目次
屋根の基本構造
住宅などの建物の屋根は「一次防水」と呼ばれる雨水を浸入させない屋根材と「二次防水」と呼ばれる屋根材から雨水が浸入したときに排水する防水シート(ルーフィングとも呼ぶ)からなる2層の仕組みで、雨漏りが起こらないような構造となっています。
屋根の構造としては、下から順に以下となります。
- 垂木(たるき):屋根を受ける骨組み
- 野地板(のじいた):屋根材を受ける下地
- 防水シート:野地板の上に全面に設置される防水材(二次防水)
- 屋根材:防水シートの上に設置される屋根の仕上げ材(一次防水)
実際の屋根の写真で屋根材、防水シートを紹介します。
屋根材の下には、黒い防水シートが全面に設置されています。
台風などの強風雨時に瓦から浸入した雨水は、防水シートの上を流れて、雨樋(あまどい)へ入る構造となっていて、雨漏りを防いでいます。
屋根の基本構造について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りはなぜ起こる?屋根の基本構造からよく起こる場所まで徹底解説
屋根の形状の種類
主な屋根形状の種類を紹介します。
- 切妻屋根
- 寄棟屋根
- 片流れ屋根
- 方形屋根
- 陸屋根
- 入母屋屋根
- 招き屋根
それぞれについて簡単に解説していきます。
①切妻屋根(きりづまやね)
「切妻屋根」は本を開いて立てたようなシンプルな形状で、雨漏りに強いです。
縦方向に葺く屋根材には適した屋根形状となります。
長期的にとらえても、棟(むね/屋根の頂部)が短いため、メンテナンス費用が安くなります。
②寄棟屋根(よせむねやね)
寄棟屋根も昔からある屋根形状で比較雨漏りには強いと言えます。
比較的都市部で多く採用されています。
軒天(のきてん)から換気孔を4面に設置できるので小屋裏(こやうら/屋根裏)での結露リスクは低いです。
屋根の部位としては、けらば部がなくなり、軒部(のきぶ)、棟部(大棟(おおむね)、隅棟(すみむね))となります。
メンテナンスにおいては、切妻に比べて棟が長くなるため屋根でのメンテナンス費用は高額になりますが、妻壁(つまかべ)面積は少なくなるため、その分の外壁塗装費用は少し安価となります。
③片流れ屋根(かたながれやね)
片流れ屋根は最近急増している屋根形状です。
築10年以内の雨漏りは片流れ屋根が75%を占めているという瑕疵保険(かしほけん)データもあり、雨漏りしやすい屋根と言えます。
また、上の図では軒の出がありますが、軒の出のない片流れ屋根はさらに雨漏りリスクが増加します。
屋根の水上側(みずかみがわ/屋根の高い側)では、屋根と壁の取合部(とりあいぶ)に直接風雨が当たりやすいので、しっかりとした雨漏り対策が必要です。(この部分では外壁通気層は開口して排湿したいので相反する)
メンテナンスにおいては、屋根と壁の取合部のシーリングが劣化しやすくなるので、外壁のシーリングを定期的に行う必要があり、メンテナンス費用がかかる屋根と言えます。
④方形屋根(ほうぎょうやね)
方形屋根は真上からみると正方形の屋根です。
屋根の部位としては、けらば部・大棟がなく、隅棟4本が屋根の頂点で交わっている構造で、頂点部分が特殊な仕上げとなります。
寺院などでは昔から採用されていて、屋根の頂点に飾りを設置して格式を持たせています。
メンテナンスにおいては、寄棟と同様ですが、頂点部分の特殊な仕上げで費用がかかるため割高となります。
⑤陸屋根(ろくやね)
陸屋根は屋根が水平なものを言います。
箱型住宅やマンションなどで多く採用されています。
屋根としては、屋根材で仕上げる傾斜屋根と異なり、防水工事で表層を仕上げることになります。
屋上全面が防水層で覆われるため、新築時の雨漏りは少ない屋根と言えます。
しかし、経年では防水層の劣化による雨漏りが多い屋根でもあります。
そのため、定期的(10~15年)なメンテナンスが必須であり、傾斜屋根とくらべるとメンテナンス費用は高額となります。
⑥入母屋屋根(いりもややね)
昔の和風住宅で多く採用された屋根です。
日本瓦・銅板を葺いて、寺院のように屋根を立派なに見せることができ、農村部では現在でもよく見かけます。
切妻や寄棟よりも屋根が複雑になるため、経年では雨漏りしやすいと言えます。
メンテナンスにおいては、屋根が立派で複雑となっている分だけ、メンテナンス費用は高額となります。
⑦招き屋根(まねきやね)
招き屋根とは、切妻屋根の片方の屋根面を長くし、反対側の屋根面を段違いにして短くした形状の屋根です。
屋根面と屋根面の間に壁ができ窓を設置できるため、採光を取りやすいメリットがあります。
しかし、片流れ屋根が2つできるため、雨漏りに関しては片流れ屋根よりも弱い屋根形状と言えます。
