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瓦屋根の雨漏り修理-症状別費用相場
瓦屋根の雨漏り修理の費用は、雨漏りの規模や範囲・修理が必要な箇所・補修方法によって、費用にバラつきがあります。
「雨漏り修理費用相場は〇〇万円」と明確することはむずかしいので、雨漏りの程度・状態別に目安の金額を記載しておきます。
雨漏りの程度 | 雨漏りの状態例 | 修理費用(足場代別途) |
---|---|---|
小 | 天井のシミが発生・天井からポタポタと雨音がする | 10~25万円 |
中 | 天井から水滴が落ちてきた | 15~50万円 |
大 | 複数個所から雨漏りしている | 40~220万円 |
瓦屋根の雨漏り修理には、主に次の5つの補修方法がありますので紹介します。
- 瓦の部分修理
- 棟の修理
- 漆喰の補修
- 樋・天窓などの付帯部分の修理
- 全面リフォームが必要なケース
各修理方法の費用目安については、次の章から詳しく解説していきますね。
【瓦屋根の雨漏り修理①】部分修理の費用相場
瓦屋根の部分修理にかかる費用目安について紹介します。
雨漏り修理が瓦の部分修理で済む場合、費用は比較的安価となります。
- 瓦の破損・ズレ-費用相場:5~20万円
- 瓦屋根の飛散-費用相場:10~30万円
●瓦の破損・ズレ
「〇〇公民館」の瓦屋根修理。10枚程度の瓦の割れ・ズレを交換した。(費用は約10万円。)
●瓦屋根の飛散
台風により瓦飛散した「M様邸」の瓦屋根修理。飛散した部分に新規瓦を追加した。(費用は約15万円。)
【瓦屋根の雨漏り修理②】棟の修理の費用相場
棟から雨漏りする場合、棟の修理にかかる費用相場について紹介します。
- 経年による沈みこみが原因-費用相場:10~30万円
- 棟メンテナンスのミスなどが原因-費用相場:10~40万円
●経年による沈みこみが原因
日本瓦の棟から雨漏りした「N様邸」の瓦屋根修理。経年により瓦が沈みこんで雨漏りしたので葺き直しした。(費用は約30万円。)
●棟メンテナンスのミスなどが原因
棟の接着剤によるメンテナンス方法が誤っていて雨漏りした「Y様邸」の瓦屋根修理。棟瓦を撤去して新規瓦で復旧した。(費用は約40万円。)
【瓦屋根の雨漏り修理③】漆喰の補修にかかる費用相場
漆喰から雨漏りする場合の補修費用について紹介します。
漆喰とは、瓦屋根の棟に使用されていて、棟の中心に棟瓦を施工するために使用されている葺き土が強風雨で浸食されてないように防水材の役割で、葺き土の表面に塗ってある白いものです。
- 漆喰の剥がれによる葺き土の侵食-費用相場:15~50万円
- 漆喰の重ね塗りによる施工ミス-費用相場:30~50万円
●漆喰の剥がれによる葺き土の侵食
S形瓦の棟から雨漏りした「O様邸」の瓦屋根修理。漆喰がはがれ葺き土が浸食されて隙間が開いて雨水浸入した。漆喰の塗り直しで修理した。(費用は約30万円。)
●漆喰の重ね塗りによる施工ミス
日本瓦の隅棟から雨漏りした「I様邸」の瓦屋根修理。漆喰を重ね塗りする誤ったメンテナンス施工により雨漏りした。棟の部分葺き直しで雨漏り修理した。(費用は約40万円。)
【瓦屋根の雨漏り修理④】雨樋・天窓など付帯部の修理にかかる費用相場
雨樋・天窓など付帯部から雨漏りする場合の補修費用について紹介します。
- 雨樋の詰まり掃除・劣化による交換-費用相場:10~70万円
- 天窓の劣化-費用相場:5~50万円
●雨樋の詰まり掃除・劣化による交換
