8割以上は保護押さえ工法の防水が採用されています。
保護押さえ工法とは、防水材の上にコンクリート保護層を設置してあるので、防水層は紫外線劣化や外的損傷を受けにくいという特徴があります。
保護押さえ工法の屋上を見ても防水層を確認することはできません。
ただし、保護層があっても全く劣化しない訳ではないので、経年で防水材の寿命が過ぎた場合は、既存防水材や保護コンクリートを撤去せずにその上から新たな防水工事を行うことになります。
鉄筋コンクリート建物の代表的な3つの防水工事の方法
鉄筋コンクリート建物の改修時の防水工事の方法は、主に3つあります。
- ウレタン防水
- アスファルト防水
- シート防水
それぞれについて、次の章から詳しく解説していきます。
【防水工事の種類と費用】①ウレタン防水
ウレタン防水は、ウレタン樹脂という液体の防水材を塗布し乾燥させて防水層を作る防水工事です。
既存防水層の上に付帯設備が設置されている複雑な形状でも、用意に防水層を作ることできるという特徴があります。
屋上の平場を防水する費用は6,000~8,000円/㎡となります。
100㎡ぐらいの屋上の防水工事の総額の目安は100~150万円です。
【防水工事の種類と費用】②アスファルト防水
アスファルト防水は、合成繊維不織布にアスファルトを含浸・コーティングしたシート状のルーフィングを貼り重ねて形成する古くからある工法です。
重なり部が厚く仕上がりがフラットではないため、頻繁には歩行しないところに施工されることが多いという特徴があります。
既存の防水層がアスファルト防水の場合に重ね張りすることもあります。
屋上の平場を防水する費用は6,000~8,000円/㎡となります。
100㎡ぐらいの屋上の防水工事の総額の目安は120~150万円です。
【防水工事の種類と費用】③シート防水
塩ビシート防水とは塩化ビニル樹脂でできたシート状の防水材1枚で防水層を作る工法です。
重なり部の段差が少ないので、歩行する部分に使用できます。
屋上に付帯設備があり、施工場所の形状が複雑な場所への施工は困難です。
屋上の平場を防水する費用は6,000~8,000円/㎡となります。
100㎡くらいの屋上の防水工事の総額の目安は100~150万円です。
外壁塗装や防水工事の費用について詳しくはこちらの記事で解説しています。
外壁塗装や防水工事の費用は?相場を知って適正金額で契約しよう
鉄筋コンクリート建物の雨漏りの多くは防水層に原因がある
鉄筋コンクリートの建物に多い陸屋根は屋根の傾きがなく雨水が溜まりやすいため、雨漏りが発生しやすい特徴を持つ屋根です。
屋上の防水層が劣化しあなが開くと雨漏りに直結することがあります。
保護押さえ工法の屋上からの雨漏りは防水材の劣化が確認できませんが、防水層に原因がある場合が多いです。
シート防水であればシートの剥がれや破れ、ウレタン防水であれば塗膜の割れ、アスファルト防水であれば剥がれや破れが雨漏りの原因となります。
また、屋上からの排水を行う排水ドレンまわりの防水層の劣化も雨漏りの原因の1つです。
費用をかけて防水工事を行っても雨漏りが改善しないことも
鉄筋コンクリートの建物において、防水層の劣化は雨漏りの主な原因のひとつですが、雨漏りの原因の全てではありません。
防水層の劣化以外に考えられる原因を紹介します。
- 屋上塔屋の外壁の劣化
- 屋上塔屋の窓のサッシまわりのコーキング材の劣化
- 屋上勾配不良
- パラペット部の劣化
- 排水溝の詰まり
- 屋上の設備配管の不具合
屋上からの雨漏りの場合、防水工事だけでは不十分の可能性もありますので、雨漏り調査を行って原因を把握してから改修計画を立てましょう。
【まとめ】鉄筋コンクリートのメンテナンスは費用がかかります
鉄筋コンクリートの建物は屋上にすべて防水工事が行われています。
その多くは防水材の上に保護層があるのですが、全く劣化しない訳ではなく経年で防水材の寿命が過ぎた場合は、既存防水材や保護コンクリートを撤去せずにその上から新たな防水工事を行うことになります。
基本的には屋上全面の改修となるため、メンテナンス費用はかかります。
また、屋上表面に防水層がある場合は、10~15年でメンテナンスすることになり頻度も増します。
防水層が劣化すると雨漏りに直結するため、あらかじめメンテナンス計画を立て、その費用を用意しておきましょう。
屋上から雨漏りしている場合は、防水層以外からの雨漏りの可能性もありますので、雨漏り調査してから補修は必須とお考えください。
神清からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。
私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。