最上階は屋根断熱仕様となるので、屋根断熱部分での通気層・吸気・排気ができる構造としないと野地板で結露する不具合が発生します。
メンテナンスにおいては、屋根と壁の取合部のシーリングが劣化すると雨漏りしやすくなるので、外壁のシーリングを定期的に行う必要があり、メンテナンス費用がかかる屋根と言えます。
屋根材の種類
屋根材にはいろいろな種類があり、それぞれ特徴がありますので、自分の考えにあう屋根材を探すことがオススメです。
ここでは、主な7つの種類を紹介します。
- 瓦(粘土製)
- セメント製(モニエル)
- スレート(セメント製)
- アスファルトシングル
- ガルバリウム鋼板
- 石付金属屋根
- 樹脂繊維セメント屋根材(樹脂セメント製)
それぞれについて簡単に解説します。
①瓦(粘土製)
瓦は古くから使用されている屋根材で、重厚感があるデザインが人気です。
もっとも耐久性がある屋根となり、長く使いたい建物や屋根のメンテナンス費用を抑えたい人に適しています。
【メリット】
- 屋根として耐久性が高い(60年以上)
- 30年以上ではライフサイクルコストがもっとも安価(メンテナンス費用が安価)
- 色落ちしない
- 防音性が高い
【デメリット】
- 初期費用が高い
- 他の屋根材に比べて重い
- 重い建物(屋根)に分類するので壁量が増える
- 自然災害で被害を見かける(古い仕様のまま使用されている)
【メンテナンス】
現在の瓦屋根は劣化部分がほとんどなく、メンテナンスとしては点検がメインとなります。
大規模メンテナンスとしては、60~年で葺き替えとなります。(16,000~円/㎡)
一方で、築20年以上の古い瓦屋根は旧工法(瓦の留め付け量が少ない)となっており、現在の留め付け仕様で補修(葺き直し)する必要があります。(12,000~円/㎡)
②セメント製(モニエル)
セメント屋根材(モニエル)は廃盤品となっております。(新築では使用できません。)
現在、セメント屋根材(モニエル)を使用している屋根では、メンテナンスのタイミングで葺き替えをオススメします。
塗装品で退色がはげしいため、メンテナンスとして塗装を提案されることもありますが、塗装メンテナンスはあまりオススメしません。
なぜかと言うと自然災害などで、数枚の破損が発生しても補修するためのモニエルが手に入らないため、結局、葺き替えする羽目になった人も多いからです。
③スレート(セメント製)
スレートは工事費用が安く、もっとも安価な屋根となります。
新築時の初期費用を安価にしたい人に適しています。
【メリット】
- 初期費用が安価
- シンプルなデザイン
- 施工業者が多い
- 軽い建物(屋根)に分類する
【デメリット】
- 色落ちする・コケが目立つ(美観が低下)
- 割れやすい(踏み割れ)
- メンテナンス費がかかる
- 2004年以前はアスベストが入っている
【メンテナンス】
スレートは割れやすい屋根材でもあり、5年に1回くらいは業者点検が推奨となっています。
10~15年くらいで塗装メンテナンスが行われています。
大規模メンテナンスとしては、30年で葺き替え・カバー工法となります。(12,000~円/㎡)
④アスファルトシングル
アスファルトシングルは、柔らかい屋根材なので割れにくいのが特徴です。
スレートと同時に初期費用を安価にしたい人に適しています。
【メリット】
- 初期費用が安価
- 割れにくい・錆びない
- 軽い建物(屋根)に分類する
- 曲面にも設置可能
【デメリット】
- 破れやすい
- 強風で飛ばされやすい
- 表面の砂粒が落ちてくる
- メンテナンスサイクルが短い
【メンテナンス】
柔らかい屋根材なので、接着剤の劣化や施工不良があると強風でやぶれて飛散してしまいますので、浮きなどを発見したら業者に補修を依頼しましょう。
大規模メンテナンスとしては、15~年でカバー工法・葺き替えとなります。(12,000~円/㎡)
⑤ガルバリウム鋼板
縦葺き、横葺き、折板など多数の種類があり、費用はバラツキがあります。
金属屋根材で薄く軽いため、とにかく屋根を軽くしたい人に適しています。
【メリット】
- 割れにくい
- 平部の防水性が高い
- 緩い傾斜でも施工可能
- 軽い建物(屋根)に分類する
【デメリット】
- 初期費用が高い(瓦より高い)
- 錆びる(トタンに比べたら改善している)
- 雨音がひびく
- 強風で飛ばされやすい
【メンテナンス】
10~15年で塗装メンテナンスが必要です。(チョーキングが目安です)
大規模メンテナンスとしては、30年でカバー工法・葺き替えとなります。(12,000~円/㎡)
⑥石付金属屋根
石付金属屋根は瓦のようなデザインをもった軽量な屋根材です。