雨樋(内樋/うちどい)から雨漏りした「G様邸」の屋根修理。樋に落ち葉や土が詰まり雨漏りした。樋掃除をして、樋のつなぎ目をコーキングした雨漏り修理した。(費用は約10万円。)
●天窓の劣化
天窓から雨漏りした「K様邸」の瓦屋根修理。ガラス面のシールの劣化及びエプロンの穴開きから雨漏りした。周辺から瓦を部分撤去して、天窓を交換して雨漏りを修理した。(費用は約50万円。)
【瓦屋根の雨漏り修理⑤】全面リフォームにかかる費用相場
瓦屋根の全面リフォームが必要な場合の補修費用について紹介します。
古い瓦屋根などで雨漏りが全体的に発生している場合は、全面リフォームも行います。
全面リフォームの場合、屋根下地や防水シートは交換します。
古い瓦を再利用する「葺き直し」と新しい瓦で施工する「葺き替え」があります。
- 葺き直し:120~180万円
- 葺き替え:140~240万円
※瓦屋根の全面リフォームは葺き替えが主流ですが、敷地・立地などの条件で既存瓦の廃棄や新規瓦の搬入が困難な場合、葺き直しが行われる場合もあります。
※瓦屋根は、「瓦に孔をあけることが大変なこと」と「形状が立体的なこと」からカバー工法不可となっています。
無理やりカバーしても雨漏りや強風による飛散リスクが高いのでカバー工法はNGとお考えください。
●葺き直し
日本瓦を葺き直した「S様邸」の瓦屋根修理。古い瓦を再利用して葺き直しした。(費用は約120万円。)
●葺き替え
古い日本瓦屋根全体から雨漏りした「N様邸」の瓦屋根修理。100年近く経過した瓦屋根から雨漏りした。新しい防災瓦で葺き替えした。(費用は約200万円。)
瓦屋根の雨漏り修理にかかる期間-工事別の目安
工事別に雨漏り修理にかかる期間について紹介します。
瓦屋根修理の内容 | 必要な期間(足場設置をのぞく) |
---|---|
瓦の部分修理 | 半日~4日 |
棟の修理 | 2日~1週間 |
漆喰の修理 | 1日~4日 |
雨樋・天窓などの付帯部の修理 | 1日~4日 |
全面リフォーム | 5日~2週間 |
修理にかかる期間は、屋根の大きさや状態・修理方法などによって大きく変わってくるため、確認しておきましょう。
瓦屋根の雨漏り修理は補助金・火災保険が活用できる?
瓦屋根の雨漏り修理に補助金や保険は活用できるかどうかについて解説します。
●瓦屋根の補助金
瓦屋根の雨漏り修理で全面リフォームを行う場合、耐震・耐風・省エネリフォームなどの補助金を活用できる可能性があります。
各自治体によって、補助金の有無が異なりますので、各自治体へご確認ください。
●火災保険
瓦屋根の雨漏り修理に関して、火災保険が適用される条件は以下をクリアしていることになります。
- 瓦屋根が自然災害(強風・大雪・雹)で損傷していること
- 損傷した瓦屋根の部分から雨漏りしていること
瓦屋根が損傷していなくて、自然災害(大雨・台風)で雨漏りしても火災保険が適用されない場合が多いのでご注意ください。
また、経年劣化や施工不良、人的な破損などによる屋根の損傷や損傷に伴う雨漏りの場合は、火災保険の適用となりません。
その他、自然災害によって修理が必要になってから3年以内に申請がしないと時効となります。
火災保険は代行申請ではなく、本人による申請が必要となります。(代行申請をうたう業者には、注意してくださいね。)
屋根修理に関する補助金や火災保険について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
屋根修理で使える補助金や助成金は?工事前に内容や条件を確認しよう
屋根修理で火災保険は使えるの?申請方法から注意点まで徹底解説!
