目次
屋根瓦の建物におけるルーフィングとは
ルーフィングとは屋根瓦の下に敷く防水シートのことで、雨漏りを防止するという観点から、屋根瓦と同等で重要な役割を担っています。
瓦同士の隙間から浸入した雨水が、くぎなどから伝わって野地板の劣化や室内への雨漏りを生じさせないための防水機能があります。
屋根瓦は昔から使用されており、ルーフィングが発明される前は、杉皮などを使用してルーフィングの代用をしていました。
現在では、屋根瓦に使用されるルーフィングとしては、改質アスファルトルーフィングや透湿ルーフィングなどの耐久性の高い種類が多く用いられています。
ルーフィングについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
ルーフィングの重要性!屋根に必要な理由とは?
一般的には、屋根材だけで雨水の浸入は防ぐことができそうに思われていますが、屋根材だけでは雨漏りしてしまいます。
屋根材同士の隙間が少ない金属屋根なども含めて、どんな屋根材でも住宅においては、ルーフィングなしに施工することはできません。
屋根材だけで雨水浸入をふせぐことはできず、ルーフィングと屋根材のセットで雨漏りをふせいでいます。
専門的には、屋根材を1次防水、ルーフィングを2次防水と呼んでいます。
理由としては、大きく2つあります。
- 強風雨で屋根材の隙間からルーフィング上に浸入する
- 屋根の周辺部からルーフィング上に浸入する
台風などの横殴りの強い雨の場合、屋根材同士の隙間・屋根材と壁材の隙間等から屋根材下に雨が流れてしまい、ルーフィング上に浸入します。
ルーフィング上に流れることを想定して、ルーフィング上を流れた雨水がスムーズに軒先へ移動・雨樋へ排水でき、雨漏りしないようにルーフィングを施工しています。
屋根瓦の建物にオススメの雨漏りを防ぐルーフィング
屋根瓦の建物にオススメの雨漏りを防ぐルーフィングを紹介します。
瓦では、一般的には改質アスファルトルーフィングが仕様書に記載されています。
理由としては2つあります。
- 他の屋根材よりも瓦同士の隙間が大きいので、くぎ孔シール性を重視する。
- 瓦は耐久性が高いので、アスファルト系の中では耐久性が高い改質アスファルトルーフィングの方がメンテナンス期間を延ばせる。
他の屋根材では、より安価なアスファルトルーフィング940を標準に使用されている場合もありますが、瓦屋根では改質アスファルトルーフィングをオススメします。
瓦屋根の大規模改修計画では新築後60年と言われているので、耐久性が30年と言われている改質アスファルトルーフィングの方がオススメです。
また、新築においては、透湿ルーフィングは耐久性が50年と言われていますので、瓦屋根には相性がいいです。
一方で、葺き替えでは、工事中の雨漏りリスクを軽減させる改質アスファルトルーフィングが一般的です。
ルーフィングの張り換え時期と葺き替えのタイミングができるだけ重なるように、ルーフィングの耐用年数を考慮してルーフィングを選ぶべきです。
雨漏り修理でルーフィングの取り換えは必要?
屋根が原因の雨漏り修理では一般的にルーフィングの取り替えが必要です。
屋根材に不具合があったとしても、最終的にはルーフィングを突破されて雨漏りしたことになるので、ルーフィングから補修します。
屋根の状況によっては、既存のルーフィングの上から新規ルーフィングをカバーして補修することもあります。
必ず、ルーフィングを流れる雨水が軒先から排水できるようにカバーする場合でも配慮します。
屋根瓦の雨漏り修理では、部分的な雨漏り修理が可能です。
原因調査を実施せず、全体的なルーフィングの取り替え・屋根の葺き替えなどの不要な工事を勧めてくる業者が多いので、注意しておきましょう。
雨漏り調査について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏り調査ってなにをするの?費用は?5つの方法をプロが徹底解説!