石粒で退色が目立ちにくいので、省メンテナンスがいい人に適しています。
【メリット】
- 重厚感がある
- 退色が目立ちにくい
- 割れない
- 軽い建物(屋根)に分類する
【デメリット】
- 初期費用が高い(瓦より高い)
- 表面の石粒が落ちてくる
- 凹みやすい
- 輸入品である(保証は当てにならない)
【メンテナンス】
塗装メンテナンスを行う必要はありません。
大規模メンテナンスとしては、30年で葺き替えとなります。(12,000~円/㎡)
⑦樹脂繊維セメント屋根材(樹脂セメント製)
樹脂繊維セメント屋根材は、瓦のようなデザインで軽量な塗装品です。
瓦のようなデザインで、重量が軽い建物(屋根)に分類する屋根材にしたい人に適しています。
【メリット】
- 瓦のようなデザイン
- 割れにくい
- 防音性が高い
- 軽い建物(屋根)に分類する
【デメリット】
- 初期費用が高い(瓦より高い)
- 凍害ではく離・ヒビ割れする
- 退色する
- 瓦よりメンテナンス費がかかる
【メンテナンス】
退色は起きますが、塗装メンテナンスは必要ないようです。(屋根材としての実績が短い)
大規模メンテナンスとしては、30年で葺き替えとなります。(20,000~円/㎡)
屋根材の種類と特徴について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根材の特徴や価格が丸わかり!あなたの最適を選ぶポイント6つ紹介
屋根の勾配(こうばい)の種類
屋根の勾配とは、傾斜(けいしゃ)のある屋根の傾きの大きさを示し、例えば、水平に100㎝で高さが40㎝の傾きですと、4寸勾配(4すんこうばい)、4/10などと表します。
屋根は傾きの大きさによって、緩勾配(かんこうばい)、並勾配(なみこうばい)、急勾配(きゅうこうばい)に分けることができます。
それぞれの屋根勾配の定義と特徴について簡単に解説します。
緩勾配
緩勾配屋根とは、0.5~2.5寸の傾斜屋根のことです。
【メリット】
- 台風や強風の影響を受けにくい
- 屋根面積が少なくて済む(伸び率がほとんどない)
- 落雪被害が少ない
【デメリット】
- 傾斜が緩いため、水はけが悪く雨漏りにつながることがある
- 汚れがたまりやすく、劣化や美観の低下につながりやすい
- 小屋裏に高さが取れない
- 施工できる屋根材が限られる
緩勾配屋根は屋根面積が少なくなるので、屋根工事費用が安価となるメリットがあります。
一方で、水はけが悪くいので雨漏りリスクが高いことと屋根材の劣化リスクが高いデメリットがあります。
また、緩勾配屋根は金属屋根の縦葺きしか施工できないこともデメリットです。
ここで特に注意してほしいのは、0.5~1寸勾配(角度で言うと2.5°~5.4°)のほぼフラットに近い屋根に関してです。
陸屋根・屋上防水(およそ0.1寸勾配)ですと防水層を施工し、くぎ・ビスなどで防水層にあなを開けることは厳禁なのですが、0.5寸では縦葺きを設置するためのくぎ・ビスで防水シートにあなを開けていますので、将来の雨漏りリスクがあります。
並勾配
並勾配屋根とは、3~5.5寸の傾斜屋根のことです。
【メリット】
- 雨漏りがしにくい
- 工事費用や手間が標準的であり、計算がしやすい
- 屋根材の使用制限がない
【デメリット】
- 特になし
並勾配屋根のメリットは屋根材の使用制限がなく、雨漏りのリスクも特別高くありません。
工事費用も標準的であり、メンテナンス性もいいので、割増などはありません。
デメリットはありません。
急勾配
急勾配屋根とは、6~寸の傾斜屋根のことです。
【メリット】
- 雨水と一緒に汚れも流れるため、美観維持に良い
- 積雪時に雪が積もりにくい、または落ちやすい
- 小屋裏が高く取れる(収納スペースにすることができる)
【デメリット】
- 屋根面積が大きくなる(伸び率が大きい)
- 施工時・メンテナンス時に屋根足場が必須となる
- 施工時・メンテナンス時の作業性が悪く、費用が割高となる
- 台風や強風によるダメージを受けやすい
急勾配屋根のメリットは小屋裏空間が大きくなるため、小屋裏を有効利用する場合には検討してもいい屋根となります。(利用しないならやめた方がいいです。)
デメリットは屋根足場がないと屋根に登ることができず、しかし、屋根足場があるため作業効率が極端に悪くなります。
屋根面積が大きくなること、屋根足場が必要となること、施工時・メンテナンス時の費用が割高になることなどコストアップ要因ばかりなので、オススメできません。
屋根の勾配について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根勾配の決め方!急勾配と緩勾配のメリットとデメリットとは?
