屋根軽量化のためのリフォーム費用はどれくらい?必要性について解説

Dr.神谷
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  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆!

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 屋根軽量化のためのリフォーム費用について知りたい
  • 屋根軽量化のためのリフォームの必要性について知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「屋根軽量化のためのリフォーム費用について知りたい」「屋根軽量化のためのリフォームの必要性について知りたい」という方に向けて書かれています。

耐震性を高めるために、屋根軽量化を検討している方は、どれくらいリフォーム費用が必要なのか気になりますよね。屋根軽量化リフォームの必要性や注意点も気になると思います。

本記事では、屋根軽量化のためのリフォーム費用を解説していきます。屋根軽量化の屋根材ごとの費用も詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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屋根軽量化のリフォーム費用

屋根軽量化のリフォームは既存屋根材を撤去して、軽い屋根材へ葺き替えることになります。

約100㎡の建物の場合、屋根軽量化に伴う屋根葺き替え工事費用の目安は100~240万円程度です。

既存・新規の屋根材の種類、建物形状、下屋根の有無、屋根形状、屋根勾配、立地等によって、金額は大きく異なります。

また、屋根軽量化のリフォームは建物リフォーム費用の中でも比較的高額になる部類となります。

 

屋根軽量化に伴うメリット

屋根の軽量化によって得られるメリットは、建物の揺れが軽量化した分だけ小さくなります。

また、古い瓦・セメント瓦は瓦の留め付けが旧工法で不十分となっているため、屋根を最新の工法で葺き替えることで瓦等の脱落をふせぐことができます。

屋根に被害が発生すると敷地外へ脱出するときに屋根材が落下してくるリスクやその後の降雨で雨漏りするリスクにつながります。

耐震基準に適合している建物であれば、屋根軽量化は巨大地震での建物の大きな被害を軽減し、その後の生活も安定します。

 

そもそも屋根軽量化は耐震性の向上につながる?

屋根を軽量化することによって建物の揺れの軽減や屋根材の落下をふせぐことはできますが、旧耐震基準の建物(1981年以前)は屋根軽量化では十分な耐震性の向上につながりません。

旧耐震基準の建物は筋交いや耐力壁が不足しており、耐震性向上のためには屋根軽量化ではなく、内壁の補強工事が必須です。

まずは、自治体が行っている無料の耐震診断を受けて、建物の耐震改修を行いましょう。

新耐震基準の建物(1981年以降)で2000年までに建設されたものは現行の耐震基準を満たしていない可能性があります。

こちらも屋根軽量化ではなく耐震診断(有料)を受けられることをオススメします。

建物全体の合計壁量は満たしてしますが、バランスが悪く配置されていたり、地盤や基礎の強度不足、柱を固定する金物が設置されていないなどで強度不足している可能性があります。

屋根軽量化よりも建物の強度不足している部分を補強することを検討しましょう。

2000年以降の建物は基本的には巨大地震でも倒壊する恐れは低いですが、心配の方は屋根軽量化することで建物の揺れを小さくすることも検討してみましょう。

 

屋根軽量化リフォームの屋根材ごとの費用

屋根軽量化リフォームの新旧の屋根材別の費用相場をまとめました。

既存の屋根材施工内容総額費用目安
瓦⇒瓦160~240万円
瓦⇒スレート120~160万円
瓦⇒ガルバリウム鋼板160~200万円
スレート(カラーベスト)スレート⇒ガルバリウム鋼板140~180万円
セメント瓦セメント瓦⇒瓦160~240万円
(モニエル瓦・厚形スレート)セメント瓦⇒スレート120~160万円
 セメント瓦⇒ガルバリウム鋼板160~200万円

※上記表に足場設置費用は含まれません。

※既存屋根の瓦・セメント瓦は古いタイプのもので、重量が現在の防災瓦よりも重いものを想定しています。

※愛知県以西で既存屋根が瓦の場合、土葺き工法と呼ばれる瓦の下に葺き土が入っており、その葺き土を撤去して、現在の防災瓦に葺き替えることで重量は約1/2に軽量化できます。

※トタン・ガルバリウム鋼板屋根などの金属屋根はもっとも軽い屋根材なので、軽量化を検討する必要はありません。

 

屋根軽量化のリフォームには足場設置の費用が必要

屋根軽量化のリフォームには、足場設置の費用が必要となります。

足場設置に必要な費用の相場は、

「足場設置に必要な費用=足場架面積 × ㎡単価」で求めることができます。

足場にはいくつかの種類がありますので、その㎡単価を紹介します。

足場の種類費用目安
クサビ(ピケ)足場1,000~1,200円/㎡
パイプ(単管)足場600~800円/㎡
単管ブラケット足場800~1,000円/㎡
屋根足場800~1,000円/㎡