瓦屋根のルーフィングの劣化の状況を知る方法
ルーフィングの劣化は屋根材の外側から見ても、劣化の状況を確認することはできません。
ルーフィングは屋根材の下側に施工されているため、ルーフィングの劣化を点検で発見することは少ないです。
多くの場合は、雨漏りなどの不具合が発生して、屋根材をめくって、はじめてルーフィングの劣化に気がつくことになります。
瓦屋根の場合は、部分的に瓦をめくることが可能ですので、瓦をめくってルーフィングの劣化状況を点検することも瓦施工工事店であれば可能ですので、瓦工事店に依頼すること1つの手だと言えます。
屋根瓦におけるルーフィングのメンテナンス時期
一般的なアスファルトルーフィング940であれば、耐用年数は約15年程度です。
部分補修ができないスレート、金属屋根、シングルなどでは15年を過ぎた屋根のメンテナンスでは、塗装ではなく、屋根の葺き替え、屋根のカバー工法などルーフィングを新しく設置するメンテナンスを検討しましょう。
屋根塗装を10年毎にしっかり行い、屋根材がきれいな状態でもルーフィングの寿命があるので、30年程度が限界です。
屋根瓦であれば、部分的にめくって補修できるので、全体的なルーフィングの大規模改修は60年程度とお考えください。
そのため、なるべくルーフィングは耐久性が高いものをオススメしたく、改質アスファルトルーフィング、透湿ルーフィングなどとなります。
屋根瓦に損傷がなくても、ルーフィングが劣化して雨漏りした場合、雨漏り箇所の屋根瓦を部分的に撤去し、ルーフィングのメンテナンス(張り替え・重ね張り)を行って復旧してください。
ルーフィングの劣化で屋根瓦の建物から雨漏りした事例
ルーフィングの劣化で屋根瓦の建物から雨漏りした事例を紹介します。
瓦屋根から雨漏りしたので、小屋裏へ入って雨漏り箇所の野地板を確認しました。
野地板や垂木に雨染みが発生していました。
瓦をめくってみるとルーフィング上には雨水が浸入した痕が見られました。
ルーフィングは少しボコボコしており、水がきれいに流れない状態でした。
また、瓦桟木の部分で雨が溜まっている状態も染み痕からわかりました。
雨漏りを防ぐ!ルーフィングの施工の様子
雨漏りした事例の雨漏り修理の様子を紹介します。
他の部分でも瓦の隙間から雨水が浸入して、ルーフィング上に雨染みがハッキリとついていました。
瓦と瓦桟木を撤去した状態です。
雨漏りの酷いところは野地板も劣化しているので、その部分は交換します。
野地板を確認したら、新規のルーフィングを設置します。
耐久性を考えて、改質アスファルトルーフィングを既存ルーフィング上にカバーします。
瓦桟木で排水がせき止められないように白い縦桟を入れて、排水スペースを確保します。
瓦桟木を設置し、瓦を復旧して雨漏り修理完了です。
瓦屋根は部分修理可能ですので、不具合のある部分のみの補修が可能です。
瓦を復旧するとルーフィングの補修の有無は全くわからなくなります。
屋根材を再利用することでコストを抑えることができます。
屋根瓦の建物におけるルーフィング施工業者の選び方
ルーフィングの施工は屋根施工業者となります。
優良な屋根の雨漏り修理業者の探し方について紹介します。
- 業界の雑誌
- インターネットのサイト
- 知人・SNSの紹介
①業界の雑誌
建築雑誌や屋根雑誌などの業界誌で紹介されている業者を選びましょう。
雨漏りの専門家は少なく、業界誌で紹介されている業者は全国で見てもわずかと言えます。
雑誌の記者が選んで紹介しているので、その目は確かです。
②インターネットのサイト
インターネットで検索することで、地元の業者を探すことができます。
「地名 雨漏り」などで検索するといろいろな会社が出てきます。
上位の方は、web会社の集客サイトや全国規模の塗装業者が多くできますので、サイトの会社概要を確認して、地元の屋根業者のホームページを探して選びましょう。
③知人・SNSの紹介
知人の紹介は昔から安定した手法です。
知人の家の雨漏りをしっかり直した屋根業者なら間違いは少ないです。
ただし、雨漏りなどのマイナスな話をあまりしないので、なかなか紹介話まで行かないことが多いです。
youtubeやインスタ、facebookなども身近な人を検索できる可能性があります。
しかし、必ずSNSだけでなく、その会社のホームページも確認することをオススメします。
優良な雨漏り業者の選び方について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【まとめ】雨漏り防止のためにルーフィングは重要です
屋根からの雨漏りを防止するためには、ルーフィングは大変重要です。
屋根材だけで雨水浸入をふせぐことはできず、ルーフィングと屋根材のセットで雨漏りをふせいでいます。
雨漏りを屋根材のシーリングだけで止めることはできないので、雨漏り修理をちゃんとできる屋根業者に依頼しましょう。
瓦屋根の雨漏りは部分補修が可能ですので、ルーフィングの全面的な張り替えが必要かどうかはよく検討することをオススメします。
屋根・雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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