オススメの屋根の種類
神清・神谷がオススメする新築屋根の種類を紹介します。
- 屋根形状:切妻屋根(軒の出が45~60㎝)
- 屋根材:粘土瓦(F形)
- 屋根勾配:4寸勾配
これらをオススメする理由はコストパフォーマンスがいいからです。
今後、35年以上(60年程度)は維持できる家の屋根として考えた場合、もっともトータルでの費用が安価になると思います。
屋根形状では、将来、太陽光を設置する可能性を考えて、切妻屋根が寄棟屋根よりもいいかなと思います。
ここで重要なのは軒の出があることです。
軒の出が45~60㎝程度あれば、2階窓付近より上に雨掛かりしなくなるので、大幅に建物の雨漏りリスクが軽減するからです。
これは、外壁メンテナンス間隔を長くすることに役立ち、メンテナンスコストを抑えることにつながります。
屋根材では、粘土瓦を採用することで、その後60年間のメンテナンス費用が他の屋根材にくらべて、圧倒的に安価だからです。
粘土瓦を採用することで、建物の強度を上げるための費用が約20万円アップしたとしても、他の屋根材が1回でもメンテナンスを行えば、それに比べて十分安価となります。
屋根勾配では、4寸勾配にすることで、5寸勾配に比べて屋根面積を小さくでき、その分安価となるからです。
次の章からはオススメの屋根材である粘土瓦について詳しく解説していきます。
粘土瓦の種類
粘土瓦の種類としては、焼き上げる前に釉薬(ゆうやく)を使用する「陶器瓦」と釉薬を使わずに瓦の焼き上げの最後にいぶして、色を出す「いぶし瓦」があります。
釉薬とは、お茶碗、お皿やタイルなどで使用されている着色方法と同じで、熱や水、紫外線にも強く、塗料とは違い半永久的に劣化しません。
陶器瓦は釉薬の調合を変更することで、何十色もの種類があります。(裏面は素焼き色:朱色となっています。)
主流としては、銀、グレー、黒、茶、緑、青、赤などで和風から洋風の様々な家のデザインにマッチする色があります。
いぶし瓦は社寺仏閣の屋根に使われている銀色の瓦のことで、多少の色の変化は経年美として捉えられ、和風住宅の屋根に使用されることが多いです。
現在の粘土瓦は強度が向上しており、粘土瓦自体は数十年前の瓦に比べて1枚の重量が軽くなっています。
形状的にも強風に耐えることができる「防災瓦」に進化しています。
ここで注意してほしいのは、重量・耐久性・メンテナンス費用の点では、「軽量防災瓦」と「樹脂繊維セメント屋根材(軽量瓦とうたわれることがある)」は別物で、樹脂繊維セメント屋根材はスレートの仲間とお考えください。
瓦の形状の種類
瓦は形状別に分類することもでき、形状ごとの特徴を紹介します。
- 平板瓦(F形瓦)
- 日本瓦(J形瓦)
- 洋瓦(S形瓦)
①平板瓦(F形瓦)
平板瓦とはほぼ平らな形状の瓦で、昔ながらの日本瓦に比べて安価であり、現在の新築では主流に使用されている瓦です。
昔ながらの日本瓦とは意匠性が大きく異なるので、粘土瓦と認識されていない方も多いようです。
昔の日本瓦よりは屋根としては軽量化が進んでいます。
ほとんどが釉薬瓦となっていて、多くの住宅会社に採用されており、住宅展示場の粘土瓦は平板瓦をよく見かけます。
防災瓦かつ耐震・耐風工法となっていますので、巨大地震・巨大台風などの自然災害にも耐えることができます。
②日本瓦(J形瓦)
日本瓦とは波形状の瓦で、既存住宅ではもっとも多く見かける瓦です。
特徴としては、棟(屋根の頂部)にのし瓦積みと呼ばれる高さのある棟部を施工することとその棟の端部に鬼瓦を設置することです。
また、屋根の軒・けらば部には役物瓦(やくものかわら)と呼ばれるデザインが異なる瓦が用意されており、高級感を演出できるようになっています。
家紋(かもん)を軒瓦1枚ずつに入れることも可能ですし、鬼瓦に金焼き(きんやき/金色の釉薬)の家紋を入れることもできます。
釉薬瓦・いぶし瓦・素焼き瓦のどれでも日本瓦はあります。
令和4年に建築基準法告示の改訂があり、現在はガイドライン工法と呼ばれる耐震・耐風工法が標準となっており、自然災害にも耐える仕様です。
一方で、令和3年以前では日本瓦屋根は旧工法となっている可能性があり、耐震・耐風性能の点検を行う必要があります。