瓦屋根の雨漏り修理に関するトラブル防止策
瓦屋根の雨漏り修理に関するトラブルを防止する方法について紹介します。
●訪問販売業者
「瓦がずれている」「漆喰がはがれている」などと言って突然訪問してくる業者が、不安をあおり高額な屋根修理の契約をさせるケースが多く発生しています。
屋根は自分で確認することが難しい場所のため指摘されると不安になりやすいですが、1人で決断してその場で契約することはやめましょう。
必ず家族に相談したり、他の業者に点検してもらったりしてするようにしましょう。
築年数が経過した日本瓦屋根に住む高齢者が狙われるケースが多いようです。
「知り合いに瓦屋・屋根屋がいる」と言って、断りましょう。
●DIY雨漏り修理
屋根屋からすると屋根のDIY(自分で直すこと)はオススメしません。
屋根は傾斜があり、高所作業となりますので、一瞬のミスが命取りになるので絶対にやめておきましょう。
また、安全性以外にも屋根のDIYは、瓦の雨漏りを防ぐ仕組みがわからないまま、瓦の隙間をふさいでしまうので、かえって雨漏りを悪化させることが多いです。
●相見積もりを瓦工事業者へ
業者に依頼する際は、複数社による見積もりと瓦工事業者への見積もりがオススメとなります。
瓦工事は専門性が高いので、塗装業者などに依頼すると雨漏りが直らないことが多いのでご注意ください。
悪徳業者の特徴について詳しくはこちらの記事で解説しています。
修理前に知っておきたい瓦屋根の名称
瓦屋根の名称について知らない方のために、まずは瓦屋根の主要な名称を紹介します。
「棟/むね」・・・屋根の頂部(一番高い部分)のことをいう。
「棟瓦/むねかわら」・・・屋根の棟に使用される瓦。一番上を冠瓦(かんむりかわら)、その下の積み重なっている瓦をのし瓦(のしかわら)という。
「屋根材」・・・屋根面でもっとも多く使用している瓦のこと。桟瓦(さんがわら)とよぶ。
「漆喰/しっくい」・・・屋根の棟で、棟瓦と桟瓦の間の隙間を埋めている白い塗り物のことをいう。漆喰は厚み10mm程度で、その奥の棟の中心に葺き土が入っている。漆喰は葺き土が風雨で浸食されるのを防ぐ防水材の役割をしている。
「雨樋/あまどい」・・・屋根の先端で水平方向についている雨水を受ける樋(とい)のことをいう。雨樋には、地面へ雨水を流す縦樋(たてどい)が設置されている。
雨漏りしたときは瓦工事専門業者に調査を依頼しよう
瓦屋根からの雨漏りは、見た目だけでは雨漏りの被害や雨漏りの原因を把握することが難しいため、雨漏りを疑うときや心配なときは瓦工事専門業者に調査を依頼することをオススメします。
瓦工事専門業者は、目視による調査を無料で行っています。
弊社も同様に無料で目視による調査を実施しています。
また、目視による雨漏りの原因の把握が難しいとき、弊社では以下のような調査を行い、徹底的に雨漏りの原因を追究した上で、雨漏り修理を行っています。
- 散水調査
- 赤外線サーモグラフィ調査
- ドローン撮影調査
雨漏り調査の内容について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
雨漏り調査ってなにをするの?費用は?5つの方法をプロが徹底解説!
【まとめ】雨漏り修理は信頼できる瓦屋根の専門業者へ
瓦屋根からの雨漏り修理方法について5つ紹介しました。
瓦屋根の雨漏り修理では、部分修理or全面リフォームで大きな費用の差が発生します。
部分修理で直る雨漏りならば、部分修理した方がかなり安価となります。
しかし、瓦工事業者以外の雨漏り業者は、瓦屋根からの雨漏りの原因をほとんど特定できません。
そのため、雨漏りが再発して全面葺き替えに誘導されることが多いです。
瓦屋根からの雨漏り修理は、瓦工事業者へ相談・見積依頼することをオススメします。
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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