 

具体的な例を用いて計算の方法を解説します。

小さめな一戸建て住宅の足場架面積180㎡をクサビ(ビケ)足場を設置する場合を計算してみます。

180㎡ × 1,000円/㎡ = 180,000円

建物の大きさによって足場架面積は変わるため、目安とお考えください。

 

屋根修理に足場が必要な理由について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根修理に足場が必要な3つの理由とは?費用相場や注意点も紹介

 

耐震補強につながるリフォームの種類と費用

先ほども説明しましたが、耐震補強につながるリフォーム工事が必要なのかはまず耐震診断を行ってもらうべきです。

必要な耐震補強は建物ごとに異なりかつ安価ではないため、コスパの高いリフォーム工事を選ぶ必要があるからです。

耐震補強につながるリフォームの種類と費用を一覧表でまとめておきます。

工事内容費用相場(目安)
耐震診断20~25万円
基礎の補修・補強20~30万円
内壁の補強150~200万円(1か所5~15万円)
屋根の軽量化200~300万円

 

日本建築防災協会の調査によると、旧耐震基準の建物の耐震補強では200万円未満が55%となっており、100~150万円がもっとも多いそうです。

この調査からわかるように予算内で耐震補強を行うために、優先順位付けが行われており、内壁の補強がもっとも多く行われることになります。

 

屋根軽量化のリフォーム費用は補助金の対象になる?

屋根軽量化のリフォームだけでは補助金がもらえる可能はありません。

多くの自治体では、旧耐震基準の住宅(1981年以前)に対して、耐震診断や耐震改修にかかる費用を一部補助する制度を設けています。

耐震診断において評点1.0未満の住宅を1.0以上に耐震改修する工事という条件が補助の対象となります。

旧耐震基準の住宅を屋根軽量化するだけでは、評点1.0以上にはならないので、屋根軽量化だけは補助金の対象とはならないのです。

また、新耐震基準の住宅(1981年以降)に対しては、耐震診断や耐震改修の補助制度を設けていないため、屋根軽量化リフォームも補助制度はありません。

補助制度の仕組みについては、自治体によって異なりますので、自分の自治体の内容を確認しておきましょう。

 

瓦屋根に必ず屋根軽量化が必要という訳ではない

建物の屋根は、軽ければ軽いほど揺れを小さくするには有利だとされていますが、新耐震基準の建物や旧耐震基準でも耐震補強工事が施されている場合は、瓦屋根を支えるだけの建物の強度は満たしています。

瓦屋根を軽量化しないと建物が必ず崩れることはなく、瓦屋根に必ず屋根軽量化が必要という訳ではありません。

巨大地震が発生すると瓦屋根の重さが注目されますが、巨大地震での被害を免れるためには、耐力壁をバランスよく配置したり、柱が抜けないように耐震補強金物を設置したりすることが重要です。

また、瓦屋根は耐久性が高くメンテナンス費が少ないというメリットもありますので、建物全体で検討する必要があります。

 

屋根軽量化を検討しているなら耐震診断行いましょう

屋根軽量化を検討しているなら、まずは耐震診断を行いましょう。

2000年以降に建てた建物であれば、耐震診断の必要性は低いのですが、屋根軽量化を検討する必要性も低いです。

2000年以前の建物であれば、耐震診断の結果に基づいて、必要な箇所に適切な補強をすることが長く安心して住むことにつながります。

屋根軽量化は耐震性を高めるためではなく、建物全体のメンテナンス計画の中で屋根の大規模修繕が必要となるタイミングで検討しましょう。

大規模改修を行うときには、屋根軽量化、断熱改修、防水性向上、その後のランニングコスト低減などをトータル的に検討して、新しい屋根材を選びましょう。

 

【まとめ】費用対効果を考慮してリフォームの判断を

屋根軽量化のリフォームは既存屋根材を撤去して、軽い屋根材へ葺き替えることになります。

約100㎡の建物の場合、屋根軽量化に伴う屋根葺き替え工事費用の目安は100~240万円程度です。

屋根軽量化のリフォームは建物リフォーム費用の中でも比較的高額になる部類となります。

屋根の軽量化によって、建物の揺れは軽量化した分だけ小さくなりますが、耐震性を確保したことにはなりません。

必要な耐震補強は建物ごとに異なりかつ安価ではないため、コスパの高いリフォーム工事を選ぶようにしましょう。

 

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