③洋瓦(S形瓦)
洋瓦とは大きな山のある形状の瓦です。
以前は洋風住宅などでよく使用された瓦ですが、現在は大型物件などが多いようです。
釉薬瓦がほとんどで、多くの色種があります。
屋根瓦の種類について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根のリフォームの種類
屋根のリフォームの種類は全面的な工事と部分的な工事があります。
屋根全面をリフォーム工事する場合は主に4つの種類がありますので、工事内容とその費用相場を紹介します。
- 葺き替え:既存の屋根材をめくり、新しい屋根材に交換する工事
- 葺き直し:既存の瓦を順番にめくりながら、その瓦を再度留め付ける工事
- カバー工法:既存の屋根材の上に新しい屋根材をおおう工事
- 塗り替え:表面塗装が劣化して色落ちした屋根材に塗料を塗る工事
修理内容 | 約100㎡の建物の費用相場 |
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葺き替え ※古い屋根材を撤去して、新しい屋根材を施工 | 100~240万円 |
瓦の葺き直し ※瓦を部分的に外しながら、ビス留めする | 70~150万円 |
カバー工法 ※金属屋根、アスファルトシングルで重ね葺き | 80~150万円 |
塗り替え ※既存のスレート・金属屋根の再塗装 | 40~80万円 |
※上記表は足場費用を含みません。
屋根には寿命がありますので、そのタイミングで屋根全面をリフォーム工事することが一般的です。
屋根のリフォームについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根のリフォームについて詳しく知りたい!種類別の費用も徹底解説
屋根の種類が決まったら次は業者選び
屋根のリフォームを行うときに屋根材が決まったら、次はその業者選びとなります。
屋根業者の選び方によって、リフォーム提案内容や費用、仕上がりに差が出てきますので、優良な業者を選ぶことが大切です。
屋根業者を選ぶときのポイントは大きく2つあります。
- 複数業者から見積もりをとること
- 専門業者に依頼すること
複数の業者から見積もりを取ることで、金額以外にも、施工に対する向き合い方や工法の選び方などに違いがあるからです。
とくに、見積書だけでは細部の工事内容まではわからないので、業者とのやり取りから考えの近い業者を選びましょう。
また、大手建設会社は信用ができるものの下請けが多く入ることから、同じ施工であっても料金が高くなる傾向があります。
間に業者の入らない専門業者に依頼することで、より良心的な価格でサービス提供を受けることができます。
優良業者の特徴について詳しくはこちらの記事で解説しています。
どんな屋根修理業者に頼めば良いの?優良業者の5つの特徴を解説!
【まとめ】自分でどんな屋根にするのかを決めよう
屋根の基本的な構造、屋根の形状、屋根材の種類、屋根の勾配を紹介しました。
屋根は建物の耐久性・メンテナンス費用に大きく関係するので、デザインだけではなく、今後の住まい計画に近くなるような屋根のイメージを自分で決めることが重要です。
とにかく軽くしたいのに、瓦を選ぶのはミスマッチです。
とにかくメンテナンス費用を安価にしたいのに、急勾配のアスファルトシングル屋根とするのもミスマッチです。
雨漏りしない建物にしたいのに、軒の出のない0.5寸片流れ屋根の立平葺きを選ぶのは、絶対に避けるべきです。
新築で長寿命な建物の屋根には、軒の出のある瓦屋根を選ぶことでライフサイクルコストが最も安価な屋根となります。
一方で、リフォームの場合は、後何年住むのかによって、屋根リフォームの内容が大きく異なります。
全面的な屋根リフォーム以外にも部分的な屋根リフォームもありますので、ご相談ください。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
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